《リメイク》とある科学の確率操作   作:々々

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口調が似ている三人を同時に登場させるのは厳しい。みんな特徴のある語尾とかもしてないし。





遭遇もしくは出現

 8月21日。その日は上条にとって波乱の一日だった。一週間前の一方通行と戦った時と方向としては逆の、いわゆるギャグの様な嵐に巻き込まれて疲れていた。自分の知り合いが自分の親族だと名乗り(父親は除く)、海の家の店主もたった一日で別人に入れ替わっていた。

 そこにダメ押しのように、隣人(土御門)が魔術師であったり、入れ替わりの原因がよく分からない魔術だったり、コメディーとシリアスの合わせ技に辟易していた。

 

「問一。貴方がこの術式の術者か」

 

 頭の中を整理したく、一人で海辺を歩いているとふと声が掛かる。幼く若い声に上条はそちらを向く。

 初めて見る少女だった。緩やかなウェーブの掛かった長い金髪、目元が見えないくらいに切りそろえられた前髪。そして異様な衣服。インナースーツの上に拘束具を着込み、その上に外套を羽織っているだけの姿。

 

 上条当麻は経験則で知っている。

 誠に遺憾ながら、この様な奇抜な格好をしているのは大抵記憶を失う前の自分の知り合いである事を。

 赤髪の神父に、裸アロハシャツ、そしてジーンズを片足切り落とした物を履く人らが知り合いなのだ。この少女のような子が知り合いでもおかしくないと考える。

 

「よ、久しぶり!」

 

「再度繰り返す。貴方がこの術式の術者か」

 

「あれ、上条さん選択肢間違えた?」

 

「質問に対する答え出ないと判断。返答が無いため肯定と捉える」

 

 拘束具に取り付けられたバールを取り出し、振りかぶる。しかしバールは上条に当たるという所で止まった。

 既に人払いをした筈のこの場所に入ってこられる者は魔術師以外にありえない。

 

「そっちがこっちを襲うのは問題になるらしいぜ」

 

「問一。貴方の言う『そっち』と『こっち』の意味はなにか」

 

「おい木原。お前、この指示語で伝わるっていってたじゃねえか。この金髪のお嬢さんが分からんって顔してるぞ」

 

「あれ?」

 

 科学側からの来訪者が二人やって来た。

 

 

「うにゃー! 木原先輩も登場って、なんだか凄いことになりそうだにゃー」

 

「まだそのにゃー語は続く雰囲気なのね」

 

 上条と合流したらイギリス清教の二人も現れ、それぞれが意見を持って話し合う場が自然と生まれた。自己紹介も終わり、これから本題へと入っていく。

 

「まぁいいか。俺とこいつは、外へ出てった上条を護衛と監視する為に学園都市からやって来た」

 

「あまりにもタイミングが良すぎる気がしますが。まぁ良いでしょう。少なくともこの少年に危機が迫っていると言っても過言ではありませんし」

 

 今、世界中で起こっている入れ替わり現象。その渦中に上条は()()()()放り込まれてしまった。

 

「あなた方はこの現象、私達は便宜上『御使堕し』と呼んでいますが、この現象を防いだという事でいいのですか?」

 

 一際厳しい目で詰問をする。

 もし防いだとするならば、魔術を使ったもしくは術者その者かどちらしかあり得ないと考えているからだ。

 

「防いだは防いだけど、たぶんねーちんが考えているのは的はずれなんだぜい。そこの垣根は学園都市の第二位だにゃー。俺たちみたいに前触れがあってからなら防いでもおかしくないにゃー」

 

「前触れに関しては、俺が垣根に教えた。多分だけど俺たちも他の奴らからしたら別人に入れ替わっているはずさ」

 

 垣根は上条を見る。憎い第一位を倒し、アレイスターのメインプランになっている男が、こんな普通の少年なのかと心の中で値踏みする。

 

「ちなみに俺は科学側で魔術を成り立ちから原理まで知ってるどっちの勢力しても迷惑な存在だ」

 

「迷惑って意識はあるんだな」

 

「口出しはNGだ。んで、垣根は魔術っていう科学とは違うシステムで起こる物がある程度の認識しか無いから情報の流出は気にしなくていい。超能力者が魔術を使う副作用も説明したし」

 

 科学側だけど魔術を知っている。けど存在だけだから、使う可能性は気にしなくていいよ、という暴論を放つ。信頼関係が成り立っているならばまだ許されそうだが、現状では到底受け入れられないだろう。

 

「分かりました」

 

「わかったにゃー」

 

 だがそれがまかり通る仕掛けがある。

 学園都市の中では他への影響を無視すれば、ほぼ無限に使える。しかし外では一回しか使えないとっておきを使った。

 それだけ垣根がこの場にいるのを大切だと考えているのだ。

 

「あれ? いいの?」

 

 その策が通らない者が一人取り残された。

 

