モンハンのゴア娘のフィギュアがリアル美少女になってた【完結】 作:屍モドキ
夕食を食べ終え風呂の準備をする。
と言っても浴槽に湯を溜めるなんてことはしていないのでいつもシャワーで済ましている。
が、今日はお湯を溜めようかどうか悩んでいる。
その原因は・・・・・・。
「ん? なぁに?」
コイツだ。
名も知らぬ謎の少女。
人かどうか怪しい美少女ッ!
この娘が風呂に入るかどうか、と言うなら恐らく入るだろう。人の形だし、なんかお貴い雰囲気だし。
問題は湯船に浸かるかどうかだ。
「なぁ、お前風呂入るの?」
「なっ・・・・・・失礼ね! 入るわよっ!!」
赤面しつつキレ気味に言い張る。
しかし彼女から風呂に入るという情報を得られたので俺も気兼ねなく風呂に入れる。
なら今日はお湯を張ろう。
彼女の暮らしは知らんがあって損は無いだろう。
俺も暫く湯船に浸かってなかったしいい機会だ、今日は疲れが溜まってるからゆっくり温まってじっくり寝よう。そうしよう。
「先入るか?」
「あら、一緒に入らないの?」
テレビを見ていた彼女は横目でからかうような目をしながらそう言う。
「冗談はほどほどにしてくれ・・・・・・」
「そう、残念ね」
「・・・・・・・・・」
しれっと言っているが耳まで赤くなっている。
恥ずかしいなら言わなけりゃいいのに。
しかしそれでもやってやったと言わんばかりのドヤ顔でテレビを視聴しているのでタオルと俺の私服を用意してやり風呂に入れるようにしておく。
「よし、そろそろ沸いたかな。一番風呂はやるから先に入れ」
「じゃあ、そうさせてもらうわ」
テレビを消して浴室に向かう。
手に持っていたコーヒーのカップを口に運んでひと啜りして天井を見上げる。
「ほんと、どうしようかなぁ・・・・・・」
居候が出来るのはいいが身寄りもない人としての存在も怪しい戸籍は恐らく存在しない。
そんな生物を自宅に置いておくというのは少しばかり不安があるのは確かだ。正直匿いたくない。
でも彼女は俺のことをご主人様と呼び、俺に従っている、と思われる。
何故か妙に上から目線だし力は強いし主従を決めてるくせしてなんか上げ足でも取ろうとしてくるし、何がしたいのか正直分からない。
「まぁ、飽きないからいっか」
「あっっっづぅぅぅいぃぃぃぃいいいい!!!!」
物思いにふけっていると浴室の扉を乱暴に開いて一糸まとわぬ姿で飛び出してきた少女がきた。
「な、え、ちょ、何か着ろって!」
「うるさい、なぁによあのお風呂! 熱すぎでしょ! わたしをお湯で殺す気ぃ!?」
「だから服着ろって!」
そんなに熱かったのだろうか、てかバスタオル巻くだけでもいいから早く隠してほしい。現在進行形で目のやり場にメチャクチャ困っている。隠してくださいお願いします。
「なんであんなに熱くしてんのよ!」
「熱いって、40度ぐらいだぞ?」
「十分熱いわよ!!」
そんなになのか。そういやさっきもカップ麺食べて火傷してたな。猫舌なうえ熱に弱い、か。原作リスペクトなのかただただ本当に熱いのが苦手なのか、恐らく両方か、どちらにせよ風呂に水を足してやろう。このまま吠えられ続けるのは耳と目と理性に悪い。
先ほどから彼女の小振りなパイが揺れるとまではしていないが視界にチラついて仕方ない。てか近い。
「早く隠して・・・・・・」
「隠せって、なに、を・・・・・・」
俺の言葉がやっと耳に入り少し冷静になった彼女は自分の体に目線を落とし、そのまま睨んでいたジト目はゆっくりと見開かれ顔は赤くなったり青くなったり忙しなく変化したのち、彼女の細長い触角がこめかみから生え、腰辺りから怪腕を伸ばして自分の裸体を覆い隠しながら俺を自らの手のひらで引っ叩いてきた。
「み、見ないでぇぇぇえええええええ!!!!!」
「ゴファァアアッッ!!!」
頬に小さい紅葉が出来ました。
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
浴室。
少女は湯船に浸かり、その横で俺は浴槽に向かって伸びている蛇口の取っ手をひねっている。
少女はタオルで胸元を隠し、俺は顔にタオルを巻いてかなり厳重に視界封じをしている。
そろそろいいかなと思ったところで栓を閉めて湯加減を聞く。
「・・・・・・・・・」
「湯加減よろしーでしょーかー」
