Fate/Grand Order 幻想創造大陸 『外史』 三国次元演義   作:ヨツバ

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こんにちは。
早く書けたので投稿です!!
早く書けたなぁ・・・

今回はもう黄巾の乱に入ります。
物語的にも進めていきます!!


張三姉妹

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黄巾党の討伐が本格的に開始された。多くの諸侯が名声を手に入れる為に軍を動かした。

話を聞けば曹操や孫堅と言った名のある猛者達も動き出したと言うのだ。

そうなると劉備だってどこかで動いているだろう。まだ頭角を表していないがいずれ直ぐに表に出て来るはずだ。

黄巾党もついに年貢の納め時だ。なんせ黄巾党の首魁の場所。黄巾党の本隊を見つけられたのだ。

そう成るともう黄巾の乱も最終決戦と為る。尚、討伐軍を率いる様に先端に位置するのは曹操の軍だ。曹操軍は黄巾党の本隊を発見したという功績がある。

実際に曹操が主軸に黄巾党の本隊と戦うことになるかもしれない。

 

「で、これが黄巾党の首魁である張角?」

 

黄巾党の首魁に関してだが容姿について教えてもらうと今まで調べた情報を纏めた似顔絵を貰えた。

しかし、その絵姿が問題であったのだ。

 

「角や腕が何本も生えているし、髭もモジャモジャだ…てかこれ人間じゃないでしょ?」

 

この絵姿を描いた人は途中で何も思わなかったのか。普通はツッコミたくなるはずだ。

 

「そりゃウチも思ったけど、けどしょうがないやん。何とか集めた情報によって出来たのがコレだし」

「いや、それでも何故こう成ったのかが気になるんだが張遼。黄巾党の誰かを捕縛して尋問でもすればいいじゃないか?」

「いや、それはもうしてんのよ。でも黄巾党の連中はどいつもこいつも口が硬うて張角について口を割らんのや」

 

捕まえた黄巾党の兵達は全員が張角について口を絶対に割らない。どんな尋問をしても拷問をしても口を割らなかったのだ。

これに関しては黄巾党の張角を絶対的に忠誠を誓っている故かもしれない。この忠誠の高さに関しては敵なのに妙に評価されている。

 

「なんじゃ、そんなのは拷問の仕方が悪いのではないか。ならば妾に任せよ」

「どうするん?」

「まずは……」

「ちょっと!? 月が居る前で物騒な事を言わないでよ!!」

 

董卓は優しい女の子だ。そんな彼女にはできれば嫌な物に関しての情報は与えたく無いという事である。

だが武則天からしてみれば上に立つ者ならばどんな事も知る必要が有ると思っている。

知らなかったというだけで大国が滅びる事が有るのだから。

 

「はやくそのよく分からない物をしまいなさいよ!」

「えー妾に対して不敬な奴じゃな」

 

すぐさま謎の物を仕舞っていた。アレが何なのかよく分からないけど知らなくても良いだろう。

でもカルデアキッズに渡すのは勘弁してもらいたい。

 

「で、本題なんだけど」

「我らに黄巾党の本隊を討伐するのに入れと?」

「そうよ」

「まあ、構わない。そもそもそれは願ったりだ」

 

太平要術の書を持つ張角に会う為には黄巾の乱に行かなければならないし、戦わなければならない。

そして何より、誰よりも早く張角の元に足を走らせないといけないのだ。

 

「えーとアンタたちには此所を任せたいのだけれど」

「いいのか任されても。普通は張遼や華雄、呂布の部隊に入るかと思ったのだが…」

「アンタたちなら何処かの部隊に入れる寄りかは1つの部隊として動かした方が効率が良いもの」

「そうか。なら任された」

 

これでより動きやすく為った。これならばより秘密裏に動く事ができるだろう。

 

「アタシらの中から兵を貸すから上手く指示してね。アンタらならできるでしょ」

「お互い頑張りましょう」

「うん」

 

準備は出来た。後は黄巾党の本隊と相まみえるだけである。

 

 

59

 

 

ついに開戦された黄巾党との最終決戦。各諸侯達も黄巾党を討伐しようと鬼気として戦いに飛びこんでいく。

剣戟に雄叫び、罵声に血飛沫と戦の現実が嫌でも目や耳に入ってくる。五感に入ってくる。

相手は人間で幻想種や魔物では無い。だからこそ人を殺すという戦に忌避感を感じてしまうのは藤丸立香が善人で平凡で優しいからだ。

そう感じるのは個人の意思。でも相手はそんな事を考慮してくれる筈も無し。

ここは藤丸立香の考えを理解してくれる時代でも世界でも無い。こんなのは今更だがそう思ってしまうのだから仕方ないのだ。

 

