Fate/Grand Order 幻想創造大陸 『外史』 三国次元演義   作:ヨツバ

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こんにちは。
早く掛けましたので早速更新です。

恋姫も気が付けばプレミアムパッケージ版の『蜀ルート』が発売してましたね。
ぼーっとしてたら9月25日には『蜀ルート』の発売ですよ。

さて、4章も後半の終盤に近付いております。
益州攻略編の次に〇〇〇編で4章も区切ろうと考えていますね。

まあ、益州攻略編はまだまだ続きますが。



葭萌関の戦い後

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葭萌関での戦いは桃香たちの勝利だ。

たまたま運よくと言うべきか馬岱を捕まえるもとい此方側の事情を把握してくれているのか逃げ出さずに話に応じてくれた。

 

馬岱は素直に桃香と楼杏との再会を喜んだ。先ほどまで戦っていたというのに信じられないくらいである。

 

やはり今回はお互いとも不本意な戦いであったのだ。

攻めてしまった事を悔いる桃香と酷い事を言ってしまった馬超の代わりに謝る馬岱。

話を聞いていくと漢中で戦ったのは葭萌関が最初だという事に驚いたようだ。

成都に来ている報告だと劉備軍の大軍勢に仕方なく降伏しているとの事だが、事実は劉備軍を歓迎しているというものだったのだ。

最初から嬉々として降参なんて漢中の諸侯が成都に報告できるわけがない。面子があるので誤魔化しの報告をしたということだ。

 

これには馬岱もため息を吐きそうになったが、そのような状況に追い込んだのが益州なのだからどうしようもない。

色々とあるが馬岱の本音としては馬超を、馬家のみんなを桃香たちに助けてもらいたい。

戦っておいてながら言える立場ではないが、言うしかなかった。

 

馬岱は本当に馬超を助けて欲しいと思っているのだ。涼州を曹操に取られた後、劉璋の所に身を寄せている。

その恩があるからこそ益州を裏切られない。彼女だって今の益州がダメなのは分かっている。劉備が平原や徐州のように統治してくれるなら、それはそれで一番だ。しかし拾ってくれた劉璋を裏切って桃香に手を貸すなんて馬超の心が許してくれないのだ。

 

渡世の義理は血よりも重い、と言うのか理屈ではなく心の問題だ。特に馬超の性格ならばなおさらである。

事情はどうあれ桃香達が益州に侵攻したのは事実。涼州を曹操に奪われた身からしてみれば、そこも素直に割り切れるところじゃないのかもしれない。

 

馬岱だって最初は良い気はしなかった。しかし、それよりも馬超が、馬家の誰かが死ぬ方が嫌なのだ。

だからこそ恥を捨て、桃香に「助けて欲しい」と口を開いたのである。

 

馬岱の気持ちに桃香は無視をしない。桃香は馬超たちを、益州の民を必ず救うをより覚悟がより固まるのであった。

 

「劉備さん。今日は本当にありがとう。姉様は、たんぽぽももう一度戦わないように説得してみるから」

「うん。でも、馬岱ちゃんも無理しないでね」

 

重要な話を聞けた桃香たちは投降していた西涼兵たちと馬岱を解放した。

本当に戦をしていたとは思えないくらいであるが、桃香と馬岱はお互いに元気よく手を振りながら葭萌関で別れるのであった。

 

「老師も馬岱さんたちと一緒に成都に行くんだね」

「うむ、すまんな。せっかく合流したのだが馬騰殿との約束がある。果たすまではちょっとな」

 

李書文(老)は義理堅い。貸し借りや恩義・約束といった「人としての筋」を何よりも重んじる侠客でもある。

織田信長がたくさんいるというよく分からない『ぐだぐだ特異点』では一宿一飯の借りを返すため、反逆の誹りも覚悟した上でマスターの敵側に付き本気で命を狙った程の義理堅さだ。

その時は流石に驚いたものだ。

 

「分かった。老師、気を付けて」

「若い儂がいるから大丈夫だと思うが…マスターも気をつけてな」

 

頭を軽く手でポンポンと撫でてくれる。これには心の中で「お爺ちゃん…」と思ってしまう。

 

「次まみえる時、何処かの特異点で聞いたマスターを襲うという事したら霊核を砕いてやろう」

「まったく若い儂は…」

「いや、当然だと思うがな」

 

