Fate/Grand Order 幻想創造大陸 『外史』 三国次元演義   作:ヨツバ

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こんにちは。
今年も残りわずかですね。
年末までクリスマスではボックスを100箱は開けたいですね。

さて、今回から八傑衆編(蜀)になります。
タイトルは漢女道ですけど…今回は八傑衆編(蜀)の導入みたいなもんですね。


漢女道:ゴォォォ!!

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「「お久しぶりぃ!!」」

 

「わたし貂蝉、旅の踊り子。恋に恋する純情漢女で、年齢は、ん~な・い・しょ!!」

 

いきなり貂蝉がポーズを決めながら登場。

筋肉がメチャクチャキレている

 

「愛しの御主人様との約束を果たす為に、あてもない旅を続けるわたしだったけど…ある日、藤丸立香くんと北郷一刀くんっていう素敵な男の子たちと出会ったの」

「私は卑弥呼。貂蝉の師匠であり、この東方をかつて守った漢女道の継承者である。年齢はもちろん内緒だ。謎は漢女を美しく装うものだからな。がははははは!!」

 

次に卑弥呼がポーズを決めながら登場。

背中に世界を背負っている。

 

「貂蝉に活を入れるため、この大陸を訪れた私は運命の相手と出会ったのだ。名は華佗。伝説の医療流派、五斗米道を受け継ぐ青年だ。これがまた、強さと優しさを兼ね備えたイイオノコでの…私の小さなハートは一瞬で撃ち抜かれ、ぞっこんフォーリンラブしてしまったのだ。ぐふふ…」

 

漢女たちが頬を染める。その顔は恋する漢女。

 

「わたしたちの旅はまだまだ終わらない。この外史世界は于吉ちゃんや左慈ちゃんによって歪められているわ」

「歴史の流れ的にはもう後半に突入している。この外史は色々と于吉の介入によって変化しているが蜀ルートとして流れているのも確かだ」

 

この外史世界は蜀ルートではあるがズレが出来ている。

本来の蜀ルートでは起きない事が発生しているからだ。

 

「そうねん…もしも次に于吉ちゃんが仕掛けるとしたら『あの戦い』よねぇ」

「『あの戦い』こそ間違いなくこの三国志のどの外史世界でも大きな分岐点になるのは間違いないからな」

「ターニングポイントみたいなもんよね」

 

『あの戦い』とはこの外史世界で三国が雌雄を決する戦いである。貂蝉の見立てでは必ず于吉たちが何かを仕込んでいると予測でしている。

貂蝉たちは後手に回っている。先手を打ちたいが難しい状態である。

 

「まあ、于吉の事だから『あの戦い』の前にまだ何か仕掛けてきそうであるがな」

「そうね。こっちも何が起こってもすぐに動けるようにしておかないといけないわ」

 

外史の管理者としてあまり干渉するのは避けたいが、そんなことを言っていられる状態になってきているのも事実。

2人が本格的に動き出すのも近い。

 

「何をブツブツと言ってるんだ?」

 

貂蝉と卑弥呼の会話に第三者の声。その声の人物は華佗であった。

 

「おお、華佗か」

「オレらもいるよ」

 

藤丸立香と北郷一刀がヒョイと華佗の背後から顔を出す。

 

「一刀ちゃんに立香ちゃんじゃない!!」

「二次会でこの店に来てみたらまさか貂蝉と卑弥呼がいるとはな」

「うふ。運命の糸で繋がってるのね」

「なんでやねん」

 

華佗たち3人は親交を深めようと会食をしていたのだ。

二次会で別の店に入ったところ、貂蝉と卑弥呼が居たのである。

 

「うふん。一刀ちゃんがどんなに早くたって、わたし、ちゃんと受け止めてみせるわ!!」

「いきなり何だ!?」

 

実は貂蝉たちは酒を飲んでいる。もう酔っぱらっているのかもしれない。

だからわけの分らない発言をしたのかもしれない。

 

「がはははは。酒の席でイイオノコは大歓迎だ!!」

「オヤジさん、俺らにも一杯」

「オレは水で」

 

出された酒を一気に飲み干す華佗。良い飲みっぷりである。

 

「オヤジ、お代わりだ」

「あらあら、華佗ちゃん。結構イケる口じゃない」

「ははは。良い飲みっぷりもステキよのう。惚れ直したぞ」

 

イケメン男子3人とムキムキマッチョの漢女2人の飲み会の始まり。

何だかんだで楽しい飲み会になる。

 

「それにしても魏の曹操に呉の孫策、そして蜀の劉備か」

 

