モンハンのゴア娘のフィギュアがリアル美少女になってた【完結】   作:屍モドキ

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 長らくお待たせしてしまい申し訳ありません……!
 言い訳は888,334,444本編どうぞ
 今回、ここでまさかのあの人が。


7話 思わぬ行先

 助けて。

 殺して。

 悲しいの。

 苦しいの。

 生きたい。

 楽になりたい。

 

 さっきから二つの感情が入り交じり、ぐるぐると廻っていて頭が張り裂けそうだ。

 今すぐ彼のもとに戻って謝りたい。しかし体は私の言うことを聞かず、ありもしないフルサトに向かって飛んでいる。皮膜感のある怪腕が疼き、空中でよろめいて落下しそうになるのを薄れそうになる意識で食い止め何処に跳んでいるかも分からない飛行を継続させる。

 

「私はどこに行くの・・・・・・?」

 

 遠くなる意識の中でふとそれだけを抱いて、眠った。

 

 

 ◇

 

 

「レシカーッ! どこだー!?」

 

 俺は部屋から飛び出して周りなんて一切気に掛けずにレシカを呼び、町中を走り回っていた。

 奇異の視線なんて気にも留めずレシカを探していると突然名前を呼ばれてこけそうになるのをなんとか踏み止まって振り返ると、小林さんがいた。

 

「や、やぁ村瀬君。そんなに急いでどうしたんだい?」

「小林、さん・・・・・・」

 

 俺は事情を掻い摘んで小林さんに話すと、小林さんは顔色を多種多様に変えながらなんとか話の概要を飲み込んでくれたようで、とりあえず重たいため息を吐き出された。説明始まったあたりから信じられないという顔をしていたが、それでも最後まで聞いてくれたのはありがたかった。

 

「はぁぁあああ~~~・・・・・・」

「なんか、すみません・・・・・・」

「色々危険な臭いがするけど、この際それは良しとしよう」

「スミマセン・・・・・・」

「それよりも、まずは彼女のことを探さないとね」

「はい」

 

 「そうだ」といって小林さんは懐からスマホを取り出してブラウザのニュースページを開いた。そこには速報ニュースが飛び交い様々な情報が縦横に並んでいた。そしてその中に一つの動画記事が目に留まり、それを二人で再生してみるとやはりと言うか、飛んでいる少女の動画が投稿されていた。

 

「なんだこれ・・・・・・」

「大分見られてますね・・・・・・」

 

 ネットにレシカらしき情報があったのは幸か不幸かわからないが、それでも手掛かりがあったのだからまだ良いのかもしれない。ふと周囲を見てみると街を歩く人々のうち何人かは手に持っている電子端末の画面に釘付けになっており、ある者は「どうせ合成」と否定し、またある者は「もしかしたら」と肯定してすぐさまその場を離れて行っている。

 

「ちょっとレシカちゃんの安否が気になるな、早く見つけないと」

「はい!」

 

 小林さんの車に乗せてもらい、二人であちこちと探しまわった。レシカが飛んで行ったと思われる方向に進んでみたが、手掛かりは掴めず焦りが募るばかりであった。どこを探してもやはりレシカは見つからず、もう空はすっかり暗くなっていた。

 

「今日はもう帰ろう、捜索は明日に・・・・・・」

「わかりました、ありがとうございます・・・・・・」

 

 街から離れて山林まで来たものの、手掛かりもそれらしい物も見つからず、今日は諦めて帰ろうとした時。

 

「あ、れ。人だ」

 

 木陰からがさりと枝葉をかき分けて、一人の奇怪な女性が姿を現した。

 褐色肌が垣間見える格好は明らかにコスプレのような類のものなのに、妙な使用感が見受けられ、鱗や皮のようなところは合皮や作り物といいた安っぽさは一切感じず、どこも本物の素材を使っている気がした。

 

 しかしあの恰好、どこかで。

 

 あ、ゲームだ。

 

 少し前にやっていたモンスターハンターシリーズの外伝作。それの装備に似ている。

 迅竜と言う猫と蛇を足して前足に翼膜を付けたようなモンスターから作られる装備に似ている。忍者のような意匠や猫耳のように跳ねている頭頂部、足袋やサラシなど共通点はあるし、見たことのある個所もあるようなのでそう確信する。

