大日本帝国と末期ドイツ召喚   作:鎌森

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せん・・・とう、に・・・はい・・・れな・・・かっ・・・た・・・
追記
ルミエスさんごめんなさい


開戦

パーパルディア皇国 とある港町に停泊する客船

『・・・以上、開戦日は『二月一日』とする。』

ㅤパーパルディア皇国の皇都エストシラントから少し離れた田舎の港町に停泊する客船で日本国外務省の役人、守口は電信機を使い本国からの指示を受けていた。

『・・・はい、はい。わかりました。以上、定期通信を終わります。』

ㅤ最後に電信終了の言葉を告げると守口は電信機の電源を切る。

(にしても、漸くこの国から離れる目処が立ったな・・・。)

ㅤ思えば、前回皇国の第三外務局に約束を破られてからそろそろ2ヶ月ほど経つ。

ㅤしかし、また行ったところで難癖を付けて会談をしてくれないだろうしそもそも開戦は決定事項な為余計なことをされないようにと外務局へは寄り付かないようにしていた。

「次にあそこに行くときは宣戦布告の文書を突き出す時か・・・。」

ㅤ守口は電信室の椅子に座り、これから1ヶ月後のことを思い描いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大日本帝国皇居 御前会議

ㅤ新年を迎えたすぐ。

ㅤ珍しくも帝都東京が雪に包まれた正月二日後の一月三日。

ㅤとうとうパーパルディア皇国皇軍が行動を開始したという情報が陸軍情報局を通じ政府に届いた。

ㅤなんでも、各国を通じて集めた情報によればパーパルディア皇国皇軍は進路的に友邦フェン王国を目指しているらしい。

ㅤ少し前に海軍の駆逐艦隊が殲滅した監査軍とは違う、本物の、最新鋭の、第三文明圏最強の艦隊がフェンを目指してやって来ているのだ。

ㅤこの情報は日本政府を驚かせ、対応策を練る為に緊急の御前会議が開かれた。

「断固迎撃すべきである!」

ㅤ海軍大将にして軍令部長、永野修身は陸軍参謀本部長、杉山元陸軍大将と共に断固迎撃すべきという意思を示した。

ㅤ最近、兵器の共同開発などで少し仲が良くなった陸海軍は手を取り合って政府に対抗することが多くなり『陸軍としては海軍の提案に反対である!』などと足の引っ張り合いをあまりしなくなった。

ㅤその為、政府側としては非常にやりにくい。

ㅤ・・・だが、今更ここまできて開戦を渋るのも得策ではないとも思う。

ㅤ既に国内世論では新聞が煽りまくったこともあり戦争するのが当たり前という空気感になっており、ここでひよったと聞けば暴動が起こるかもしれない。

ㅤ一応開戦日は二月一日と決めていた為、1ヶ月ほど早い事になる。

ㅤしかし、既にフェン王国の基地の建設は済んでいるし、大した問題はなかろう。

 

 

 

ㅤ最終的に、天皇陛下の許可を得た日本政府は直ちに現地の外交官にパーパルディア皇国に宣戦布告の文書を送るように通達。

ㅤフェン王国に駐屯する海軍第二機動艦隊にも戦闘用意の命令を下した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パーパルディア皇国第三外務局

(まさか、これ程までに早くこの地に訪れるとはな・・・。)

ㅤ大日本帝国外務省の役人、守口は個人的に嫌いな国No.1、パーパルディア皇国の第三外務局の門をくぐる。

ㅤ宣戦布告の文書を送るという大任を任された為内心はとてもドキドキしており、背中からは変な汗が少々出てきていた。

(落ち着け・・・落ち着け・・・相手はただの蛮族・・・蛮族・・・。)

ㅤ落ち着くように心の中で念じながら守口は第三外務局のいつもの窓口を目指した。

 

 

 

 

パーパルディア皇国 第三外務局

ㅤパーパルディア皇国第三外務局の窓口勤務員、ライタはいつものように仕事をしていた。

ㅤ数多くの文明圏外国の相手・・・というか、某文明圏外国関係の報告書に忙殺されたのかこの一年程度で彼はげっそりと痩せていた。

(ちくしょう・・・なんで、なんで俺がこんな貧乏くじを・・・。)

