〖音楽を辞めた少年は、少女達と共に夢を視る〗   作:Y×2

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いつもちょっとシリアスな感じなので、今回はほのぼのした感じにしています。

ここから何話かはほのぼのして、その後にハロハピ、Roseliaの話へと移行しようと思っています。

微エロ注意でお願い致します。

感想&評価お待ちしております( ´△`)


第十六話 〖いや、何で?〗

 Pastel❁Palettesのライブ乱入事件から早三日。

 

 SNS上では、多少炎上していたものの乱入者を支持する声が圧倒的に多かった。

 理由としては、やはりギターの技術が真っ先に上げられた。

 

 名も無き乱入者にネットが盛り上がっている中、幸い朧と分かる痕跡の様なものは残っていなかったらしく、何の音沙汰も無しにライブは終了した。

 

 朧が韋駄天で逃げ帰ったのは、ほんの一部の人間しか知らない。

 

 

 

 

 「…めちゃくちゃ危ない橋とは分かっていたけど、取り敢えず認めて貰えた?なら良かったぜ……。…で、君はなんでこんな所に居るのかな?」

 

 朧の背中に抱きつきながら一緒に携帯を眺める人物は、朧の次に話題になっている人物だった。

 

 「だって先生を超えるなら、先生の技術を盗まないと無理でしょ〜?」

 

 「その言い分は分かったから、取り敢えず離れてくれないかな〜…?」

 

 さっきから柔らかいものがずっと背中に押し付けられてんだよ…!!

 こう見えても俺はまだ21歳だぞコラ…!!

 

 

 「え〜…?だってこうしてるとるんっとした気分になれるから離れるの嫌〜!」

 

 「るんってなんだよ!俺はおふってなるから止めなさい!」

 

 まるで猫を持つように日菜の服の襟を持ち、半ば無理矢理引き剥がす。

 

 「ちぇ〜。」

 

 むすっとした表情で朧の向かいの小さな椅子に座る日菜。

 

 何故こうなっているのかは全く分からない。ライブの次の日に俺の家に来て、玄関先で思いっきり抱き着かれた記憶はあるが、正直思い返したくない。

 …だって破廉恥だろ!!

 

 「…で、なんでライブ終わった次の日から毎日俺の家に来るんだ!女の子が一人で男の人の家に出入りしちゃダメでしょ!」

 

 「なんで〜?」

 

 「いや、なんで〜って言われてもだな…。そもそも、氷川は俺の事嫌いだったんだろ?」

 

 「うん。でも、あの演奏を聞いてからそんなのどっか行っちゃった。今は、先生と会うと胸の奥が凄くきゅっとするもん。」

 

 まだ憎悪の欠片でも残ってんじゃねぇか…?などと思いつつ、今日も適当に日菜の前でギターを弾く。

 こうしないと帰らないので渋々だが、日菜は真剣に聞くのでこちらもそれを無下にすることは出来なかった。

 

 「…毎日聞いて飽きないのか?」

 

 「うん…!先生の音、色んな色がぱーっとしてキラキラして、ガクってなったらギューンてなるところが凄く好きなの!」

 

 相変わらず抽象的な事しか言わないからあんまり理解出来ないが、間違った事は言ってない。

 きっと俺が奏でる音の元をそう表現しているんだろう。俺もそういう感じで弾いてる時もあるからな。

 

 …少し試して見るか。

 

 朧は演奏中に、凡人では分からないようなちょっとしたミスを組み込んでみた。

 

 すると

 

 

 「あ、先生いまミスしたでしょ!」

 

 と、すぐに反応しミスを指摘した。

 

 こういう所は天才的なセンスが感じ取っているな…。

 

 「先生もミスする時あるんだね〜?」

 

 と、嫌味たらしく朧を見ながらニヤニヤしている日菜を見て、朧は冷静に言葉を返す。

 

 「俺がわざとミスした、って見抜ければ百点だったんだけどな。」

 

 「え〜言い訳〜…?」

 

 「あの演奏を聴いて、俺がこんな簡単な音をミスするとでも?」

 

 「…ちぇ。それ言うのは卑怯だよ!!」

 

 再び仏頂面になる日菜を見て、思わず吹き出してしまう朧。

 こういう子供っぽい所は可愛いと思える。

 

 「で、今日も聞いていくだけなのか?実際に弾けばいいだろ?」

 

 「ヤダ。それだと先生に負けてる感じするもん。私は覚えて、家で弾く!」

 

 いや既に負k……いや、何でもない。そんな事を言ったら何されるか分かんないからな。

 

 「既に負けてるのに…とか思ったでしょ。」

 

 ピョン、とギターから変な音が出る。

 …なに?女の子ってエスパーなの?人の心そんなに読んで楽しいの?

 

 「…思ってねぇ「絶対思った!!」

 

 俺の言い分も聞かず間髪入れずに攻めてきやがった。

 

 「…い、今は俺の方が上だからな!俺から教えられると言うことは、"今は"負けって事だ!」

 

 朧は大人気なく開き直ると、しょうもない言い分を述べる。

 

 それを聞いた日菜は、うぎぎ…と歯を食いしばり

 

 

 「もー!先生なんて知らない!!」

 

 と言い捨てて部屋を出て行ってしまった。

 

 ……本当に嵐みたいなヤツだなあいつは…。…ん?これは氷川の…。

 

 日菜が付けていたヘアピンが落ちていた事に気付くと、それを拾い慌てて日菜の後を追おうと小走りで扉に手を掛ける。

 

 その瞬間

 

 

 「ヘアピン忘れた!!」

 

 朧より一足先に扉を開けた日菜。そして朧の手は虚しく空を切り、そして、日菜の程よく膨らんだ胸元へと吸い込まれていく。

 

 「……………。」

 

 「…………。」

 

 「…あ、案外やわらk…」

 

 何かを言いかけた時には、既に日菜の平手打ちが朧の頬を捉えていた。

 あぁ……人って本気でぶたれると視界が真っ白になるって本当なんだな…などと思いつつ、朧はモヤモヤした意識の中バタリと倒れる。

 

 「〜〜〜……っ!//」

 

 日菜は朧の手に握られていたヘアピンをぶんどると、勢いよく扉を閉めて帰っていった。

 

 

 その後、ボーカルトレーニングを受けに来た蘭が倒れている朧を見つけて急いでメンバーに連絡した後に、何処からの(つて)で「先生は私の胸を揉んだ!」と様々な人に伝播し、そこから一週間蘭は口を聞いてくれず、他のメンバーからは変態教師のレッテルを貼られた事は一生忘れないだろう。勿論誤解とは伝えたが…

 

 

 

 

 あぁ、女の子って怖いなぁ……。




なんか日菜がすっごく可愛い感じになったけど、実際可愛いから問題無いですよね!!

次もネタを沢山入れたほのぼの系を書きたいなぁ…。

新作のバンドリ小説を書くなら、どの様なものが良いですか?

  • シリアス系
  • ほのぼの日常系
  • 恋愛系( 全員√ を書きます )
  • ハーレム系
  • 努力&覚醒系

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