Fate/Grand Order 幻想創造大陸 『外史』 三国次元演義 作:ヨツバ
順調にGW中に更新!!
ついに始皇帝陛下の登場です!!
孫呉独立編の話なんですけど、なんかもう始皇帝の登場で全て上書きしてしまったような感覚です。
やっぱあれかな『お朕朕ランド開園』なのかな。
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外史に降臨した始皇帝。
彼は外史の始皇帝ではなくカルデアの、正確には異聞帯の始皇帝である。
中国で始皇帝の名を知らぬ者はいない。この外史という三国志世界でも始皇帝の名を知らぬ者はいない。
(彼がカルデアの始皇帝か。確か異聞帯で世界統一を果たしたとかいう…世界統一した皇帝というのは嘘じゃないようですね)
始皇帝から感じる『強さ』と『高さ』に于吉は冷や汗を出す。彼が見た英霊の中でも次元が違うというのが嫌でも分かってしまう。
今の自分の状態は万全とは言えない。雪蓮に呪いを掛けるために脇腹を貫かれ、先ほどは腕を切断された。
簡単に言ってしまうと今の状態で始皇帝に勝てる可能性は無い。ただ、片手には軒轅剣を持っている。
軒轅剣は無尽蔵の力が込められている。始皇帝相手でも軒轅剣ならば勝てる見込みはあると判断。
于吉は軒轅剣の出力が最大限まで引き上げる。
「なんかあの剣…知ってるような」
始皇帝は于吉の剣を見て首を傾けた。
「それはともかく…ここが立香のいる世界だな。さて、立香はどこにおるのだ?」
「始皇帝!!」
「おお、後ろにいた………立香よ、その傷はどうした」
始皇帝が見たのは藤丸立香の傷付いた姿であった。
「武則天…それに名の知らぬ女まで」
藤丸立香だけでなく武則天や雪蓮の傷付いた姿も確認する。雪蓮の事は知らないが藤丸立香たちと一緒にいる事から敵ではないと判断。
「ふむ。お主らを傷つけた不敬な者はあやつか?」
「気を付けて始皇帝。あいつは于吉という方士で妖術を操る。それに彼が持っているのは軒轅剣って言う…」
「ああ、アレって軒轅剣なのか。朕、持ってた」
「持ってたの!?」
「うむ。阿房宮に飾ってた。あまり使う事はなかったけど」
そういえば始皇帝は様々な宝を集めていたと思い出す。
「まあ、アレが軒轅剣ならちとマズイな。朕が持ってたのと同じならあの剣って強いし」
始皇帝ですら軒轅剣の強さは認めているようだ。無尽蔵の力を込めている剣と簡単に口にするが実際は恐ろしいものである。
「ふふ。始皇帝ですらこの剣が恐ろしいようですね」
「そうでも?」
軒轅剣の出力が于吉で出せる限界まで上げる。
「如何に始皇帝でも軒轅剣の力には勝てないでしょう!!」
于吉が軒轅剣を振るおうと腕を上げる。
「喰らいなさい!!」
「その剣が振り下ろされる事はない」
軒轅剣を振り下げようとした瞬間に軒轅剣を持っていた腕がボトリと落ちた。
「なっ、なに!?」
両腕を切断され、軒轅剣を持つ事はもうできない。
「ど、どうやって」
「最初に水銀を飛ばして切断しただろう。その飛ばした水銀ってまだお主の後ろに残しておいたのだ。あとはソレをこう…後ろから狙ったにすぎんよ」
フヨフヨと浮いた水銀が于吉の横を過ぎる。
「今回は両腕切断んんん…っ!!」
前は両腕骨折。今回は両腕切断と前より酷い状況である。
「軒轅剣は確かに強力だ。しかし剣を振るう事が出来なければ如何に強力な剣も宝の持ち腐れよな」
始皇帝は人差し指を天へとかざすと水銀が集まり大きな球体へと変形する。
「これを賜す」
水銀の球体は于吉を押しつぶすように降りかかるのであった。
「ふむ…逃げたか」
水銀の球体が着弾した場所には于吉の姿は無く、切断された腕や軒轅剣も無かった。
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崩壊した玉座の間は静かな空間に包まれていた。
「始皇帝。来てくれたんだ」
「うむ。まったく、朕を早く呼ばんか」
始皇帝は物凄いタイミングで現れた。とても助かったと心の底から感謝している。
「でも、どうやって?」
「立香が呼んだのではないか?」
藤丸立香は英霊の影を呼ぼうとしていた。まさか本体の方が呼べたのは初めてかもしれない。
(でもオレが呼ぼうとしたのはアルトリア・オルタなんだけど…)
「立香よ。何か不敬な事を考えなかったか?」