「もう少し水足して」
「ほーい」
蛇口をひねり浴槽に水を足す。
そこそこ入れて俺の体感としては結構温度が落ちたとは思う。もうぬるま湯ぐらいだ。
「ん、いい感じだわ、ありがと」
「へいどーも」
じゃあ俺も出ようとしたところで肩を掴まれ足を止める。
ちょっと振り向いてみると彼女は怪腕を展開して俺の肩を掴んでいた。
「その、もう二人ともお風呂の中に居ることだし、もうアナタも入りなさいよ・・・・・・」
「・・・・・・」
一瞬断ろうかとも思ったがここで断るのも何かあとで変な空気になりそうだったので素直に彼女の言葉に従うことにする。
「そうさせてもらうよ」
一回脱衣所に出て上下の服を脱ぎ、タオルで腰を隠して再び浴室に入る。
シャワーを出してさっさと体を流し、そも当然のように出ようとしたらまたも肩を掴まれた。
「・・・・・・なんでそうすぐ出ようとするのよ」
「いやだって、なんか恥ずかしいし・・・・・・」
「わ、私だって見られて恥ずかしい思いしたんだから、アナタも我慢しなさいよ!」
「んなこと言われても・・・・・・」
大分パワハラ発言だが言ってるほうの身長がなかなか小さいためそんな迫力がない。
てか自分でも恥ずかしいこと言ってる自覚はあるようでお顔が真っ赤になっている。
そんなに恥ずかしいなら言わなきゃいいのに。
「・・・・・・分かった、俺も浴槽に入れさせてもらおうか」
「へ、あ、そ、そうよね! やっぱりそうなるよね!」
なんでキョドるのか、恥ずかしいなら(ry
そんなわけで俺の足の間に入るようにして少女と一緒に浴槽に入る。
何でこうなった。
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
お互い無言で密着したままの状態でいるのはなかなか精神的に辛いな。
しかも裸で。
なんでこうなったんだろう、と考えるも命が惜しいのと女性のお誘いは断るわけにはいかないという謎の使命感に駆られたからである。
決して邪な感情は持ち合わせていない。絶対に。傍から見ればアウトだろうけども。
「なぁ」
「なぁに?」
声をかけると顔だけ横に向けて目を向けて返事をする少女。
髪は濡れていてより流麗な艶を出し、肌は湯に浸かったからからか少し血色が良くなり、体の節々で少し赤みを帯びている。汗か滴か、水滴が肌を伝う様は見た目的にまだ幼さを残しているが妖艶な雰囲気を醸し出していた。
「君は、何者なんだ?」
「似たようなことさっきも聞いたわよね? アナタの大事なゴア娘ちゃんよ」
「いや、そうじゃなくてね・・・・・・」
「なによ」
何と言えばいいのか、なんて質問すれば良いのかわからない。
この娘の正体と言うのはさっき飯を食っている時におおよそ見当はついた。
じゃあこの娘は人間かどうか、と言うことが知りたいが、ド直球に聞くのも
「もしかして私の種族とかについて?」
「・・・・・・ご名答」
ばっちり当てられてしまった。顔にでも出ていたのだろうか。だとしたら自分は隠し事が下手だな。
「そうねー・・・・・能力こそ使えれるけど、色んな構造的には、その、アナタと愛し合うことだってちゃーんと出来るわよ」
「あ、そうなんだ」
「反応薄いわね・・・・・・」
「なんて返せばいいのか分かんなくて」
「そう」
いやホントになんて返せばいいんだよ!
要は超人で亜人的なものに分類されるけど一応人間の分類には入るから交配も出来るってこと?
なにそれロマン。
しかしこの状況が起きているのは俺だけなのだろうか?
もしかすれば他にも擬人化とかそういったものがリアルに出てきたりしているのではないのか?
なんか得も言えない不安感が沸いてきてしまった。
と、どうしようもない妄想やら想像やらに頭を使っていると突然彼女が俺に体重をかけながらもたれかかってきた。
受け止めてなおぐぐいと踏ん張るようにして体を密着させてくるので思わず腕を湯船から出して肩を持って抑制する。
「んんー」
「ど、どうしたの・・・・・・?」
「アナタが勝手に悩んでるからよ」
彼女は不満げに頬を膨らませながら少しジト目で睨みつつ、体の向きを変えて俺と正面に向かうように体制を変えてきた。
ちょ、いろいろ見えちゃう、危ないから、出会って一日もたたずにこんな至近距離とか密着とかイロイロキケンだからぁ!!
