死ぬほど励みになっているので、これからも是非ご贔屓によろしくお願いします。
評価、感想などお待ちしております。
「さて蘭。更に上のランクに目指すにあたって、一番大切なものは何だと思う?」
篠崎 朧は唐突にそんな事を蘭に訊ねた。
「そうですね…。努力…ですか?」
美竹 蘭は少し考えた後、自信なさげに答える。
「無難なところ言ったな〜。まぁ間違っちゃいないが、努力する為には何が必要だ?」
「モチベーション…とか?」
「間違ってはないな。正解はハングリー精神だよ。」
「ハングリー精神…?」
「そう、これは全てに通ずる事だ。上手くなろうと思う事は誰でも出来る。けど、それを実行し更に高みを目指し、何事にも満足しないという気持ちだ。」
朧は確かに音楽の才能を持っていた。
しかし、才能をもつ者など世界中何処にでもいる。
その中でも頭一つ抜けている人は、努力の中に秘めたハングリー精神が他の才ある者達とは違うのだ。
言うなれば、朧はハングリーの塊であり、ハングリーの天才なのだ。
だから幼くして数々の楽器をマスターし、全て妥協すること無くそれを成し遂げる事が出来た。
「さっき褒めた時、俺は喜べと言ったな。確かに褒められたら喜ぶべきだ。けど、喜んでもいいが満足していいという訳じゃない。」
蘭は静かにその話を真剣な表情で聞いている。
「俺は何かを成し遂げた時、その時だけ満足していた。でも満足するのは一瞬で、またすぐに他の事に手を出した。なんつーか…麻薬なんだよ、満足は。俺は満足を得るためにひたすら頑張った。で、今に至る訳よ。」
成程。この人は自分が想像していた100倍努力しているんだと、蘭は自分の努力がどれだけ小さかったかを理解した。
別に今までの努力を否定するわけじゃない。けれど、この人の歌や音を聴くと、まるでちっぽけに感じてしまうのだ。
「蘭はまだ16歳だろ?才能で言えば俺よりあると思う。違うのは、もっと知りたいという気持ちだけだ。」
「なんか先生がそれを言うと嫌味に聞こえるんですけど…。」
「いやいや、俺は才能ない人とか下手くそな人にはちゃんと言うぜ?才能ないとが下手とか普通にな。」
「それはそれで可哀想な気が…」
「バカ。それだけな訳ないだろ?その後に絶対こう聞くんだよ。"上手くなる覚悟はあるか"ってな。覚悟のない奴何しても無理だ。」
「覚悟…。」
私も色々覚悟はしてきた。
バンドを続けるための覚悟をしたから、華道も頑張ってる。
だけど、歌に対する覚悟と言われると曖昧だ。
湊さんみたいに、歌に全てをかけてる人になれるかと聞かれると…迷ってしまう。
「難しく考えなくて大丈夫だ。頭を柔らかくしてみろ。割と些細な理由で覚悟は決まるもんだ。」
…そうだ。湊さんも、自分の歌に自信があるから覚悟が決まってるんだ。
血の滲むような努力の先にある、目標に向かって…。
なら、私の覚悟は…
「…私は、Afterglowのみんなの為なら頑張れます。」
いい目をしている。この子は本当に友達思いでいい子だ。
そういう子ほど伸び代がある。
「…二言はないと見た。なら本格的にボーカルの技術を叩き込むぞ。覚悟は出来てるか?」
「はい!」
私は、歌にかける覚悟は持ち合わせてない。
けれど、バンドの為なら覚悟を決められる。
みんなの為に、私は歌の覚悟を決めた。
読んで頂き、ありがとうございます。
次はだいぶ長くなると思いますので、よろしくお願いします。
新作のバンドリ小説を書くなら、どの様なものが良いですか?
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シリアス系
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ほのぼの日常系
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恋愛系( 全員√ を書きます )
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ハーレム系
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努力&覚醒系