「考えてないです」
それでも始皇帝本体を呼べた理由が分からない。
可能性を考えると中華系の英霊が外史に呼ばれているという点が1つ。藤丸立香は于吉との戦いである物を拾ったのが触媒を果たしたかもしれないというのが1つ。
空間内に武則天という中国の皇帝に引っ張られたかもしれないというのも可能性として1つあるのだ。そして藤丸立香との縁である。
「立香の考察も不正解ではないだろう。あと理由があるとしたらお主に装着した『夢に繋がるくん』とかだな」
「なんだって?」
「『夢に繋がるくん』だ。お主の夢に繋がるために朕が作った」
「それ、ネジが余ったりして不具合起こしてないよね?」
「もちろん…………大丈夫だ」
「今の間は何ですか!?」
何か不安が過る。爆発オチとかになっていない事を祈るしかなかった。
「爆発オチなんてなっておらん。朕が最後に見た立香の姿は朕の作った機材やらチューブが繋がった姿でな」
近未来映画に出てきそうな未来技術のような物が藤丸立香に繋がっている姿を思い浮かべる分かりやすいかもしれない。
「どうなっちゃってんのオレ…」
「朕を初めにエジソンやらテスラやらが乗り気になって色々と発明してたな」
「オレ改造されてないですよね。腕とかサイコガンになってませんよね?」
カルデアで眠っている自分の姿が大丈夫かと心配するのはの話を聞けば当然である。カルデアにいる天才たちの事を考えると否定はしきれない。
「それにしてもいきなり呼ばれた時、目の前に巨大な力が迫ってた時はちと驚いたぞ。アレ、本気で防いだからどうにかなったものの」
いきなり呼ばれて目の前に軒轅剣の巨大な力が迫っていたのを見て、始皇帝はつい「うわっ」と溢したらしい。
「でも始皇帝なら防げたでしょ」
「無論だ。朕、始皇帝だし」
『始皇帝』というパワーワード。
「それよりもだ。彼女たちの容体はどうだ?」
「大丈夫そう。武則天の傷もだいぶマシになってるし、雪蓮さんの傷口も塞がっている」
雪蓮の傷は先ほどまで癒しても塞がらなかった。しかし今だと塞がっていく。
呪いが完全に解除されたかは肯定できないが彼女の容体は安定しはじめた。命に別状はなさそうである。
「ん…」
「武則天、大丈夫?」
「うむ。マスターの治癒魔術のおかげじゃ」
目をゆっくりと開けた武則天。
「おお、大丈夫そうだな武則天よ」
「はわぁっ、偉大なる祖龍、始皇帝!?」
ゆっくりと目を開けた武則天であったが始皇帝が視界に入ると、目を見開いた。
「何故、ここに?」
「色々あって呼ばれた。朕が来たからには全て任せよ」
確かに始皇帝ならば何もかも解決できそうな力があると思ってしまう。
「今までのお主たちの事を説明してもらいたいが…まずは今の案件を解決してからだな」
いきなり呼ばれたばかりの始皇帝なので全ては把握できていない。だが今の状況だと藤丸立香たちからゆっくりと説明を受ける事すらできない。
まずは雪蓮を治療するために明命たちと合流して冥琳たちの元へと戻るべきなのだ。
「そうだね。まずはここを出なきゃいけない」
「うむ……おっと」
始皇帝の顔に何かが飛来してきた。飛来してくるが水銀で受け止める。
飛来したものは短刀であった。
まさか于吉が戻ってきたかと思ったが、全然違った。
「また殺り損ねた」
「って、荊軻」
荊軻だけでなく、燕青たちもいた。彼女たちは宮殿内の異変を察知してすぐに駆けつけてきたのである。
駆けつけた瞬間に始皇帝を見かけて短刀を投げつける荊軻はいつも通りである。本音としては止めてほしいが始皇帝と荊軻の因縁なのでどうしようもない。
「大丈夫かマスターって…傷だらけじゃないか!?」
「燕青、大丈夫。大丈夫だから」
「何処のどいつがやったんだ。教えてくれマスター」
燕青の目が据わって、声が低くなっている。
教えたら間違いなく殺しに行くと想像できてしまう。
「燕青殿。私も同行します」
「リャンさんも落ち着いて」
2人には何とか落ち着いてもらうしかなかった。
「無茶をしすぎだ弟子よ」
「これくらいもう無茶の部類じゃないよ」
「まったく分かってないな弟子は…この」
軽くデコピンをされる。
「そう言えば李書文は?」
「彼なら何姉妹の護衛を頼んでいるよ。てか、あの姉妹が勝手に離れるなと五月蠅かったからね」
何となくだが傾たちがどのように駄々をこねたか想像できてしまう。李書文には損な役回りかもしれない。
