大日本帝国と末期ドイツ召喚   作:鎌森

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なんかすごい勢いでお気に入りが伸びてリアルに『え?えっ?(困惑)』ってなった日曜日。


緑作戦その2

ロウリア王国 クイラ王国との国境付近の街

「暇だなぁ・・・。」

ㅤロウリア王国軍南部防衛軍に所属する男、マジネがぼやく。暖かい春の陽光と、麗らかな景色。

ㅤロウリア王国南部クイラ王国との国境付近は北部での激戦が嘘のように長閑な農村風景が広がっていた。

「しっかし楽な任務だよなぁ・・・ずっと槍持って立ってるだけだぜ?」

ㅤ同じ見張り台に立っている相方のクルスが相方のマジネのぼやきに反応し、言葉を返す。

ㅤその後はお互い何も話さず業務に没頭する。

ㅤマジネはぼーっと遠くの山を見ていた。

ㅤ春に入ってから雪が溶け始め、白が後退を始めた山は美しく、雄大だ。

ㅤあの山から豊富な雪解け水がこっちの平野にながれこみ、前面に広がるアデルンネの森とともに豊かな土壌を作り農業を促進する。

ㅤそのおかげでこの辺りはロウリア王国有数の穀倉地帯となっている。

「・・・ん?」

「どうした?」

クルスが何か異変に気付いたようだ。

ㅤマジネもクルスが見つめる方に目を向けてゆっくりと観察する。そこは、鬱蒼と広がるアデルンネの森が広がっている。

「なんだよクルス。何もないじゃないか。」

ㅤと言ったその時、突如として森の中から灰色に塗られた『何か』が猛スピードで飛び出してきた。

ㅤそれらは頭のような所に数字と『クイラ王国の国籍マーク』が描かれていた。

「⁈」

ㅤあまりに突然の出来事に固まってしまったマジネ。しかし、クルスの対応は早かった。

「敵襲ーーー!!!!」

ㅤ物見櫓に備え付けられた鐘を叩いて鳴らし、辺りに敵の攻撃が行われていることを知らせる。

ㅤ先程までのんびりと麦の作付け準備をしていた農民達は突如発せられた警戒を促す鐘の音に驚き、慌てふためく。

ㅤそうこうしているうちに、その灰色の何かは大量に姿を現しておりさらには大量のクイラ王国兵がワサワサと森から湧き出てきていた。

「ば、バカなっ・・・!」

ㅤ先程までの余裕はどこにいったのかと言いたくなるほどに慌てふためきながら矢を防ぐために木の盾を物見櫓の柵に立てかけるマジネ。

ㅤちらっと見えたクイラ軍の灰色の何かが何かを高速に連射しているのが見えた気がした。

 

 

 

 

 

 

「リシア中将、作戦は順調に進んでおります!」

「そうか。御苦労。」

ㅤクイラ王国軍第1戦車師団司令部に座る1人の壮年の男。

『リシア中将』と呼ばれたこの男はクイラ王国軍第1戦車師団長である。

ㅤ彼は数ヶ月前から始まった大軍制改革の際に昇進した若手幹部であり、日独よりもたらされた新戦術を最も理解していると判断された男だ。

ㅤリシアは師団本部の設置されたクイラ王国側のアデルンネの森付近にある小高い丘から進撃中の部隊を確認する。

ㅤドイツと日本より買い付けた1号戦車と九七式中戦車は慌てて集まってきたロウリア王国軍の兵士を吹き飛ばし、瞬く間に敵防衛線を崩壊させる。

ㅤ彼らが通った後の道は随伴歩兵が綺麗に『掃除』をしていき、どんどんと村を制圧していく。

「この後はロウリア王国南部の大都市、リパを目指して進撃することになります。」

ㅤ副官が今後の侵攻計画をリシアに伝える。

「そうだな。・・・後は我が国も自力で航空支援ができるようになれば良いのだが、こればかりは仕方ないか。」

ㅤと少し不満を漏らすリシアだがそれが今は叶わぬ願いだということも知っている。

ㅤ再び双眼鏡で戦況を確認すると、すでに村は占領し終わっていた。

 

 

 

