Fate/Grand Order 幻想創造大陸 『外史』 三国次元演義   作:ヨツバ

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こんにちは。
つい最近、FGOでは新しい幕間が出ましたね。
始皇帝と司馬懿(ライネス)の幕間を見ました。
始皇帝の凄さを改めて実感し、ライネスの幕間では色々と発見が出来ました。
まさか一瞬だけ『諸葛孔明』が表に出てくるとは思いませんでしたよ。


今回からまた日常編に入ります。
まずは…まあ、雑談話というか立香と一刀の男子トークみたいなもんです。


新野での日常1

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藤丸立香たち御一行は荊州に到着した。到着したらしたでこの外史世界にとっての爆弾というか神のような存在である始皇帝について説明するという大仕事を終えたのであった。

始皇帝について説明もとい紹介した時はもう大慌てで、桃香たちは驚いていた。驚くのは当然である。

いきなり始皇帝が存命していたなんて言われれば誰だって驚く。自国の過去の王や皇帝が生きていたと言われれば驚くに決まっている。

分かりやすく自分の国の過去の王や皇帝が目の前に現れたのを想像すれば分かりやすいかもしれない。

 

「本当に驚いたよ藤丸」

「そう?」

「いや、普通に驚くから」

 

藤丸立香と北郷一刀は再会を祝して2人で食事をしながら今まで起きた事を話し合っていた。

同じ一般人でありながら大きな異変に巻き込まれたり、解決する為に勇気を出して足を歩めた者同士だ。気が合うようですぐに仲良くなるのには時間はかからなかったものである。

気が付けばもうお互いに友人だと思っている。男というものは気が付けば友情という炎を灯らせている。

どうやって灯らせているかは未来を生きる者たちでさえ分からない。男の友情というのはそう簡単には解明されないものだ。

 

「始皇帝なんてメッチャ驚くだろが…まあ、俺は日本人だから桃香たちほど驚かなかったけどさ」

 

北郷一刀もまさかの中華を初統一した始皇帝の登場には驚いた。

始皇帝というビッグネームを知っていて驚いたが、北郷一刀は日本人なので寧ろ始皇帝よりも日本の偉人の方が驚く。例えば織田信長とか坂本龍馬とかである。

 

「でも始皇帝のイメージがちょっと違うんだよな…なんか近未来的な姿というか」

「まあカルデアの始皇帝はサイバー羽化昇天したからね」

「また謎パワーワードが…サイバー羽化昇天ってなんだよ」

 

言葉が謎なパワーワードすぎるが何となくだが意味は分かる。

 

「本当に始皇帝って不老不死になったんだな」

「あの始皇帝陛下はIFのような存在だよ」

「イフ?」

「史実通り始皇帝は不老不死にはなれなかったんだ。あの場にいた始皇帝は不老不死を実現させた世界線の存在って事」

 

世界線は1つだけではない。並行世界といって基本軸の世界を元に無数に世界は存在している。

 

「カルデアではイフの英雄や偉人もいるのか?」

「うん。前にアルトリア…アーサー王がいっぱいいるって話したよね。まさにソレ」

「…それは冗談じゃなかったのか」

 

アルトリア(アーサー王)いっぱいコレクション。北郷一刀は最初、冗談かと思っていたが今この瞬間に本当なのだと理解した。

 

「なんか何でもアリだなカルデアってところは」

「この世界も何でもアリじゃないかなあ」

「まあ、異世界といはいえ三国志の英雄たちがほぼ全員が女性ってやつだからな」

「まあ、実は女性だったなんて不思議じゃないし」

 

うんうんと頷く2人。女体化なんて日本のアニメや漫画で慣れている。

 

「でも貂蝉と卑弥呼があんなガチムチなオネエとは思わなかったけど」

「ソレな」

 

これは2人して納得する。誰も貂蝉と卑弥呼がガチムチマッチョの漢女なんて誰も想像できない。

 

