妖怪が実在する世界で妖怪を否定するだけの話 作:すねこすりすり
そろそろオリ主の特異性を描写したい
「ここ?」
「うん、そこの茂みに入っていったままいなくなっちゃったの!」
休日だというのに特に予定もなく家でゴロゴロしていたところに犬山さんからメッセージが届いた。なんでも知り合いが神隠しにあってゲゲゲの森とやらに行ってしまったらしい。よく分からないけど、どうにもいなくなった知り合いを探すを手伝って欲しいそうだ。
「それにしてゲゲゲの森だっけ?」
「うん! 鬼太郎達がいるところ!」
ゲゲゲの森に鬼太郎、どちらも聞いたことがない。鬼太郎というのは妖怪に関しての困りごとがあった時に妖怪ポストに手紙を入れると助けに来てくれる妖怪だそうだ。そしてゲゲゲの森はその鬼太郎が住んでいるところらしいけど、これは妖怪譚というよりも都市伝説に近い話な気がするな。
「生憎だけど、その鬼太郎とかいう都市伝説は詳しくないんだ」
「鬼太郎は都市伝説とかいうのじゃなくて妖怪だよ!」
「ああうん、まあどっちでもいいんだけどさ。とにかく知らないものは知らないから探すとしても普通に手分けして探すしかないよ」
幸いにもその知り合いの子がいなくなったのは神社の裏手にある小さな林だし、たぶんどっかで転ぶかなんかして身動きが取れなくなってるだけだろう。ゲゲゲの森なんてのが実在するならともかく、そんなものは存在しないのだから。
「とにかくそこの茂みの奥の方を見てみようか」
「でも、普通の人間はゲゲゲの森には入れないんだよ?」
「まだそのゲゲゲの森に行ってしまったって決まったわけじゃないでしょ?」
そう言いながら茂みを分け入って奥へと進んでいく。
「あ、待ってよ!」
「怪我しちゃうかもしれないから一人で行ってくるよ、犬山さんはとりあえずそこで待っててよ」
実際の所、木々が擦れて痛い。気を付けていないと怪我をしそうだ。そんな茂みを進んでいくと少し開けた木の根元に小学生くらいの子供が倒れているのを発見した。
「あっさり見つかったな」
少年に近づいて軽く肩を叩くと、少年は目を開けた。
「あれ……ここは……?」
「やあ、お目覚めかな少年」
「あ、えっと誰ですか?」
「俺は犬山さんの……友達かな? 君が裕太君で間違いないかな?」
「はい」
「そうか、犬山さんが向こうで心配してるから早くいこう」
「まな姉ちゃんが?」
「そうだよ、立てる?」
「はい、大丈夫です」
見つけた少年は探し人で間違いなかった。元気に立ち上がることも出来るようで心配はなさそうだ。
「そこの茂みは危ないから、そっちから迂回していこう」
少し遠回りになるが無事も確認できたことだし慌てて戻る必要もない。
「ところで裕太君、どうしてあんなところで寝てたんだい? 転んで頭でも打ってない?」
もしかしたら頭を強く打っているかもしれない、そうなると今は元気に見えても後からなにかしらの症状が出てくるかもしれない。もしそうだったら念のため病院で検査して貰ったほうがいい。
「えっと、僕ゲゲゲの森に行ってたんです。そこでいろいろあったんだけど、気が付いたらあそこに帰ってきていたんです」
また、ゲゲゲの森か。最近の小学生の間ではひと昔前みたいに都市伝説が流行っているのかもしれないな。
「そうかい、本当だね? 実は頭を打ったけど危ないことして怒られたくないから嘘を付いていたりしない?」
「本当ですよ! 僕は本当にゲゲゲの森に行っていたんです!」
「いや、別にそのことを疑っているわけじゃなくてね、頭を打っていたら後から怪我が見つかるかもしれないから念のためね。それよりゲゲゲの森っていうのはどんなところなんだい?」
「あ、しまった! 本当はゲゲゲの森の事を人に話しちゃいけないんだった!
「なら今回は聞かなかったことにしておくよ」
俺の知らない都市伝説について詳しく知りたいところだけど、無理に聞き出すのも悪いだろう。そんなふうに話している内に犬山さんの姿が見えた。
「あ、まな姉ちゃん!」
「裕太君!」
無事合流出来てなによりだ。
「怪我もないみたいだから安心していいよ。それじゃあ用事も終わったし俺はこれで」
犬山さんと裕太君の再開を後目に家に帰る。今回は俺の知らない都市伝説の噂が聞けたからその事について調べる必要がある。最近は目立った都市伝説の噂を聞かなかったから実に楽しみだ。
次くらいから本番かな