大日本帝国と末期ドイツ召喚   作:鎌森

20 / 36
漸く次章(閑話章)突入


閑話章:色々編
電探開発と舌戦


大日本帝国 とある場所

ㅤこれはまだロデニウスで戦争が行われていた頃のこと。

ㅤ夏を迎えた帝国のとある場所に作られたコンクリート製の無骨な建物。

ㅤ最低限の窓が取り付けられたその建物は入り口付近に『電探開発本部』と書かれた板が掛けられていた。

「あー、あー。こちら開発部。開発部。全員観測体制に移行した。いつでも大丈夫だ。」

ㅤ夏用の陸軍将校服に身を包んだ1人の男。

ㅤ帝国陸軍中佐の佐野 利通は割れそうな頭と今すぐにでも閉じそうな瞼を抑えながら無線機を使い何処かに連絡をする。

ㅤ彼の前には、1つの機械の画面を凝視する幾人もの成人男性達。

海軍や民間企業、はたまた大学の教授や陸軍だったりと男達の所属は千差万別だが心は1つと言わんばかりに1つの機械・・・新型電探の試作モデルの画面を凝視していた。

『あー、あー。こちら隼。了解、試験飛行を開始する。』

ㅤ凄まじい発動機の重低音と共に無線機の奥から試験飛行を開始する旨が佐野に伝えられる。

ㅤそれ以降無線機はウンともスンとも言わず佐野の手の中に居た。

しばしの静寂。

ㅤ誰も喋らないのではなく、喋りたくても眠くて喋らない極限状態の者達が見守る中刻一刻と時間は過ぎていく。

・・・画面に、変化はない。

「・・・今回も、ダメだったか。」

ㅤ諦めたかのように佐野が重々しく口を開いた時、まさにその瞬間である。

ㅤ電探の画面にふと異常が発生した。

ㅤそれまでは死んだように静かだった画面が突如として生命が宿ったかのように動き出す。

ㅤそれが意味する事、それは、彼らが死にそうになりながら追い求めて居た事。

「あ、あ・・・あ!」

「キエァァァァァ映ったァァァァァ!!!」

「WRYYYYYY!!!」

ㅤいい歳をした男達が思い思いに泣き叫び、狂喜乱舞するその様はまさに地獄絵図。

ㅤ何も知らない一般人がこの場だけを見たならば狂人の宴に遭遇したとでも思うだろう。

ㅤしかし、4ヶ月ほど前から皆仲良くパーリーナイツ(残業)でここ一、二週間は睡眠時間一日30分だった彼らには怖いものは最早存在せず、陸軍も海軍も民間もクソもない。

ㅤ只々今ここで電探が開発できたと言う喜びを分かち合っていた。

ㅤだが、何故犬猿の仲、水と油、陽キャと陰キャ、一航戦の青い人とズイズイと言ったほど仲の悪い陸海軍で共同開発が行われたのか。

ㅤそれは、大きく開いたドイツとの軍事技術の差が大きく関係していた。

 

 

 

 

ㅤ電探開発が始まるさらに1週間程前。

ㅤ設立されたばかりの陸軍情報局から聞き捨てならない情報が送られてきた。

『ドイツ軍はMe262の後継機を開発中。』

ㅤここまでは良い。後継機の開発など中学生でも想像できるからだ。

問題はその次である。

『その後継機の最高速度は1000キロにも及ぶと思われる』

ㅤこの情報を手に入れた日本陸海軍は超慌てに慌てた。

ㅤなんせ、Me262ですら最高速度に乗られたらほとんど手がつけられないと言うのに1000キロで飛び回る航空機など出てこられたら本当にどうしようもないからである。

ㅤ一応、陸海軍それぞれ単独で迎撃用の局地戦闘機や電探開発を進めてはいたものの、全く進んでいないと言っても差し支えない程にしか進展していなかった。

ㅤいよいよ背に腹は変えられぬとなった陸海軍。

ㅤお互いに協力しようと言う雰囲気が出始めていたもののプライドが邪魔をして、チキンレースの様相を呈していた中でとある妙案が実行された。

ㅤそれは、『民間企業からの協力要請』と言う物である。

ㅤこれにより『たまたま民間企業から同時に陸海軍が協力要請された』と言う形になるため互いにプライドを守りつつ共同開発ができると言うわけだ。

ㅤこうして開発された電探は海軍においては二式一号電波探信儀として制式採用され秋月型などの数多の軍艦に搭載され、陸上においても日本本土防空網建設に用いられることとなる。