ㅤ出世願望があったあったライタだが、これでその道は完全に閉ざされたであろう。バイバイ出世。こんにちは窓際。

ㅤ半分泣きそうになりながら落ち込んでいると、彼に1人の男が話しかけた。

「こんにちは。大日本帝国の者ですが・・・。」

ㅤ聞き覚えのある、男の声。

ㅤライタが顔を上げると、そこには大日本帝国の使者が無表情で立っていた・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

神聖ミリシアル帝国 港町カルトアルパスの酒場

ㅤ今日も今日とて活気に満ちている神聖ミリシアル帝国港町カルトアルパスの酒場。

ㅤいつも通りこの酒場では昼にもかかわらず酒を搔っ食らう飲兵衛や情報交換をする商人・軍人で賑わっていた。

ㅤここでもフロアの客の大半が顔を向き合わせて話し合っている。

ㅤ様々な声が交錯する喧しい酒場。普段から大声を出しているであろう酒場の従業員でさえもこの酒場によく通る声を発するのは難しい。

ㅤいつも通りのいつもの風景。・・・しかし、そのいつもの風景は突如として非日常に姿を変えた。

ㅤこの酒場に設置された平面水晶体から突如緊急ニュースが流れる前に鳴らされる音が鳴った。その音を聞いた酒場の客たちは一瞬で静まり返る。

ㅤ先程までは飲兵衛の笑い声や情報交換の声が飛び交っていたにもかかわらず、今は平面水晶体からの音しか聞こえない。

ㅤテレビショッピングの放送がされていたチャンネルはいつのまにかニュース番組に変わっていた。

ㅤ画面の奥ではニュースキャスターが慌ただしく準備をしており、数秒後、ニュースキャスターの男は驚愕のニュースを読み上げた。

『本日、第三文明圏外国である大日本帝国及びドイツ国が列強パーパルディア皇国に宣戦を布告しました。

ㅤこれを受けて我が国は・・・』

ㅤ第三文明圏を支配する列強に、文明圏外国が宣戦布告。

ㅤこのあり得るはずがなかった珍事は瞬く間に世界を駆け巡る・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パーパルディア皇国領 アルタラス島 ル・ブリアス 地下

「とうとう始まったか・・・。」

ㅤ慌ただしく列強と文明圏外の二カ国との開戦を伝えるラジオ。

ㅤその奥にいるキャスターの声は明らかに驚きを含んでおり、この出来事がいかに予想外かと言うことを知らせている。

ㅤアルタラス島の地下に根をはる反波組織のリーダー、ライアルはその言葉を冷静に受け止めた。

(まぁ、俺もまさか本当に皇国に正面から喧嘩をするとは思わなかったが・・・。)

