大日本帝国と末期ドイツ召喚   作:鎌森

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三章:没落する列強
モノノフの国


フェン王国 首都アマノキ

「剣王。大日本帝国という国が、国交を開くために交渉したいと来訪されております件、どういたしましょうか。」

ㅤ日本人からすれば和風と思える城の中。

ㅤ王宮中奥の座敷で執務中である剣王シハンは側近であるモトムに話しかけられていた。

「大日本帝国?・・・ああ。ガハラ神国の大使から情報があった、ガハラの東側にある新興国か?

ㅤ・・・あの辺りの島が結託して国を作ったのか?」

ㅤ剣王は国と呼べるのかすらわからない小規模な島の集まりを思い浮かべる。

「いえ、それが・・・大日本帝国曰くその人口は9000万を超えるとの事です。」

「9000万以上⁉︎ワハハハハ!そこまで堂々としておれば大したものだ!」

ㅤ全く信じていないながらも快活に笑うシハン。

ㅤしかし、その次の情報で彼の日本に対する意識は変わる。

「それが・・・ロデニウス大陸のクワ・トイネ公国及びクイラ王国はすでに大日本帝国と国交を開設しており両国が使節団を派遣した所、五つの大きな島と1つの大陸、そして大量の島から構成される国土にパーパルディアさえも超える大文明を築き上げていると・・・。ガハラ神国経由でも同様の情報が入ります。」

「ほう・・・パーパルディア以上は言い過ぎにしても、ガハラ神国がそこまで褒めるとはな。」

ㅤ剣王と側近たちは大日本帝国の使者と直接会うことにした。

 

 

 

 

「何というか・・・。」

「気が引き締まりますね。」

ㅤ大日本帝国外務省に所属する森近は部下の鶴瓶を連れてフェン王国という国を訪れていた。

ㅤ辺りは厳格な雰囲気に満ちている。

ㅤ生活水準はロデニウス2カ国よりも低く、国民は貧しい。

ㅤしかし、国民は精神的に発達しておりまるで『武士の治める国』の様だ。

「かつての日本も、この様な風景だったのだろうか・・・。」

ㅤ彼はかつて加賀藩士であった祖父から聞いた江戸時代の話を思い出していた。

ㅤそうこうしていると彼らは王城の一室に通された。

「剣王様が入られます。」

ㅤ側近が声を上げ襖を開く。

ㅤ森近達は立ち上がって礼をした。

「そなた達が大日本帝国の使者か。」

ㅤ声は低いもののよく通り、器の大きさを感じさせる。

ㅤ自然と身が引き締まるのを感じながら森近達は話を始める。

「はい・・・貴国と国交を締結したく、参りました。ご挨拶としてこちらの品々をご用意しております。」

ㅤ剣王達の前に並べられた日本の物。

ㅤ日本刀、着物、拳銃・・・。

ㅤその中でシハンは日本刀に興味を示し、鞘から引き抜く。

「ほう・・・これは良剣だな。貴国にも優秀な刀鍛冶が居られるようだ。」

ㅤ満足というような顔をするシハンを見て密かにホッと胸を撫でおろす森近達。

ㅤ一方でフェン王国側も日本刀含め多数陳列された物品を見てこの『大日本帝国』という国がここ数日で出来た只のの群島国家ではないという事を薄々理解した。

ㅤ気を良くしたシハンは大陸共通語で書かれた文書を確認し口頭で確認する。

ㅤその後、更に語気を緩めた彼は森近達に話しかける。

「貴国には、海軍があり多数の鋼鉄でできた巨大船を有すると聞いた。」

「はい。」

ㅤ剣王は何を言うのだろうか。日本の外務省職員達は彼の気迫に当てられたか緊張しながら次の言葉を待つ。

ㅤすると、彼は外務省職員達を驚愕させる一言を放った。

「その中の一部で良いから我が国に親善訪問として派遣してくれいないか?まぁ要するに、力が見たいのだ。」

ㅤその提案に愕然とする森近。

ㅤ本来なら国交を結んでいない国に軍艦を送るなど威嚇行為どころか戦争に発展してもなんらおかしくない事だ。

ㅤだが、この男は、この王はそれを持ってこいと、しかも首都沖にと言うのだ。

 

 

ㅤその後、森近達は原文のままで本国に報告。

ㅤ後日やってきたドイツも合わせて近日開催される軍祭に参加する事となった。

 

 

 

 

