今回も前と同じ朧の過去についてのお話です。
感想、評価お待ちしてます( ・∇・)
「 朧、ご飯出来たわよ。」
カーテンの隙間から陽射しが差し込み、小鳥たちが朝を伝える囀りを奏でる頃、母さんが俺を起こしに来る。
…音楽を辞めて早1年。
あれから母さんの泣く姿は見ていない。
音楽は辞めたものの、勉強は継続していた。
流石に何もしないってのもダメな気がしたからだ。
朝食はいつもパンにバターを塗り、その上に卵焼きを乗せたものと
、サラダのみ。
少なく思えるが、朝はこれを食べなければ俺は力が出なかった。
「 …ねぇ朧、あれから楽器とか…」
「 触ってないよ母さん。」
食い気味でそう答える。
母さんが泣く努力なんて必要ない。必要なのは、母さんが笑ってくれる…そんな努力だけでいい。
「 朧、今度の日曜日…出掛けない? 」
唐突に持ちかけられた誘いに、朧は少し目を丸くする。
なんせ、一緒に出掛ける事など殆どなく凡そ1年振りぐらいだったからだ。
「 それはいいけど…どこに行くの? 」
「 …こんなものが届いたの。" 父さん "から。」
母さんが取り出したのは、一枚の手紙と2枚のチケットが入った封筒だった。
俺は無意識に眉間に皺を寄せる。
もう3年も音信不通だった男からの手紙とチケット。
こんなもの、本当なら見たくも受け取りたくもない…。
「 …なに、それ。」
「 母さんはよく知らないけど…FUTURE WORLD FES って知ってる? 」
その名前を聞いた時、俺は母さんからの誘いよりも驚愕した。
FWF…。世界中から有名なバンドが集まる、世界最高峰のフェスだ。
そのチケットの倍率は、宝〇歌劇団に入る比にはならない。
俺は手紙を横目にそのチケットを手に取れば、思わず冷や汗を滲ませた。
「 FWFの…特別招待券…!? こんなの、普通の人じゃ取れないヤツだよ……!」
そう。そのチケットは、他の席とは違い、誰にも邪魔されず間近で座って見られるというSS級の代物だ。
勿論普通のルートでは手に入らず、FWFの関係者、もしくはそれに該当する様な権力者のみが手に入れる事が出来る。
「 …母さん。父さんは一体何者なの。」
「 私もよく分からないわ…。出ていった日からもう5年も経つもの…。今どこで何をしてるかなんて、把握してないわ。」
…父さん。アンタは何がしたい…。今何をしている…。
聞きたいことは山程あるが、それはフェスに行かなければ聞けない…。
俺は音楽を辞めた。本当なら行くつもりはなかったが、俺は確かめなければならないと思った。
…ここに行けば聞けるかも知れない。真実を…。
「 そうだ…手紙にはなんて書いてあったの? 」
俺はふと思い出したかの様に母さんに手紙の内容尋ねた。
「 …久しぶりだね。このチケットを送るから、楽しんでくれると嬉しい……それだけよ。」
あの時の謝罪も無しかよ…つくづく腹が立つ男だ…。
そして決断した。これが誘いだろうがなんだろうが、行けば会えるという確信が心のどこかにあったからだ。
会ったら全部聞いてやる。今までの事全てを……。
「 …母さん、行こう…FWFに。」
母さんは、静かに頷いた。
どうも、Y×2です。
更新が大幅に遅れてすいませんでした…!
今色々忙しい時期という言い訳をしておきます…。( 汗 )
次の更新はいつになるか分かりませんが、なるべく早く投稿したいと思います!
あと、なろうの方でも創作小説を書こうと企画を練っている途中と言うことをお伝えしておきます!
それでは次の話で会いましょう!
新作のバンドリ小説を書くなら、どの様なものが良いですか?
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