モンハンのゴア娘のフィギュアがリアル美少女になってた【完結】 作:屍モドキ
今回でやっとヒロインの名前が・・・・・・!!
うるさいアラームが耳元で鳴り響く。
重たい腕を伸ばして携帯を掴み取り、スヌーズにして放り投げる。
数分してまたアラームが鳴り、今度は上体を起こして立ち上がり、携帯を拾い上げてアラームをしっかりと切る。
「ふぁあぁ・・・・・・」
大きい欠伸をして背伸びをし、深く深呼吸をして少し眠気を取る。
窓に立ちカーテンを開け、一瞬眩しさに目を閉じるが暫く朝日を浴びて頭が少しずつ活性化されていく感覚をじわりじわりと味わう。
「ふぅー・・・・・・」
良い朝だ。
いつもはこんなこと思いもしないのに今日に限っては毎日平穏に過ぎていくことが何より平和なのだと言うことが良く分かった。
そう、俺のベッドで寝ているこの黒い娘が居なかったら。
「んん、すぅ・・・・・・」
静かな寝息を立てて俺のベッドで寝る少女。
なんでこうなったのか自分でも分からないが、一先ず小難しいことは置いておいて、今は朝飯作ろう。
「何作ろうかね」
献立を考えながら顔を洗い歯を磨く。
とは言え半ばインスタントやら冷凍食品しかないこの家。
やっているのは米を炊いている程度で、あとはほとんど冷凍ものばかり。
あ、卵は買ってるよ。
「目玉焼きとサラダは確定、あと肉類と味噌汁・・・・・・」
あっさりさっぱり済ませたいのと朝はあまり食欲が沸かないので量は少なめになりやすい。
さてメニューも決まったしちゃっちゃと作りますか。
コンロにフライパンを置いて点火、しばらく熱してベーコンを乗せていく。
ぱちん、ぱちんと油が弾けてフライパンの上に広がっていき、ベーコンがある程度焼けてきたところで卵を投下。
少し火を通してお湯を回しかけてすぐに蓋をする。
数秒待ってから蓋を取っ払うと半熟ベーコンエッグがいい感じに出来上がっていた。
葉野菜を適当に千切って皿にのせる。
先ほど焼いたベーコンエッグも同じ皿に載せて卓に並べる。
袋を開いて中のかやくやら具が入ったものをお椀に入れ、お湯を注ぐ。
白米を茶碗に盛って完了。
「ん、おはよ・・・・・・」
「おう、おはよ」
そうこうしてたら黒娘が起きてきた。
「ご飯なぁに・・・・・・?」
「米と味噌汁とおかず」
寝ぼけ眼でふらふらと席に着き、俺もならって座る。
「いただきます」
「いたらきまふ・・・・・・」
もごもごと飯を食って早々に仕事に行くため着替える。
スーツを着て荷物を持ち、鍵を握って玄関に立つ。
「じゃ、俺ちょっと仕事行ってくるから、留守番よろしく」
「ふぁ~~い・・・・・・」
「悪いけど昼は昨日の晩みたいにカップ麺食ってくれ」
「わかった~~・・・・・・」
「いってきまーす」
「あ、待って」
「どした」
思い出したといわんばかりに唐突に、黒娘が立ち上がってこちらに小走りできて「ちょっと屈んで」と申すので仕方なく屈むと、頬にキスをされた。
「ちゅっ」
「うぉぉッ!?」
キスされたを頬に手を当てて後ずさる。
朝から脈拍上昇してるのにその原因は小悪魔のような悪戯っぽさを含んだ微笑みで見つめてくる。
「行ってらっしゃい、ご主人様♪」
「コイツ・・・・・・あぁ行ってきます!」
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
仕事と言っても俺は基本在宅業で、内容の打ち合わせで出社している程度だ。
出社した日はすぐ帰るのも億劫なので一応定時まで仕事して帰る。
「おはよーごぜーます」
「あぁおはよう。おや、どうした? やつれているようだが」
「いえ、何でもありません・・・・・・」
ビルの一室にて自分の上司ともいえる人、小林さんのところへ行く。
仕事の内容が書かれた書類を受け取って自分のデスクに着く。
キーボードを叩いてプログラムを打ち込む。
「あ、そうそう村瀬君、ちょっといいかな」
「あ、はい。なんでしょうか」
指示を聞きつつ、仕事をこなしていく。
