受け取ってください、本日二度目の更新です。頑張りました!
感想、評価、ありがとうございます!めっちゃ増えてる!
Emily様、くろぬこ様、磁区様、幾年様に、傷心ズバット様、スライム。様、no money様、あすとら様、ただの案山子様!評価ありがとうございます。
これで5~10の評価をすべて獲得しました。ポーカーだったらそこそこツヨイね!
さらにmurasakigumo様、筵 水月様、アフォ様、だいたい四人の公王様!
評価10、ありがとうございます。
ご期待を裏切らぬよう、これからも頑張りますよ!
(追記)
読者の皆さまの評価と感想、そして応援のおかげで、9/26 21時からの日間ランキングにて、四位を獲得しました!
やったぜ。
記念の活動報告も書きました。
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前回のあらすじ。
「まだわかっていないようだな。
いいか?守護役の私もお前も役職を拝命した時点でもう人間じゃないんだよ。
だから我々は使命に従うしかない。
それに、彼女が魔物である以上、遅かれ早かれ戦うことになる。
それとも、本気で誰も傷つけたくないとでも思っているのか?
だとしたら能天気にもほどがある。」
「お前が異界渡りを倒さないのは勝手だ。けどそうなった場合、誰が代わりに倒すと思う?」
「…………………………………………………………………。」
「私だ。
喋る魔物を攻撃することに負い目があるんだろう。
だからお前は躊躇って、手を挙げることができない。
けど、今のお前が無理することはない。
そうなれば、私があの異界渡りを攻めるだけだ。」
「お前は見ているだけでいい!
お前にも分かっているはずだ。これは、果たすべき義務だ。」
「それでも…!
意地があるんだ、男の子には!」オーバーフローッ!
優しいエボルト ゴリラフォームを倒した!
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矢を射る。
射続ける。
血が吹き出る。
だが、まだ射続ける。
師匠への着弾は確認したが、あのゴリラを倒した確信が持てない。
じいちゃんは言っていた…。
水に落ちた犬は棒で叩け。
逃がすな。敵は潰しきれってな。
じいちゃんの薫陶は、俺の血肉となって息づいている。
吹き飛ばされた勢いそのまま、むしろ矢の反動で加速しつつ、空中で射続ける。
着地のことなど考えない。
大抵のことは、敵を黙らせてから考えれば良いのだ。
このまま腕が焼きつくまで射続けてやるぜ。
しかし、突然の中断。
眼の前が何かに塞がれたのだ。
体がフワリとした何かに受け止められる。
既にあんまり感覚がないが、なんか右腕が持ち上げられてるっぽい。
「何だ…………ひゃんッ。」
なんか女子みたいな悲鳴が出た。
弓掛は弓道用手袋みたいなものだが、全ての指を覆っている訳ではない。
その露出した指に、ヌメっとした感覚があった。
同時に、エーテルが吸い取られる。
何これ!?
恐怖体験!
慌てて、目の前の何かを払いのけようとする。
ふわふわした何か。
…羽?
「もう、駄目ですよ。
こんな風に自分の体を痛めつけちゃ。
怪我してますよ?」
俺は異界渡りに、受け止められていた。
フワリとした着地。
足が地面に着く。
だが、膝が折れてしまう。
立っていられない。
紅蓮弓の反動が、予想以上にひどい。
崩れ落ちる体が、異界渡りの左腕(左翼?)で抱き留められる。
彼女は俺を抱き留め、俺の指先を舐めていた。
…何故?
「はい、じゃあ治しますよ。」
軽い一言。
同時に、俺の指がほのかに翡翠色に輝く。
!?
指先どころか、全身が輝きだした。
「…これはっ。」
「動かないでください。
今治してますので。」
はい。
かすかに拘束が強まる感触。
慌てて、身じろぎを止める。
俺は彼女のために戦ったが、それはあくまで勝手に行ったことだ。
俺は今、魔物に抱かれ生殺与奪権を握られた状態なのである。
そもそも師匠は彼女を攻撃しようとしていたのだし。
「はい、終わりました。」
「…んん?」
おかしい。
血の味がしない。
戦闘中に舌を噛んで以来、出血していたはずなのだが。
見ると、右手のやけどもほとんど治り、指先が自然に動く。
うっそだろおい。
この世界の回復異能は、もっと大がかりな準備と異能器、そして被験者の情報がいる。
さっき会ったばかりの異界渡りが、俺のパーソナルデータを把握している訳がないのだ。
驚いていると、彼女は俺の右手の動作を確認。
添えていた右翼を降ろす。
すると視線を師匠が吹っ飛んでいった方向に向けた。
師匠は吹っ飛び、廃倉庫のダンボールの山に突っ込んでいた。中身は綿の類だったようで、辺りにそれが散乱している。
もちろん、異界同様ダンボールも綿も引き延ばされた巨大なものなので、師匠はどちらかというとダンボールの中にシュートされた格好だ。
彼女の右翼がかすかに翡翠色に輝き、それをビシッと師匠の方に振った。
翡翠色の波がふよふよと飛ぶ。
待て。
待て待て待て。
「…なにを。」
「あの方もケガしたかもしれませんし。治します。」
うっそだろおい。(二回目)
マジかよ。
怪我は治ったが、気力は回復していない。このまま第二ラウンドとか冗談じゃない。
そもそもあの師匠が、あんなんで重症を負うかよ!
