Masked Rider BAGX-AID 作:ドラーグEX
前作のように長々しくはならないと思います。
この第0話は必ず書き上げるという私の決意表明みたいなものです。
無残に破壊された街並み。
悲鳴が渦巻き、人々が逃げ惑う。
平和だったはずの世界は、一瞬にして混沌へと叩き落とされた。
その只中に立つ、四人の男たち。
彼らは、ドクター。
そして、仮面ライダーである。
「……見つけた」
四人のうちの一人、聖都大学付属病院の小児科医、宝生永夢——仮面ライダーエグゼイドがつぶやく。
その瞳は、土煙の向こうからこちらへ歩いてくる人影を捉えている。
「フフフ……アハハハハハ……!」
それは、少女の形をしていた。
Tシャツにホットパンツという格好で傷だらけの肢体を晒しながら、虚ろに笑う少女。
少女の腰にはボロボロの白衣が巻きついている。
「あんな女の子が……」
「見た目に騙されるな、小児科医。あれは人間じゃない。バグスターだ」
「それもとんでもなく悪性のな。見ろよあの顔。明らかにやべーだろ」
同じく聖都大学付属病院の外科医である鏡飛彩——仮面ライダーブレイブ、監察医の九条貴利矢——仮面ライダーレーザーが永夢と同じ方向を見ながら言葉を紡ぐ。
「てめーら、やる気がねぇなら引っ込んでろ」
三人の前に出たのは、花家大我——仮面ライダースナイプ。かつては聖都大学付属病院のドクターであり、今はゲーム病専門の花家医院を経営している。
「どんなバグスターだろうと、俺がぶっ潰す」
ゲーマドライバーを装着した大我が取り出したのはガシャットギアデュアルβ。
明確な敵意を察知した少女は、足を止めた。
「私が、守る……。みんな……ずっと、ずっと……!」
うわ言のように呟いた少女の周囲に光の粒子が舞い、少女の両手、そして腰のあたりへ集約していく。
少女の腰に現れたのは、ゲーマドライバー。
少女の両手に握られたのは、二つの銀色の塊。
「マジかよ……」
貴利矢が思わず、といった風に短く笑う。
永夢は少女の腰のゲーマドライバーよりも、彼女が持つものに注目した。
「銀のマキシマムに、ムテキガシャット……」
見間違うはずがない。永夢だけでなく飛彩にも、貴利矢にも、大我にもその形は一目で理解できた。
「ゲムデウスムテキの復活ってか?」
「にわかには信じられんが……」
「なんにしても、向こうは準備万端らしい。やるぞ」
大我の声に頷き、貴利矢と飛彩もゲーマドライバーを装着する。
「待ってください!」
直後、永夢が三人と正面から向き合った。その腰には、ゲーマドライバーが巻かれている。
「ここは、僕がやります」
「小児科医……」
「どういうつもりだ、エグゼイド」
「あの子は、僕が止めなくちゃいけないんです」
数秒、視線を交わす。貴利矢は永夢の瞳に宿る決意の光を見抜いた。
「仕方ねぇ。譲ってやるよ。ほれ、お二人さんもさがったさがった」
貴利矢が飛彩と大我を後ろに押しやる。
「貴利矢さん……」
「ヘヘッ。……頼んだぞ」
笑顔から真剣な表情になった貴利矢とのアイコンタクトのあと、振り返った永夢は少女を見つめたまま、右手に持つガシャットの
『マキシマムマイティX!』
永夢の背後に、『MAXIMUM MIGHTY X』のタイトルロゴの映るゲームスタート画面が現れた。
その瞬間、永夢の中のもう一つの人格、天才ゲーマーMが覚醒する。
「お前の運命は……俺が変える!」
「……アハッ」
少女もそれに呼応するように、右のガシャット——マキシマムガシャットを起動する。
『マキシマムマイティ
少女の背後に、永夢と同様のゲームスタート画面が浮かび上がる。
Mはそのロゴを見てニヤリと笑った。
「Xが三つか。面白れぇじゃん!」
Mは不敵に笑い、左手に握る金色のガシャットのスイッチに手をかける。
少女もほぼ同時に白銀に輝くガシャットのスイッチを押した。
『『ハイパームテキ!!』』
激しく、鮮烈に、しかし荘厳な旋律の二重奏が大気を揺らす。
「フェイズ、ハイパー……!」
「ハイパー大!」
「「——変身!!」」
金と銀。輝きと煌めきがぶつかり合う。
これは、滅びの定めに抗った一人の少女の物語。
あっという間に終わりました。
タイトル通り、プロローグなので。
次回というか初回第1話は近日更新します。
お楽しみに!