「話は戻すけど…サイバネ化って言ってたけど始皇帝はサイボーグなのか?」

「まあ、北郷なら大体分かると思ったよ。うん、始皇帝の不老不死は肉体を捨てて機械化したんだ」

「並行世界とはいえ、古代中国でサイボーグになるような技術なんてあったのか?」

 

北郷一刀はいまいち始皇帝のサイバネ化がピンとこない。

サイバネ化による不老不死というのはピンとくるが、古代中国にサイバネ化なんて未来の技術があるとは思いつかないのだ。

 

「もしかしてその始皇帝の世界に宇宙人でも来たのか?」

「宇宙人は来てない…と思う。まあ、あの技術が地球産かどうかは分からないけど…いや、地球産かな?」

「宇宙からの技術というわけじゃないのか…ええー、ちょっと分からないな」

 

いまいちピンとこない。それは近未来的なイメージを想像しているからだ。

特別な技術というのはなにも近未来的なマシンやデータといった電子技術だけではないのだ。

 

「ヒントは始皇帝の生きた過去の中国だよ」

「始皇帝よりも過去の時代なんてそれこそ中国神話とか殷の……あ、もしかして宝貝か!?」

 

ここでハッと分かった。殷の時代、日本でも広まっている『封神演義』という物語がある。

その中に登場する宝貝という武器。その武器はまさに奇跡的な力が込められている。

全ての宝貝を知ってはいないが中には未来の技術と差が無い物もあるものだ。

 

「もしかして始皇帝は宝貝を発見して…それを解明したって事か!?」

 

やっと納得がいった北郷一刀。宝貝を解明してサイバネ化したということだ。

世界には解明されていないオーパーツというものがある。宝貝もオーパーツのようなもの。

オーパーツを解明したというのならば確かに不老不死に近づく。イフの世界、正確には異聞帯だが始皇帝は不老不死になったのだ。

 

(まあ正確には哪吒の残骸を発見したことで太乙真人のロストテクノロジーを手に入れたみたいなんだけどね)

 

それでも宝貝を、哪吒を解析してロストテクノロジーを解析した始皇帝は天才以上の天才だ。

 

「やっぱイフだろうと歴史に名を残す人はやっぱ普通の人と違うんだな」

 

普通の人と違う。確かにそうかもしれない。

偉人や英雄といった人物は頭のネジがぶっとんでいたりと普通の人では考えつかない発明や行動などを思いつくものだ。

頭の構造が違ったり、肉体的にも恵まれていたりとあるのかもしれない。

 

「それはオレもそう思うよ」

 

英雄だろうと反英雄だろうとも一般人と何か違う『誇り』や『覚悟』、『意志』を持っているのかもしれない。

 

「始皇帝も凄いと思ったけど…俺としては世界三大美女の楊貴妃の方が驚いたな」

「楊貴妃ね。可愛いよね」

 

ここで始皇帝の話は一旦終わり。「え、朕の話もう終わりなの?」と聞こえたような聞こえた気がした。

 

「流石は世界三大美女…目を奪われたし、興奮したぜ。でも美女というよりも美少女って感じだな。可愛いっていう要素の方が強い」

 

楊貴妃の今の姿は第二再臨。セクシー要素も入っているがプリティ要素の方が多いのだ。

 

「分かる。楊貴妃ってとても可愛いよね。でも何処か艶やかさもある。正直…あの生足、太ももがイイ」

「分かるぜ」

 

カコンをコップを当て合う。

男同士の会話は気が付けば『そういう』話になっていくものだ。酒が進めばより簡単に入って行く。藤丸立香はまだ飲めないけれど。

 

「藤丸の言う通りだな。楊貴妃はあの生足、太ももがいいんだよ」

 

藤丸立香も北郷一刀も楊貴妃の艶めかしい生足、太ももに凝視してしまう。男だからしょうがない。

 

「可愛いし、艶やかな女性…イイネ」

「生足もイイもんだな藤丸」

 

劉備陣営だと生足の人物が案外いない。楊貴妃に出会ってから生足の良さに実感したのである。

 