 

 問題は何故そんな恰好をした女性がこんな山林地帯にいるのかということだ。

 何かの撮影だろうか。

 それにしてはあるものはその身一つと背負っているライトボウガンらしいもの。カメラや三脚などは一切見えない。そんなものが入っていそうなバッグすら見当たらない。

 

「あの、どちら様ですか?」

 

 ついに業を煮やした小林さんが本人に直接聞きに行った。

 よくやるな。

 

「プロトガンナー黒式。クロでいいよ」

「ア、ハイ」

「」

 

 キャラになりきっていらっしゃるのか、それとも何かのアカウントの名前なのか恐ろしいことを呟いた。関わらない方が良いのかな。でも現状この人の話も聞いておいた方が良い気もするしなぁ・・・・・・。

 

「あんまり、信用してないね?」

「そりゃあもう」

 

 ナルガ装備の女性はボウガンをリロードしながら背中から回し、脇に挟むようにして構えて、近くの樹木に向かって数発、連続して弾丸を発射した。着弾した弾はそこから少しの間をおいて弾けて、乱雑な引っ搔き傷のようなものを幹に深々と残して食い込んだ。

 

「「えぇっ!?」」

「どうかな、少しは信じてもらえたかな?」

 

 銃口からあがる煙を払いながら少女、クロは己の言葉に真実味があるかどうかを聞いてきた。

 それには勿論首を縦に振ったが。

 

「ところで、アナタたちは、コレが何か知ってる?」

「それは!」

 

 クロが差し出してきたのは真っ黒な甲殻。

 ひび割れて零れた破片のようで、生気も艶もなく干からびたようになっているが、まだ冷めきっていなかったらしくほんのりと熱を感じた。

 

「どこでこれを!?」

「これなんだけど、今日こっちに来た時に、落ちてきてね」

「コッチ?」

 

 彼女の言葉に引っ掛かり聞き返してみると、突拍子もないことだがモンハンの世界から来たと言う。

 いきなりそんなことを言われて一瞬ふざけれいるのかと思ったが先程のボウガンの性能然り、何よりレシカの存在自体が奇想天外なので驚きも薄れなんとか話を飲み込めた。話を拗ねて聞き終わるころには頭がパンクしそうになっていた。

 

「つまり、人を訪ねて異世界から来ましたって?」

「そゆこと」

「私、頭痛くなってきた・・・・・・」

 

 話をしている子で小林さんは目を回していた。SF過ぎて理解が追い付かないのも頷ける内容なので仕方ないと思う。何せ俺自分自身すべてわかってはいないのだから。

 

「話は戻るけど、レシカちゃんが何処に行ったか分かるかい?」

「それなら、何となく分かるよ」

「ホントか!?」

 

 手掛かりが見つかって希望が見えた気がした。

 

「行先は、多分私のいた世界」

「ってことは、モンハンの世界に?」

「そっちの言い方なら、そうかな」

 

 すれ違いになったようだ。

 しかしどうやって行くんだ? レシカは文字通り飛んで行って場所なんて分からないし、目の前のこの子もどうやってこちらに来たかと言うのも分からなければどうしようもなくなってしまう。

 

「行く方法なら、あるよ」

「ホントか、教えてくれ!」

 

ちょっと待って、と静止して腰のポーチから何かを取り出す少女。

 出てきたのは一つの繭だった。

 

「なにこれ?」

「空間移動のための、ムシ」

「空間移動?」

 

 謎の単語に理解できず、思わずオウム返しで聞き返した。

 

「書物に載っていた、空間を歪めて別の場所に無作為に飛ばす能力のある、生き物なの」

「は、はぁ」

 

 説明を受けてなお分からないが、ピンクの扉にたいに思っていればいいのだろうか。

 それにしても空間を歪める、か。また随分と変わった生き物だ。随分前に何かアニメで見たような気がする。繭と言うのも引っかかるが、今はそれより優先するものがあるので今は省略してもらおう。

 

「このムシは特別で、異世界に任意で行ける」

「すごいな」

 

 セルフ異世界転生が出来るというものだが、それはそれで何か大変なものがありそう。

 

「それで、それをどうやって向こうの世界に行くんだ?」

「やり方簡単。これを所持して隙間を埋める」

「ん、んン?」

 