李書文の返しに李書文(老)は軽く笑い返すのであった。

 

 

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李書文(老)と馬岱たちを見送りした後、桃香たちは葭萌関で一夜を明かす事になった。

 

「久しぶりのカルデア会議~」

 

藤丸立香が気の抜けるような声で会議を開始した。

今回のカルデア会議の内容はいつもと同じ。桃香たちが益州を手に入れる戦いに何処まで介入していいのか。

 

今までもいくつかの戦いに参戦していたが、自分たちが主体で戦う事はしていない。三国志を元にした異世界とはいえ、カルデアが参戦して何か流れを変えてしまってはいけないのだ。

 

彼らが主体で戦う事が出来るのは何か異変が起きた時のみ。悪龍、怨霊となった張譲の戦いだったり、怪異となった黄祖だったり、龍の力を手に入れた袁紹だったりだ。

益州を手に入れる為に成都へと侵攻し、葭萌関の戦いでは少しくらいの手助けしかしていない。このまま成都へと到達して戦が始まったとして、決戦の時もどのくらい戦えばいいか決めないといけないのだ。

 

「特に異変が無ければ葭萌関と同じように桃香さんたち主体で戦ってもらうのは当たり前として…オレらはサポートする形で」

「了解しました」

 

蘭陵王たちが頷く。

 

「それで良いんだよね貂蝉さん」

「ええ、それでオッケー」

 

バチンっとウインクをする貂蝉。

貂蝉はこの外史の管理人。何処まで介入できるかいつも確認を取っている。

 

「立香ちゃんたちが話の分かる人たちで助かるわ」

 

この外史の中心人物が藤丸立香たちならばどんな流れを辿ったところで『そういう外史』と認める事が出来る。しかし藤丸立香たちはイレギュラーでこの外史にいるのだ。

イレギュラーならば好き勝手させるわけにはいかない。

 

(この外史は既に于吉ちゃんのせいで色々とおかしいのよね)

 

この外史は本来、北郷一刀と桃香達の蜀ルート。ある程度ズレがあっても最終的なゴールがだいたい同じであれば構わない。

北郷一刀が藤丸立香たちと出会って本来の蜀ルートとズレがあるが現段階では異常は無い。このまま無事に何もなければ大丈夫だと予想している。

 

(もしかしたらゴールが少し違うかもだけど…全く別の結末にはならない…と思う)

 

本当にこのまま何も無ければの話だ。やはり不安なのが于吉の動きである。

張譲との暗躍や袁紹に龍の力を与えた事件等はまだいくらでも修正出来る。しかし、過去にまで跳んで孫呉を滅ぼそうとした時は流石に焦ったものだ。

 

(正直なところ于吉ちゃんがこの外史でどれくらい何かを仕込んでいるか見つけ出さないとね。その為に卑弥呼には五胡の方に調査へ行ってもらってるし)

 

卑弥呼はいま五胡に調査へ向かっている。五胡は蜀ルートで重要に関わってくる陣営だ。

この外史は蜀ルートなのだから于吉が何かを仕込んでいる可能性は大いにある。

 

「でも、何か異変があったら力を貸して頂戴ね立香ちゃん」

「もちろんだよ」

 

成都での戦いはサポートに徹する。

秦良玉や蘭陵王たちは愛紗たちのサポートで、諸葛孔明と司馬懿(ライネス)は朱里たちのサポート。

今いるカルデア全ての戦力は流石に出す事はしない。最低限で動かすつもりだ。貂蝉もそれくらいがちょうど良いとのことだ。

 

「ふーやーちゃんや三蔵ちゃんは待機で」

「うむ。後ろの方で見ておる」

「朕は?」

「始皇帝は空丹たちを守ってくれると助かります」

 

藤丸立香はテキパキと英霊たちに指示していくのであった。

 

「アサシンの儂が襲ってきたら任せろ、一撃で座に送り還してやろう」

「そんな未来にならない事を祈る」

 

 

480

 

 

「ただいま、みんな」

「蒲公英さまー、おかえりなさーい!!」

「大丈夫だとは思ってたけど…無事で良かったわ蒲公英」

 

馬岱の無事な帰還に馬鉄と馬休は安心した。

 

「でも、随分遅かったけど…今まで何してたの?」

「劉備さんたちとお話してたんだよ。それより姉様は?」

 