アイツ爆風で吹っ飛ばされて、空中でバスケされながら全部の矢拳で受けとめてたんだぞ!
人間じゃねぇ!
勝てるか!
縛鎖縛鎖縛鎖!
慌てて、縛鎖を連射。
師匠に当てるというより、師匠の入った段ボールを充填封鎖するぐらいの気持ちで連射しまくる。
やべぇ。
超やべぇ。
この際、四の五の言ってはいられない。
「一緒に逃げよう!」
「あら、情熱的。良いですよ。
でも…何処に行きます?」
それ俺に聞くの?
異界渡りは近くの異界にポンと飛べるんじゃなかったの?
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彼女は別の異界に飛ぶことができないらしい。
マジか。三回目の驚き。
そういえば、ここに来たのも事故とか言ってましたね。
はは。
ははは…。
どうしよう…。
致し方ない。
彼女に担いでもらいながら、師匠のビックスクーターの下まで行く。
恩を仇で返す感じで気は進まないのだが、刺さりっぱなしのエンジンキーを捻る。
『ERROR‼』
『番号認証か音声認識を行ってください』
試しに5889を入力してみる。
当然ダメ。入力がロックされた。
ふぁっく。
キーを引き抜き、車体を蹴る。
キれたからではなく、固定された異能器のいくつかを拝借するためだ。
車体に傷がつくことは変わらないが…。
緊急事態故、仕方ない。
後で平謝りするしかない。
流石に一般人を巻き込むわけには行かないのだ。
奪い取った異能器――デコイユニットを調整しつつ、彼女に話しかける。
まずは、この異界を脱出しなければならない。
とりあえず、霊力弓を再構築した。
弓掛型異能器は既に壊れた。補助として機能していない。
なんだか、弓も微妙な出来。
「フクロウさん。これを。姿を隠してくれる道具です。
一旦分かれて、後で合流しましょう。」
「んー…。でも私、こっちのこと良く知らない。
できれば、一緒に行かない?」
言って、彼女はふわりと羽ばたき、浮き上がる。
恐るべきことに、この距離でも飛行音を聞き取ることが出来ない。
彼女のかぎづめが、俺の肩をがっしりと掴む。
痛みはほぼない。
待って。
まさかこのまま飛ぶつもり?
「じゃあ、飛びますよ。
案内、お願いします。
ふふふ、二人で空の旅ですね。」
楽しそうな声色。
恐怖の空の旅が始まる。
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「まいったな。」
ダンボールの中、独りごちる。
木勢は今、玄徳がひたすら連射した縛鎖により拘束されていた。
油断したつもりはなかった。
あの、紅蓮弓にも最良の対応をしたはずだ。
…神崎玄徳は予想以上の実力を持つと、そう判断せざるを得ない。
「(できれば、まだ師匠としての威厳を保っておきたいのだが。)」
縛鎖の解除を試みる。
やたら硬い構成。
弾速も、やたらと速い。
ロープが締まる速度もだ。
正直、隠密性を重視した木勢の縛鎖とは比べ物にならない。
ここまで来ると、捕縛というより攻撃異能だった。
捕縛どころか怪我をする。
「(懐かしいな…。玄山老師も、こんな縛鎖を使っていた。)」
玄山老師は速さ至上主義者なので、神崎流の異能もガチガチにチューニングして使うのだ。
それを孫にも伝授したのだろう。
「(!)」
縛鎖を解こうともがいていると、異界が消える気配。
現実に押し戻された木勢を縛るロープも、エーテルが拡散していくことで消滅した。
捕縛されたままの木勢に配慮し、魔物に襲われないように玄徳が異界を討伐したのだ。
「ったく、こんな時にも他人の心配か…。」
苦笑し、立ち上がる。
戦闘時に吹き飛ばされた帽子を探さなければならない。
木勢は、戦闘後の玄徳と異界渡りの会話も聞いていた。なのであまり心配はしていない。
あの異界渡りが他の魔物と違うのも、確かなようだ。
だが魔物は魔物だ。
他の異能者は問答無用で討伐しようとするだろう。
まずは、援軍要請を取り消さねばならない。
そのためには、説得力のあるカバーストーリーが必要だ。
玄徳がしばらく居なくなる理由も考えなければならない。
「…カラスを頼るか。」
また金が掛かるな。ため息をつく。
そして、足跡のつく倒れた愛車を見つけた。
木勢の愛車。
鳴坂研究所から借り物の、試作型超高級異能者用ビックスクーターである。
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…と、ここでネタ晴らし。
実は縛鎖は相手に怪我させるような異能ではない。
玄徳の基準は、最強異能者じいちゃんなので、縛鎖もヤベーイ異能だと勘違いしていたのである。
「もう二度と、勘違いで師匠を襲ったりしないよ!」
ま、この作品は勘違いものでもあるので多少はね?
次回、第七話「どきどき二人森キャンプ」は、明後日。
八話で同年代異能者系ヒロイン「剣巫女」ちゃんが登場予定。多分。