キリンちゃんとイチャつくだけの話【完結】   作:屍モドキ

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二十六話 モノトーンな二人との夜。

 住所を知っているというのはクロが若干ストーカー気質だというのが垣間見えていたのでまだ分かるがいきなり茶番かますか普通?

 

「それより、どうかな、この見た目・・・・・・」

「どうって裸エプロンじゃんか、隠せ隠せ」

「そ、そうです! はしたないですよっ!」

 

 クロはその艶のある肌をエプロン一枚で隠しているが、そこまで活発的でない性格と相まってギャップがすごいことになっている。

 眠たげな半開きの眼、少し長めの白いメッシュの入っているぼさついた黒髪、気怠けな雰囲気であるがその肢体は引き締まっていて出るとこは出て締まるとこは締まっている。

 まだ発展途上と言うぐらいだがそれでも膨らみはある。

 そんな少女に裸エプロンなんて露出の多い恰好をされたら目のやり場に困る。

 

「とにかく、装備でもなんでもいいから着替えてくれ・・・・・・」

「ご主人がそう言うなら、仕方ない・・・・・・」

 

 クロはどこからともなく大きな布を引っ張り出し自分に覆い被せると、一瞬の合間に身に着けているものが変わっていた。

 今は通常のナルガ装備を身に着けている。

 

「どうやってんのそれ」

「内緒だよ」

「あ、うん」

 

 どうやら機密事項らしいいのであまり触れないでおく。

 それはさておき。

 

「夕飯の支度するから、大人しくしてて」

「了解」

「あ、お手伝いします!」

 

 支度を手伝おうとシロが着いてきたがクロが気になる。

 

「いや、シロはクロのことみてて」

「・・・・・・わかりました」

 

 ちょっと眉を下げて了承するシロ。

 そんなこと知ったことではないと言うように少し上を見上げながらボケーっとソファーに座るクロを見て何だか心配になってきた。

 

「ここがリビングで、あっちが洗面所とお風呂です。で、あそこは・・・・・・」

「ふむふむ」

「二階はご家族の皆さんの各自室になってます」

「ご主人のお部屋・・・・・・」

 

 妙に意気込んで何か考え出すクロ。

 嫌な予感しかしない。

 

「よし、出来た」

 

 夕飯を作り終え、皿に盛り付けてテーブルに並べ、エプロンを取って二人を呼ぶ。

 

「二人ともー、ご飯出来たよー」

「あ、はいー。今いきますね!」

「あいさー」

 

 

 

「「「いただきます」」」

 

 合掌し、料理に手を付ける。

 俺とシロは平然と箸を進めるがクロは少し戸惑っていた。

 

「あ、あの、ご主人」

「どした?」

「これは何?」

 

 クロは二本の棒、箸を両手で握り、困惑した顔で手に持っている物を差し出してきた。

 

「あぁ~・・・・・・、そういや知らないのか」

「全く分からない、悪いけどフォークください・・・・・・」

「ん、分かった」

 

 立ち上がって食器棚からフォークを一本抜き取ってクロに渡す。

 ありがとう、と受け取ったクロはあまり顔には出していないが恍惚の表情と言った感じでもむもむと食べる手を進めている。

 

「こうしてたら好感持てるんだがなぁ」

「そうですかね?」

「ウマー」

 

 喋らなければちょっと抜けている美人というような、そんな彼女を眺めて項垂れながら夕飯を済ませた。

 

「お粗末様」

「ご馳走様でしたー」

「ごちそーさまー・・・・・・」

 

 

 それぞれの言い様で食後に手を合わせて食器を片付ける。

 

「今度こそ、お手伝いしますっ」

「うん、じゃあ食器積んで持ってきて」

「お手伝い、するー・・・・・・」

 

 食器を洗い場に持って行き、俺が洗いクロが水気を取ってシロが食器棚に洗った食器を片付ける。

 人手が多いのであっという間に洗い物が終わった。

 

「ふぅ・・・・・・」

 

 ソファに腰かけ一息つく。

 食後なので少し眠気がするが風呂入って明日の準備をするまでは寝れない。

 と言うか今日も何かと色々あって疲れた。

 一般的な帰宅部男子の精神的キャパシティを裕に超えているように思えるのは錯覚か。

 

 ゲームは週末にしよう、そんでもって今日はもう風呂に入って寝よう。うん、そうしよう。

 