ㅤフッと笑った彼は拠点に山積みにされた物資の中から自分用の黒いブツを取り出す。

ㅤそして、彼はそのブツを分解して整備を始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

神聖ミリシアル帝国 港町カルトアルパスの酒場

ㅤ中央世界に存在する誰もが認める最強の国、神聖ミリシアル帝国。

ㅤ帝国南端付近の港町、カルトアルパスは世界最大の交易拠点だ。

ㅤそんな港町のとある酒場では酔っ払いたちが話をしていた。

「列強パーパルディア皇国と文明圏外三カ国が争うらしいぞ。」

「また3つも国が滅び、皇国の版図が広がるのか・・・。にしても、最近の皇国はよくやるねぇ。戦争戦争また戦争じゃねぇか。第三文明圏と文明圏外を統一する気かね。」

「その意図は無くも無いだろうね。パーパルディア皇国と言えば中位列強国。やっぱり神聖ミリシアル帝国やムーには劣るからね。」

「しっかしその三カ国も勇敢だな。国民のほぼ全てが不幸になるってのに、従属しないなんてな。」

「剣の国フェンと新興国の大日本帝国とドイツ国だとさ。」

「何?大日本帝国とドイツ国だと?・・・あーあ。こりゃあ、皇国も久し振りにダメージを負うかもな。」

「どう言うことだ?」

ㅤ大日本帝国とドイツ国に関する情報を求めた男はカウンターに酒を注文する。

ㅤそして、その酒が渡されると日本とドイツを知る商人は情報を話し始めた。

「おりゃあこの前、ドイツ国に商売に行ったのさ。なんでも、ロウリア王国を二カ国がかりでとは言え跳ね返した国だからな。新しい市場開拓に期待できると思ったんだ。

ㅤ・・・そしたら、ドイツは恐ろしいぐらい入国審査が厳しいんだ。

ㅤその時はクワ・トイネ公国からドイツ国に入ろうとしたらドイツの警察に止められてな。馬車を全てひっくり返されたよ。」

ㅤ彼は酒を飲みながら話す。酒を払った男以外の者達は聞いてない風に装っているが、しっかりと聞き耳を立てている。

「それからも1週間くらい待たされてからようやっと入国許可証が出たからいざ新天地へ!とドイツ南部のミュンヘンという街に行ったんだが・・・そりゃあもうすごかった。

ㅤ・・・なんせ、ムーみたいな内燃機関を搭載した輸送機械が沢山走ってるんだ。」

「はぁ⁈」

「嘘だと思うだろ?・・・俺も、最初は信じられなかったが見ていくうちにわかった。あの国の力は本物だよ。特にあの国の首都、ベルリンというところはそりゃあもう物凄い。

ㅤあの国は少なくともムーには匹敵する力を持つぜ。」

ㅤこうして、酔っ払い達の情報交換は進む・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パーパルディア皇国 皇都 エストシラント 皇宮

ㅤ皇女レミールは激怒していた。

ㅤその理由は、我が国に宣戦布告をしてきた『大日本帝国』と『ドイツ国』である。

ㅤただでさえ『大』に加えて『帝国』と国名に付けてみたり、監査軍を破ってみたりなど生意気さが目立っていたにもかかわらず今度は身の程もわきまえずいっちょ前に皇国に宣戦布告。

ㅤどれだけ皇国をバカにすれば気がすむのだ!と怒鳴りつけたい気分だ。

ㅤ人一倍愛国心が強く、プライドが高い良くも悪くも列強パーパルディア皇国民の模範的な存在のレミールは文明圏外の新興国に馬鹿にされたということでどうしても怒りが収まり切らず、パッと立ち上がった。

「どけ!皇帝陛下に直談判してくる!」

ㅤレミールはお付きの女性を突き飛ばすように跳ね除け、皇帝ルディアスの元へ向かった。

 

 

 

ㅤその後、日独の外交担当官はレミールとなりルディアスはレミールの提案を飲み日独に対して『殲滅戦』を宣言した。

 

 

 

 

 

フェン王国日独共用海軍基地 日本海軍第二機動艦隊

ㅤフェン王国に建設された日独海軍基地に停泊する、1つの艦隊。

ㅤその艦隊は日本からすれば只の1艦隊に過ぎないがドイツからすれば喉から手が出るほど羨ましい艦隊である。

ㅤ空母5隻を含むこの艦隊はフェン王国において『パーパルディア皇国軍侵攻』の報を、そして『パーパルディア皇国が日独に対して殲滅戦を宣言した』という情報もついでに受けていた。

ㅤ司令長官である小沢治三郎海軍中将率いる第二機動艦隊は帝国に侵攻してくる蛮族を跳ね除ける為、静かに行動を開始した。




今回は大半が各国の反応で埋まっちゃいました。

久しぶりの作中登場用語・兵器解説
・第二機動艦隊
転移後、正式に機動艦隊が編成されるようになってから編成された機動艦隊。
正規中型空母の蒼龍・飛龍を基幹に編成されており、フェン王国に駐屯している。
蒼龍・飛龍・祥鳳・瑞鳳・龍鳳の5隻の空母を含む。
・祥鳳型航空母艦
日本海軍の軽空母。祥鳳は給油艦剣埼、瑞鳳は給油艦高崎、龍鳳は潜水母艦大鯨が元となっている。
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