Fate/Grand Order 幻想創造大陸 『外史』 三国次元演義   作:ヨツバ

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こんにちは。
レクイエムコラボが終わったかと思ったらまさかの復刻。
水着剣豪七色勝負が始まりましたね。今年の水着イベントも楽しみです。


まさかの来訪に

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益州・漢中にて。

 

「税は回収できたのか?」

「いんや、あの村には誰も居なかったよ。誰もな」

「あ、按摩のお爺ちゃん。疲れたからたんぽぽに按摩してー!!」

 

馬超の言葉に按摩の達人もとい李書文(老)はちょっとだけ気になったがすぐに考えるのを止めた。

李書文(老)は馬騰から頼まれたただの見届け人のようなもの。彼女たちは何をしようが関係ない。

 

「それにしてもすまないな。母様の我儘でアタシたちを見届けるなんて…もうそんな役割は止めていいぞ。今のアタシたちは劉璋殿のところで世話になってるからな」

「そう言うがもう少しだけ見届けさせてくれ。馬騰殿と同じで年寄りの我儘だ」

「物好きな爺さんだなアンタも」

 

馬超たちは涼州で曹操に敗北してから益州の劉璋の所で厄介になっている。

助けてもらった恩として劉璋の下で働いているのだ。村の税を回収するのも彼女たちの仕事である。

しかし、税を回収したくとも益州の荒れ具合は酷い。

黄巾の乱時代の青州や冀州も酷かったが今の益州はその時よりも酷いのだ。

 

「まさかここまで浮逃が横行してるなんて思わなかったよ」

 

馬超たちが税を回収するのに村を4つも周っているが、どの村も村人たちが逃げ出して誰もいないのだ。

今の益州の荒れ具合では税は払えない。村人が逃げ出すのは無理もなかった。

李書文(老)と合流する前に実は逃げだした村人を発見していた。すぐに確保したが今の益州の現状を思って、村人たちを哀れと思って見過ごしたのだ。

村人たちが本当に益州から逃げられるか分からない。許可のない逃亡や浮浪は死罪だ。逃げ出した村人がどうなるかは逃げ出した村人次第である。

哀れと思って見なかったことにした馬超たちだが、自分たちも人の事を言ってはいられない。自分たちの立場も厳しいものだ。

 

(それにしても荊州の新野に劉備が来ているんだな。徐州から追われたって聞いたけど…まさか今でもああいう事をやってんのか)

 

劉備は徐州から追われても荊州の新野を任され、困っている人たちを助けている。それに比べて今の馬超たちは劉璋の恩に報いるためとはいえ、困っている村人から税を回収しようとしている。

 

(ここが涼州なら。あたしたちの国なら民を飢えさせたり、逃げ出させるような恥知らずな真似なんて絶対しないのに)

 

これが戦に負けてしまった者の末路の1つだ。だが彼女たちはまだ再起を図っている。

 

「大変だなお主たちも」

「蒲公英や蒼たちには迷惑をかけてるな…」

「そう言うが妹たちも頑張っている。あまりそんな事は言ってやるな」

「そうだな。蒲公英たちに叱られそうだ」

 

無理してニカっと笑う馬超。

 

「それにしても益州にいるあやつだが本当にあの者なのだろうか…」

「いや、違う。あいつは違う」

「む、そうなのか?」

「あいつは違う。名前が同じなだけだ」

 

 

453

 

 

荊州・新野にて。

新たな地で桃香たちは毎日慌ただしく頑張っていた。そのおかげか少しは落ち着けるくらいまでには安定してきたのだ。

安定してきたと言ってもそれはひと時にすぎない。今の荊州はいつ戦果の火の粉が飛んできてもおかしくないからだ。

何故なら今の荊州は北の曹操と東の孫策が狙っているからである。

 

「曹操さんに孫策さんか」

 

