キリンちゃんとイチャつくだけの話【完結】   作:屍モドキ

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六話 買い物2

・・・・・・・・・

・・・・・・

・・・

 

 シロを引き連れ着いたのはアクセサリーショップ。

 

「ここならあるかな」

「な、何がですか・・・?」

 

 いきなり引っ張られて気が動転しているシロをよそに、店に置いてある品を見て回る。

 その中で目当ての物を探す。

 シロの、というか、キリンRホーンに付いている装飾の類は、まずあの特徴的な角、その根元に黒いバンド、そして羽のついた耳飾り。大体はこの三つだ。

 モンハンの世界観ならどれを付けていても違和感は無いが、現実世界で考えたら結構違和感が仕事する。さっき挙げた三つのうち、現実でも違和感がない物。

 ヘアバンドみたいなやつか。

「何か良い感じのものはないもんかなぁ・・・・・・」

「マスター、何を探してるんですか?」

「ヘアバンド、無ければカチューシャでもいいかな・・・・・・」

「?」

「まぁ、好きに見てていいよ」

「わかりました~」

 シロは店の中を見て周り、俺は髪飾りの商品が並べてある棚を探す。

 

・・・・・・

・・・

 

 あれから数分、そんなに大きな店ではないので迷うこともなく商品棚のところへたどり着き、そこでやっと見つけた。

「お、あった」

 そう言い、手にしたのは黒いカチューシャ。

 シンプルなデザインだがしっかりとした作りで、安っぽい感じはしない。

「値段は・・・・・・」

 値札を見る。

 1458円

 そんなにすんの・・・? 仕方ない、シロのため、もとより俺のためだ。買うしかない。

「お買い上げ、ありがとうございましたー」

 シロの衣類に加え、カチューシャ。前者は必要な出費だった。

 高かったけど。

 後者は別に無くても支障はないが、如何せん俺が落ち着かなかった、まぁ、我が儘ってやつだ。

 仕方ない、そう考えておこう、泣けるから。

 

 買い物も済んだし、シロを呼んで帰ろう。

「シロー」

「あ、はい~」

少し間延びした返事でシロが答える。

目の前に来たシロにさきほど買ったカチューシャを手渡す。

「はい」

「これは?」

「カチューシャ、着けてみて」

「ん、はい。わかりました」

言われてシロは黒いカチューシャを装備・・・身に着けた。

「うん、結構似合ってるね」

「そ、そうですか・・・・・・?」

「うん」

「えへへ・・・・・・」

 照れくさそうに、けれど嬉しそうに、シロは笑った。

 こっちも恥ずかしくなってきた・・・・・・。

 

「さ、さぁ、もう帰ろうかぁ・・・・・・?」

 

 変な声が出た。泣きたい・・・・・・。

 

 

 帰りのバス、シロはさっき俺があげたカチューシャを着けてくれている。

 ついでに俺の腕に絡んでくる。

 周りの目がすっごく痛い、正直俺も恥ずかしいので止めてほしいけど、この娘ムチャクチャ力強いんですけど。

 可愛い見た目して中身はやはりハンターか、くそう。

 

 その後、家に着くまで腕を組んだ状態のままだった。

 


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