「風呂入ってくる・・・・・・」

 

 重たい腰を持ち上げて着替えを取りに行く。

 

「あ、わかりましたー」

「ん、了解」

 

 階段を上がり部屋に入り、着替えを取って脱衣所に入る。

 ガラリと浴室に入ってまず体をさっさと洗って風呂に浸かる。

 

「はぁぁぁ~~・・・・・・」

 

 疲労感が尋常ではない。

 雨による気の滅入りとクロが登場した驚愕で俺のメンタルはボドボドダ。

 

「・・・・・・! ・・・・・・!!」

「・・・・・・・・・」

 

 向こうから何やら言い争う声が聞こえる。

 二人が言い合いでもしているのだろうか。

 あ、眠気が・・・・・・。

 

「じゃあ・・・・・・」

「・・・・・・せん!」

 

 なんか声が近づいている気がする。

 

「ご主人、入るね」

「あ、こらぁーーっ!!」

「うわぁあああッ!!?」

 

 クロが浴室に突入してきた。

 ユアミシリーズを身に着けて。

 

「なんだ、ユアミか、良かった・・・・・・」

「良くないですよマスター!」

 

 安堵する横でシロもユアミを装備して入ってきた。

 なんで?

 

 ユアミシリーズとは。

 モンハン3rdから実装されたいわゆるネタ装備。

 バスタオル一枚を体に巻いてサンダルと湯浴みタオルを頭に置いているだけのほぼ全裸と言って差し支えない装備の事。

 下着はスパッツのようなものを付けているので本当に全裸と言うわけではない。

 余談だがその装備とネタ武器縛りで古龍を倒している輩がいたとかなんとか。

 

「なんだかんだで雨で冷えてしまった体を、お風呂で暖めようと思って・・・・・・」

「嬉々として濡れていたように思えるのは俺だけかな、それと目のやり場に困るからそんな恰好は止してって言ったよね?」

「そんな、濡れるだなんて・・・・・・」

「いけません!」

 

 顔を赤らめ頬に手を当ていやんいやんと腰をくねらせるクロ。

 そんなクロを必死に止めようとするも狭い浴室のため思うように動けないシロ。

 そんな二人を見て現実逃避がしたくなった俺。

 

「とりあえず、体洗いなよ」

「「あ、はい」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「・・・・・・・・・・・・」」」

 

 壁に顔を向け耳を塞いで無心に徹する。

 シャンプーの音とかそんなの聞こえない。

 ボディソープを泡立ててタオルで擦る音なんて俺には絶対に届いてない。

 

「ねぇ、コレどうするの?」

「洗ってあげますからじっとしててください」

「わ、あわあわだー」

 

 聞こえない。

 

「髪キレイですね」

「そう? でも貴女もイイ身体つきしてる・・・・・・」

「何言ってるんですか!?」

「じょーだん、かも」

「断言してくださいっ!」

 

 許してくださいお願いします。

 

 

 

 

 

 

 

「あ、洗い終わりましたよ・・・・・・」

「ん、ありがとう・・・・・・」

 

 ぷるぷると体を震わして滴を跳ばすクロ。

 

「きゃあっ!? お行儀が悪いからそんなことしちゃいけません!」

「えぇー」

 

 クロは眉間に少しだけしわを寄せて抗議の目を向けるが間違ってはいないので諦めて自分も浴槽に入る。

 

「ご主人と一緒・・・・・・」

「わ、ちょ、クロ! あまりくっつくな!」

「あぁーーっ! 待ちなさい!!」

 

 シロが俺とクロの間に入り、なんとか抑止しようとする。

 

「そうは、いかない・・・・・・」

「わっ、あぶな!?」

「ご主人!?」

 

 クロも負けじと避けるが俺とぶつかって浴槽に倒れこむ。

 

「捕まえたぁーーっ!!」

 

 そこにシロが突っ込んできてクロを捕まえたは良かったが俺も巻き込まれ、クロの下敷きになってしまった。

 

「いてて・・・・・・」

「わわ、ご主人、大胆だよ・・・・・・」

「いいから退いて」

「は、離れなさい!」

 

 顔を赤くさせながらシロが引き離そうとするがクロも俺の体をがっちりと掴んでいるのでなかなか剥がれない。

 その結果またとっかえひっかえで二人の間に挟まれたりした。

 