ロウリア王国はこの予期していなかったクイラ王国軍の進撃により手薄だった南部に大打撃を受けて大混乱に陥ることとなる。

 

 

 

 

 

クワ・トイネ公国 ロウリア王国占領下のギム

ㅤかつては綺麗な街並みと豊かな食料で繁栄していたクワ・トイネ公国国境付近の街、ギム。

ㅤだが、今はロウリア王国軍の手により荒らされ尽くし嬲られ捨てられた遺体や木片・瓦礫が散乱する廃墟となっていた。

ㅤそんなギムに駐屯するロウリア王国東方征伐軍本隊は急ピッチで防衛の準備を進めていた。

ㅤ木造・レンガ造りを問わず建物を破壊して素材を確保し、街の入り口となる通路を塞ぐ。

ㅤ東方征伐軍本隊残存戦力1万は来るべき日独軍との交戦に向けて蠢動を開始していた。

ㅤ彼らの士気は旺盛でとても頼もしい。それにこういう様に防衛陣地に立てこもった敵を落とすには3倍の兵力が必要という様にここを落とすためには最低3万が必要だろう。

ㅤクワ・トイネ公国に安全保障をしてもらう様な国がその様な大軍を揃えられるわけがない。

ㅤロウリア王国軍は戦う前から勝利を確信していた。

ㅤしかし、彼らの元には着実に死が近づいてきているのであった。

 

 

 

大日本帝国第14歩兵師団 砲戦車中隊 中隊長車

ㅤかつての世界では東洋の列強として亜細亜に君臨した帝国、大日本帝国は宇都宮を拠点とする陸軍第14師団。

ㅤそこに所属する砲戦車中隊はチハを改造した試製二式砲戦車を試験運用するためにこの第14師団に臨時編入されていた。

ㅤ中隊長、西大尉はハッチからは顔を出し、遠くを走るドイツ軍の戦車を見て目を輝かせていた。

「うひゃー!武田!あれ見なよ!五号!五号戦車だぞ!」

「そうですね。あなたが邪魔で見えません。」

ㅤ砲手の武田はまた始まったと言わんばかりに溜息をつきながら適当にあしらう。

ㅤ実は西大尉は戦車マニアとして部隊内でも有名なのだ。

「おっ!あれは近いうちに我が国でもライセンス生産されると噂の四号H型ではないか!」

「どっからそんな情報仕入れてくるんですか?」

ㅤこれから戦闘だというのに全く緊張感のない西を見て呆れる武田。

ㅤ現在部隊はエジェイを離れロウリア軍の立て籠もるギムの街を目指して進軍していた。

ㅤ合計20000にも及ぶ歩兵と大量の戦車が進む光景は壮観である。

「・・・よし、じゃそろそろ真面目にしますか。」

「いつも真面目にしてくださいよ・・・。」

ㅤ武田の諫言を聞きながら西は進行方向・・・ギムの街の方角を向くのであった。

 

 

 

 

クワ・トイネ公国 ギム近くの空

ㅤ空を埋め尽くす・・・と言えば若干盛り過ぎかもしれないが、そう表したくなるような大量の航空機がギムを目指して飛行する。

ㅤその機種と国籍は合計二つ。

ㅤJu-87ことスツーカと九九式襲撃機。詰まる所日本軍とドイツ軍である。

ㅤクイラ王国の基地から飛び立った合計90にも及ぶ大編隊は地上にいるいかなるものも圧倒する。

ㅤそんな編隊の一角のスツーカ隊に、1人の男がいた。

「いいか?ガーデルマン。逃げる奴は敵だ。」

「じゃあ逃げない奴は?」

「よく訓練された敵だ。」

「結局敵なのかよ。」

ㅤそう、ソ連人民最大の敵ハンス・ウルリッヒ・ルーデルである。

ㅤ彼は自らのスツーカ編隊を率いてギムの街に爆弾のプレゼントに向かっていた。

「む。どうやらお喋りもここまでのようだな。」

ㅤと、ルーデルは眼下に広がるギムの街を見据えるのであった。

 

 

 

