Fate/Grand Order 幻想創造大陸 『外史』 三国次元演義   作:ヨツバ

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こんにちは。
タイトルは黄巾の乱へととありますが、本格的には戦いません。
ただこれから黄巾の乱に入るぞーみたいな前振りみたいなもんです。


黄巾の乱へ

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新たに貂蝉に卑弥呼、華佗たちを仲間に加えて洛陽に戻るカルデア一行。

洛陽に戻りながら今後の事について話し合っていた。

それは于吉の確保と太平要術の書の回収だ。

于吉が本当に張譲と繋がっているか分からないがそれは調べれば分かる事だ。于吉に関しては貂蝉達が対処するとの事。

こればかりは同じ外史の管理者として、身内として解決しないといけないという事らしい。

そして太平要術の書に関してはカルデア御一行が回収する事に為った。元々回収するつもりだったのだから問題は無い。

 

「そうなるとどうしようかしら?」

「何が?」

「于吉が居るかどうか調べる為に洛陽に行くのは良いんだけど…宮中に入るのがね」

「その見た目じゃね」

「だってアタシ洛陽に知り合いがいないしぃ」

「いや、見た目だよ」

「鏡を見んか筋肉達磨!!」

 

間違いなく貂蝉と卑弥呼が洛陽の宮中に入ったら不審者扱いだろう。

 

「やっぱり忍び込むしかないのかしら」

「その姿で隠密行動できんのかよ?」

 

貂蝉の言葉に誰もがツッコミをしてしまう。

 

「まあ、でも大丈夫。洛陽には知り合いがいるから」

「あら、そうなの?」

「うん。董卓さん達だよ」

「月…董卓ちゃんね」

 

貂蝉の顔がどこか懐かしそうな顔になっている。もしかしたら他の外史で董卓と知り合いだったのかもしれない。

きっとそうに違いないだろう。

 

「取りあえずまた董卓の所に転がり込む」

「そうなると嫌でも黄巾党の討伐に駆り出されそうね」

「それはしょうがなかろう玄奘三蔵よ」

「争いは嫌いなんだけど…」

「戦うのはワシらだ。お主が気に病む必要はなかろうに」

「でもでも」

「三蔵ちゃんねえ…御仏の教えとしてそうよねえ。でもこの外史では仕方なのない事よ」

 

三国志の時代は戦乱の世だ。戦いが無いなんてことは無い。

 

「それにしても驚きだ。多くの偉人に英雄が我らの前に居るのだからな」

 

俵藤太に荊軻、諸葛孔明、呂布奉先、玄奘三蔵、李書文、燕青、武則天、哪吒と英雄だらけだ。

 

「だがこの三国志に其方側の諸葛孔明と呂布奉先も来て居るとは驚きだな」

「此方の孔明ちゃんと呂布ちゃんとは違うわねえ」

 

性別が違う。

 

「でも其方の孔明は人種が違う様な」

「私の場合は特殊でね。諸葛孔明だが肉体は違う」

 

疑似サーヴァントという存在だ。

 

「なぁるほどねん。理解したわ。ま、この外史に孔明と呂布が2人居る事になるけど大丈夫でしょ。なんせ世界が違うんだしね」

「やはりそういう危険性があったりしたか?」

「まあね、1つの世界に同一人物が存在なんてありえない事だからね。この話は難しいからおいおい」

 

これからの目的が今までよりも明確になってきた。もうすぐ洛陽に到着する。

 

「まずは董卓さん達に貂蝉達を紹介しないといけないな」

「悲鳴を上げるか気絶するかのドチラかに為るんじゃないか?」

「否定できない…!!」

 

 

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「いやあああああああ!?」

「ふぇう…!?」

 

貂蝉達を董卓達に紹介したが荊軻の言った通りになってしまった。

 

「あらん、アタシたちの美しさにやられちゃったのかしら?」

「なんとも罪深いなワシらは。はっはっはっは!!」

「だから鏡を見てみい!!」

 

閑話休題。

 

「うう、立香達が戻ってきたかと思えば凄いの連れて来るし…」

「こんなんだけど良い人達だと思う」

「へうう」

「大丈夫、董卓さん?」

 

取りあえず2人は冷静に戻った様だ。それにしても貂蝉達の強烈さはとんでもなかった。

 

「慣れれば気絶しなくなると思うよ」

「慣れなきゃいけないの!?」

「慣れて」

「しかもこっちが折れなきゃいけないの!?」

「うん」

 

貂蝉と卑弥呼の姿は残念だが圧倒的筋肉のままだ。いちいち見ては気絶してしまう様な事が多々あったら業務にも私生活にも大変だろう。

だから慣れるしかないのだ。既に藤丸立香達はもう慣れた。スパルタクスやティーチ達と絆を深めたマスターを舐めないでいただきたい。

 

「俺たち同士」

「あらヤダ立香ちゃんったらアタシの心をキュンキュンさせないでよん。ご主人様を裏切らせないでん」

(ご主人様?)

