朝露乃之は勇者である   作:バロックス(駄犬

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絢爛祭なのにどうして....神樹の恵が1700しかないんだ。
園子様とにぼっしーが欲しいんだぜ...


第2話〜巫女と勇者たち〜

~大赦書史部・巫女様 検閲済~

 

 

 

――――去年の冬頃、神樹様から信託があった。徳島県を中心にバーテックスたちの侵攻が行われるらしい。それに伴って各地で選ばれた勇者と巫女が徳島に集められるのだとか。だがその頃、私は私で、別の問題に悩まされていた。

 

――――数ヶ月後、愛媛に居た私は徳島の巫女として派遣されることが決まった。他にも巫女はいる筈なのに、私が行かされる理由を知りたいが恐らくは●●の●●●●だろう。 

 

――――きっとどこに行っても同じことがある。私が巫女でそこに勇者がいる限り、向かう所に私の居場所はない。

 

 

――――勇者という者たちは巫女の事を●●●●●●●●だとしか思っていないのだから。

                     

 

   ~神世紀280年3月 市橋桐香 記~

 

 

 

 一人の少女が長大な大赦内の廊下を歩いている。巫女装束に身を包んだ少女、市橋桐香その人だ。彼女の横に小さくかしこまった大赦の職員が桐香に挨拶を交わし、少し距離を置きながら小さく呟いていた。

 

――――あれが噂の愛媛のヤベー奴.・・・。

 

 それはとどまる事を知らず、彼女とすれ違う人や遠目から見ている者たちからも

 

――――愛媛のゴリラ巫女・・・。

 

などという不審なワードが漏れる中、彼女はさも気にしないという感じで歩みを止めることは無かった。それはさておき、市橋桐香は神樹様に選ばれた神の声をくことが出来る巫女である。

 

 元々、彼女は巫女になりたくてなったわけではなく勇者として戦うことを望んでいた。だが、勇者より巫女としての適性がかなりの高さだったことが分かり彼女は巫女になる事を余儀なくされたのである。 

 

しかし、当人がそれを素直に受け入れる筈もなく、数年前から行っている彼女の行動は巫女としてかなりの問題だと大赦内では認識されるようになる。

 

 ちなみに、”ゴリラ巫女”という名前の由来については問題児として認識されるに至って名づけられた物なのだが、それは後に語られることとなる。

 

 

「昨日の女の子・・・・流石にいないか」

 

 

 

 桐香がやって来たのは昨日の訓練場だ。昨日の掃除していた少女のことを気に掛けたが、こんな早朝から掃除は流石に無かったようである。なにせ、あんな風に取り乱してその場を後にしたのだからこちらとしても居ない方が良いと思っていた。

 

 召集により各地にて呼び出された勇者がこの徳島の地に集う。その勇者たちの顔合わせが早朝に行われるのだった。訓練場に入ると既に人がいて、大赦の人間と勇者らしき少女が二人。

 

「おはようございます。 市橋様」

 

「・・・・」

 

 無愛想に、彼女は視線を送るだけ。それを挨拶と理解したのか、もはやそれが当然のように大赦の男は話を切り出す。

 

「こちらが昨晩到着した勇者様達でございます」

 

・・・いったいここの勇者がどんな面をしているのか今見定めてやる!

 

 男の声に反応し、少女たちが桐香と見合う。桐香の方から見て左側いる腰までいかないくらいの黒髪の少女が口を開いた。

 

「琴吹 静流(ことぶき しずる)よ・・・ふぁ・・・・ねむい・・・・」

 

・・・おいおい、自己紹介で勇者が欠伸をするのかい!

 

「あー、早く帰ってドリキャスやらなきゃ。 この集まりまだ終わらない?」

 

・・・この時代で中学生女子がドリキャスとか何してんの!? 一体いつの時代のゲーム機やってんの!?

 

自己紹介をした静流はなぜかとても眠たそうに言うので桐香は心の中で叫ぶ。 そして今後の展開を予想するにあたり残っていた隣の少女が自己紹介をするのかと思いきや

 

「・・・・・」

 

・・・おいおい、今度は喋らないのかい!

 

無言、まったくもって口を開かない。静流のように眠そうなのかと思えば、その視線は遠くを見ているわけでもなくしっかりと桐香の方を見据えている。

 

「ちょ、ちょっと・・・」

 

「・・・・・?」

 

このままでは本当に終始無言というのが実行されかねないと考えた静流が隣の少女の腕を肘で小さく突く。それにようやく反応して、

 

「草薙 命(くさなぎ みこと)・・・」

 

 

この間、わずか2秒であった。

 

 

――――自己紹介短ッ!!

 

その場にいた誰もがそう思ったのは言うまでもない。

 

 

・・・・この勇者たちは大丈夫なの? なんか不安しかないんだけど!!

 

 桐香は眉をぴくぴくと動かしてこの勇者たちの状態に不安を覚える。果たして、この者たちに世界の・・・四国の平和を任せても良いのだろうか、と。

 

・・・・いや、まだあと一人いるだろ! せめて、せめて一人くらいはまともな勇者が居る筈だ!

 

 まだこの場所に来てはいない最後の勇者に桐香は望みを託すしかなかった。

 

 

「あれ、勇者って私たちの他にもう一人いるんじゃなかったっけ?」

 

 この場の違和感に気付いた静流がそう言うと、大赦の男が

 

「おかしいですね、朝露(あさつゆ)様は1週間程前からこちらの方にいらしているので、こちらからも連絡を済ませて本日の召集に間に合うようにお伝えしていたのですが・・・・」

 

 

と、職員が言った時だ。 桐香の正面、つまり二人の勇者たちの後ろ・・・物陰から恐る恐る、そしてとてつもなくノロいスピードでこちらに歩いている少女が見えた。

 

 

「・・・・・え?」

 

桐香は目を疑う、大赦の男は何も口には出すことはないがきっと仮面の下の顔は桐香と同じくきょとんとしているに違いない。 その少女はゆっくりと、そしてぎこちない動きで二人の勇者の参列に加わり目線を下に向けて押し黙った。

 

だが、この少女こそ。

 

・・・一人で掃除してた・・・・・。

 

昨日、桐香が訓練場を下見した時に居合わせたブロンドの少女その人であった。 沈黙が続く、なぜか誰も口を発することができなかった。まるでそういう魔法でも掛けられているみたいに空気が少しだけ重い。

 

「・・・・あのぅ」

 

ここでブロンド少女が口を開く。

 

「召集・・・遅れました。 あと、あ、朝露 乃之(あさつゆ のの)です・・・」

 

若干列から少し、数センチほど下がっては視線を逸らしながら自己紹介を終えたのだった。やがて大赦の男が、頃合いを見て桐香の方を見ると

 

「勇者3名全員集合完了! 健康状態異状ナシ!」

 

と、旧世紀の軍隊のように意気揚々と言うのであった。

 

「うーん」

 

市橋桐香は思う。 それはもう、思っている事はたくさんある。 たくさんあるのだが今は敢えてこの一言で済ますことにする。

 

 

 

―――この勇者達ヤベェ!

 

 

四国の、人類の明日はどっちだ。




どうもバロックスです。明日から山登り行ってきます。山というか、ウォーキングです。 仕事の一環です。 そんなことより休みをくれ...

市橋桐香はゆゆゆシリーズの中でも異質で存在感のある巫女を目指していきます。最初は巫女視点で進んでいきますから朝露乃之が主人公なのに目立たず、あまり喋らないシーンが多いです。

戦闘シーンはもう少し先になりそうです。3人を動かすのは非常に楽しみですが書き手として技量を試されるところ。

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