キリンちゃんとイチャつくだけの話【完結】   作:屍モドキ

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二十四話 尋問

 グラウンドでシロと戦っていた少女を捕まえ、と言うか連れてきて今は教室にいる。

 

「で、君の名前は?」

「プロトガンナー黒式。クロ、でいいよ」

「分かったよ、クロ」

「うん」

「「「「・・・・・・」」」」

 

 クロと名乗った褐色の少女。

 表情が変わらず終始真顔だが、今はどこか嬉しそうに頬を少し染めている。

 

 正座させられているが。

 

「ご主人、少し足がピリピリしてきた・・・・・・」

「わ、私も・・・・・・」

「膝で全体重支えてるからね」

 

 今目の前でハンター二人を正座させている。

 理由や経緯がどうあれ学校のグラウンドであれだけ暴れられては迷惑というもの。

 説教の間ずっと慣れない正座をさせていたのでそろそろ足が痺れてきたころだろう。

 

「もう足崩していいよ」

「おぉぉ・・・・・・」

「や、やっと終わりましたぁ~・・・・・・」

 

 二人はその場でへたり込んで痺れた両足をさすっている。

 

「さてこのぐらいで・・・・・・」

「村崎ィ・・・・・・」

 

 加藤に肩をガシィッ、と掴まれた。

 冷や汗を流しながらゆっくりと振り向くと世紀末な世界の主人公かはたまた男の中の男が通いそうな塾に通ってそうな人たちのような顔をしていた。

 後ろに並んでいたクラスの男共も似たような顔芸してるのでたぶん後者だろう。

 

「村崎ぃ・・・・・・屋上、行こうか・・・・・・キレちまったよ、久々によぉ・・・・・・」

 

「加藤、あのな、これには事情があってだな・・・・・・」

「問答無用だァ!! お前ら、この不届きモノを連れてけェッ!!!」

「「「「オオォォォーーーーーッッ!!!」」」」

 

 鬨の声を上げ俺を囲んだ男子達が一斉に押し寄せてきた。

 が、しかし。

 

「ご主人・・・・・・!」

「おわっ」

 

 音もなく近くに来ていたクロが俺を抱えて上に飛び上がり、群がった男子の群れを踏みつけて安全圏に着地した。

 

「お、オレを踏み台にしただとぉーーー!?」

「ご主人にかすり傷一つつけさせない・・・・・・!」

 

 透をお姫様抱っこをしたまま男子達の方へ振り向き、カッコよく決めるクロ。

 

「クロ、降ろして」

「ん、もう少しだけ・・・・・・」

「いや結構恥ずかしいからコレ」

「あと二時間・・・・・・」

「ちょっとじゃない!」

 

 降ろそうとせずなおも抱きかかえられた状態で少し恥ずかしくなってきた。

 

「と、トオル君から離れなさいっ!」

「イヤ」

 

 そんな二人に見かねたシロは奪い取るようにクロから主をひったくり、そっと床に立たせる。

 

「ん、ありがとうシロ」

「トオル君が困っていたので」

「むぅ・・・・・・」

 

 警戒するように睨むシロと主をとられてむくれるクロ。

 

「まぁいいよ、私は目的があってコッチに来たわけだし」

「目的?」

 

 そうだよ、と答えた褐色の少女は音もなく透の目の前まで接近し、身体を絡ませて透の顔に両手を添えて間近で見つめながら妖艶な声音で言葉を続ける。

 

 

 

「ご主人との、子どもをつくりたい」

 

 

 

「え?」

「は?」

 

「「「「ファッ」」」」

 

 それぞれがそれぞれの反応を示し、褐色の少女を見つめる。

 

「私は、本気だよ」

 

 褐色の少女に熱い眼差しを向けられ、背筋に寒気が走る。

 クロに向けられるものとクラス内の男子からはもちろん、女子たちからも冷たい視線に晒され、居た堪れない気持ちに襲われた。

 

「村崎、屋上」

「」

 

 冷たく、短く告げられた言葉に、ただ従うのみだった。

 

 

 この散々な目にあった。

 

 

 




 クロちゃんの元ネタはFGOの静謐のハサンと清姫を足して2で割ったような感じです。

 褐色女子良いなーとか思ってサブデータを作り、そこで試しにガンナーに挑戦してみまして、ブレヘヴィの強みに惚れました。

 暑さにやられたような内容ですが間違いは無いと思います。
 
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 ではまた。

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