 

時折、貂蝉の口から出てくる『ご主人様』とは誰の事なのだろうか。いずれは聞きださなければならないだろう。

もしかしたらおいおい関わりがあるかもしれないのだ。だがまさかその『ご主人様』という存在の正体がまさかの存在だとは思わなかっただろう。

 

「はあ…頑張ってみるわ」

「はい」

「よろしくねん」

「うむ。卑弥呼だ」

「うう…」

 

董卓と賈駆は顔を青くしている。たぶん慣れるのに時間がかかるだろう。

 

「あとで霞や恋達にも彼等の事を言っておかないとね…たぶん初見だったら不審者扱いで斬ると思うし」

「否定できないね」

「具合が悪いなら診てやるぞ」

 

忘れていけないのが華佗。彼の五斗米道は有名らしく、名も広まっている。

そのため董卓や賈駆は彼の名前を知っていたのだ。彼女としても彼が来てくれたのは運が良いと思った。

なんせ最近の黄巾党との戦いが激化してきているので負傷兵達も多い。そんな時に腕の良い医者が来てくれたのは本当に運が良い。

 

「華佗。兵達の治療をお願いしたいわ。勿論褒賞は出すわ」

「任せろ。我が五斗米道に治せぬ傷は存在しないからな。すぐに案内してくれ」

 

華佗は大張り切りでケガで床に伏している兵の元に向かった。

 

「アタシもついて行くわーん」

「ワシもな」

「…アレ患者がさらに悪化するんじゃないか?」

「それも否定できないね」

 

後に患者の兵達の悲鳴が聞こえたのは言うまでもない。でも治療には成功しているのでやはり腕は確かだ。

 

「何なのよあいつ等?」

「謎の巫女と踊り子らしい」

「…はあ」

 

溜息を吐くしかなかった。

 

「それにしてもまた訪れてくれてくださったんですね」

「うん。また寄るって約束したしね」

 

約束を守ってまた訪れた。守ってくれた事が嬉しいのか董卓は笑顔だ。

 

「で、立香達はこれからどうするのさ?。またボクたちの所で黄巾党の討伐に力になってくれるなら大助かりなんだけど」

 

黄巾党の戦いは本格的に激化している。そのせいで朝廷から大陸全土に黄巾党討伐が下されたのだから。

その結果、上からの命令が董卓陣営に降りかかってきているのだ。何進や張譲などからの命令で胃に穴が開きそうな賈駆。

そんな時にカルデア御一行がまた戻ってきてくれた。これは賈駆としては逃したく無い。

彼等の力はもう前の一件で分かっている。出来ればではなくて今すぐにでもその戦力が欲しい。

 

「私としては力を貸して欲しいです」

「それはこっちから言おうとしてたんだ」

「じゃあ」

「うん。またお世話になります」

「ああ良かった。此方こそよろしくお願いします」

 

藤丸立香たちはまた董卓陣営に入る。

 

「それにしても董卓さん痩せた?」

「へう?」

「いや、何ていうか…とても疲れてるように見えるよ」

 

董卓だけでなく、賈駆もだ。その原因はやはり何進や張譲の無茶な命令が心身とも負荷をかけている。

 

「ちゃんと休んだ方が良いよ」

 

董卓の頭をポンポン優しく撫でる。

 

「へう…」

 

そのせいなのか分からないけど董卓が頬を赤く染めた。頭を撫でられたことが無かったのか恥ずかしそうだ。

 

「ちょっと何、月の頭を触ってんのよ!!」

「あ、ゴメン」

 

つい撫でてしまったのはカルデアキッズのような可愛さが有ったからだ。

 

「いえ、その…嫌じゃないので」

 

どこか名残惜しそうな顔をする董卓。見た目に反して甘えさせてくれる人はいないのだろうか。

 

「これからまた宜しく」

 

 

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「張遼将軍。我が本隊、両翼共にもう限界です!!」

「ちっ、アホ何進め…冀州から豫洲に大急ぎで転戦せえとか無茶ばっか言いくりさおって!?」

 

黄巾党も今や規模が膨れ上がり、野党や暴徒なんて域を超えて軍隊レベルになっている。

官軍の兵士が撤退を提案するが、できない。出来るものなら撤退したいが、ここでしくじってしまったら本国に居る董卓の首が飛ぶ。

二度目は無いという事である。

 

「華雄と慮植殿のとこの将軍に伝令を出しい。一時後退して陣形を整え…」

「張遼様! 左翼の華雄様から伝令です! 我、敵部隊に包囲され孤立。至急支援求むとのこと!!」

「出来るかアホー!!」

 

飯も武器も兵も時間も策も無い状況だ。

 

「ったく、今此所に立香はん達が居れば物凄く助かるんやけどなあ」

 

前に董卓陣営に客将をしていた者たちを思い出す。彼等が居た時は賊退治はとても助かっていた。

兵力的にも兵糧的にも十分すぎる程で、あの時やっぱり勧誘すれば良かったと思う。客将と言わずに正式に雇っていれば今頃こんなにも苦戦していないだろう。

華雄だって敵に囲まれるなんてドジをしていないはずだ。案外、ドジばかりで勝手に突撃しているのはいつもの気がしなくもないが。

 

