〖音楽を辞めた少年は、少女達と共に夢を視る〗   作:Y×2

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第二十六話 『行ってこい』

俺は相変わらずレッスンを行っていて、今面倒を見ているのは5人程度。

 

美竹蘭、戸山香澄、氷川 日菜、花園たえ、市ヶ谷有咲だ。

 

皆んな週に一度レッスンを受けに来てくれる。そこで様々な情報を得る事に決めた朧は、取り敢えず全員に今の現状を聞くことにした。

 

「…Afterglowが今どうかですか?特に変わった事は無いですけど。強いて言えば私と朧先生との関係を毎回毎回聞かれて疲れるぐらいですかね…」

 

「…面目ない」

 

何で先生が謝るんですかと、蘭は苦笑を浮かべた。

 

「なぁ、湊 友希那って知ってるか?」

 

何となく蘭へ問い掛ける。

 

「知ってるどころか私の学校の先輩ですよ」

 

マジか!?世界は狭いなぁ、と驚きの表情を浮かべた。なんで湊先輩の事を?と不思議そうに首を傾げる蘭にステージを見に行ったと経緯を伝えた。

 

「そうなんですか。…で、どうでした?」

 

「そうだな、一言で言えばセンスの塊だ。間違いなくガールズバンドを牽引する存在になるだろうよ」

 

そう蘭に告げると、不貞腐れたような表情を浮かべた。何故だ…。

 

「でも、あのままじゃ成長は見込めないな」

 

「え…何でですか?」

 

そこが分からない様じゃまだまだだなぁと少し小馬鹿にしたような笑みを浮かべると蘭に脛を蹴られた。普通に痛い。

 

「な、なぁ、蘭。Roseliaが何を目指して頑張ってるとか知ってるか?」

 

「RoseliaはFuture World fes.を目標にして頑張ってますよ。しかもかなり執着してるみたいで…理由は知らないんですけど」

 

「マジか!」

 

それは嬉しい情報だ。俺もFuture World fesを目指す身、しかし俺はバンドを組んで居ない。理由は色々あるが、もしRoseliaがそれを目標にしているなら俺が指導を行い要所要所を詰め直ぐに成長を見込める。

問題は本人達が指導を受けるか、だが、多分一筋縄ではいかないだろう。でもチャンスをみすみす見逃したりは出来ない。

 

朧がうんうん唸っていると、蘭は片眉を下げて覗き込む。

 

「あの、何を悩んでるんですか?」

 

「いやぁ、俺の目標もFuture World fes.だからよ。Roseliaなら多分出られる。もし良ければそこに俺の指導を加えてその舞台に連れて行きたいって思ってさ」

 

「…幾ら先生でも少し傲慢じゃないですか?まるで俺の力で連れて行くみたいな。あくまで頑張るのはRoseliaなんですよ?」

 

なんかムキになってるな…。でも確かにそうだ。いきなり第三者が介入して教えれば、日菜の時や有咲の時みたいになりかねない。

であれば、やる事は一つ。

向こうが指導をお願いしたくなる様な何かをアピールする…か。俺には音で伝える事しか出来ない。でもガールズバンドじゃ俺はステージに出られないし…

 

次から次へと問題が見つかって頭がごちゃごちゃする。そんな時、蘭がこんな提案を朧へ告げた。

 

「先生、今度CiRCLEで行われるステージに出ないかって誘われたんですけど、そこにRoseliaも来るそうですよ。良かったら来ます?」

 

「お、おう。見に行ってもいいなら見に行くぜ?」

 

ぱぁっと笑顔を浮かべて嬉しそうにする蘭。なんだよ可愛いかよ。

 

「あと、Poppin’PartyとかPastel❁Palettesとか…ハロー、ハッピーワールドも出る予定ですね」

 