「生足なら荊軻もイイ。あのハラリと見える生足がイイ!!」

「荊軻さんか、確かにいいよな。ちょっと怖い感じだけど美人だし…クールビューティーってやつ?」

「クール…ビューティー?」

「おい、藤丸。何でそこで疑問符を出すんだよ」

 

荊軻は肌が綺麗で女性らしいたおやかさを持つ美女だ。そして仕事人という雰囲気もある為、クールビューティーという言葉は間違っていない。

しかし藤丸立香は『傍若無人』というキャラも知っているので『クールビューティー』という言葉に疑問符を思い浮かべてしまったのである。

 

(まあ、ギャップがあって良いんだけど)

 

ギャップ萌えというやつだ。しかし戦闘になると初っ端から宝具を撃ってくるので怖いものだが。

 

「そっちの陣営は美人揃いだよな。でもこっちだって負けてないぞ。桃香も愛紗も可愛いんだからな」

 

北郷一刀の女というわけではないが仲間の美人、可愛さ自慢なら劉備陣営も負けていない。

 

「愛紗はちょっとツンツンしてるというか真面目過ぎるんだけど…愛紗も可愛い女の子なんだ」

「真面目で融通の利かない委員長タイプがデレるとめっちゃ可愛いみたいな?」

「そうソレ!!」

 

そんな女の子がデレる姿はズキュンと萌えてしまう。

 

「愛紗は誤魔化すように怒るけどデレた時の可愛さは凄いんだよ」

「そうなんだ。真面目な姿の愛紗さんしか見た事無いからなぁ。どうも想像できない」

 

デレる姿は桃香や北郷一刀にしか見せないのでしょうがない。

 

「照れてる姿はいつか見れるかもな」

「女の子が照れてる姿って可愛いよね」

「ああ!!」

 

ガシリと握手する。

 

「でも真面目な人のデレるというか可愛いところを発見するとズキュンとするのは完全に同意だよ。ウチだとリャンさんだね」

「秦良玉さんか。確か『明史』だったかな…その列伝において唯一女性の武将の」

 

唯一の女武将と言うがこの外史世界の事を考えると違和感しかない。

 

「自分は素朴で飾り気がないなんてリャンさんは言うけど、そんな事ない。リャンさんは美人で可愛いよ」

 

真面目な秦良玉だが照れてる姿とか、ちょっと慌ててる姿とが可愛すぎる。

バレンタインでは何処か照れてる姿とか可愛すぎたものだ。

マイルームで会話してるとドキリとさせられるセリフを言う彼女。正直に言ってドキドキしてしまう。

それにドキドキしているのはセリフだけではない。彼女の服装にもドキドキしてしまうのだ。

カルデアにはなかなか過激な服装な人物がいる。毎回新しい女性英霊が現れる度に慣れるまで時間がかかる。

慣れてもドキドキが無くなるわけではないが。

 

「あー…秦良玉さんの服装はある意味エロイよな」

「北郷もそう思うか…リャンさんの格好ってエロイ。てか、そう思ってる時点でオレらってスケベ男子なんだな」

「否定できないな。男はスケベな生き物だから」

 

秦良玉やブーディカ、牛若丸たちは狙ってあの服装ではない。本人たちエロイ恰好と思って着ているわけではないのだ。

エロイと思ってしまうのは藤丸立香や北郷一刀みたいにスケベな心があるからである。

 

「誰が呼んだか…おっぱいタイツ武将」

「また謎のパワーワード」

 

他にも『おっぱいタイツ師匠』の名を持つ英霊もいる。

健全な青少年である藤丸立香には刺激の大きい服装である。

 

「全身タイツでボディラインがはっきり出る衣装だし…」

「まあ…分かる」

 

露出度は無いのに色々な意味でズグンと来る。やはり2人は健全な青少年であり、スケベな男の子である。

本人たちは自分たちがエロイ衣装を着ていると思っていない。だからこそ藤丸立香から注意なんて出来ない。これは時代による世間の考えの違いであるからどうしようもない。

玄奘三蔵の服装も最初に出会った時は驚いたものだ。

 