「無理すんなよマスター」

「大丈夫。前には進まないといけないからさ!」

 

多くの特異点や亜種特異点を回ってきたのだから耐性はある。でもやはり無理して居ると英霊達にはバレバレだ。

だからこそ忠誠心の高い燕青などは自分が汚れ仕事を負うことを厭わない。

 

「行くぜ荊軻の姐さんに拳法の達人」

「ああ」

「うむ」

 

先に燕青達が出る。でもその前には既に呂布奉先と那托が黄巾党の軍隊に突撃して要る。

俵藤太と諸葛孔明は董卓軍から借りた兵達の指揮をしており、玄奘三蔵と武則天はマスターの警護だ。

だが彼等の目的は黄巾党の全討伐では無い。本当の目的は張角が持つという太平要術の書だ。

この黄巾の乱は他の諸侯達によって治まるだろう。だから彼等の本来の目的を達成しなければ為らないのだから。

藤丸立香は頬を強めに叩いて気を引き締める。目を逸らすことはできない。

戦いを受け止めて進む。

 

「行くぞお前達。吾に続けぇい!!」

 

俵藤太が将として軍を動かして黄巾党達と戦う。

ここでカルデア側が秘密裏に計画を発動する。黄巾の乱とは関係ない計画が。

表向きは黄巾党と戦う事になっているが裏だと太平要術の書を回収するために動くのだ。

黄巾の乱は俵藤太と呂布奉先、李書文、哪吒が戦う事になって要る。そして太平要術の書回収チームは藤丸立香に燕青、荊軻、諸葛孔明、玄奘三蔵、武則天だ。

 

「□□□□□!!」」

「何、ようは殺し合いよ。お主らの全力、見せてもらおう」

「頑張る ファイト」

 

早速三人が黄巾党の軍に突貫。そのまま瓦解させていく。相手は魔物でも幻想種でも無いただの賊だ。ただ数が多すぎるだけの賊。

そんな多すぎるだけの賊は三人の英霊が突撃しただけで崩れるのは誰もが考えられる。特にその三人は戦闘に特化している英霊なのだから。

しかも呂布奉先は生前でも英霊になってもこういう戦はしているし、無双という言葉を体現させるほどだ。

 

「ようし、お前たちこのまま突撃するぞ。敵はもう総崩れだ!!」

 

借りた董卓軍の兵士を鼓舞しながら戦が始まる。兵士達も目の前で一騎当千の猛者達が黄巾党の賊を倒しているのを見れば士気がより上がるというもの。

一騎当千の将と士気の高い兵士達。戦いの流れは完全に此方側だ。戦いの流れに乗ればどんどんと士気は上がっていく。

 

「あまり突出し過ぎるなよ。無理に突出してしまえば孤立してしまうからな」

「しかし俵殿。書文殿達はもう既に突出してるのですが」

「あいつらは気にするな」

「ええぇ!?」

 

あの三人組なら笑いながら帰ってきそうだ。

 

「はっ、せい、やあっ、しゃあっ!!」

 

哪吒たちは火尖槍を振り回しながら無双するのであった。

 

 

60

 

 

黄巾党本陣。

 

「やっぱりもうダメね。姉さんもう逃げましょう」

「う、うん」

 

もう黄巾党はお終いだ。今の結果を見れば誰だって分る。

そもそも張三姉妹は何も大陸を取るつもりで動いていたわけでは無いのだ。多くの誤解や勘違いから今に至ってしまっただけである。退くに退けなくなった状況でしか無かったのだ。

正直なところ、こうなったのは張三姉妹も予想外すぎる。

 

「荷物は持った?」

「持ったよ。いつでも大丈夫」

「後はこの太平要術の書を持って…」

「張角様!!」

 

いざ逃げようとした矢先に部下(ファン)二人が入って来る。非情な決断かもしれないが今助かる為についてきてくれたファンを見捨てようとしていた。

だからこそ今自分たちだけで逃げようとしていた事がバレたら何をされるか分かったものでは無い。

 

(こんな時に…)

「張角様。張宝様。張梁様。此所はもうダメです早くお逃げください。 貴女方さえ生き残ってくだされば再起を図れます!!」

(おや?)

