今回からRoselia編となりますが、Roselia編はかなり長くなる予定です。
理由としましては、タイトルにある通り、朧とRoseliaには「因縁」があるからです。
その因縁とは…。
第二十五話 始まります。
私はお父さんの事を、心から尊敬していた。今もこの気持ちは変わらない。
……お父さんから音楽を奪ったFUTURE WORLD FES。
私はそれに出場して、自分の音楽…いえ、お父さんの音楽が正しかったことを認めさせる為に今まで練習してきた。
そして、Roseliaというバンドを作った。ただ頂点をひたすらに目指す為に、一切の妥協を許さなかったわ。
でも、いつしかそれが負担になって…Roseliaは解散しかけた。
自分の事しか見ていなくて、周りの気持ちなんて考えていなかった。
そう……悪い言い方をすると、「利用していた」。
私達なら頂点を目指せる、なんて言いつつも自分が不安にならないための言葉だった。
…そんな私にずっとついてきてくれているメンバーには、本当に感謝しているわ。
今のRoseliaなら、頂点を目指せると確信がある。
私達の音なら……────。
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「はっはっは。友希那は歌が上手いなぁ!歌うことが好きか?」
「うん、大好き。私もお父さんみたいになりたいの!」
「そうか…!なら、お父さんも頑張らないとな!」
…私の古い記憶。幼い時からお父さんの音楽を見てきた私は、自分もお父さんみたいになりたいと音楽を学んできた。
そしてメジャーに行くと聞いた時は、似つかわしくない位に喜んだ。
「お父さんの音楽を、必ず届けてみせるからな!」
お父さんの音楽がみとめられたんだ!本当に凄い…カッコいい!!
…けれど、その喜びは打ち砕かれた。
FUTURE WORLD FESによって。
お父さんのバンドは、それに出る為に色々なアレンジや音を組み込まされて、音楽の方向を見失って解散した。
許せなかった。勝手な事をした人達にもだけど、どんどん奪われていくお父さんの音楽を、ただ歯噛みして聞くことしか出来なかった自分に。
そして、解散に追い込んだ" もう一つの理由 "にも。
お父さんが音楽を辞めてから、一度だけ質問をしたことがある。
それは、「なぜバンドを辞めたか」。
一つ目の理由は強制的な音楽による方向性の消失。
そしてもう一つの理由は……
「友希那。天才って言うのは沢山居るんだ。バンドでもそう、歌が上手い奴なんて沢山いる。けど、出会ってしまったんだ。私が一生努力しても届かない、" 本当の頂点 "に。…私は後悔していない、と言ったら嘘になるが、今は良かったと思っている。あの子と同じ土俵に立つ勇気なんて…私には無い。」
それを語るお父さんの顔は、言葉とは裏腹にとても悔しそうに見えた。
……その子がたった8歳と聞いた時の衝撃は、今でも覚えている。
とあるステージで演奏を終えて、楽屋に戻ろうとした時に、その子を見つけたらしい。
その子は舞台袖にいて、お父さん達の演奏を聞いていたみたいだった。
舞台から降りようとすれ違った刹那、その子が不意に口を開いてこう言ったという。
「おにーさん達の音、つまらなかったよ。いや、可哀想だった。」
そう言って帰って行った…と。
「……私も気付いていたよ。自分達の音楽がつまらなくなっている事には。でもね、可哀想なんて表現までされるとは思ってなかった。それも8歳の男の子にね。言い返せなかったなぁ…。なんせ、何も間違っちゃいなかった。その子はあの歳にして私に無いものを全て持っていたからね……。友希那、もしその子と出会う時があれば、突っかかったりしてはダメだよ。寧ろ交友関係を築いて欲しいぐらいだ。確か名前は………」
…篠崎 朧。私は貴方を超える。
たった8歳にしてお父さんの音楽を否定し、解散させる原因にもなったあなたを…私は許さない。
お父さんはあぁ言ったけど、交友関係なんて築く気なんて全くない。
私はRoseliaと共に頂点を取る。そして…私達の音楽を認めさせる!!
ここまで読んで下さりありがとうございます!
冒頭で言った通り、Roseliaはかなり長くなります。
飽きないように試行錯誤していくつもりですので、何卒よろしくお願いします!
ではまた次でお会いしましょう。
新作のバンドリ小説を書くなら、どの様なものが良いですか?
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