「はぁ、戻って来てくれないかな立香はん達…」

 

短期間でしか董卓陣営にしかいなかったが、真名を預けても良いと思うくらい仲は良かったのだ。

それは張遼だけでないだろう。呂布なんかは気が付けば藤丸立香に懐いていた気がする。

 

「はぁ。まずはこの状況をどうにかせんとな!」

 

どう思った所でピンチなのは変わら無い。だが、流れは変わる。

 

「敵の増援か!?」

「いえ、旗印は曹と夏侯。おそらく曹孟徳の軍かと思われます」

「苑州の州牧か。月が手ェ回せるか分からんと言うとったけど、何とかなったみたいやな」

 

今の流れは黄巾党だ。だが時代の流れは一定ではない。いずれは大きく時代の流れは変化するのだ。

 

 

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何かを感じて目を開ける。その何かとはとても暑苦しくて気持ち悪い気だ。

この気にはとても覚えが有る。なんせ敵対している筋肉達磨達の者だからだ。

 

(貂蝉と卑弥呼が洛陽に来ましたね。しかもカルデアの者達も連れてですか……そろそろココも離れないといけませんね。それと此方も次の段階に進めますか)

「おい于吉」

「はいはい何ですか?」

「太平要術の書はどうなっている? 朝廷より完全に黄巾党の討伐が下された。もう黄巾党を利用して民どもから怨嗟の力をむしり取ることはできなくなるぞ」

「それならもう大丈夫ですよ。太平要術の書にはもう十分怨嗟の力をため込みましたよ」

「なるほど…なら良い。ではもう黄巾党には消えてもらわないとな」

 

太平要術の書には十分力が溜まった。その為に利用していた黄巾党はもう必要ない。

そもそも黄巾党と張譲が繋がっていたという事実を公にさせる訳にはいかないのだ。もしバレたら霊帝から何を言われるか分かったものではない。

最悪死罪。最悪と言わずもがな死罪決定だろう。

だから繋がっていた黄巾党には消えてもらう。ちょうど朝廷から討伐命令が出たというのならば是非もない。

 

「ならばアレを動かせ」

「分かりましたよ。でもアレを動かすには時間が必要です。なんせあれだけの大軍なんですから」

「それは分かっている。だが太平要術の書に怨嗟の力を溜め込むよりかは早いのだろう?」

「ええ。それまでは気を付けてくださいね」

「言われるまでもない。黄巾党が片付いたらやることは多く有るのだからな」

 

今、張譲と何進は対立して居る。今は燻っている程度だが黄巾党との決着がついたら激化するだろう。

激化してしまえば此方は色々と不利が有る。ならば今のうちに幾つか策を巡らした方がよいだろう。

 

「何進程度ならばどうとでも成る」

 

張譲は忙しいのかすぐさま于吉の前から消える。

 

(宮中に巣くうネズミは本当に忙しいですね。では兵馬妖の準備をしますか)

 

于吉も于吉で忙しい。なんせこの洛陽に敵対している貂蝉たちがいるのだから。

 

 

そして一方その頃。

身体をくねらせながらも何かを感じる貂蝉。

 

「こぉの感じは于吉ちゃんね」

「やはり感じたか貂蝉」

「ええ…どうやってこの外史にこれたのかしらねん?。もう手出しできない様にしたつもりなのだけれど」

「見くびっていたという他無いな」

「こぉれはアタシも油断しすぎたということね。まさかまた動き出すとはねえ。もしかして左慈ちゃんもいるかもねえ」

 

まさかとは思っていた。できれば外れであって欲しかった。この外史にいないで欲しかった。

でも、そのまさかが当たってしまったのだ。間違いなくこの外史に、この洛陽に于吉が居る。

今回の目的は何なのか。また外史を消滅させようと考えているのか。それとも他の外史でのように同じことをしようとするのか。

どっちにしろ見過ごせない。

 

「太平要術ならば兵馬妖か?」

「でしょうねえ。それにしても立香ちゃん達がこの外史に来た原因も于吉ちゃんが関係しているのしら?」

「しかし、そうなると何故カルデアの者たちを呼んだのかが気になる。メリットがまるで分からないぞ?」

「カルデアの目的は特異点の解決。だとしたら于吉のやっている事によっては完全に敵と成る。そうだとしても呼ぶ必要があったとしたら…」

「もしかしたら今回はワシらにも予想がつかん何かを仕出かすつもりやもしれんな」

「そうだとしても絶対に阻止しないとねえ」

 

外史の肯定派と否定派の戦い。それはまさに世界をかけた戦いだ。




読んでくれてありがとうございました。
次回もゆっくりとお待ちください。
次回は…早く投稿できたらします。遅くても恐らくは来週には投稿する予定ですね。

今回は、洛陽に貂蝉たちを引き連れてカルデア御一行が戻ってきました。
まあ、月や詠たちの反応は妥当かな・・・慣れれば普通になります。

黄巾党の本隊の話も近くなってきたのであの三姉妹の登場もあと少しです。

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