孫策が謀反を起こして袁術を揚州から追い出したというのは情報で聞いている。独立したその後は物凄い速さで揚州を統一したのだ。

孫策も天下を狙っている。最大の敵が曹操だと分かっているからこそ領土拡大のために今は動いているのだ。その狙いの1つが荊州である。

孫策だけを警戒してはならない。曹操にも警戒せなばならないのだ。

そもそも桃香たちが新野をあてがわれた理由として対曹操の最前線送りも含まれている。その打算込みで桃香たちも承知の上だ。

近いうちに曹操と孫策から領地を狙われることになるのは火を見るよりも明らかである。

 

「おーい。桃香かアニキいるかー?」

「どうしたの猪々子ちゃん」

「ああ。見回りに出ていた鈴々から使いが来てさ」

「え。まさか曹操たちが動いた!?」

「そうじゃなくて、また益州から流れてきた連中を見つけたんだってよ」

「……すいません、黄忠さん。ちょっと行ってきます」

「ええ。私も一緒に行くわ」

 

桃香たちはすぐに外に出て益州から流れてきた者たちに会いに行く。

 

「もう大丈夫ですからね。皆さん、安心してください」

「ありがとうございます。玄徳さま」

「噂を信じてここまで来てよかったです」

 

自分たちを受け入れてくれると言ってくれた桃香の言葉に益州から逃げ出してきた人たちは「ありがとう」を繰り返しながら何度も頭を地面に擦り付けていた。

その行為に桃香はすぐに止めるように言うが益州の人たちは止めない。彼らにとって桃香は本当に救世主のように見えているのだ。

実の所、このような光景はここ最近の新野では日常になっている。

荊州の西に位置する益州は政情が不安定で、漢中から経由して逃げ出してくる者が日に日に増していた。

最初は単純に益州から逃げ出す為に。最近は平原や徐州で善政を布いていた桃香が新野にいるという噂を聞きつけて。

 

「詠ちゃん、斗詩ちゃん。引継ぎはお願いしてもいい?」

「わかりました」

「戦で放棄されたままの畑がまだ北にあったはずだから、そこを割り当てておくわ」

 

そんな様子をどこか厳しい表情で見守っていたのは黄忠。

怒っているわけではない。実は桃香が出席している会議で今回のような事は控えるようにと釘を刺されているのだ。

音々音が言うには「他の連中は自分たちの所に人が逃げてこないから嫉妬している」だけとの事。

人がいなければ土地は耕せない。税金だって入ってこない。

お金が無ければ国も軍備も整わないし、そもそも作業する人手も兵士も国の民がいてこそ。

だから他の者たちは桃香の新野に逃げてきた人が来るのが気に入らないでいたのだ。

彼女は笑って誤魔化していたが不和が生まれてしまうのではないかと不安がっている。

今の彼女の立場は不自由な事が多い。難民を受け入れても文句を言われ、情報収集や共有しても周囲から冷たい目を向けられる。

劉表に目を掛けられている新参者が益州から逃げてきた人たちを大量に受け入れていれて日に日に国力を高めていたら周りの者たちはいい気はしないはずだ。

更にまだ知らない事だが劉表は桃香を後継者として考えているのだ。正確には劉表のご子息の後見人。

劉表は自分と何処か似ている桃香に何かを見ているのかもしれない。

 

「…でも劉備さんは止めないのでしょうね」

 

厳しい顔をしていた黄忠は厳しい顔を崩す。

 

「なにせ桃香殿ですからなあ」

 

音々音はもう諦めた感じに呟く。

桃香の性格を知っていれば彼女の呟きは分かるものだ。

 

「それもあるし…俺たちも劉表さんに受け入れてもらうまでは、あの人たちと変わらない立場だったからな」

 

桃香も北郷一刀も益州から逃げてきた人たちと同じであった。だからこそ気持ちは分かるし、受け入れてくれた感謝と嬉しさはよく分かる。

 

「劉表殿の周りの不和は桃香殿に関係なく起きているようでしたぞ」

「そうなのか、思ってたよりずっとややこしい奴だったか」

 