パーパルディア皇国 皇都エストシラント

第三外務局

ㅤ外務局。それは日本で言うところの外務省に相当する部署である。

ㅤその中でも皇宮から遠く離れた蛮国のみを相手とする第三外務局においてドイツ国の外交使節団は長い間足止めを食らっていた。

「すいません・・・局長様が無理でしたら、課長様でも良いので権限のある方にお目通りをお願いしたいのですが・・・。」

ㅤドイツの担当官がおずおずと申し出ると第三外務局の担当者は少し迷惑そうな顔をしながら返答した。

「しばらくお待ちください。順番に手続きを行なっておりますので。ㅤーーーしかし、貴方達の要求内容を見ましたが、かなり無茶というか・・・失礼な内容が記載されておりまして。これはかなり不遜としか言いようがありません。」

「はい?」

「あなた方は、もしもパーパルディアの民があなた方の国・・・ええっと、ドイツ国でしたか?の中で罪を犯した場合に治外法権を認めない、と書いてあるので・・・。」

「?それがどうかしましたか?」

ㅤ第三外務局の担当者は目の前で本当に何が無礼なのかわからないという風に宣う蛮族を見て呆れどころか哀れみすら感じていた。

「貴方方の国は出来たばかりですか?国際常識を知らないのにも程がある。

ㅤいいですか、我が国は列強です。我が国が対等な立場での国交を認めているのは4カ国だけ。つまり同じ列強だけです。

ㅤ列強どころか文明圏内国ですらない貴方方があたかも列強の様な要求をしている。

ㅤ・・・課長は後2週間ほどで予定が開きます。・・・ですが、私からするとこの要求はかなり無謀としか言いようがありません。」

「なっ・・・!」

ㅤ自らが被植民地支配国か後進国と同じ扱いを受けている事に内心憤慨する外交官。

ㅤしかし、流石にここで事を荒げるわけにもいかない。

ㅤそれに反論をした所で相手の様子を見るに無駄だろう。

「・・・わかりました。」

ㅤドイツの担当官は引き攣った営業スマイルを浮かべながら退散していった。

 

ㅤこの時を前後して大日本帝国もパーパルディア皇国に同様の扱いを受け、両国はパーパルディア皇国を『未発達国』と見なすようになる。

 

 

 

 

中央歴1639年 9月25日 フェン王国 首都アマノキ

ㅤフェン王国が5年に一度主催する『軍祭』が行われるこの日。

ㅤ文明圏外の多数の国家の武官が参加し武技を競い、自慢の装備を見せる。

ㅤ各国の軍事力の高さを見せつけ他国を牽制する意味合いもあるのだが、今年の軍祭はとある3つの国が大きな注目を集めていた。

ㅤそのうち2つは今年初めて参加する国であり、文明圏外の大国ことロウリア王国を打ち破った新興国。大日本帝国及びドイツ国。

ㅤそして、この2つとはまた少し違った意味で注目されている国。

ㅤそう、それはクイラ王国である。

「撃てェ!」

ㅤ指揮官の号令を受けて日本より輸入した三十一年式野砲が轟音と共に榴弾を撃ち出す。

ㅤ数秒後には目標地点に多数の榴弾が着弾し、土を吹き上げる。

ㅤ爆煙が一頻り発生し終えると、今度は鋼鉄の馬が歩兵と共に進軍を開始した。

ㅤかつての弱貧国クイラしか知らなかった周りの国々は度肝を抜かれる。

「な、何だアレは・・・。」

「クワ・トイネ公国曰くクイラ王国は日本やドイツとの貿易で大儲けし、あのような兵器を購入したとか・・・。」

「日独からすればあの兵器も旧式らしいぞ・・・。」

ㅤ各国の武官はクイラ王国をあそこまで魔改造する日独の軍事力及び兵器技術に恐怖を抱くのであった。

 

 

 

 

ドイツ海軍 潜水艦 UボートXXI型

「馬鹿な・・・。」

ㅤUボートXXI型の指揮所にて艦長と副艦長は目の前のレーダーを見つつ絶句していた。

ㅤなんと、上空を飛行するガハラ神国の風龍というドラゴンからレーダー波的な物が発信されているのだ。

ㅤ文明圏外でレーダーに相当する能力を持つ航空戦力が存在する。

ㅤつまり、これを大量運用する国が文明圏に存在する可能性もある。

ㅤ一方日本海軍でも同様の電波を探知していた。

ㅤこの報を受けて以降日独両国においてさらにレーダー開発が加速する事となる。




関係ないけどフェン王国がファン王国って変換されて腹立つ


作中登場兵器紹介
・UボートXXI型
奇跡のUボート。現在ドイツでは主力潜水艦として量産されている。
・三十一年式野砲
帝国陸軍の野砲。黒色火薬から無煙火薬になら速く撃てるようになった。
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