クワ・トイネ公国 政治部会
先日行われたロデニウス沖大海戦。
4400隻に及ぶロウリア軍の大艦隊と日鍬連合艦隊合計40隻が戦った大海戦の戦果報告がここ、クワ・トイネ公国政治部会において行われていた。
数だけ見ればその戦力差は110倍にも及んだ絶望的な海戦であるロデニウス沖大海戦。
これに国家の存亡がかかっているだけあり、皆一様に真剣に聞いていた。そう、真剣に聞いていたのである・・・。
「ありえん・・・これはありえんだろう・・・。」
公国外務卿、リンスイは頭を抱えて呻き声をあげる。
彼の目の前には今回の政治部会参加者全員に配られている戦闘報告書が置かれていた。
「しかし、これらは全て私が見てきた事ですので・・・。」
ブルーアイも嘘をついているわけではないのでリンスイに弱めに反論する。
その反論を聞いたリンスイも大きくため息をついてこめかみを抑えながら話しはじめる。
「・・・じゃあ何かね。君は日本海軍はたった20隻で220倍もの敵に挑み、人的損害ゼロ。物的損害もゼロ。
250騎ものワイバーンも僅か5分の1程度の戦力で被害なしで全て叩き落とし魔導師何人が集まったら再現できるかもわからない爆裂魔法を連発してロウリア船団を2800隻沈めた、と言うのかね?」
「いえ。日本海軍の高官が『燃料・弾薬・爆弾が勿体ない』と嘆いていたので少なくとも日本のお財布には少しの被害が・・・」
「知るか。」
色々と疲れた様子のリンスイはかなり辛辣なツッコミを入れるがそんなことを言われてもどうしようもない。
日本軍が圧倒的な力を持ってロウリア艦隊を粉砕した事も被害がゼロなことも全て事実なのだから。
その後、荒れ始めた政治部会の中ブルーアイはたまたま見かけた可愛い子を思い出すなどして現実逃避をするのであった。
ロウリア王国 王都ジン・ハーク
将軍パタジンは悩んでいた。
その理由は言わずもがな少し前に行われたロデニウス沖大海戦の相手国『大日本帝国』である。
その海戦における敗因を精査するために敵の情報を集めているのだが、何せ海軍の報告があまりにも荒唐無稽すぎる。
曰く『敵の超巨大船が大爆発したと思ったら少し後に船が大爆発した』とか『日本のワイバーンは爆裂魔法が起こせる』とかである。
(そんなワイバーンがいたら海の向こうの皇国が使っていないわけがないだろう・・・。)
だが、大日本帝国のワイバーンが驚異的な空戦能力を持っているのはアグラメウス率いるロウリア王国竜騎士団の魔信により判明している。
だが、その報告も『何か』が連射されるとワイバーンや竜騎士がまるで豆腐か何かのように粉砕されるというものだ。
(何かとは何だ・・・。)
考え込むが全くわからない。
「くそっ!どうなっている・・・!」
腹立たしい。全くもって腹立たしい。
・・・だがいい。海戦はともかく陸戦は質より量が物をいう。海のようにはいかんだろう。
何、今回のカラクリを知るためには陸戦でクワ・トイネ公国を落とせば良いのだ。その後でゆっくりと調べるとしよう。
そう考えるとパタジンは少し仮眠を取るために自室に戻るのであった。
第三文明圏 パーパルディア皇国
薄暗い部屋に灯る、オレンジ色の淡い光。
淡い光は部屋で話し込む2人の男達の影を作り出す。
今、この男達は何の皇国の運命を決めた重要な話し合いをしていた。
「大日本帝国・・・?なんだ、その舐めた名前をした国は。」
「ロデニウス大陸の北東方向に位置する島国です。」
「いや、それは報告書を見ればわかるが・・・何にしても、このような国、今まで存在したか?ロデニウスから1000キロ程度の場所に位置する国など千年間我が国が気づかないわけがないだろう。」
配下とその大日本帝国・・・というのは調子に乗っているので略して日本と言うが、その様な国があったのかという話をする。
少しだけ日本という国について話したあとはその軍事力についての話となった。
「いくら海戦の方法が野蛮なロウリアとはいえ、僅か20隻にそこまで一方的な敗北をするものか・・・?」
「ですが、『軽く見積もって30センチを超える巨砲』だとか『最低でも100mを越す巨艦が小さく見える艦隊』など存在するわけないでしょう。ミリシアルやムーじゃあるまいですし。きっと観戦武官も蛮地での長い単身赴任で疲れていたのです。今度交代させてやりましょう。
・・・ですが閣下。我らの100門級戦列艦『フィシャヌス』や『例のアレ』が仮にロウリア艦隊と戦うとするならばこの様な状況になるやもしれません。」
「・・・ふむ。となればその日本とやらは装甲艦・・・は行き過ぎにしても大砲を作れる技術はあると見るべきか。蛮族の癖にとことん生意気なやつだな。」
結局、今回の話し合いでは情報に確度が持てるまでは皇帝ルディアスに報告しないということで決定するのであった。
クワ・トイネ公国 国境の近く
村人達が息を切らせながら一路東へ向かう。
その目的はただ1つ。ロウリア軍から逃れるためだ。
ギムから東へ約20キロ、名もなき小さなエルフの村がそこにはあった。