桃香が劉表と周りの不和の原因になっているかと心配しているが、どうやらもっと根の深い問題がある。

いずれも、そのあたりが安定しなければ不安のままだ。

 

「とにかく、俺たちもやれる事をやろう。益州や周辺の情報収集と後は荊州のために頑張って、桃香の働きを認めてもらわないとな」

「それで、あの連中に通じれば良いですが」

 

ため息を吐く音々音であった。

ギスギスした不和をどうにかしたくとも今の桃香たちに出来る事はない。北郷一刀の言う通り、今は出来る事を頑張るしかないのだ。

しかし、これからもっと頑張ろうと思った矢先、別の大ごとが入り込んでくるとは誰も予想なんて出来るはずもなかった。

その大ごとはまさかの藤丸立香が連れてくる。この後すぐに。

 

「あれ?」

「どうした桃香?」

「いや、向こうから9人くらいの人たちが来てるみたい」

「新しい難民か?」

 

北郷一刀も桃香と同じように遠くを見ると確かに9人くらいの一団が近づいてくるのを確認できた。目を更に凝らすとだんだんと見えてくる。

 

「もしかして」

 

北郷一刀はつい笑顔になりそうになる。

もしかしなくても遠くから来ているのは藤丸立香であったのだ。

藤丸立香も此方に気付いたのか、手を振りながら「お~い」と叫んでいた。

 

「藤丸ーー!!」

「藤丸さんたちだ!!」

 

北郷一刀と桃香は2人して手を振り返す。

同じく音々音と紫苑も藤丸立香に手を振っていた。

 

「孔明さんがいずれ荊州に来るって言っていたわね。本当に縁ってあるものねえ」

「こんな時にあいつらですか。まあ悪くは無いですね」

「どうしたの?」

「向こうを見るですよ。久しぶりの再会です」

「再会って…あ、立香たちじゃない」

 

先ほどの難民を対応したのか戻ってきた詠。何を手を振っているのかと思ったが、その手を振っている先を見れば理由はすぐに分かる。

 

「ふーん、あいつも荊州に来たのね」

 

何処かそっけなさそうに言うが、彼女もまた再会できるのは嬉しいと思っている。

 

「おーい!!」

「おーい藤丸ーー!!」

 

だんだんと近づいてきた藤丸立香一団。

藤丸立香の格好は黒を基調として服を着ていた。まるで何処かの訓練服のような感じだとも思った北郷一刀。

 

「て、…ん?」

 

藤丸立香一行がどんどんと近づいてきて気になった点がいくつか発見してしまった。

 

「北郷、久しぶり。約束通りまた再会できて嬉しいよ」

 

ついに再会した藤丸立香と北郷一刀。

 

「俺もだ……ちょっと聞きたい事があるけどいい?」

「いきなりだね。どうぞ」

 

藤丸立香として再会を生じて色々とあるものかと思ったが想像と違う反応をされてしまった。

よく周りをみると桃香や紫苑たちはどのような反応をしていいか止まっていた。素直に再会を祝したいのだが藤丸立香一行たちの中でも気になる人物がいるからだ。

 

「えーっと、まずはその両脇にいるのは?」

 

北郷一刀は藤丸立香一行の中でも見覚えのない人物たちが気になったのだ。特にその内の1人が物凄いオーラを発しているがまずは藤丸立香の両腕に抱き着いている美女たちについて説明を求めた。

 

「ああ、この人たちは…」

 

両脇にいる美女たちに関して説明しようと思ったが、その説明は別の誰かの口から語れる。

「嘘っ、生きてたの何進、何太后!?」

北郷一刀の聞きたかった事を詠が口にしてくれたのだ。

 

「な、貴様は…賈駆か!?」

「まさか貴女がここにいるなんてね」

 