わぉ、現役JKガールズバンド揃い踏みか。しかもRoselia以外全員教えて…ん?Roselia以外に教えてる…それなら。

朧は何かを思い付くと、蘭にそれを伝える。蘭はかなり驚いていたが、大きく頷き快諾した。

 

「楽しみです、先生」

 

蘭はそう呟き微笑を浮かべる。朧も同じ様に笑みを浮かべては、そのLIVEを心待ちにしていた。

 

 

 

 

 

 

 

そしてステージ当日。控え室にはそれぞれのグループが集まり準備をしていた。

勿論、そこにはRoseliaの姿も見える。

しかしRoseliaのメンバー達は他のバンドの様子に違和感を抱いていた。

 

全員一皮向けたような顔をしており、いつもなら騒がしい面々も今日は割と静かに過ごしているのだ。それは違和感を抱いても仕方ない。

 

Roseliaのベース、今井リサは湊 友希那に小さく耳打ちする。

 

「ねぇ友希那、今日何だか変じゃない?緊張感あるって言うか…」

 

「…常にこれぐらいの緊張感があって欲しいけれど、確かにそうね」

 

いつもは突っかかってくる美竹 蘭は今日は姿が見えない。他にも氷川の妹、日菜、Poppin’Partyに至っては全員どこかへ行ってしまっている。

LIVEまであと30分。荷物はあるので遅れていると言う訳では無さそうだが、Roseliaよりも早く到着し準備を整えることなど滅多に無かったメンバー達。

 

「周りがどうであろうと関係ありません。私達は私達のするべき事をする迄です」

 

いつも通りドライな発言をしながら準備をする氷川 紗夜。それに肯定し首を縦に振る友希那。

 

「紗夜の言う通りよ。リサもちゃんと準備をしておきなさい。まだまだ反省すべきところが沢山あるんだから」

 

「あはは…はーい」

 

頬を掻き苦笑するリサは、飲み物を買うと言う名目で控え室から出ると居ないメンバーを探しに行く。

すると、何処からか演奏する音や歌声が聞こえてきた。そこに引き寄せられる様に歩みを進めていくと、その音が鳴る部屋へと辿り着いた。

 

「市ヶ谷、少し音色が硬いぞ!戸山も歌ばっかに集中するな!楽しむ事は大事だけど演奏を乱しちゃ意味ない!日菜、そのままギターを弾いててくれ。勿論ミス無くな?蘭、日菜のギターに合わせて今日歌う曲を歌え。大丈夫、全部聞こえてる」

 

それは驚愕の光景だった。一人の見知らぬ男が指導しているのもそうだが、とてつもない熱気と緊張感。これが本当に30分前の練習だと言うのかと今井リサは視線を奪われていた。

 

「…よし、ここまでにしとこう。後15分はちゃんとクールダウンしとくんだぞ」

 

はい!と全員が返事をし急いで控え室に帰る準備を始めた。

 

「遅かったわね、リサ」

 

リサは戻ると、この事を言うべきか言わないべきか迷った。

だが、今この事を伝えると演奏に影響が出るかも知れない。

…今は止めておこうと一人心に留めて置くリサであった。

 

「ごめんごめん、トイレに行っててさ〜…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本番直前、最初にステージに出るAfterglowは袖で待機をする。そこに朧も合流し全員へ激励を送る。

 

「いいか、このステージは必ず成功する。しかも今までで一番いいものになるだろうな。…二週間、学校も忙しいのによく頑張ってくれたな、蘭。お前は確実に上手くなった。自信を持ってステージに上がれ!」

 

蘭は笑顔で頷くと舞台へと五人がステージに上がる。

 

 

「…こんにちは、皆さん。Afterglowです。まずは聞いて下さい、Scarlet Sky 」

 

 

 

 

CIRCLE史上最高のステージが、今始まる。

新作のバンドリ小説を書くなら、どの様なものが良いですか?

  • シリアス系
  • ほのぼの日常系
  • 恋愛系( 全員√ を書きます )
  • ハーレム系
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