外界との接触が少ないこの村はギム大虐殺の情報が届くのが大きく遅れた。
気付いた時にはすでに遅く、付近にはクワ・トイネ軍及び同盟国たる日本軍、ドイツ軍の姿もない。
その為、彼等200名にも登る村人達は自らの生を掛けてロウリア勢力圏を自主疎開しているのである。
彼等が進むクワ・トイネ公国の平野は某ドイツ軍の戦車長が表したようにとても長閑で、平和そのものである。
だが、その長閑な光景は彼等を死へと誘う恐ろしい所。むしろ鬱蒼とした森の方が見つかりにくい為何倍もマシだ。
彼等は急いでここから25キロも先にあるクワ・トイネ公国軍の基地を目指して進む。
しかし、現実は非情であった。
「ロウリアの騎馬隊だ!」
列の後方から悲鳴が上がる。
土煙を上げながら村人達めがけてやってくる一団。
亜人殲滅を是とする恐怖の軍、ロウリア王国軍の騎馬隊である。
必死に逃げようと走り出す村人達だが、騎馬隊の足には敵わない。
諦めてへたり込む村人。舌なめずりをする騎馬隊。
1人の少年が何処かにあるかもしれない神へと絶望に染まった叫び声を上げた時。
不思議なラッパの様な音が辺りに響くのであった。
クワ・トイネ公国 国境の近く
クワ・トイネ公国とロウリア王国の国境付近を偵察飛行する、1つの影。
それはメルヘンチックなワイバーン・・・ではなく、無骨で殺意に溢れた地球製の飛行機械、Ju-87である。
複座型の急降下爆撃機であるこの機体はかつての世界で『地獄』と評されたソ連軍との戦いにおいて数多のソ連戦車を屠っていた。
「天気良好、異常なし!・・・イワンの戦車潰してぇ。」
そんなJu-87の操縦者席に座る1人の男。
牛乳が好きな彼の名はハンス・ウルリッヒ・ルーデルという。
今、彼はクイラ王国の空軍基地から国境付近の偵察に出ていた。
「何言ってるんだルーデル。もうソ連は存在しないぞ?」
なにやら物騒なことをぼやくルーデルをたしなめるこの男の名はガーデルマン。ルーデルの後席を務める相棒である。
「まぁそうなのだが・・・む?」
ガーデルマンに返答しつつ、索敵をしていたルーデルは何やら土煙を上げている一団を発見した。
その一団は同盟国軍か敵軍かはよくわからなかったが、どうやらクワ・トイネ公国市民が襲われている様である。
「・・・行くぞ、ガーデルマン。」
と、一言だけ告げると相棒の返答も待たずに機体を旋回させるルーデルであった。
何が起こったのか、最初はイマイチよくわからなかった。
後にこの時現場にいたとある少年はこう語った。
それ程その状況は彼等にとっては常識はずれもいい所だったのである。
「ギャァァァァァ!」
「ウグァァァ!」
身体に大きな穴を開け、馬上から崩れ落ちる屈強な男達。
無論その体は生命活動を維持していない。
「うっ!」
避難民の内の1人である少年、パルンは咄嗟に妹の目を塞ぐ。
敵のお腹のあたりからは出てはいけないものが出ていたからだ。まだ小さい妹には刺激が強すぎる。
「なっ、何だ⁈」
敵の指揮官らしき男が恐慌状態の馬を落ち着かせながら上空を舞う不思議なワイバーンを睨む。
パルンも彼と同じくあの不思議なワイバーンについて考察していた。
(公国軍じゃないことは確かだけど、じゃあ何処の・・・?)
その時、予備役召集で徴兵されていった親父が言っていたことを思い出した。
『確か、今回は公国の新しい同盟国である日本とか『ドイツ』という国が参戦してくれるそうだ。なぁに、その2カ国は驚くほど強いらしい。そんなに心配そうな顔をしなくても大丈夫さ。』
と言っていた時、父は同時にドイツ軍のワイバーンを示すマークも見せてくれた。
そのマークは、今上空を乱舞するワイバーンに付けられているものと同じだった。
「ドイツ軍が・・・ドイツ軍が助けてくれたんだ!」
その後、ドイツ軍により助けられた彼等は無事クワ・トイネ公国軍基地にたどり着くのであった。
お気に入り何人だろう⁈
┗(^o^;)┓60人かな????wwwwwwwwww
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こ…これ…これは…………
約100人だぁぁぁぁぁ┗(^o^)┛ wwwwwwwwwwww
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・・・となったここ数日。
投稿数秒後
感想見て確認しに言ったら100人超えてた。
いつも読んでくださる皆様、誠にありがとうございます。
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祝!常設化登場兵器紹介
・ハンス・ウルリッヒ・ルーデル
汎用人型決戦兵器。シモ・ヘイヘ、船坂弘と合体することでソ連絶対殺すマンが出来上がる。
枢軸国はドイツ、日本、フィンランドだった・・・?(フィンランドへの熱い風評被害)
・Ju-87
スツーカ。すっごーい!つよーい!・・・とは言えなかったりする。
実はスツーカは日本語訳すると急降下爆撃機とかそんな感じだった気がする。