「お互いに状況を説明を聞きたい所だろうが…」
「はい。まずは…」
藤丸立香の言葉を遮るように2人の女性の声が響く。
「雪蓮さまああああああ!!」
「お嬢さまああああああ!!」
声の主は明命と張勲である。
張勲は袁術を探しに藤丸立香たちなんて見向きもせずに走っていく。そして明命が全力で藤丸立香たちの元へと駆け寄る。
「雪蓮さま!?」
「大丈夫、気を失っているだけだよ。でも治療は続けないといけない。何処か清潔の良い場所と医者を呼ばないと」
「は、はい。そうですね」
荊軻たちと同じように異変を察知した冥琳たちも後から来ている。すぐに合流して雪蓮を治療するように動くようにしなければならない。
善は急げ。すぐに藤丸立香たちは動くのであった。
「……何となくだが朕、霊体化したけど必要なかったか?」
「いえ、始皇帝は霊体化していてください。きっと話がややこしくなるから」
「えー、朕ちょっとつまんない」
何がとは言わないがこの場で堂々と始皇帝の話が出れば収拾が付かなさそうなので申し訳ないが霊体化してもらうしかなかった。
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ボトボトっと両腕と軒轅剣が地面に落ちる。于吉はトドメを刺される前に逃亡したのだ。
「…流石に今の状況では始皇帝には勝てませんでしたか。あそこで逃げて正解でしたよ」
そもそも始皇帝が出現するのは予想外であったのだ。いずれは来るとは予想していたが、まさかあの場に出現するなんて思いもしない。
藤丸立香たちの運が良かったのか、于吉の運が悪かったのか分からない。しかし分かった事はカルデア側に新たな戦力が加わったという事である。
「計画の流れを始皇帝がいる事を踏まえて修正していきませんとね」
「ボロボロだな。負け犬」
「負け犬とは…手厳しいですね」
于吉の背後から声が聞こえた。振り向くと、そこにはある女性が立っていた。
その女性は劉備の陣営にいる武将とソックリであった。
「トドメでも刺してやろうか?」
「もしかして私のこと嫌いです?」
ジャキリと武器を向けてくる。その武器もまた劉備陣営にいる武将が持っている武器と似ていた。
「ははは。とりあえず私の腕を拾ってくれませんか。そして私の腕にくっ付けてください」
「ふん」
女性は于吉の腕を拾って切断面に合わせるとミチミチと音を立てて腕が繋がっていく。
「妖術というのは便利だな。で、私を呼んだ理由は何だ。これでも宝珠集めで忙しいのだが」
「貴女には一旦、宝珠集めを止めて別の仕事をしてもらいたいんですよ」
「別の仕事だと?」
「はい。そちらにいる者と益州に向かってください」
于吉は繋がった腕がちゃんと動くかどうか確認しながらある方向を指す。その先には仮面を付けた道士風の男が立っていた。
仮面を付けた道士風の男もまた于吉が用意した策の1つである。
「何をするかは彼から指示を受けてください。もちろんあの女神さまから許可はもらってますよ」
「分かった。では、そこの貴様なにをする気だ?」
「益州を手に入れる」
袁紹の件と袁術の件での策は失敗したが于吉の策はまだまだ大陸中に配置してあるのだ。次の策はもう動き始めている。
読んでくれてありがとうございました。
今回はちょっと短かったかな?
次回もGW中に更新予定です。
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始皇帝の活躍!!
もう今回は始皇帝の独壇場でした。これからもっと活躍させていきます。
さて、彼が来た事で色々と恋姫世界も大変になるというか、恋姫キャラたちが驚くというか…そもそもどうやって始皇帝と分かってもらおうか考えないといけません。
一応、恋姫キャラたちが始皇帝を本物だと納得してもらう話は考えてありますけどね。
そしてどのように恋姫キャラを絡ませていこうか。
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于吉の策はまだまだあります。
そろそろ『彼女』をちょっと活躍させようかなっと思ってます。
そして仮面を付けた道士風の男。このキャラクターはオリジナルキャラじゃなくて、ちゃんと恋姫に登場するキャラですよ。(まあ、設定とかはオリジナルを付け加えたりしますが)