現に今目の前に血色の良くなった色白の肌とか艶やかな長い黒髪とか少しキツめの紅い釣り目とか桜色とかに目が行ってしまい俺の脈拍がトップギアなんですけど。デッドヒートなんですけど!!
「ホント、何に怯えて悩んでるのか知らないけど、そういうのやめなさい」
「へ?」
俺の膝の上に馬乗りになるような体勢で、彼女は細い腕を伸ばして俺の肩を押さえながら両手で俺の頭を挟み、目線を固定して言葉を続けて放つ。
「私はアナタが好きなの、私を買ってくれたことから始まって今まで、汚れがついたら拭いてくれたししっかり遊んでくれた。ギミックだってちゃんと全部使ってくれたし変に改造したりとかしないし負荷かけないし塗装剥げする前にポーズ変えたり変形を起こさないような無理のない姿勢で置いてくれたりしてる優しいアナタが好きなの」
「・・・・・・・・・」
一気に褒められてちょっと理解が出来なかった。
どれもフィギュアだったころの記憶のようだがそんなところまで覚えているものなのだろうか? だとしたらかなり恥ずかしいこともあるだがそれも覚えているということになる。止めてくれ、今のだけでもかなりこっぱずかしいのに!
「スカートの中覗くとか、ちょっとスケベなところもあるけど・・・・・・それでも私はアナタが好きなの!」
「やっぱりかぁ! いっそ殺してくれッ!!」
言ってほしくなかったことを顔を赤らめながら言われてしまった。
手で顔を覆い少女に羞恥心を煽られるというかなり悲惨な状況に死にたくなった。
いっそあの怪腕で俺を捻りつぶしてくれ・・・・・・。
めそめそしていると、だからね、と続けて話をするので涙を意地で堪えて顔をあげる。
「だから、こうやってアナタと同じ人間に、生き物に、自由に動ける体になって嬉しかった。アナタと一緒に過ごせる体になってとっても嬉しかったの・・・・・・!」
「・・・・・・」
しっかりと俺を見つめ、己の感情を吐露した彼女の紅い瞳には薄っすらと涙が溜まっていた。
顔もさっきより赤くなって、赤く・・・・・・あれ、赤過ぎやしないか?
「きゅう・・・・・・」
「うぉおおい!?」
あらぬ方を向いて少女が倒れ掛かってきた。
恐らくのぼせてしまい意識が飛んだのだろう、肌は熱く、ゆでだこのようになって力なくぐったりとしている。
思わず抱きかかえる様にして支えたがお互い裸、イロイロまずいモノが当たってしまっている。意識するなよ本能。
「とりあえず、運ぶか・・・・・・よっと」
見ないようにして浴室から少女を抱えて運び出し、大きいバスタオルで極力ヘンな箇所を触らないようにして身体を拭きつつそのままタオルで体を包み、リビングのソファーに寝かせて休ませる。
「一段落、と・・・・・・」
一連の作業が終了してやっと一息つける。
作業中何度煩悩が現れたことか。
出てきては倒し、湧いてきては退散させ、ずっとそんなことを頭の中で繰り返していた。
「しかしまぁ、あんだけい言われて嫌なものはないな」
まだ意識のない少女の前髪をすくいあげ、じっと彼女の寝顔を見つめる。
少し熱が冷めてきたのかちょっと苦しそうだった表情は和らいで自然な寝顔になっている。呼吸も落ち着いていて肌も熱っぽくはない。
ソファーは少し濡れてしまったがまぁ大丈夫だろう。
そうこうしていると少女が目を覚ました。
「んん・・・・・・ここは・・・・・・」
「やっと起きたか」
寝ぼけ眼で辺りを見回して俺を見つけると少し笑みを浮かべたが自分の恰好を確認してすぐに赤面した。
「ちょっと、なんでこんな格好してるの私・・・・・・!」
「風呂でのぼせて気絶したから運んで寝かせておいたぞ」
「そ、そう」
タオルで全面を隠しながら上体を起こし、なんとか現状を理解する彼女。しかし納得はしていないと言う目で俺を見ている。
「・・・・・・何もしてない?」
「してないしてない」
なおキツいジト目で俺を睨んでくるのでなんとか宥める。
「本当に何もしてないわよね?」
「本当に何もしてません」
なおもしつこく質問してくるが、タオル一枚巻いただけの恰好でこうも接近されると見てる方が恥ずかしくなってくると言うか、どうしても目がいってしまいそうになるのをひたすら我慢してなんとか根性で持ちこたえる。が、それすらも怪しくなってくる疲労感だ。
「ねぇ、ちゃんと聞いてるの?」
「聞いてる、聞いてるから許して!」
そんな状態がその後数十分続き、心身ともに疲労困憊し、もうクタクタになっていた。
なんとか尋問から解放されやっと就寝につける。
一人暮らしのこの家に女物の服なんて存在するはずもないのであの娘には申し訳ないが俺の服を着てもらおう。
裸ワイシャツなんてものはさせんぞ? やってもせいぜい裸Tシャツだ。
「と言うわけで悪いけど君の服がない。代わりの俺の服を着ていてくれないか?」
「いいわよ」
やったぜ。
聞いてみたところ特に嫌な顔もせずそれなにりに良好的なのでしばらくは俺の衣類を身に着けてもらおう。
もちろんこの娘の服は後でちゃんと買わせてもらう。仕方なくなんだ、仕方なく。
「別に服ならイメージで作れないこともないのだけれど」
「え? そうなの?」
マジで?