馬休がちょっと暗い顔をした。

馬超は無事に成都まで戻っているが部屋に引きこもって誰とも話そうともしないのだ。姉妹である馬休たちや上司である厳顔とも話そうともしないくらいである。

彼女の気持ちは分からないでもない。桃香が正しいのか自分が正しいのか迷っているのだ。

単純に考えれば桃香たちの方が正しいかもしれない。桃香たちは難民問題を解決する為に動いているのだ。

益州の問題は嫌でも分かっているが、それでも改善しようと動かない。桃香たちが攻めてくるのが段々と当たり前だと思ってくる。しかし馬超としては拾ってくれた恩のある劉璋を裏切るわけにはいかない。

 

「悩んでるそうだな馬超よ」

 

馬超の部屋の扉の前に立つは李書文(老)だ。

まずは伝えなければならないのは馬岱が無事帰還したという事だ。

 

「馬岱はお主をとても心配しておったぞ。それと…分かっておると思うが劉備たちがもうすぐ成都に来るらしい」

 

桃香たちは遠征という名の侵攻を行っている。葭萌関を抜ければ成都に到着するまで時間は掛からない。

言われなくても分かっているつもりだ。

 

(……そうか。蒲公英、無事だったか。良かった)

 

部屋の主である馬超は起きていた。

 

(…劉備はやっぱり劉備なんだな)

 

劉備は自分が思っている人物と変わらなかった。考えが甘くとも理想なために努力する優しき人間。

今回の戦いから馬超は自分がどうすれば良かったのかと自問自答をした。しかし答えなんて出ない。

 

「これはただの老人の独り言だ」

 

ポツポツと呟いていく李書文(老)。

 

「実はお主のように自分が正しいのか相手が正しいのか悩んだ者を見た事がある。まあ、何処にでもそういう者はおるが…その者は特に、というやつだな」

(あたしと同じように悩んでるやつか…)

「そやつは自分が正しいと疑わずに旅を続けてきた。いや、旅を続けるしかなかったのだ」

(続けるしかなかった…って言い方ははまるで、強制のようにも聞こえるな)

 

馬超の思った事は正解だ。彼自身がやると決めたが、ほぼ強制のようなものだった。彼しか居なかったから彼は戦うと決めたのだ。

 

「状況は違うが彼も守るために戦った。戦い続けてきた。辛かっただろう、戦いから逃げたかっただろう、諦めたかっただろう。だが彼は歩き続けた」

(それだけ聞くと、そいつは凄いやつだな)

「しかし、今のお主のように大きな悩みに直面する時が来てしまった」

 

どうすればいいか分からない。本当に自分のしている事が正しいのか分からなくなる。

そのような状況は考えても答えが見つからない時がある。見つからないというよりかは違うかもしれない。正しくは答えがあるが、選ぶ事に抵抗を感じてしまうというのが近い。

 

「自分がやっている事は確かに正しい。しかし相手も正しいという状況だよ」

 

自分も正しいが相手も正しい。正義と悪ならば単純だが、どっちも正義というやつは難しい話になる。

『正義とは何ぞや?』という長い討論が始まりそうな話になるのだ。

 

(自分も正しいけど相手も正しいか……確かに今のあたしと似てるかもな)

 

馬超は桃香がしている事が正しいと分かっている。自分の同じ立場だったらきっと同じ事をしていたからだ。しかし馬超のやっている事も正しいはずだ。彼女は恩を返すために戦っているのだから。

彼女の性格上、恩を仇で返すなんて真似は出来ない。益州の状況が酷いと分かっていても劉璋が暗君だろうと暴君だろうと馬超たち馬家を助けてくれた事は本当である。

 

(いや、ちょっとだけあたしと違うかもな)

 

桃香が正しいと分かっているが認められない。認めたら馬超の中の大事な『何か』が壊れてしまうと思っているからだ。

『何か』とは誇りなのか義理なのか。今の彼女でははっきりと口にできないが、自分であるためのとっても大事な『何か』だ。

 

(あたしたちの方が落ち度はあるけど…書文の言うそいつはどうなんだろ)

「どっちも正しいが…見方によれば彼の方が悪いかもしれんな」

(そいつもあたしと同じ状況か)

「そやつは一度折れてしまった。しかし立ち上がった」

 

