任命された二人   作:β96
<< 前の話

2 / 2
更新遅れすぎました!

中々書く内容が思いつかず、数日放置…。
大変申し訳ございません!


修繕

 

 

 

 

 

 

 

 

離に来ていた二人は、早速本丸の修繕に取り掛かることにした。まず手始めにこの大木。本丸の象徴とも言ってもいい大木は歯が枯れ落ちて見るに堪えないものに成り果てていた。

 

 

「何で僕達がこんな目に…」

 

「腹減った」

 

「今の状況で!?」

 

 

呑気にも程があるよ!と喚く琉をよそに同士は何かに導かれるようにとある一室の所まで歩み寄る。異変に気づいた琉も慌てて同士の後をついて行ってそこで目にしたものに対して声を詰まらせた。

 

「え、…?」

 

辺り一面黒一式に染まりかけた部屋。その中心には粉々に砕かれた鈍く光る破片が散らばされていた。

 

 

「…拷問部屋みたいだな」

 

「拷問…?何で」

 

「あのクズ野郎の趣味なんじゃないか」

 

「何それ…狂ってる」

 

 

容易に想像できたこの現場でどれほどの刀剣達が苦しんできたのだろう。そう考えると無意識に拳に力を込めていた。

 

 

「これそのまんま彼奴にやってやろうか」

 

「ちょっと、いきなり物騒なこと言わないで。早く片付けよう」

 

 

そう言うと琉は深呼吸を何度か繰り返して部屋の壁に手をかざした。瘴気が霧状と化して消えていき、澱みがどんどん薄らいでいく。

 

 

「お前も随分と成長したな」

 

「そう言いつつ傍観しないで欲しいよ」

 

「自分は無駄な体力は使わん主義でな」

 

「僕だけなんて不公平だ!」

 

「うるせえな、分かったって」

 

 

悪態をつきながら同士は部屋を出ると、枯れきった大木の下まで歩み寄っていき、幹に手を伸ばす。

 

その途端に大木は息を吹き返したかのように枝から蕾を膨らませて淡い桜色の花弁を次々と満開させた。

 

 

あっという間に本丸全体の瘴気が薄れていった。

 

 

「どうだ」

 

「…君のそういう所キライ」

 

「いやぁ、悪いな。良いところ取っちまって」

 

 

不貞腐れた琉に向かってドヤ顔を決め込む同士だったが、琉の背後に視線を移して驚いたような表情をする。琉もそれに気づいて後ろを振り返るが、何も無い。

 

 

「何か居た?」

 

「…いや、」

 

 

何か言おうとしていたが、すぐに口を閉ざして何事も無かったかのように琉を離の方へ戻るように促した。

 

その後も先ほど見ていた箇所をもう一度確認したが、踵を返してこの地を後にした。

 

 

「俺達の気配に気づいてた…?」

 

「やっぱり只者じゃねぇな」

 

 

草むらから頭を出した短刀達。彼らは索敵に最も優れているが、同士には既にお見通しだったようだ。然し、気づいていながら何もせずに彼らを見過ごした。何か考えがあるのか…二振りは暫く黙り込んでいたが、お互いの顔を見て頷くと再び姿を消した。

 

 

 

 

────────…

 

 

 

 

「え?短刀が?」

 

「嗚呼…監視してたんだろう」

 

 

綺麗になった部屋で早速寛いでいる二人は先ほどの気配の正体を話していた。同士に言われて初めてその事を知ることになった琉はまだ刀剣達に警戒されているんだと改めて思い知らされて少し悲しい気分になった。

 

 

「どうすれば仲良くなれるんだろう」

 

 

誰とでも仲良くなりたいという琉に呆れ返った反応を見せる同士は手にしていた湯呑みを置いた。

 

 

「あれほどの仕打ちを受けてれば当たり前の反応じゃねぇか。身体が癒えても心は簡単に癒えるもんじゃない」

 

「…」

 

「お前が素直に気持ちをぶつけ続けたら何か変化は有ると思うけどな」

 

「…同士は?仲良くなりたくないの?」

 

「そうだな、自分の趣味じゃない」

 

 

仲良くなるのに趣味以前の問題だろうか…。琉が心の中でそう思うと、同士が更に口を開く。

 

 

「だったら役割分担でもするか」

 

「…え?」

 

 

 

 

 







※この小説はログインせずに感想を書き込むことが可能です。ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に
感想を投稿する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10は一言の入力が必須です。また、それぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。