急にしんみりした雰囲気で口を開いた華佗。

 

「華佗?」

「いや、いずれこの三国が大きな戦を起こすと思うとな…」

 

北郷一刀は蜀の一員であるが華佗の言いたい事は分かる。戦争なんて良いものではないが、乱世の世であるため必ず戦は起こる。

今の華佗は蜀の陣営に一応いるが医者としてどの場所にも走っていくはずだ。彼は蜀の軍医ではないのだから。

 

「戦は怪我人と死人しか生まないからな。大陸の大きな病魔を取り除く荒療治と言われれば、そうなんだが」

「だぁりん…」

「華佗ちゃん…」

 

医者として戦争は認めたくない。医者とか関係無しに戦争が良いなんて思う者は少ない。しかし荒療治という名の戦が間違っていないというのも否定できないのだ。

 

 

「戦で怪我人が出るのが嫌なのだろう。そのくらいその瞳を見れば分かるわ。じーーーーーっ」

 

卑弥呼の顔が華佗にズズイと近づく。

 

「お、おい卑弥呼、ちょっと、近い…っ」

「も、もそっと近う………んちゅー」

「…お、おおおっ!?」

 

華佗は迫る卑弥呼から距離を取るように必死に背中をそらして、そのまま倒れた。

 

「何と、だぁりん!?」

「ぐぅ…」

「寝てる」

「酒は呑めても弱い口か」

「ああ、そういう…」

 

気が付けば北郷一刀が一杯空ける間に二杯も三杯も飲んでいた。

酒を飲むペースが早いのだ。酒が弱くて飲むペースが早いのならばすぐに酔って寝てしまうのも当然である。

 

「もう。華佗ちゃんったら、可愛いお顔で眠っちゃって…」

「貂蝉よ」

「わ、わかってるわよん。私が一刀ちゃんで、卑弥呼が華佗ちゃんなんでしょうぉん。協定は守るわよ」

 

謎の協定が聞こえた。

 

(北郷は尻を気をつけた方がいいぞ)

(分かってるよ…)

 

そう言えば先ほど「受けとめて見せる」なんて言っていたので貂蝉の方が受けなのかもしれない。

 

「立香ちゃんは惚れさせた方が勝ちだからね」

「分かっておるわ」

 

まさかの発言が聞こえてきた。

 

(藤丸も気を付けろ)

(オレは外野だと思ってたのに…)

(藤丸だけ安全だと思うなよ?)

 

3人は貂蝉と卑弥呼のストライクゾーン。

 

「むにゃむにゃ…」

「それにしても可愛いのは間違いないわい。なんともハートがムネムネするのう」

「このままつまみ食いしちゃいたい気分…うぅ、ダメよ貂蝉。わたしには心に決めたご主人様が…」

「おーい、起きろ華佗ー。貞操の危機だぞ。取り合えず起きて水飲めー」

 

お冷を頼んだところで店にまた誰かが入ってくる。

 

「…おい、そこのお前たち」

「あら、どうかした?」

(え…あの人は)

 

藤丸立香は声を掛けてきた人物を見て驚いた。

 

「今、その男を華佗と呼んでいなかったか。華佗とはあの名医と名高い華佗か?」

「そうだけど…もしかして、華佗ちゃんのおっかけ?」

「だとすれば、愛しのだぁりんは渡さんぞ。渡すものか!!」

 

すぐさま卑弥呼が声を掛けてきた人物の前に出て構える。

 

(卑弥呼の動きがメッチャ早かったんだけど)

「そういうわけじゃない。私は華雄。旅の武芸者をしている者で…今は、実力のある医者を探していたのだ」

 

彼女は自身の事を「華雄」と名乗った。間違いなく洛陽にいた華雄だ。

 

「何…だぁりんを探していただとぅ?」

「まさか華佗ちゃんがあまりにも凛々しすぎるから、手籠めにしようと…はっ、そのうえ一刀ちゃんまで!?」

 

いきなり2人は燃え上がるように闘気をあふれ出す。

 

「な、なんだお前ら!?」

「させるか、させるものかぁぁっ!! そのようなステキ後宮、天も許さんし私たちも許さんぞ!!」

「ええ。華佗ちゃんと一刀ちゃんを連れて行く気なら、わたしたちを倒してからになさい!!」

 

何故か貂蝉も構えだした。

 

「むぅ…よく分からんが、貴様らを倒せばいいのか? ならば大陸を巡って新たな武芸を身に着けたこの華雄の力をとくと見せてくれる!!」

 

何故か戦う事に発展。

 