◆
部屋で一人、少女がゴロゴロとのた打ち回っていた。
「なんであんなことしたのよ私ぃぃぃ!!」
原因は外出する前のキス。
口にはしてないがそれでも恥ずかしかった。
買ってもらって数か月、お互い会話してまだ一晩だが何もあそこまで積極的にならなくてもいいだろう。
「うぅぅ・・・・・・」
落ち着け、忘れよう、考えないようにしよう。
「ふぅ・・・・・・」
落ち着いてきだして改めて部屋を見る。
フィギュアが数体、ステンレスの棚の上にスタンドで飾れている。
その隣に本棚。大きい本や小さい本、様々なものが何かにの規則に従って並べられている。
横を向くとデスクとパソコンが置かれ、隣の棚には付箋や資料が垣間見える。
「あのあたりは触らないほうがよさそうね」
横に私が座っているベッド、と。
暇なので適当に本でも読もうかしら。
「本、雑誌ばっかね」
本棚に置かれたホビー雑誌を適当に抜き出してベッドに腰かけて読みふける。
ふんふん、へぇー。
「やっぱりこういうのが好きなのねぇ・・・・・・」
掲載されているのは模型やフィギュア、子供向け玩具から大人向け玩具等、多種多様な作品や商品の情報が載っていた。
自分も元はこの中の一つだったのだ。
具体的には言えなくても感慨深かったりちょっとジェラシーを感じたりなど、思うところはあった。
「ふぅ、結構内容あるのね」
あまり詳しくなくても細かいことがつらつらと書かれていたので一冊読み終えたころには大分時間が経っていた。
「もうお昼ぐらいじゃない。かっぷめん、だっけ。食べよっと」
本をしまって台所に直行。
昨日彼はここら辺から取ってたわよね。
少し高い位置に昨日見た物体が数個、陳列していた。
手を伸ばしても届かない。
「勝手にしてって言った割に気が利いてないじゃないのよ・・・・・・」
落胆し方を落としながら怪腕を展開する。
そこまで大きいものでなく、太さは自分と同じか少し太い程度、細長く遠めに見れば枝のような腕が生えた。
別に高いところのものを取る程度だしこの程度でいいだろう。
「ほっと」
目的のものを掴んで怪腕から受け取り、怪腕を収納して透明なビニールを破る。
「昨日どうやってつくってたかしら、えーっと、こうやって・・・・・・」
慣れない手つきで蓋を開け、中身を見る。
麺、粉、ちんまりとしたコロコロした物。
えーっと、お湯入れるのよね・・・・・・。
自分が苦手とするもの、熱を持ったものを扱わなければ、このご飯は食べることはできない。
横を見ると円筒形の先端を変わった形の楕円形に潰したようなもの、ポットの前に立つ。
「えぇ大丈夫よ、自分が濡れなければいいんだから、ちゃんとこの容器の中に入れればいいんだから・・・・・・」
震える手を気力で抑止し、カップを飛び出た注ぎ口の下に構えて頂部の円形のボタンに手を添える。
「・・・・・・・・・えいっ!」
ジョロロロロ・・・・・・。
「ひぃッ! が、がが、我慢よ私・・・・・・これが終ればご飯が食べられる、ご飯が食べられる・・・・・・」
しばしお湯と格闘する少女だった。
◇
会社。
「村瀬くん、最近どうだい?」
昼休憩、小林さんが缶コーヒーを片手に話しかけてきた。
昼飯のパンを食べる手を止め小林さんのほうへ顔を向ける。
「どう、とは?」
「近況報告だよ、彼女は出来たかい?」
「あんまりからかわないでください・・・・・・」
「はっはは」
この人はいつも独身の俺にこういう質問をふっかけてくる。
「とにかく、もういいでしょ。俺仕事にお戻りますよ」
「根は詰め過ぎないようにね~」
「へいへい」
あと四時間。
◆
家。
なんとか食事を終えて部屋に戻って荒らさない程度に物色していた。
一応一口一口冷ましながら食べたものの、少しだけ火傷してしまった。
「いへへ・・・・・・あんまり口の中動かすと擦れて痛い・・・・・・」
さて、彼がフィギュアとかが大好きだと言うのが部屋を見回して分かった。
では今飾られている物の他にも何かあるのではないだろうか?