 

 

 

 

ㅤ一方、電探開発成功の喜びを幾人もの男達が涙ながらに喜ぶ中、他の所では大舌戦が繰り広げられていた。

 

 

大日本帝国 海軍省外局 艦政本部

ㅤ日本海軍の建艦、造機などを担当する海軍省の外局、艦政本部。

ㅤ各部の部長が集まる会議において、普段とは違い一段と激しく舌戦が繰り広げられていた。

「だーかーらー!」

「第八帝国などと名乗る国が大和に匹敵する戦艦を有する!それならば我が国はそれを上回る戦艦を有さねばならんだろう!」

ㅤ砲熕部長、阿部少将が机を叩きながら熱弁する。

ㅤ彼の主張は大和を上回る戦艦、それこそ『超大和型戦艦』を建造すべきであるという事でこれぞまさしく大艦巨砲主義である!と言うべきものであった。

「いーやー、先程からG14型もとい葛城型航空母艦を建造すべきだと言っているだろう!」

ㅤしかし、それに対して第三部長、八意少将率いる航空主兵論者も負けじと反論をする。

「そもそもとして既に葛城型航空母艦の建造は始まっておるし、今更変更などできん!

ㅤそれに、そんなものを作る予算はどこから捻り出す!」

「むむむ・・・!」

「ぬう・・・!」

ㅤ互いに一歩も譲らぬ仁義なき戦い。

ㅤだが八意少将のいうことは理にかなっている。

ㅤ既にG14型こと葛城型は4隻中3隻の建造が始まっており、これらをキャンセルして超大和型戦艦の建造などなんと無駄な事だろうか。

「分かっていると思うが予算は葛城型4隻と石狩型防空巡洋艦や改秋月型、島風型でいっぱいいっぱいだ。そんな巨大戦艦を作る金など余ってない!」

「ぐぬぬ・・・。」

 

 

 

ㅤそれ以降も阿部少将は幾度となく反撃を試みるも予算などの諸問題があり常に八意少将に敗北を喫してしまう。

ㅤそして最終的には田辺中将の鶴の一声により、超大和型戦艦は夢幻と消えた・・・。




眠い
ーーーーーーーーーー
作中登場兵器紹介
・新型電探
ちょっと早めの三式一号電波探信儀三型と思っていただければ
・局地戦闘機
一体どこの空飛ぶスルメなんですかね?
・Me262の後継機
何も考えてない。MiG-15をモデルにでもするか・・・?
・一航戦の青い人
煙突の裏あたりが凄く熱い
・ズイズイ
ズイ₍₍(ง˘ω˘)ว⁾⁾ズイ
・超大和型戦艦
もしかして ▷H45級戦艦
・G14(葛城)型航空母艦
性能は未定。外見は多分でっかくなった大鳳
大鳳と違って多分某艦隊をこれくしょんするゲームでは胸部装甲は分厚い・・・筈・・・
・島風型
おうっ!(かわいい)
・改秋月型
実は史実では各艦の名前まで決まってたりする
(北風・早風・夏風など)
だが正式な艦型名は決まっておらず改秋月型以外にも秋月改型、超秋月型等表記揺れがある模様
個人的には超秋月が強そうで好き
・石狩型防空巡洋艦
重巡並みにでかい船体に高角砲や機関銃、機関砲、電探を載せまくったヤツ
無論本作オリジナル
ぱっと見重巡であり軽巡詐欺
決してクリーブランドとか言ってはいけない(戒め)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。