「きゃあっ!? まま、マスター!」

「おお、ご主人の背中、イイ・・・・・・」

「動きづらいから放れようか二人とも・・・・・・」

「ごごめんなさいっ」

「ここに足を掛けてっと」

「ちょ、クロぉっ!?」

 

 クロがかんッ、と足を掛けて三人が浴槽で倒れるとかいうかなり危険なことになった。

 そんな広さのない浴室に三人が騒ぐものだから浴槽の中で足が絡まってしまった。

 

「え、ちょ、これどうすんの」

「スミマセン・・・・・・私がこの娘を止められなかったばかりに・・・・・・」

「流石にやり過ぎちゃった・・・・・・」

 

 暴れたせいで体に巻いていたタオルがはだけてしまって二人の双丘が見え隠れしているのがいやでも目についてしまう。

 

「・・・・・・」

「あの、マスター、そんなにマジマジと見られたら、その、恥ずかしいと言いますか・・・・・・」

「ご、ごめん!」

 

 シロが顔を伏せて赤くなりながらそう言ったので俺も慌てて目線をそらす。

 

「私は別に、見てもいいんだよ?」

「クロは少し黙ろうか」

 

 なんでこの状況でまだそんなこと言える自信があるのだろうかこの娘は・・・・・・。

 

 その後、一旦動くのはやめて落ち着きを取り戻し、ゆっくりと足の絡み具合を見ながら一人ずつ風呂から上がった。

 俺は何も見ていない。何も・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 自室。

 

 何とか風呂から上がり、ベッドに仰向けに倒れる。

 

「はぁ・・・・・・」

 

 疲れを取ろうと思って入ったのに余計に疲れるとはこれ如何に。

 絡まった足を外すとき、ヘンなところに足が当たってしまったり、逆に誰かのつま先が体を撫でたりして、妙な気分になってしまうのを堪えるのに必死だった。

 

「やべ・・・・・・」

 

 考えるな、変な気分になるな、だから首を伸ばすな卑猥竜。

 一人で悶々としているとシロが入ってきた。

 

「あの、マスター、起きてますか?」

「んー、うん」

 

 まだ火照っているのか少し顔に熱を帯びているシロは何というか、色っぽかった。

 

「俺もう寝るけど、シロはどうするの」

「わ、私も寝ます」

 

 枕も持ってきました、と後ろ手に持っていた枕を前に持ってきてにへ、と笑う彼女。

 

「・・・・・・もう添い寝も慣れてきた、のかな」

「ちょっと恥ずかしいですけど、ね」

 

 照れ隠しに笑ってい入るがまだ顔が赤いのは気のせいじゃないだろう。

 俺もあまり人のことは言えないけども。

 

「じゃあ、もう眠いし、寝よっか」

「は、はいっ」

 

 二人ともベッドに入って電気を消そうとした時に、ドアをノックする音がした。

 

「ご主人、まだ起きてる・・・・・・?」

 

 クロが来た。

 

「うん、起きてるよ」

「そか、じゃあちょっとお邪魔するよ」

「う、うん」

 

 がちゃりと戸を開けて入ってきたクロはシロを一瞥してまた見た。

 

「何ぃ、先客だと・・・・・・」

 

 惜しいことをした、とでも言いたげな顔をしたクロはすぐに持ち直してふらふらと俺の前までくるとぎゅっと抱き締めた。

 

「ッ!? ・・・・・・ッ!?」

「ねぇ、ご主人・・・・・・」

 

 パクパクと金魚みたいに口を開け閉めする俺にクロは上目遣いに言葉をつなぐ。

 

「今日は一緒に寝ていい・・・・・・?」

「・・・・・・降参、お好きにどうぞ・・・・・・」

「マスター!?」

 

 どうあがいても無理でした。

 そ、それにクロが一緒にいる以上シロも傍に置いておかないと俺の貞操がちょっとアブナイ気がした。

 嫌ではないけど、襲われるのはちょっと・・・・・・。

 

 そんなこんなで俺を挟んで右にシロ、左にクロが寝そべっている構成になった。

 ちなみに二人ともを絡ませている。

 

「俺はもう寝る、二人ともあまり騒がないように・・・・・・」

「ふぁ・・・・・・分かりましたぁ~・・・・・・」

「ん・・・・・・分かった・・・・・・」

 

 俺も二人ともやはり眠たかったようで、みんな欠伸してそのまま眠りについた。

 

 かなり疲れる一日だった・・・・・・。

 

 




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