「三蔵さん…聖職者なんだよね?」

「うん。三蔵ちゃんはあの三蔵法師だよ」

「聖職者であの服装は…それにとても豊かなものをお持ちだし」

「凄いよね」

 

ここでも男子2人の心が1つになる。

 

「三蔵ちゃんは仏門系だから邪な感情を向けちゃいけないのは分かってるんだけど…難しい」

 

邪念を察知されるとすぐに玄奘三蔵から修行に付き合わされるのがカルデアでの日常である。

先ほどから玄奘三蔵がエロイような事しか言っていないが彼女の魅力はそこだけではない。

藤丸立香としては元気を貰える強い女性と思っている。彼女と一緒にいると元気が貰えるのだ。

彼女の持前のポジティブと頑張れば何とかなる精神にはいつも助けられている。そこが彼女の魅力だ。

 

「元気が貰える女性か…それもいいな」

「まあ、でも三蔵ちゃんは結構トラブルメーカーでもあるんだけどね」

 

トラブルを起こすというか後先を考えずに勢いだけで進むというか、なかなか心配してしまう面はある。ポジティブさはあるのに割と寂しんぼうで怖がりだったりするのだ。

そこもギャップなのか分からないが守ってあげたくなるというか頼ってほしいと思ってしまうのだ。そういう可愛さがある。

物理的に守るというのは藤丸立香としては難しいかもしれないが心の支えとして力になれる事はある。

 

「三蔵ちゃんも可愛いよね」

「そう言えば三蔵さんと仲が良いのが桃香なんだよな。桃香も可愛いぞ。桃香はちょっと抜けてるところはあるけど…守ってあげたくなるっていうか、一緒に居てほんわかする可愛い女の子なんだよ」

 

桃香はポワポワしていて暖かい気を感じさせてくれる女の子だ。とても可愛らしい女の子である。

 

「あ、分かる気がする」

 

桃香と玄奘三蔵を見てて、守ってあげたくなるというか力になってあげたいと思う部分は何処か似ている気がする。そして2人とも一直線で曲げない心を持っているのだ。

 

「だろ。それに桃香は悩みながらも頑張ってるんだ。だから俺も力になってあげたいと思うんだよ」

 

桃香の夢は平和な世界。人々が笑っていられる国を実現したいと思っている。

誰もが持っている願いだ。しかしその願いは願っているだけでは叶えられない。誰かが国をまとめ、統一しないと叶えられない願いである。

だからこそ曹操や雪蓮たちが武力を持って戦っている。桃香は戦う事に対して良い感情は無い。

戦わなければいけないと分かっていても、『戦』をする事はいつも心が締め付けられるのだ。その感情が曹操や雪蓮との差の1つだという事に気付くのはまだ先である。

 

「桃香もこれからどうしていくかは分かっていると思う。だけど実行はしたくないと思っているんだろうな」

 

これからの事。荊州の新野に来てから大分、時が経った。それから新野を安定させるために頑張った。

頑張った分だけ難民が新野に足を運ぶ。困っている人を助けるという事にためらう事はしない桃香だ。しかし受け入れるのも限界がある。

新野の土地は無限ではない。難民がこれ以上助けを求めて来られてもいずれは断る事になる。それは桃香もしたくないものだ。

 

「でも長くは続かない。正直に言うともう難民を受け入れるのも難しいんだ」

「新野の地が良いと広まっているのはいいけど…受け入れる土地がもう無いと?」

「ああ。まだ大丈夫ではあるけど…厳しいっていうのが本音だな」

 

だからこそこれからどうするかを決めている。朱里たちと今の問題を解決するための答えは出ている。

その答えを実行したくとも桃香は首を縦には振らない。今は振らない。

 

「桃香もきっと悩んでるだけだ。最終的に決めるのは桃香だけど…アドバイスくらいは、支えにはなってやれる。彼女があの夜に本音をぶつけた時から俺の気持ちは決まってる」

 