そう思い部屋や周囲の物置などを探索している。
「何かないかな~。あ、モンスターの小さいフィギュアあった」
ボックスで収納された小型の箱には触ってみた感じどれも中身がぎっしりと入っているようだった。
封が切られていないので開けるのは止しておこう。
「他には~? あ、ハンターフィギュア・・・・・・て、キリン装備の女ハンターじゃない」
出てきた箱は先ほどの小型の箱を二つっか三つほど足したぐらいの大きさのもので、箱正面の窓から覗く女性ハンターはグラマラスな体をキリンS装備という布地の面積が少ない装備に身を包み、これでもかと言うほど至る所が強調されている。
胸とか胸とか胸とか・・・・・・。
「ふん、私だって変身能力使えば体系だって自由自在に変えれるんだから・・・・・・」
デフォルトの小さめの体を見下ろして誰に言うでもなく一人愚痴る。
寄せても皺のような谷間が出来る程度で、この女性ハンターよりも全然小さい自分の体に落胆せざるを得ない。
「嫌になってきた・・・・・・。あ、そういえば私の箱はあるのかしら?」
もう少し漁ってみる。
大小様々な形や色をした箱を傷つけないように気を付けながら箱を移動させていくと、目的のものが見つかった。
「あった」
黒い箱で正面には自分のイラスト、背面には商品説明とギミックの紹介、側面は商品ロゴやサンプル画像などが掲載されていて、どことなくダークな雰囲気が出ていた。
「こうしてみると中々カッコいいじゃないかしら・・・・・・?」
ナチュラルに自画自賛したが箱のイラストと今の自分では色々と違っているので問題はないだろう。
箱を開いて中のブリスターを引っ張り出すがそこには何も入っていなかった。
恐らく自分が人になったときに一緒に消えたのだろう。
「箱とケースと説明書だけっていうのも物悲しいわね……あれ、これなにかしら?」
箱の内側、蓋の辺りに何か手書きで書かれている。
人の名前だろうか。単語を二つ合わせたほどの長さの文に目を向ける。
「黒姫、レシカ・・・・・・?」
クロヒメ、クロキ? はて、どう読むのか。
と言うよりこれは何なのだろうか?
人の名前だと言うことはなんとなく理解出来るが、誰の名前なのか、もしくは誰に当てた名前なのか。
ん? 誰かに当てる名前?