何それ超経済的じゃんか。衣料品店涙目。
しかし服をイメージで? つまりあの怪腕と似たようなものなのだろうか。
そういえばロングスカートも腕が生えた途端にミニワンピになっていたところからすると質量は変わらず物体を変形させたりあるいはさっきのお風呂場でのように出現させたりもできるのか?
「ただ継続的に使ったりあまり無茶しすぎるとお腹空くのよね」
「へぇ~」
ため息交じりに仕組みの一部分を教えてくれた。
カロリー消費で能力が使えるのはなかなかいい、それは面白い。
あれ、ならあの怪腕とかブーツとかの身に着けていた物とか日傘などはどうなのだろうか? あんなに激しく形状が変化したり分裂したりしていたが。
あ、それでお腹空いてたのかな。
「あ、この
「ほほー」
なんか某トラブル系ラブコメに似たような力だ等のが大まかに分かった。
アレに比べれば若干下位互換ではあるが便利であることに変わりはない。
「まぁ詳しいことは後日ゆっくり聞くよ」
「そうね、私も眠たくなってきたわ・・・・・・」
欠伸をしつつ体を伸ばし、もう寝る寸前というところだ。
歯も磨いた、歯磨きが見慣れないものだからさせるのにちょっとてこずったが、なんとか終わった。
いちいち喘ぐんだもの、しかも口の中に歯ブラシが入ってるから呂律が回らないのは当たり前、口も開きっぱなしで歯磨き粉を付けているので唾液を飲み込むことも出来ず垂れないようにはしていたがそれでも少し垂れてしまってなんとも形容し難い光景になっていた。
「じゃあもう寝るぞー」
「えぇ、そうね・・・・・・」
もう意識のなくなる寸前でもう半分も瞼が開いていない。
早く床に就かねばこのままソファーで寝てしまうことも回避できなくなってしまう。
しかし重大な問題が発生。
誰がベッドで寝るのか?
家主の俺か、若干幼さの残るあの娘か。
俺がベッドで寝るのはいいがそれであの娘をソファーで寝させるというのはちょっといただけないものがある。
ではあの娘を俺のベッドに寝かせるというのもどうだろうか?
男が使っている寝床に若い少女を寝かせる。
ちょっと危ないにおいがする。
「なぁ、寝るとこどうする? 俺のベッドで寝てもらおうかと思ってるんだが嫌ならソファーでもいいしなんなら布団も敷くし・・・・・・」
「アナタの傍ならどこでもいぃー・・・・・・」
「お、おい」
こてん、と肩に頭を預けてきた。
眠気で意識が朦朧としていてあまりオーラのようなものが出ていない。
先ほどよりも結構大きく舟をこいでいるので恐らくもう限界なんだろう。
「ホントにもう寝ようか」
「うん・・・・・・」
眠たいとは言っても細い両手は俺の寝巻の袖をしっかりと握っているのでどうやら寝床を分けるのは難しそうだ。
やむを得ず俺は添い寝をすることを選んだ。
自室。
「電気けすぞー」
「ん、おやすみ・・・・・・」
「おやすみ」
ベッドに二人で横になり、彼女はすぐ寝てしまった。
俺も早く寝よう、明日もあることだし・・・・・・。
目を閉じると、ゆっくりと意識が遠のいて往く。
もう完全に意識がなくなると思ったら急に右腕に柔らかい感触がした。
「ん?」
「ん、すぅ・・・・・・」
見ると俺の右腕に体全体で絡んで腕を抱き枕代わりにしている少女がいた。
「もう疲れた・・・・・・」
言ったか言ってないかも分からず、そんな言葉が遠のく意識の中で頭に響いた夜だった。