何処か大人びた顔をした北郷一刀。ちょっとカッコイイと思ったくらいである。

彼もこの荊州の新野に来るまでに大きな難関を乗り越えた。その表れなのかもしれない。

 

「桃香は本当に可愛い女の子なんだ。俺なんかじゃ愛紗や鈴々のように戦って守れないかもしれないけど俺も男だ。身を賭して守って見せる」

「そう言えば彼女の本音って?」

 

あの夜にぶつけた本音。不躾な質問だったかとすぐに後悔したが気になってしまったので口にしてしまったのだ。

藤丸立香も英霊たちと絆を深めると本音で語り合える仲になる。同じように桃香と北郷一刀もそうなのだろうと思った。

 

「あ、ああ…ちょっとな?」

 

急に北郷一刀がしどろもどろになる。ちょっと恥ずかしそうというか言いにくそうな感じだ。

 

「どうした北郷? 本音を言い合えるほど絆を深めたって事だろ。恥ずかしい事じゃないと思うけどな」

「そ、そうだよな。恥ずかしい事じゃない。恥ずかしいなんて言ったら桃香に失礼だ」

「そうそう。絆を深め合う事は良い事だよ」

 

ここでちょっとだけ藤丸立香と北郷一刀と入れ違うというか会話の中身にズレがある。

 

「まあ、藤丸には言えるっていうか。俺さ桃香と…その」

「ん?」

「結ばれたっていうかなんていうか…」

「え、おめでとうじゃないか!!」

 

『結ばれた』という言葉を聞いて男女の恋愛について思い浮かべる。

飲み物の入ったコップを北郷一刀の前に出すとコツンとコップ同士を当ててくれる。

異世界とはいえ恋人同士が生まれた。これは祝福するべきだ。そもそも桃香の気持ちは藤丸立香だって気付いていた。

桃香と北郷一刀のカップルはお似合いだ。つい微笑ましく思ってしまうほどだ。

 

「ありがとう……それに大人の階段も登ったというか」

「え…」

 

ここでピシリと固まる。

 

「え、ちょっと…詳しく」

 

ズイズイと卓から乗り出してしまう。

 

「やめろよ~」

 

言葉では嫌がるが声質は嫌がっていなかった。

男子トークからシリアストークに繋がったかと思えばまた男子トークに戻る。

 

「詳しくは言えないって。まあ、でも桃香は可愛い女の子なのは確かだ」

「男として北郷は一歩先を行ってしまったか」

 

ジトーっと見る。

 

「なんだよその目はよー」

 

何故か男として負けた気がするのであった。男特有の謎の張り合い勝負である。

男は何かと張り合う生き物である。どんなくだらない事から大きな事まで張り合う。

 

「そうかぁ北郷は大人か。酒も飲めるしなぁ」

「藤丸は酒は飲めないのか?」

「なんかリアルだと飲める年齢な気がするけど、まだ飲めない設定になってる」

「何言ってんだ」

 

藤丸立香が訳の分からない事を言い出した。もしかしたら場酔いをしているのかもしれない。

 

「それにしても北郷が大人の階段を登っていたとは…もしかして他の人とも?」

 

北郷一刀はモテる。もしかしなくても桃香以外にも恋に落とした女の子がいるかもしれない。

実際に桃香だけでなく、愛紗や鈴々と桃園三姉妹からは好意を抱かれているのは鋭い者ならまる分かりだ。

 

「実はさ、鈴々とも」

「え、ロリ…」

「こら!!」

 

つい口から「ロリコン」と出てしまった。しかし、そう口に出てしまったのはしょうがないと思ってもらいたい。

 

「あのな、確かに鈴々は小さい子供って思うかもしれないがれっきとした女性だからな!!」

「それは分かってるよ。鈴々ちゃんに失礼な事は言わないし、思ってない。オレが思ったのは北郷は童女もイケるんだなって思っただけ」

「いや、俺はそういう趣味は無いから。鈴々はちゃんとした女性だから受け止めたんだからな!!」

「璃々ちゃんに手を出してないよね?」

「出すか!! 出したら捕まるわ!!」

 