「も、もしかして、私の?」
「へ・・・・・・?」
顔が耳まで真っ赤になり、動き出すまでにたっぷり数十分を費やした。
◇
仕事も終わり帰路に就く。
あいつはちゃんと留守番出来ているだろうか。
ある程度散らかってるぐらいの覚悟じゃないと胃の限界が先に来そうだ。
マンションの一室、自分の部屋の前に立つ。
鍵を開けて覗くが特に変わった様子は見受けられないので一先ず安堵した。
「ただいまー」
「・・・・・・ッ!」
なんだ今の、吸うような悲鳴が聞こえた気がする。
何か恐ろしい事でもあったのだろうか。
靴を脱いで彼女のもとに行くと、元自分が入っていた箱を大事そうに抱えて座り込み、顔を赤らめて信じられないものを見るような顔でパクパクと口を開閉しながらこちらを見上げる少女がいた。
「何してんの」
「あの、これは、えっと、あの・・・・・・」
しどろもどろになりながら文にならない言葉を連続的に出している。
とりあえず屈んで目線の高さを合わせてやると「ひっ・・・・・・」とさらに顔を赤くして、息をのむ。
なんなんだ一体。
「どうしたんだよ、なんか変だぞ」
「・・・・・・・・・」
俯いて何も喋らない。
留守番中に何かあったのか分からないが、いつまでもこのままだと言うのは厄介だ。
「何かあったのか?」
「・・・・・・これ」
彼女はすっ、と自分が抱えていた箱を差し出す。
受け取って眺めるが特に何があるというわけではない。
内容物もスタンド以外皆消え去っていた。
「これがどうかしたのか?」
「中・・・・・・」
「中?」
言われた通りに箱の中を見る、特に変わった様子なん、て・・・・・・。
「なんだこれ」
中に名前が書かれていた。
そしてそれを見たと同時に忘れていた
昔から自分の物に名前を付ける癖があった俺は治った今でも名前のないフィギュアとかデフォルトの名前が通称とかだったりするものには名前をつけるようにしている。
このゴア娘も例外ではなく、公式の名前が無かったので自分で勝手に名付けた。フルネームで。
それが箱の内側にかかれているこれ、『黒姫 レシカ』。
彼女の名前として書いたが日が経つにつれてそれも忘れてしまい、ゴア娘と呼んで飾っていた。
「あぁー・・・・・・そういや考えてたなぁ」
「あの、これ私の名前よね?」
「あぁそうだよ、クロキ レシカって読むんだ」
「くろき、れしか」
復唱してしっかり覚える彼女、赤かった顔にっは羞恥心でも不安感でもないような表情が垣間見えた気がする。
目線が泳いでいる彼女、レシカは一呼吸おいて俺の方を向いて、口を開けた。
「これから、私この名前なのね!?」
「そ、そうだけど」
凄い興奮気味に言われて後ずさる。
名前を貰うというのはここまで上気するものなのだろうか。
満面の笑みでるんるんと楽しそうにしていたレシカはこちらに向き直り俺のすぐ目の前まで来た。
「ありがとう! ご主人様♪」
「お、おう」
なんかキャラ崩壊してない?
いつもスカしてニヒルな感じじゃん。
年相応っといった感じではしゃぐ姿を眺めているといきなりレシカに抱き着かれて。
ちゅう。
「んん―――――ッ!!?」
「んー・・・・・・ぷはぁっ」
いきなりのキスに動転する。
離そうにも腰の曲がった状態で方から腕を回されてしっかりホールドされ、力が入りづらい態勢になってしまい動けなかった。
「んぅ、ぁむ・・・・・・」
そのまま数分、ぎゅーっとされたままの態勢から解放されて飛び退く。
「い、いきなり何を・・・・・・・!」
「えへ、勢いでやっちゃった」
両頬に手を当てて艶めかしく腰を振るレシカは上の空と言った感じで、たぶん聞こえてない。
火照った顔でこちらを向いて、何をされるのか全く予想できなくて身構えた。
「これからもよろしくね、ご主人様!」
「あ、あぁ」
その夜、悶々とした気持ちを抑えようと中々寝付けない二人だった。
主人公 村瀬 真司(シンジ)
社会人。
フィギュアや玩具などに精通している。
ゲームもしているが趣味の範囲。
インドアで遊べるものを好む。
小林さん。
村瀬の上司。
何かと村瀬を構うお人好し。
女性。
黒姫 レシカ。
元フィギュア。
擬人化がホントに人になった。
フィギュアの扱いが優しく手入れもよくしてくれるので主人公大好き。
ヤンデレっぽさはキャラ。
はい、こんな感じです。
何かありましたら感想や評価お願いします。
誤字、脱字がありましたらご報告願います。
では。