詠と傾、瑞姫が顔見知りなのは当然だ。洛陽で官軍として所属していたからである。

関係は良好とはいえないからこそ傾は詠の策略によって地に引き摺り降ろされたのだ。

まさかの再会に3人は微妙な空気になる。こんな世の中だから仕方ないが殺し、殺されの策略を嵌め合った関係だ。

 

「反董卓連合のあと、生存不明だって聞いたけど……あんたら立香たちに拾われてたんだ」

「拾われたと言うな!!」

「そうよ。それに立香は私たちに骨抜きで操り人形よ」

「なに言ってるんですか瑞姫さん」

「冗談よ立香くん」

 

可愛く腕に抱き着いてくる瑞姫。

 

「ま、まさか董卓のやつもいるのではなかろうな!!」

「あんた…月に何かしたら只じゃおかないわよ」

 

静かに殺気を放つ詠だが傾は気にせずに受け流す。

 

「言うではないか…此方は貴様らのせいで苦労したのだぞ」

「まったく本当よ」

「うんうん」と頷く瑞姫。何姉妹の転落人生は本当に大変だったらしい。

 

彼女たちの転機は藤丸立香に出会った事。その後が今の展開になっている。

 

「今の世は殺し殺されに裏切りに裏切られ…私は貴様に嵌められた。なら復讐されても文句は言うまい?」

「月に指一本でも触れてみろ。アタシがその首を絶ってやるわ」

 

詠の殺気と傾の殺気がぶつかり合う。そして両サイドにいる藤丸立香と北郷一刀は居心地が悪い。

 

(藤丸…居心地が悪いんだけど)

(なんかゴメン)

 

北郷一刀としては藤丸立香との嬉しい再会なのにまさかの展開になってしまった。

まさか目の前にいる美女2人が漢の大将軍と霊帝の后とは驚きである。驚きであるのだが、もっと気を惹かれる存在が藤丸立香たちの仲間の中にいる。

 

「ちょっとあんた、桃香にこいつらの首を斬るように言ってちょうだい」

「いや、無理だから」

「おい立香、あの剣を出せ。こいつの胴体を断ってやるから」

「嫌です」

「立香くぅん。姉様のお願いを聞いてあげて。ね?」

「可愛く言っても駄目です」

 

せっかく荊州まで来たのにいきなり殺し、殺されの展開は困る。藤丸立香は2人をその為に連れてきたわけではない。

そろそろ藤丸立香と北郷一刀は3人を諫めようとするが、その前に諫める者が現れた。

 

「これこれ、こんな所で争うものではないぞ」

 

彼の声と王の気質に詠たちは黙る。

 

「あ、あんた誰よ?」

 

詠の言葉は北郷一刀や桃香たちの言いたかった事である。

先ほどから空気であった紫苑や音々音も一番気になっているのが、目の前にいる男だ。彼らの中でも一番目立っている存在だ。

まるで浮世離れした仙人だと桃香は心の中で思ってしまっている。

更に彼女たちが今までの人生の中で一番の王の気質を感じるのだ。

 

「って、賈駆、貴様その口の利き方はなんだ。不敬だぞ!?」

「は? 何言ってるのよ」

「このお方はなあ!!」

 

まさかの人物の名前に信じられない。だが本物なのである。

 

「え、嘘だろ藤丸?」

「本物です。人を集めてもらっていいかな。特に上の人たちは絶対に集めて。大事な話をしなきゃならないから」

 

 

454

 

 

新野の屋敷では桃香と北郷一刀をトップにバタバタと動き回っていた。特に組織の上、中心に位置する者たちは急いで集まっているのだ。

 

「桃香お姉ちゃんとお兄ちゃんから急いで集まってって言われたけど…愛紗は何か知ってる?」

「藤丸殿や秦良玉殿が新野に来たと聞いた。それだろう」

「でもみんな集まっているよ?」

 