北郷一刀は鈴々を子供としてではなく、1人の女性として愛しあったのである。そこに何も間違いや邪念は無い。

 

「てか、藤丸はそういう経験がないのか。あるもんかと思ってたけど」

「ない!!」

 

堂々と「ない」と言う。何故か悲しい気持ちになる。

 

「嘘付くなよ」

「嘘じゃないよ!?」

「あれだけ女性陣と仲がいいじゃないか。あの仲の良さは普通の男女の仲より上に見えるぞ。そういう仲になってても不思議ではないんだけど」

 

絆レベルが全員高いのは確かである。絆レベル10なんてものならば色々と距離が近くなるのだ。

元々から物理的にも精神的にも近い英霊もいるが絆レベル10になればより近くなる。それはもう怖いくらいに。

 

「聞いたけどよく2人きりで夜を明かすって聞くぞ。入れ替わりで」

 

マイルームの事を言っているのかもしれない。カルデアではマイルームには誰かしら英霊がいる事が多い。

この世界に来てからも部屋で休む時は誰かしら護衛という体で常駐している。

 

「よく同衾しているって聞くぞ!!」

「同衾してないから!?」

「嘘付くな。月から聞いたぞ。朝起こしに行ったら誰かしら一緒にベッドでくるまってるって!!」

「それ違う。そうだけど違う!!」

 

確かに気が付けば誰かしら一緒に寝ている事は多々ある。

清姫を筆頭に静謐のハサンや源頼光。更に子供英霊なんかも気が付けばベッドに入り込んでいる事なんてもはや日常レベルまでになっている。

他にもストレートに好意を前面に出す者や甘え上手な者も藤丸立香のベッドに大体、突入している。

気が付けば藤丸立香のベッドは英霊たちの第二のベッドになっていたりするのだ。

この外史世界だと武則天や酔っぱらった荊軻たちがベッドに気が付けば入り込んでいたりする。

 

「実はシてんだろ!!」

「シてないから!!」

 

藤丸立香の経験は0である、というのが公式のようなもの。しかし実際のところ分からない。

表向きは確かに0という事になっているが裏だと実は経験があるんじゃないかという噂がある。

その噂の発生源は何処か不明。絆レベルの高い女性英霊と藤丸立香が仲良くしていたという部分から尾ひれが付いたか、怪しい悪の親玉や劇作家が面白半分で流した可能性が高い。

疑いがあるのがやはりいくつか「そういう事」に繋がりそうなことがあったからだ。もしくは絆レベルが上がるにつれてというのがあるからだ。

絆レベル5で熱い好意や深い信頼を得られるのならば、絆レベル10だとどうなってしまうのか。

 

例に出すだけでもいくつかある。

清姫や静謐のハサン、源頼光たちのマスターに対する恋や愛は本物だ。よくベッドに入り込んでくるくらい愛が重い。絆レベル10の彼女たちがベッドに入り込むという行為は『そういう行為』も期待しているのかもしれない。

ストレートに好意を、性的に攻めている筆頭は案外アン・ボニー&メアリー・リードだったりする。マタ・ハリもそうだが実はアン・ボニー&メアリー・リードの方がガンガン攻めているのだ。

無人島ではシャワーやらお風呂に入るような事があったらしい。更にラスベガスでは性的に襲われそうになったり、バレンタインでは部屋の鍵をチョコレートに仕込むなんてことをした。

そんな彼女たちとも『そういう事』があってもおかしくはない。

 

更に更にメルトリリスとも何かあった可能性もあるのだ。彼女はなかなかの性癖の持ち主。

絆を上げるにつれて彼女との関係がグっと近づいている。なんというか他の人たちには無い関係性があるのだ。

バレンタインの時だと色々と身体に刻まれたらしい。どんな事をされたか藤丸立香は秘密にしているようで何も言おうとしない。

他にもマスターに好意がある英霊たちと色々とあったらしい。これほどまでに女性英霊たちと親密過ぎる関係があるのに経験が0なんて不思議なものである。

だからこそ「実は…」みたいなことを思われるのだ。

 