彼は命を賭して守ってくれた友の最期の言葉を受け、涙ながらに再起したのだ。そこから先は悩み、後悔しながらも前に突き進んでいる。

 

(どうやって立ち上がったんだろそいつ。そこが知りたいんだけど)

 

彼と馬超は違うが少し似ている部分もある。彼は友を亡くし、馬超は母を亡くした。ただ違うのは最後の言葉を馬超は受ける事が出来なかった。

もしかしたら馬超も母親である馬騰から何か言葉を貰っていれば変わっていたのかもしれない。

 

「……まあ、爺の勝手な独り言だな」

(按摩の爺さん。大事な部分を話してないぞ)

「……そして今までの独り言は前置きみたいなものだ。いや、前置きでもないか」

 

長い長い前置きだ。

 

「考えても考えても答えが出ない時…考えるのを一旦止める」

 

李書文(老)はある異聞帯の記録を思い出す。自分では無い自分が世界統一を果たした皇帝に仕えていた異聞帯。

 

「そういう時は難しく考えずに単純に考え直すのだ」

(単純に考えるって……そんな事できるわけないだろ)

「また話は続くが、彼はある偉大な皇帝と雌雄を決する場面に遭遇した。どちらか一方が負ければ国(世界)が滅びる程のな。例えではなく本当にだ」

 

李書文(老)の言葉に馬超は噴き出しそうになった。どんな状況だと声を大きくして叫びたかったものである。

 

(つーか、爺さんが言う『彼』ってなにもんだよ!? 皇帝と争うってなんだそりゃ!?)

「お互いに言葉で語り合ったが結局は意味をなさなかった。劉備と馬超がそうであったようにな」

(…っ、じゃあどうしたんだよ)

「彼と皇帝は単純な方法で未来を決めた」

(それは…何だよ爺さん。どうやって決めたんだよ)

「殴って決めた」

 

またも馬超は噴き出しそうになる。

双方の主張とも『話にならない』と一蹴された結論だったからこその単純明快な方法だ。

そんな方法で良いのかと思う人もいるかもしれないが、結局は強い者が未来を決める権利がある。

特に乱世の武将たちにはこの上なく望ましい方法なはずだ。乱世を生きる者たちは、そのように天下を手に入れる為に競い合ったのだから。

 

(声を出しそうになったけど………殴って決めるか。それは確かに単純明快だな)

「そういう方法もあるという事だ。武人なら拳で、剣で決めるのも有りだ」

(武人だから。難しく考えないで単純な方法で…か)

「最後に決めるのはやはり自分自身だ」

 

最後に決めるのは自分自身。

 

「遅い時間だが夕餉を置いておく。腹が減っては戦が出来んと言うからな。ではな」

 

食事を部屋の前に置いて李書文(老)は静かに去っていく。

 

(あたしはどうしたらよかったんだ…やっぱりあのまま西涼で戦って母様と一緒に死んだ方が良かったのか)

 

西涼の武人として最後まで侵略者である曹操と命尽きるまで戦う。そういう結末も良かったかもしれないと思ってしまうのだ。

こんな事を馬岱たちに聞かれたら凄く怒るかもしれない。

馬超は良くも悪くも真っすぐだ。その真っすぐさがあるからこそ今の益州にいる事で辛い思いをさせている。

 

(母様…)

 

母である馬騰が居れば答えを教えてくれたかもしれない。しかし馬騰はもうこの世に居ない。

どんなに悩もうが自分の事は自分で決めるしかないのだ。

李書文(老)の「最後に決めるのは自分自身」という言葉が蘇る。

 

「決めるのは自分。殴って決める…か」

 

ポツリと馬超は誰にも聞こえない声でつぶやくのであった。

 

 

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「馬超殿の具合はいかがですか厳顔殿?」

「部屋にこもりっぱなしだ。まあ、戦となれば嫌でも出てくると思うが」

「それなら安心……ですかね?」

 

恐らく大丈夫かもしれないと言われて益州の劉備は安心した。

 

「これから新野の劉備と戦うのです。馬超殿が戦えないとなると困りますからね」

 

益州の成都で戦が始まる。桃香が率いる劉備軍は万全の状態で来るはずだ。ならば益州の方も万全な状態で迎え撃たねばならない。

客将とはいえ、馬超は今の益州には必要な戦力だ。益州の事を考えれば馬超が不調と聞いて心配する。これから戦だっていうのに戦力が減れば不安になるというものだ。

馬超は今の馬家のトップだ。トップが不調だと下にいる者たちも士気が下がるというもの。

正直に言うと部屋に引き籠っている今の状態も好ましくはないが、戦の時に出てくればマシではある。

 