ㅤ始まりが日本かドイツか。それはわからない。

ㅤしかし、航空機から投下された爆弾はロウリア王国軍兵士を容易く吹き飛ばし、レンガや木片で作られたバリゲートを再び残骸に戻す。

ㅤ爆弾を落としきった機体は搭載された機関銃での銃撃も加える。

ㅤロウリア王国軍は逃げ惑うことこそできるもののろくな反抗もできずにバタバタと倒れてゆく。

ㅤ数騎のワイバーンが迎撃のために空に上がるが逆に日本軍の一式戦闘機やFw190に迎撃されその肉片を街に散らす。

ㅤ日独の陸上部隊がギム付近に到着した頃にはギムの街は燃え上がり、ロウリア王国軍は大打撃を受けていた。

 

 

 

 

 

「クソっ!」

ㅤロウリア王国軍先遣隊副将アデムは司令部跡地で少し焦げた机に拳を思いっきり叩きつけた。

ㅤかつては作戦会議のために集まっていた参謀や通信兵は大半がいなくなっていた。

「・・・。」

ㅤアデム同様激しい空襲を運良く生き残ったパンドールは険しい顔をして椅子に座っている。

ㅤ現在生き残った参謀や士官総出で被害を調査しているがその被害状況は見ただけで卒倒するような状態だろう。

ㅤなんとか築き上げたバリケードも大半が破壊されており、日独軍の侵入を妨げるものはない。白兵戦を挑んだところでたいした戦果はあげられないだろう。

ㅤ更には日独軍はなんと2万近い歩兵と大量の魔獣を引き連れているようで兵達の士気は最悪。まだ何とか軍隊としての体裁を保っていることが奇跡に思えるほどだ。

「・・・降伏。」

ㅤパンドールが小さく呟いた。

ㅤその言葉が耳に入ったアデムはピクリと体を揺らせる。

「・・・気のせいかもしれませんがパンドール将軍、今しがた『降伏』なる言葉が聞こえた気がしたのですが。」

「ああ。聞こえただろうな。声に出したのだから。」

ㅤパンドールはアデムに諭すように話しかける。

「はっきり言って、もうこれ以上戦ったところで無駄だ。アデムよ。お前は聡いのだから日独と我が国の力の差はとうの昔に理解しているだろう。

クワ・トイネ公国攻略戦は『失敗』だ。」

「ふざけるなぁ!!」

ㅤアデムがパンドールの胸元を掴み、凄まじい形相で睨みつける。

ㅤ騒ぎを聞きつけてやってきた兵士達は不安そうにその様を眺めていた。

「何が失敗だ!東方征伐軍はまだ10万を越す兵力を持っている‼︎まだまだ戦局はまき返せる!」

「・・・それは、あくまで国土防衛用の兵力も削った場合の話だろう。ならばアデム。お前が逃げて戦局を巻き返せ。・・・私が残存部隊を引き連れて日独に投降している間にな。」

「・・・ふん。臆病風に吹かれたか。」

ㅤ捨てゼリフを吐きながらアデムは司令部から荒っぽく退室する。

ㅤ司令部に残されたパンドールは様子を伺っていた兵士に短く命令を告げる。

「降伏だ、降伏。我々の負けだ。」

 

 

 

こうして日独連合軍はギムにて三代将軍の1人であるパンドール以下多数の捕虜を獲得し、緑作戦の初戦は日独軍の大勝利となった。




祝!UA一万突破!お気に入り199件!総合評価400ポイント突破!有難うございます!!!・・・え?(困惑)
ついこの間100件登録ありがとナス!って言ったところだと思うんですが・・・。
いや、登録してくださるのは感謝感激雨霰でお礼を言うのは全然嫌じゃないんですが、本当に何があったの・・・?

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今日も元気に登場兵器紹介
・1号戦車
武装トラクターもとい装甲車。クイラ王国に輸出されているのはB型。因みにクイラ王国のチハたんは旧砲塔です。
・試製二式砲戦車
日本陸軍の自走砲。一気に性能が陳腐化したチハを輸出以外で有効活用する方策として試験製作された。
三号突撃砲リスペクトというか外見はほぼ三突と変わらない。
搭載砲は九〇式野砲。
・九九式襲撃機
陰が薄い可哀想な子。
・Fw190
Bf109と並ぶドイツ空軍の主力戦闘機。
この世界線では順次Me262やDo335に置き換えられていく予定。
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