ほぼ重役たちが集まっているというのは愛紗も気になっているところだ。

藤丸立香たちは反董卓連合で力を合わせて戦った仲であるから全員で迎えるのは愛紗としては構わない。寧ろ良いと思っている。しかし、今回のドタバタしている感じは、再会を祝して迎える感じはないのだ。

まるで自分たちよりもはるか高みにいる人物を迎えるような動きだと思ってしまう。まるで天子姉妹を迎えた時に似ているのだ。

 

「桃香さまとご主人さまは何か知っているようだが…それは大広間にいけば分かる事だ」

 

集まってほしいと言っていた桃香はとてもあわあわと緊張していたというか慌てていた感じであった。

 

(藤丸殿…まさか何か厄介ごとを連れてきたのではないだろうな)

 

まさに厄介ごとと言うか凄い事なのは確かである。

招集されているのは愛紗や鈴々たちだけでなく、天子姉妹も例外ではない。

 

「まったく、いきなり何ですか。招集しろとか…普通は向こうからこちら側に来るべきでしょう」

「とっても大事な話みたい」

「そうみたいね。何かしらね白湯?」

 

趙忠こと黄は天子姉妹を案内しながら桃香たちの集まる大広間へと進む。

 

「そう言ってくださるな。どうやらとても重要な話があるみたいですぞ」

「趙雲殿。まさか曹操が攻めてきたというわけじゃありませんよね?」

「そうだったらもっと違う動きをしてますよ。そもそも私もまだ詳しくは知らんのです」

 

劉備軍の中心人物たちが集まるというのは、それでもなかなかの大事だ。それほどの大事な話があるという事である。

 

「まさか曹操軍に降るとかじゃありませんよね趙雲殿?」

「そんなはずないでしょう。ここまで来て降るなんて事は桃香殿はしませんよ」

 

桃香は曹操には降らない。

 

今は武力、国力で負けていても降伏する気はないのだ。

 

「到着しました」

「ありがとう星ちゃん。空丹ちゃん、白湯ちゃん、黄さん。此方に座っていてください」

「桃香殿。これから何が始まるのです?」

「えーっと…私も何が始まるかはちょっと。あのお方の説明なのは確かですけど」

「あのお方?」

 

桃香が「あのお方」なんて言い方をするのは珍しい。

そもそも天子姉妹を「空丹ちゃん、白湯ちゃん」なんて軽々しく言うのを黄は気に入っていない。桃香としては悪気があって言っているわけでないから質が悪い。

天子姉妹は特に気にしておらず、白湯にいたっては寧ろ親しみを込められていると思っているので嬉しがっているので黄も強くは注意はできていない。

そんな桃香が「あのお方」と言う人物。気に入らないが空丹よりも貴いお方だと桃香は言っているようなものだ。

 

(まったく空丹様より貴いお方なんているはずありません。『あのお方』ってどの馬の骨ですか)

 

黄が思う馬の骨とは実はとんでもない存在なのだが今の段階で彼女が分かるはずがない。

 

「お久しぶりです」

「おや、藤丸殿ではありませんか」

「あ、立香」

「そうそう、貴方は立香だったわね」

 

藤丸立香がヒョイと顔を出す。

本来ならば藤丸立香たちが荊州に訪れてきて再会したことを祝していくような展開になるのではないかと思っていたが、そのようなベクトルではない。

もっと別の大きな大ごとな展開が起こるようなベクトルだと感じるのだ。

 

「ちょっと藤丸殿」

「何ですか?」

「これってあなた方が中心になっているのではありませんか?」

「中心になっているわけじゃありませんけど…まあ、この状況を作る中心人物が仲間にいるのは確かです」

「誰なんですか。空丹様と白湯様に足を運ばせるような事なのですか?」

「んーーー、まあ、そうですね」

 

あの人物ならば天子姉妹の空丹と白湯に足を運ばせる人物なのは確かかもしれない。

黄は納得いっていない顔をしているが、彼の言う意味はこのあとにすぐ分かる事になるのであった。

 