「もしも馬超殿が戦に出ないと困りますね。最悪、馬超殿が復帰できない可能性も考えて作戦を練りますか?」

「大丈夫だと思うが…まあ、一応は考えておくべきだな」

 

人の心というものは分からない。そして戦争時はどんな事が起きるか分かったものではない。

最悪のケースも含めて作戦とは練るものだ。

 

「では、策を更にいくつか考えましょうかね。向こうには頭のキレる軍師がいますから」

 

益州の劉備は厳顔と共に対劉備軍と戦う策を考えていくのであった。

 

「……夜遅くまで策を考えてご苦労な事だ」

「暗影か」

 

厳顔と共に作戦を一通り決めた後、入れ替わりで龍の仮面を着けた女性、暗影と呼ばれている者が益州の劉備の元に来た。

 

「いくつか策を考えたところで貴様の本命の策を実行するまでの遊びでしかないだろうに。劉備が勝とうが劉璋が負けようが関係無いのだから」

「そう言ってくれるな。形だけでもちゃんとやっておかないといけないからな。それよりも準備の方は出来てるのか?」

「出来ている。何なら今からでも動かしてやろうか?」

「いや、準備が出来ているなら構わない。時が来るまで待機だ」

 

益州の劉備と暗影の会話をこの場に居ない厳顔たちが聞けば「何の話だ?」と思うはずだ。

 

「個人的にあれを動かすのは気持ちいいものではないがな」

「あれの何が悪いんだ?」

「さっき言っただろう。個人的な感情だ」

 

暗影の言葉の意味が分からなかった益州の劉備だが気にしない事にした。

 

「私は凄いと思うがな。あれこそ強力な力というものだろう。さすが始皇帝、凄いお方だ」

 

この外史の始皇帝が作ったという『あれ』とは藤丸立香たちはよく知っている。揚州にいる雪蓮たちもよく知っている兵器だ。

 

「私としてはもう1つの方も準備したかったが見つからなかったからしょうがない。于吉殿も知らないようだったしな」

 

益州の劉備が「もう1つ」と言って暗影は顔を少し歪めた。龍の仮面を被っているので誰にも分からない変化なのだが。

 

「始皇帝について調べていくと彼は本当に天才であったと分かる。よくあんなものを作ったと思うよ」

 

喉が渇いたのでお茶を口に含む。

 

「話が逸れてしまったな。あと2、3日もすれば劉備軍が成都に到着するだろう。暗影は英気を養っててくれ」

「いつでも戦える。それまでゆっくり待っているさ」

「私は劉備が来るまで宝剣を調整しておく。この宝剣の力をやっと見せてやれる」

 

宝剣を暗影に見せ付ける。

 

「この宝剣の本当の力を見せてやるぞ劉備」




読んでくれてありがとうございました。
次回は2週間後に更新予定です。早く更新できたら更新します。


今回は葭萌関の戦い後の話(サブタイトルのまんま)でした。
次回はついに成都での決戦。どのような展開になっていくかはゆっくりとお待ちください。そろそろ原作から外れてオリジナル展開になっていきます。


478
ここは原作とだいたい同じ。
桃香たちが馬岱を見送るだけ。次の再会は成都で。


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久しぶりのカルデア会議。なんかぐだぐだのようなそうでもないような。
藤丸立香たちはこの外史でイレギュラーなので好き勝手できません。
まあ、けっこう好き勝手している気がしますけどね。
もしもイレギュラーでなかったら彼らが本当に三国以外の新たな勢力になっています。


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李書文(老)が馬超にちょっとだけ昔話をする。
自分ではない自分が敵だった異聞帯の話。(けっこうあいまいな感じになってしまったけど)
「殴って決める」…単純な方法だが、昔はこれでだいたい解決したんですよね。
うーん、乱世。


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もう皆さんは既に怪しいと思ってますよね。はい、益州の劉備と暗影は何か用意しています。
2人がどのように成都の戦いで、何を仕出かすかはゆっくりとお待ちください。
そして益州の劉備は宝剣の力を知っています。
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