「いやいや男女が1つのベッドで一緒に寝て何もないことはないだろ。ベッドに忍び込んでくるって時点で絶対にそういう事を込みで入り込んできてるだろ」

「それは偏見だ」

「いや、普通はそう思うぞ」

 

確かに女性が男性のベッドに入り込んでくるという行為はそう思われても仕方ない。これが子供ならば微笑ましくなるものだが大人ならば右上がりにアダルト方面になる。

大人の男女がベッドで一夜明かすというのは『そういう事』だと思われてしまうのはしょうがない。

 

「武則天は鈴々と同じ子供っぽいけど中身は圧倒的に大人だろ」

 

武則天の姿は童女。しかし実際のところ中身は女帝としての精神が強くある。子供体型であろうとも中身は圧倒的な大人なのだ。

更に彼女はマスターに対して好意を持っている。マイルームでの会話でその端々が分かるものだ。

彼女もなかなかストレートに好意を口にしているのだ。そんな彼女がベッドに入り込んでくるとはそういう事に対して期待している可能性がある。溶岩水泳部も然り。

秦良玉に関してはマスターの安眠を守るという名目で部屋に常駐している。マタ・ハリから秦良玉には下心があるのではないかと思われているので夜の部屋でマスターと2人きりというのに何か期待している可能性だってあるのだ。

 

「絶対に嘘をついてる!!」

「ついてないよ!?」

 

男子たちは不毛な男子トークを夜遅くまで続いていくのであった。

 

 




読んでくれてありがとうございました。
次回も2週間くらいの更新を予定しています。

457
サイバー羽化昇天。
始皇帝のサイバネ化にびっくりの北郷一刀。
まあ、異聞帯で聖躯の始皇帝を見た藤丸立香たちも驚いていましたし。
きっとプレイヤーの皆さんも驚いたと思います。
自分は驚きました。「まさかこうきたか…」と思いましたね。そして真人躯体の始皇帝を見て更にびっくりです。
そして理解の早い北郷一刀。まあ現代を生きる彼なら宝貝の存在とか知ってますからね。『封神演義』も知っているはずです。
宝貝ってオーパーツみたいなものですから確かに不老不死などに繋がる未知の技術とかあってもおかしくないですね。

楊貴妃の太もも、生足。
イイヨね。立香も一刀も同意してます。
てか、ここからが男子トーク開始。男2人の酒の席なんてそんなもん。
立香は酒を飲んでないけど雰囲気でそういう話になっていきます。
楊貴妃、荊軻、秦良玉、玄奘三蔵、桃香、愛紗って感じで続きました。
恋姫もFGOも魅力的な女性ばかりですね。
他の女性の魅力はまた今度かな。

これからの事。
ちょっとだけシリアスに入りました。
いずれ益州攻略編に入ります。

何処か大人びた北郷一刀。
それはまあ、大人になったって事。このモテモテ男め。

藤丸立香は…まあよく分からない。
経験があるかどうかは謎ですね。あると思えばあるし、無いと思えばない。
シュレーディンガーの藤丸立香。
だって各英霊の幕間やイベントで結構、攻めてるシーンとかありますし。
本編でも書きましたがアン・ボニー&メアリー・リードとか、ラムダとかのバレンタインのイベントのその後とかどうなったかメッチャ気になるんですけど。
絆礼装のアン・ボニー&メアリー・リードのあのテキストとかどういう事なんですかね。
溶岩水泳部のあのマスターラブ度からしてみてベッドにもぐりこむって…もはや夜這いじゃないんですかね。
もう色々とありまくりです。
絆レベル5であれだけ好意を現す英霊たちの絆レベル10とか、更に夢火で10を超えた英霊たちの心情ってどうなの?



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