 簡単悦明されたがよくわからない。

 すかさず、「はい」と手渡されたのは大きな布。

 

「それを大きく広げて、ムシを持って中に入る」

「それに何の意味が・・・・・・」

「隙間を埋めて、完全に隙間を無くすの」

 

 なるほど、隙間を埋めると言うのは密閉空間を作るということか。

 その中に入るのが転移のための条件らしく、少しでも隙間があったり行先に密閉空間がなかったりすると出れなくなったり転移に失敗してしまうことがあるらしい。

 

「それじゃあ、何人行くの?」

「俺は行く」

「仕方ない、私も行くよ」

「小林さん、ありがとうございます・・・・・・!」

 

 感激で目頭が熱くなってき俺に「ただし」とあからさまに付け加える。

 

「帰ってきたらご飯奢ってもらうぞ?」

「この恩に比べたら一飯なんて安いもんですよ」

「決まった?」

「あぁ」

 

 「行くから出来るだけくっ付いてて」と言われて俺と小林さんは少女に触れて身を寄せる。「布広げて」とう合図の元、上に向けて大きく預かっていた風呂敷をばさり、と広げて三人が屈むようにして被る。

 中は暗闇になっていたが、隙間が無くなった瞬間夜の暗さではなく、一切の光が見えない暗黒空間に切り替わり、得体のしれない不安感に襲われた。

 

 暫くして真っ暗な空間に光が差し、布の擦れる音以外の音が微かに聞こえてきた。

 

「繋がった」

「繋がったて、何が?」

「行先」

 

 もういいよと言われて風呂敷から這い出ると、石造りの家屋の中に居た。

 生活感があり、暖炉の火は消えていたが、囲炉裏の中の炭は新しく、それがよりこの家に人が居たことを物語っていた。

 

「ここは?」

「私の家」

「そりゃまた」

 

 外に出ると向こう同じく夜中のようで、近辺の家には明かりが灯っており、身支度をして出かける者や、今住居に帰ってきて一服している者もいる。そのどれも民族的衣装や獣の素材で作られたと思われる装備や金属製の鎧等を身に纏い、遠くの方では狩人、学者などで賑わっていた。

 

「はは、すっげ・・・・・・」

「完、全にファンタジーの域超えてるよ・・・・・・」

 

 現代人二人仲良く呆けてしまった。

 目の前のナルガの少女に付いていくと、集会所と思われるところから白色が基調の制服を着た人が駆け寄ってきた。見たところ随分と慌てた様子の彼は一枚の依頼書を握りしめていた。 

 

「黒式さんッ!」

「どうかした?」

 

 依頼書を提示する彼は肩で息をしており、それだけ急な依頼なんだと言うこと窺える。依頼書を受け取った彼女は内容を早々に読み上げて一言「大体分かった」と告げて小走りで自宅に戻っていった。

 

 身支度をしに行っていたのか、暫くして帰ってきた彼女は先程までのナルガ装備とは細部に若干の変更点が見られた。

 見たところ迅竜の装備だが胴は網状のインナーがないものになっており、肘から手首にかけて左右それぞれ三本ずつナイフの先端のような棘が生えている。

 そして他は変わらずそのままの、黒色が基調の装備に反して目立つ白いマフラーを巻いているのがとても特徴的だった。

 

本気(マジ)モード装備」

「お、おぉ」

 

 ゲームはエンジョイ勢なのでどれほど強いのか分からないが依頼文を読んでいる最中から気の抜けていた目が座りだしていたので言い出せなかったが、え、これからクエスト行くの?

 

「な、なぁ、今からクエスト行くのか?」

「うん、そうだよ」

 

 さも当然、と言わんばかりにさらっと言うので呆気にとられたがすぐに持ち直して食い下がる。

 

「自分でも図々しいとは思うけどもレシカの事は……」

「大丈夫、今から行くのは」

 

「多分、そのレシカちゃんのクエスト、だから」

 

 なんだと……。

 

 クロが受け取ったクエストは、禁足地に現れた謎のモンスターの、狩猟クエストだった。

 




 お久しぶりです屍モドキです。
 正直なところ今回意見が別れそうですが気にせず書いていきます。
 しかしやったのならこれで進めます。
 感想評価お願いします。
 誤字脱字等ありましたらご報告願います。

 では。
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