大日本帝国と末期ドイツ召喚   作:鎌森

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今章最後の閑話


戦車

大日本帝国 陸軍戦車学校

「撃ェ!」

ㅤ車長の勇ましい命令を聞き、引き金に指をかけていた砲手は引き金を引く。

ㅤその瞬間に75mmの徹甲弾は点火され、轟音と火炎、衝撃波を生み出してから真っ直ぐに目標を目指して飛行する。

ㅤそして、見事に訓練場に設置された鉄板をぶち抜いた。

「次弾装填!」

ㅤ装填手は狭い車内を無理して動きつつ重い砲弾を取り出して主砲に詰める。

ㅤ車体と砲塔に付けられた増加装甲(シュルツェン)に長く力強い75mm砲。

ㅤしかし、その砲塔脇のシュルツェンには黒十字ではなく赤い日の丸が描かれていた。

「やっぱりチハと比べると圧倒的だなぁ・・・。」

ㅤ技本の職員が頭を掻きながら何やら書類にデータを書き込む。

ㅤやはりというかなんというかチハと比べ圧倒的な性能を見せているかの戦車の名は、Pz.Kpfw.IVこと四号戦車と言う。

 

 

ㅤ5ヶ月ほど前、大日本帝国とドイツ国は互いに兵器輸出を行った。

ㅤこの輸出では様々な物や技術が日独間を行き来したが、日本は飛龍型航空母艦の設計図や長門型の装甲配置などを代償にMe262の設計図や四号戦車、75 mm KwK 40 L/48の図面などを取得した。

ㅤそして陸軍は現在鋭意開発中の新型戦車及び新型の75、85mm長砲身砲の開発が終わるまではこの四号戦車・75 mm KwK 40 L/48を主力戦車・速射砲として運用する事を決定。

ㅤ現在は輸入した車両を使い訓練をしている所である。

「我々も負けられないな・・・。」

ㅤ最近は対独戦が真面目に議論されているためドイツ軍を撃破する戦車製作を目標に陸軍の予算も増やされつつあり、昔よりは開発環境も良くなった。

「・・・よし、頑張るか。」

ㅤ遠くで射撃をする四号戦車を見守りつつ伸びをする男であった。

 

 

 

 

 

 

ㅤ日本陸軍が頑張って戦車開発をしようとしていた頃。ドイツでは新戦車開発が迷走していた。

 

 

 

 

 

ドイツ国 ヘンシェル社

「何これ・・・?」

ㅤドイツで戦車の設計を行なっている会社、ヘンシェル社の設計技師であるハインリヒは今回自分が設計することになった戦車の要求スペックを見て愕然としていた。

ㅤ主砲は17cm KwK44を一門搭載しその装甲厚は最大で300㎜の傾斜装甲。

ㅤ同軸に75㎜砲を持ち、その全長は20メートル、重量は380tでありながら最高速度40km/hと言う要求がなされている。

「・・・アホか?」

ㅤこの『ぼくのかんがえたさいきょうのせんしゃ』が真面目に計画されているのには少し訳があった。

 

 

 

 

ㅤ転移後、ドイツ軍では転移前より計画していたE計画を推し進めTigerⅡやパンターと言った戦車の交換を計画していた。

ㅤその頃は別にE-100が戦車のような何かになっているようなことはなく皆知っている普通のE-100であった。

ㅤ・・・しかし、転移後1ヶ月半頃。

ㅤ新年を迎えたぐらいの時に実質対日諜報課になっていた国防軍防諜部外国課からとある連絡が入った。

『日本が満州で100t級の重戦車を開発しようとしている。』

ㅤそれと共に目撃情報から推察するに多砲塔戦車であること、そして搭載砲は10〜15㎝級の物とみられていると言うことも送られてきた。

ㅤしかし、これを受けてもドイツ国防陸軍ではこれは失敗すると言う意見が殆どであった。

ㅤなんせドイツですら重量70tの戦車に手を焼いているのにドイツよりも戦車においては色々と遅れている日本が100t級の戦車を開発できるわけがないと思ったのである。

ㅤ・・・しかし、その中で1人の男は違った。

ㅤそう、総統閣下である。

ㅤ総統閣下はこの日本戦車を『脅威』と訴えた。それをイエスマンのルドルフ・ヘスが音頭を取りいよいよ手がつけられなくなったのである。

ㅤE計画の邪魔になるという事でマウスの開発計画が頓挫した今、ヒトラーの熱い野望は全てこのE-100に注ぎ込まれた。

ㅤこうしてこのE-100だった物としか形容できない謎の戦車?が産まれたのである。

ㅤまた、この設計改変は他の戦車にも及びE-75も装甲・搭載砲が修正され重量は90t級に。

ㅤE-50も若干装甲が上方修正されたと思いきや下方修正されたりと設計改変の嵐が吹き荒れた。

ㅤその為これら車両の開発・生産は遅れに遅れまくりTigerⅢやパンターⅡと言った既存車両の大幅改修によりその間を繋ごうとしている。

ㅤしかしロデニウス戦争に従軍したイーベル中将からは『Ⅴ号戦車ですら稼働率は極めて低く、どんなに大きく重くてもⅣ号戦車が限界である。場所によってはⅢ号、下手をすればⅡ号や38tの方が活躍するかもしれない』と言う報告を受けており、更には国防軍防諜部もまともに機甲師団が運用できるインフラがあるのは神聖ミリシアル帝国とムーのみと言う結果を出している。

ㅤその為中にはTigerⅢなどを重量が増しただけの改悪と呼ぶ者も多い。

 

ㅤこうしてこの世界最強の技術力を持つ皇帝無き帝国はビヒモスの帝国の名に恥じず混沌とするのであった。




どうしても書きたかった戦車回。
さてさて、ドイツ戦車の明日はどっちなのか・・・。

作中登場兵器紹介
・E-100
今作においてはゲテモノ産廃陸上戦鑑になった可哀想な子。え?P-1500モンスター?知らない子ですね。
・E-75
今作においては12.8㎝砲を搭載した重戦車となる。装甲もめちゃ硬いが日本戦車に対して過剰すぎて資材の無駄と批判の声も。
・E-50
パンターの後継車軸(予定)
今の所被害は少なめ。
・四号戦車
日本に輸出されたのはH型。図面もH型。10榴はいいぞ。
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