 

来てくれた二人から脱出してくれと促される。これは願ってもいない状況だ。それなら気兼ね無く逃げだせるというもの。

 

「分かったわ」

「我ら二人が護衛致します荷物を」

「わあ、ありがとう」

「丁寧に運びなさいよね」

「ちぃ姉さん。こんな時に丁寧も何も…」

 

張三姉妹ファン二人に扇動されながら本陣から脱出した。

 

 

61

 

 

黄巾党本陣から逃げ出して森の中に入る。此所まで来ればもう追ってこない筈だと思ってしまい、張角は休憩を提案する。なんせずっと走っていたのだから息がもたない。

 

「ねえ休憩しようよ~」

「アタシも疲れたから賛成」

「てんほー姉さん、ちぃ姉さん…いくら離れてもまだ敵が追いかけて来ないわけじゃないのよ」

 

できればもっと遠くまで逃げたいと思うが実際のところ疲れたというのは本当だ。

息も上がっているし、足も震えている。これ以上無理に走っても、いざ動けなくなったら元も子も無い。

 

「ちょっと休憩しましょう」

 

せめて一息だけついたら逃げなくてはならない。もっと離れないと敵はどこまでも追いかけて来るのだから。

 

「あなたたち二人は見張りをお願い」

「………」

「どうしたのよ?」

「いやあ、まさか簡単に付いてくるとは思わなくてねぇ」

 

黄巾党の一人が急に砕けた口調で話し始めた。そして彼が発した言葉に対して背中がゾワリとしてしまう。

まさかと思う事実に身体が震えてしまう。

 

「上手くいくもんだなマスター」

「だね、黄巾党の恰好をするだけで普通に本陣に、てか張角達の所に入れたし」

 

心臓の鼓動が激しくなる。背中がゾワゾワする。足や腕が震える。

こんな嫌な予想は外れて欲しいが現実とは非情だ。

 

「あ、貴方達まさか…!?」

「黄巾党じゃない。今きみたちが戦っている側だよ」

「「「やっぱりー!?」」」

 

黄色の布を取るとファン二人の正体は藤丸立香と燕青であったのだ。

 

「いや、特に変装する必要も無かったとは…黄色の布を巻くだけとはなぁ」

「それはそうだ。黄色の布とは黄巾党の信者の証。それさえ付ければ黄巾党を名乗れば誰でもなれる」

「それならいくらでも間者が入り込めるな」

「くっふっふっふー! 黄巾党は組織体系が出来ていないのう」

「この子達が張角…悪い子たちには見えないけど」

気が付けば周りに諸葛孔明、荊軻、武則天、玄奘三蔵が張三姉妹を囲んでいた。

 

「「「囲まれてるー!?」」」

 

逃げてこれたかと思えば絶体絶命。逃げる段階で詰んでいたのだ。

 

「それにしても彼女達が張角たち…絵姿と全然違うじゃん!?」

「あんなのが居たら、逆に怖いぞ!」

 

ガクガクブルブルと震えている張三姉妹の前に出る諸葛孔明。

 

「さて、君達はもう詰んだ。悪あがきはしない方が賢明だ」

「嫌、まだ死にたくないー!!」

「まだ色々とやりたい事があるのにー!!」

「殺すとは言っていない」

「へっ!? 助けてくれるの?」

「それはお前たち次第だ」

 

自分たち次第と言われて首を傾ける。今の自分達に何ができるか。

 

「まさか身体っ!?」

「「ええ!?」」

「違う」

 

頓珍漢な考えに至った張宝の言葉に被せて否定する。

 

「お前達が持っている書物が欲しい。ここまで言えば分かるな?」

「太平要術の書?」

「そうだ。それさえ渡してくれれば命は取らんさ」

 

元々命を奪うつもりは無い。太平要術の書さえ手に入れば良いのだ。

それに貂蝉から何故か張三姉妹は殺さないで欲しいと言われている。何でも彼女達にはまだ役目が有るとの事。

 

「渡せば助けてくれるのね?」

「約束しよう」

「なら早く渡しちゃおうよー」

 

命が助かるのならば、そんな書物は早く渡してしまえと急かす張角。太平要術の書のおかげでここまでこれたが、命より大事な物は無い。

 

「分かったわ。コレよ」

 

張梁が太平要術の書を渡そうとした時、誰も知らない手が伸びてきた。

 