「おい立香。向こうで呼んで……ゲッ」

「な、貴方は!?」

「あら、久しぶりね傾、瑞姫」

「久しぶりですわ。空丹様」

 

まさかな再会は本当にまだまだある。

黄はまさかな人物たちに驚いて嫌な顔をするが空丹は特に気にしていなく、本当に久しぶりに会った感じで挨拶している。

今ここに過去の漢トップ陣たちが集まるのであった。

 

「生きていたのですね」

「貴様もな。まったく貴様といい、賈駆といい、董卓といい…この陣営はどうなっているんだ」

 

傾も黄も詠も劉備軍では本当にまさかの再会があるものだと思っている。なんせ劉備軍で漢の主要人物たちはほぼ8割は集結しているのだから。

 

「そう言えば何ですか傾さん?」

「ああ、そうだった。孔明とか言う奴に呼ばれてるぞ」

「分かった」

 

藤丸立香が諸葛孔明に呼ばれた理由はまさに今回の事だ。

 

「孔明先生!!」

「マスターよ、無事に戻ってきて何よりだ。それにしても先ほど義妹から内容は聞いている。あの中国代表がこの世界に来ていたのだな」

「うん。もう大変で…」

「ここが異世界とはいえ時代的には三国時代だ。そんな時代に始皇帝が降臨したら大混乱だからな」

 

諸葛孔明の言う通り、この外史に始皇帝が降臨したというのは大混乱の極みである。だからこそ藤丸立香は混乱させないようにうまく説明しないといけないのだ。

 

「説明する時も大混乱だろうな」

「でも傾さんと瑞姫さんは信じてくれたんだ。特に漢室の人がいるっていうのが重要になってくるかも」

「だから天子姉妹を呼んだのだな」

「流石に彼女たちも『コレ』とか知っているはずだし。あとで返さないと」

「そんなのいつ手に入れたんだ」

 

藤丸立香の手にある物を見て諸葛孔明は大体察した。

 

「マスター!!」

 

藤丸立香と諸葛孔明がこれから起こるであろう事に関して話あっていると声を掛けられた。

その声の掛け方は幼馴染系少女のようにも思える。

 

「楊貴妃、やっぱりこっちに来てたんだね」

「良かったぁマスターと合流できて」

 

可愛く手を握ってくる楊貴妃。

 

「マスターと会えなくて寂しかったんですよ」

「ごめん」

「ううん。合流できたから大丈夫」

 

傍から見れば幼馴染の恋人同士の再会みたいだ。

 

「それと天子様の中の天子様が来ているって聞いたんですけど」

「うん。来てるよ。これからその説明をしなくちゃいけないんだ」

 

恐らくまた劉備陣営でお世話になる可能性が高いので桃香を中心とする将や臣下には絶対に説明しないといけないのだ。

 

「そろそろ全員、集まって来たぞ」

「分かった。じゃあそろそろ、お朕朕タイムだ」

「お朕朕ランド開園の次になりそうなパワーワードを作ろうとするな」

 




読んでくれてありがとうございました。
次回は頑張って1週間以内に更新したいです。駄目だったら2週間以内です。


452
馬超たちは益州にいます。ここは原作通りですね。
そして按摩の達人も一緒にいます。
馬超たちはこれから本編に徐々に登場していきます。

453~454
ついに藤丸立香たちが荊州に訪れました。
北郷一刀や仲間の諸葛孔明たちと再会できましたが、それよりも先に片付けないといけない案件があるんですよね。はい、始皇帝の件についてです。
桃香も一刀も始皇帝の存在感に気付かないわけありませんからね。
紫苑も音々音も同じく。

劉備陣営に漢のメンバーたちがほぼ終結。
これらに関してはまた別の時に書いていきたいと思います。
藤丸立香と北郷一刀の再会についても。(具体的には新野の日常編くらいで)
だって、始皇帝がメインになってしまうから。

次回はお朕朕タイムです。
(FGOではパワーワードがよく生まれますよね)

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