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クワ・トイネ公国 ギム
「ぎゃぁぁぁぁぁぁ!!!」
ㅤ街に響き渡る悲鳴と断末魔。
ㅤ家々からは煙が上がり、かつては綺麗だった街並みはロウリア兵により荒らされて消え去っていた。
ㅤまさにこの世の地獄となったギムの街でロウリア王国東方征伐軍先遣隊を指揮する副将アデムは配下の兵士から報告を受けていた。
「ふむ、これがあの不思議な魔法を起こしていた魔法具か。」
ㅤ部下が差し出した魔法具を手にとって眺めるアデム。
本体は木製のようだが、上の黒い所は鉄製のようだ。
「コレが何なのか捕虜に問いただしてみたところこれは『サンハチシキホヘイジュウ』と言うとのことです。
ㅤしかし、使い方については全く口を割らず弾丸という燃料のようなものを使いは果たしたとの一点張りで・・・。
ㅤもしかすると、ですがこれは魔法具ではなく機械なのかもしれません。」
「・・・そうか。ならば、もしかすると機械文明の列強、ムーが後ろについているのかもしれんな。」
ㅤと、配下の兵士に話すが内心ではその可能性は限りなく低いと考える。
ㅤ確かにクワ・トイネ公国の湧き出てくるような食料は魅力的だろうがムーからではいくら何でも遠すぎる。
ㅤ恐らくこれはクワ・トイネ公国が開発した秘密兵器なのだろう。
ㅤ内心そこまで口の硬い兵士を持つクワ・トイネ公国軍を羨ましながら事後処理を進めるアデムであった。
クワ・トイネ公国 コンレン港
ㅤ整然と並べられた20隻の帆船。それらは等間隔に木の盾が並べられバリスタも置かれている。
「壮観な光景だな。」
ㅤ若干皮肉が混じった雰囲気でその光景の感想を呟くクワ・トイネ公国海軍提督、パンカーレは自らの指揮する艦隊を見て若干複雑な心境となっていた。
ㅤそれは、今では『マイハーク湖』と呼ばれるようになった場所に浮かぶ30隻にも登る帆船が理由であった。
ㅤ元々、彼の指揮する公国海軍第二艦隊はマイハークを拠点としており、所属する船も大半がマイハーク港及びマイハーク近海に展開していた。
ㅤだがとある日、とんでも無いことが起こった。
そう、大ドイツ国転移である。
ㅤ突然転移してきたドイツの領土によってマイハーク港を含むマイハーク湾は蓋をされる形になり、内部にいた軍船30隻は塩水湖と化したマイハーク湾に閉じ込められてしまったのである。
ㅤ今ここに集結しているのは奇跡的に外洋に展開していたか何故かドイツの転移とともに位置が動かされた軍船20隻のみなのである。
ㅤわざとでは無いとはいえドイツに自らの艦隊の5分の3を無力化されたパンカーレはあまりいい気はしなかった。
「やれやれ、頼みの綱の日本海軍もたったの20隻しか送ってこず、大ドイツ国様に至っては0隻。これでは今ここにいる彼らも何人が生きて帰れることやら・・・。」
「提督、そろそろ日本海軍との合流の時間です。」
ㅤ配下の海軍士官から日本海軍との合流時間を知らせられる。
「わかった。今行く。」
ㅤパンカーレは先程までの憂鬱な気分を振り払って日本海軍を迎える準備をするのであった。
それから数時間後
ㅤ日本海軍と合流したクワ・トイネ公国海軍提督、パンカーレは観戦武官という貧乏くじを自ら引いた殊勝な海軍士官、ブルーアイとともに瞠目していた。
「これが・・・日本海軍の軍艦・・・。」
ㅤ目の前に浮かぶ一隻の超大型船。
ㅤ塔のように聳え立つ巨大な艦橋、雲すら突き抜けそうな大きさのマスト。
ㅤその名も日本海軍高速戦艦比叡と言う。
(あの前方と後方に4本ずつ付いているのは、魔導砲なのか?・・・成る程。魔導砲で敵戦力を削ってから白兵戦に持ち込むということか。あれだけ大きければ船員の数も桁違いに多いだろう。)
ㅤブルーアイは彼なりに戦艦比叡を理解しようとしていた。
「お、ブルーアイ、お前に迎えが来たみたいだぞ。」
友人の士官がブルーアイに話しかける。
ㅤブルーアイは友人が指差す方向を見てみると、高い位置に平たい甲板が取り付けられたこれまた大きな船からかなり小さめの船がこちらを目指してやってきていた。
翌日。
ㅤ補給を受けた日本海軍第一機動艦隊はブルーアイを乗せてロウリア王国海軍撃滅の為に出撃するのであった。
さて、次回はいよいよロデニウス沖大海戦ですね。
お楽しみに!
後、最低限スペックがないと分かりづらいと思ったのでTigerⅢのスペックを一応書いときます。
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不定期開催 作中登場兵器解説
・戦艦比叡
1911年に巡洋戦艦として横須賀で起工され1914年に竣工した。
二度の改装を経て30ktに迫る高速性を得た。
・TigerⅢ
主砲:10,5 cm Kw.K. L/68
エンジン:HL234
重量:75トン
どっちかっていうとTigerⅢよりもTigerⅡB型とかの方が良いかもしれない。
注:閑話まで出番なしに変更