朝六時。
「おはようございまぁ~す・・・・・・」
「ん、おはよ・・・」
朝、挨拶を交わす。
「・・・・・・」
「・・・・・・?」
「洗面所行こう、寝癖直さないとな」
「はい~・・・・・・」
二人とも寝癖がひどい。俺はまだいいけどシロは長髪だからかかなり跳ねてる毛が目立っていた。
「ちゃんと直さないとなぁ」
「んう…はぁい……」
大人しく、と言うよりまだ眠たげにしているだけのようで、うつらうつらと櫛で髪を解かれていた。
「えへへ、ありがとうございます……」
「うん」
眠たげだが嬉しそうにお礼を告げてくる。
ぼさついた髪はある程度治まり、跳ねていた毛は流れるような白髪になった。
「よし、いいぞ」
「はい~・・・」
着替えて朝食と昼の自分の弁当とシロの昼食を作る。
「よし、食べよう」
「いただきまーす」
「いただきます」
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
「あ、今日日直だった」
「?」
「早めに学校行かないとだめだから、俺もう出るね」
「わかりました」
「じゃ、行ってきます。家事頼んだ」
「はい、行ってらっしゃいませ!」
学校。
「よし着いた」
教室の鍵を開け、中に入って窓を開ける。
まだ朝早いので教室には人が居なかった。
「はぁ・・・」
まだ少し寒い朝の時間、教室で一人静かに過ごすのもいいかもしれない。
そういえばシロが現れてから一人で居る時間が減った。
考えれば今の生活で一人なのって学校の登下校とトイレぐらいだな。
それ以外は常に誰かが視界に映っている。
寂しさとかは感じず、落ち着く。
「いっちばんのりぃー!」
一人で黄昏ていたら誰か来た。
クラスメイトの加藤だった。
「お、村崎もう来てたのか。おはよっ!」
「おはよ」
こいつは結構元気の良いやつで、友達も多い。
所謂陽キャと言うやつで、俺とはあまり接点がないはずなのによく絡んでくる。
絡んでくることにあまり抵抗はないし、根本からして悪い奴でもないから話していて嫌に思うことはない。
「加藤はいつもこんな時間に登校してるの?」
「いや? 今日はなんか目覚めが良くてな、日直より早く来てやろうと思ってな」
「そっか」
花瓶の水を変えてきて、加藤と話す。
先日俺の家に集団で来たときはいつにも増して荒ぶっていたが、いつもはああではなく爽やか系男子と言うやつなのだ。女子からの人気も結構あるらしい。
羨ましいと思ってはいるが、嫉妬を感じたりすることはない。
こいつはそれほど対人関係が出来た人間なのだ。
「ところで、シロさんとはどうなんだ?」
「別に、何ともないよ・・・・・・」
「ま、大丈夫だとは思うけど破目を外すなよ~」
「なぁっ、うるせぇ・・・!」
心配されなくても自分できっかりセーブするわ。
多分・・・・・・。
「あっ」
「どした?」
「弁当忘れた・・・・・・」
「あちゃ~・・・」
朝急いでいたので忘れてしまったようだ。
忘れたのは仕方ないけどこういう場合後が面倒なのだ。
昼は学食なり購買なりで買ってしまえばいいが帰ってからだ。
食べられず、キッチンの上で静かに鎮座した弁当の処理をしなければいけないのだ。
「はぁあ~~・・・・・・」
「長いため息だな」
「だってさぁ・・・・・・」
「その、なんだ、ドンマイ」
「ちくせう」
村崎家
「~♪」
シロは鼻歌混じりに食器洗いをしていた。
主に教わり大体の家事を熟せるようになり、初めは手間取ったりもしたが最近はそこそこ上達してきた。
洗濯機に汚れ物を入れてセットし、その間に朝食の食器洗い。終わったら洗い物を干して部屋の掃除。
段取りを考え、一つ一つしっかりやりおえて、一段落。
「ふぅ・・・終わったぁー」
ソファーに座って息を吐く。
お茶でも飲んで一息つこう。
そう思い台所に向かうと、調理台の上に包みにくるまれた弁当があった。
「これって・・・・・・」
朝慌ただしく出て行ったからか、忘れていったのだろう。
「届けに行かないと!」
マスターの空腹を解消するために!