 

「クソ! どうして俺がアイツに見えてんだ!?」

 

「アハハハ! 絶対何か悪いのに憑かれてるって」

 

 海の家わだつみに戻ると、サーシャを除く4人が上条一家と出会った。上条の友達と言う事で紹介されたのだが、それぞれが癖のある人と見た目が入れ替わっていた。

 

 土御門元春は一一一(ひとついはじめ)

 神裂火織はステイル=マグヌスへ

 そして、垣根帝督はと言うと。

 

一方通行(アクセラレータ)になってるとかふざけんじゃねぇよ」

 

「日頃の行いが悪いからなぁ」

 

「木原先輩、この人第二位なんだろ? そんな言葉づかいでいいのか?」

 

 若干青筋を立てながらキレる垣根(第二位)に自然な態度で煽りを入れる木原に、先週、一方通行(第一位)と対立した上条は肝を冷やす。

 あの圧倒的な力の前に勝ち星を奪い取れたのは、珍しくも幸運だったからだ。もしその場にいた人の数が足らなかったら、一方通行が能力に頼らなかったら、様々な条件が揃ったから上条当麻は勝つ事が出来た。

 それが普通だ。

 

「あたしは平気だって。垣根とは長い付き合いなんだし」

 

「他の奴からはお前が女に見えてるからいいけどよ。俺達からしたら男のままでその口調だと、長年の付き合いとかなしで殴り飛ばしたいんだが」

 

「それは男子力が低いぞ☆」

 

 見た目が金髪クールな外国人女性になった木原は、そう言われた瞬間に別の人を真似る事でその場を乗り切った。乗り切った今も何処から誰が見ているか分からないから続けると言ったが、案外面白いからが理由だ。

 

「位相が揺らいでこんな事になるなんてのは稀も稀だ。原因不明、科学側だから下手に探れないの現状だと楽しむのが一番だ」

 

「見た目も変わってるならまだしも、木原先輩も垣根さんも俺からしたら変わってないからな」

 

 自分と同じ状況な相手は本人のまま認識でき、違う状況の相手は入れ替わりが生じていると認識する。ただし、幻想殺し(イマジンブレーカー)という例外は除く。

 

 位相と深い関わりを持つ超能力を持つ木原だから分かることだが、天使が落ちてきた事でこの世界の位相が僅かに2つに分かれた。

 防御できた者はそのまま留まり、できなかった者は僅かにずれた位相へ移動させられた。割れたガラスを通して見るように、見た目がズレる。

 だから映像で今を流している場合は入れ替わりが生じ、録画や写真では入れ替わりは生じていない。

 

「俺と垣根は海の家で夏休みを謳歌するから、上条は解決に向けて頑張ってくれよ」

 

「お前と一緒にいるとか、心が疲れるから無しだ」

「けど他にすることないよ」

 

 様々な施設が存在する学園都市ならいざ知らず、クラゲが大量発生した海では遊べなく。せいぜいビーチボールや砂遊びが関の山。

 それを分かっている木原はニヤニヤと、女性に見える人からすると艶美にみてるような笑みを浮かべながら上条たちの方を見るように、後ろ向きに歩いている。

 

 突如廊下の電気が消え。上条と垣根が歩めを止め、それに倣い木原も後ろ向きに歩くのを止める。光源は微かに差す月の光だけ。

 どうやら電気が消えたのはここだけはない様子で、先程までいた居間と店主がいる台所から「電気が消えた」と声があがる。

 

「停電?」

 

「ブレーカーが落ちたんだろ」

 

「さっきこの建物を見て回ったけどブレーカーが落ちる位使われてるって様子はなかったが……ん?どうした?」

 

 上条と垣根が目の前でパクパクと口を開けたり閉じたりしている。御使堕しの影響かと考えるが、位相のさらなる大きな変化は観測できない。

 上条は目を見開き、垣根は両耳に指を指している。そこから推察できるのは。

 

「なるほどな」

 

 レベル5と戦ってからもしもの時用に切っていた痛覚と自然な女性の演技をするために切っていた触覚のことを思い出す。触覚だけをもとに戻すと、両耳に違和感がある。

 両耳に刺さっていた物を取り、目の前に持っていくとナイフだと分かる。それもただのナイフではなく、刀身に熱線が入った発熱ナイフ。刀身を持った手が熱で爛れている。

 

「どっか第三勢力が参入したか」

 

 柄には『R.S.M』の文字が刻まれていた。

 

 

 




分数の影響で第三勢力が出来ちゃった。
名前付きのオリキャラは扱いきれないので出ません。自分も苦手ですし。
という事で、こんなことをしたのはアニメ版でリストラされた彼ですね。



お気に入り登録、評価ありがとうございます。
おかげでランキングに載って沢山の方に見ていただくことができました。
また、誤字脱字報告には本当に感謝しています。
今後もよろしくお願いします。
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