「渡さないでください。これは私の物なので返してもらいますよ」

「え、誰!?」

 

知らない男が太平要術の書を張梁の手から奪っていた。

 

「荊軻、燕青!!」

 

藤丸立香が叫ぶがもう遅かった。

燕青の拳が、荊軻の刃が知らない男に届いたかと思えば煙のように消えていた。もう声しか聞こえない。

 

『ふふふ、貴方方と戦うつもりは有りませんよ。私はただ回収しに来ただけですからね』

「お前は誰だ!?」

『私の名前は于吉。またどこかで会いましょうカルデアのマスターよ』

 

この言葉を最後に于吉の気配は完全に消えた。

 

「やられた! もう少し警戒するべきだった…私のミスだ」

「今のが貂蝉の言っていた于吉か? 怪しげな道士だな」

 

まさかの于吉登場に諸葛孔明は汚い言葉を吐きそうになる。

いきなりすぎた。いきなりすぎて未だに少し混乱中だ。

これはすぐにでも貂蝉たちに合流して報告しなければならないだろう。

 

「あ、あのー」

「何だ?」

「私たちは…?」

 

張三姉妹は太平要術の書を渡せば命が助かることになっている。しかし、渡す前に奪われてしまったのだから条件が破綻しているのだ。

 

「そうじゃのう…目的の物がなくなってしまったから、その約束は無効じゃな」

「ええぇ!? でもそれはさっきの奴が…!!」

「お主らは太平要術の書を持っていたから命の交渉ができたのじゃ。だが何も無いのならば価値は無い」

 

もし、諸葛孔明が太平要術の書を受け取ってから奪われてしまえば張三姉妹に落ち度は無かっただろう。

しかし、張梁が渡す前に奪われてしまった。そういう意味では所有権が諸葛孔明では無くて張梁のままだ。

例えるならば買い物中にお金を払う前に商品が泥棒に奪われたらどっちが責任かというのならば買い手じゃなくて売り手だろう。

 

「くっふっふー! さて、自棄になって暴れられても困る。動けなくしておくか」

 

武則天が拷問器具を取り出す。

 

「あわわわわわわ…!?」

「いやよー!!」

「はいはいストップだよ、ふーやーちゃん」

 

拷問器具を持って近づく武則天を止める藤丸立香と玄奘三蔵。

もちろん武則天も本気で拷問しようとしていたわけではない。ただの冗談だ。質の悪い冗談である。

 

「冗談じゃよ冗談。くっふっふっふー」

「全くもう! ごめんね」

「こ、殺さないの?」

「殺さないよ」

「助けてくれるの?」

「うん。だからその為にちょっと手伝ってもらっていいかな?」

「手伝う?」

 

 

62

 

 

楽進は張三姉妹を追いかける。

このまま逃がしたとなると曹操に顔向けできない。せっかく曹操軍に入れてもらったのだから力にならねばならない。

せっかく『あの人達』と出会ってやっと自分達のすべきことを歩み始めたのだ。ここで折れるわけにはいかないのだ!

そう思って足に力を入れて走る。そして黄巾党本陣は燃えていた。

 

「見つけたっす!!」

「張角だな!?」

「そうだよ~」

「残りの二人の張宝と張梁はどこだ?」

「ここ」

 

そう言って張角の手に握られていたのは二色の髪の毛の束であった。その髪の毛の意味は遺品。

既に張宝と張梁はこの世にもういない。

 

「ちーほーちゃんとれんほーちゃんは一足先に火の中に入っていったよ」

「なに!?」

「そして私も…」

 

張角は自分の髪の毛を切って同じように束にする。

 

「これをあなたたちにあげるね」

 

三束の髪の毛を置いて張角は火の中に走っていった。

 

「待て!!」

 

もう遅い。説得する暇も無く、身体が動くころには張角は火の渦に飛び込んで行った。




読んでくれてありがとうございました。
次回もゆっくりとお待ちください。また早く投稿できればしますが予定では来週にしています。

黄巾の乱。そこまで戦っていません。目的はあくまで回収ですからね。
回収できなかったけど…于吉がいきなり現れましたがアニメ版でもいきなりだったので。

そして張角たちもどうなるか…まあだいたい予想できると思います。

黄巾の乱はすぐに終わります。メインの話はこの後になりますから。
ちょくちょく出てきた張譲とか。
まあこの物語を1章とすると『漢』…洛陽で戦いが始まります。

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