「お客さんたち。ケンカなら外でやってくんな」

「オヤジさん。取り合えず勘定を」

「藤丸、勘定で金の延べ棒を出すな」

 

 

541

 

 

店から出て暴れても構わない場所まで移動。

 

「この辺りなら良かろう」

「十分よぉん」

「ならば行くぞ。ぬぅぅぅん!!」

 

卑弥呼が最初に仕掛ける。愛の籠った拳が華雄に届く。

 

「ぐうっ、なかなかやるな。ならば次はこちらから行くぞ。でりゃああああ!!」

「ぬふぅっ。あらん、そっちも結構やるわねぇん」

「貴様らもな。だが華佗は連れて行かせてもらうぞ」

「くぅぅ、貴様などにだぁりんを渡すものかああ!!」

「一刀ちゃんも渡さないわよぉぉぉん!!」

 

酔い潰れた華佗を抱えて辿り着いた先では、既に3人の激突が始まっていた。

 

「でやあああああああ!!」

「どりゃあああああああああ!!」

「うっふうぅぅぅぅん!!」

 

激しい攻防が繰り出されていた。

拳が、蹴りが、斧が勢いよく振るわれている。まさに激しい戦いだ。

 

「やっぱりあの人は華雄さんだ」

「華雄って…確か反董卓連合で戦ったあの華雄か」

「行方不明になったって聞いたけど、まさかこんなところで再会するなんて思わなかった」

 

華雄の方は藤丸立香に気付いていないようだ。やはり原因としては貂蝉と卑弥呼のインパクトさに目を奪われたからである。

誰だって巨大なムキムキマッチョな漢女が2人いれば視線は向けてしまうものだ。

 

「それにしても華雄さん、よく貂蝉たちと戦ってるな」

「それは思った」

 

貂蝉と卑弥呼は規格外の強さを持つ。華雄も実力者であるが、それでも彼女の事を知っている者からすれば劣ると思ってしまう。だが今の戦いを見ると考えが改められる。

 

(反董卓連合で戦った時よりも強くなってる?)

 

3人の戦いは夜明けまで続いた。

 

「「「はああああああああああ!!」」」

 

3人の攻撃は一向に止まらない。しかし決着の時は近い。

 

「貴様、まだ戦う気か」

「はぁ、はぁ、はぁ…まだ、まだ!!」

「あなた、ちょっと頑丈すぎるわよぉん」

 

3人とも戦い続けてヘロヘロに見える。しかし夜明けまで戦うなんてどれだけの体力があるのかと驚いてしまうものだ。こういう者の事を体力馬鹿と言うのかもしれない。

 

「ならば…くぅ、これで決めるぞ…!!」

「がはは、お主のような諦めの悪い奴は嫌いではない。ならば来るがいい」

 

ドンっと構える卑弥呼。華雄の渾身の一撃を真っ向から受けて立つ構えだ。

 

「でやあああーー!!」

「ぬおおおおおーーー!!」

 

最後に放った一撃で勝負が決まった。

 

「く…この私としたことが、肩が上がらぬとは」

「ふっ。ならば私の勝ちのようだな」

「あら~ん。あなただって…右腕が動かないじゃない?」

「それは貴様も同じだろう…」

 

3人とも疲労困憊。それでも顔は晴れ晴れとスッキリしていた。

 

「…しかし、我ら2人をここまで追いつめるなど…おぬしが初めてだぞ」

「ははは…伊達に戦に敗れてから、血を吐くような鍛錬を重ねたわけではないからな」

 

華雄は反董卓連合で敗走して以来、文字通り血反吐を吐く鍛錬をしてきた。

その努力は嘘をついていない。

 

「良い戦いであったぞ、華雄とやら…」

「貴様もな、卑弥呼」

 

2人は互いに微笑みなら力強く手を握り合ってみせるのであった。

 

「ああ、なんて美しい友情なのん!!」

「く…、俺は…俺って奴は…こんな熱い戦いを見られるなんて!!」

 

夜が明ける頃には流石に華佗もすっかり酔いが醒めて3人の戦いを見守っていた。

 

「だが、今度会ったときは必ず勝ってやる」

「その心意気よん。次に会う時には、わたしたちももっともーっと強くなってみせるわ」

「では、さらばだ!!」

「また会おう!!」

 

朝日に向かって華雄は駆けて行った。

 

「大した奴であった。大陸はまだまだ広いということか」

「そうねぇ…ああいう子が歴史に残る英雄になれるんでしょうねえ」

「歴史に残る英雄か…」

 

しみじみとする卑弥呼。

 

「てか、何か忘れてない?」

 

藤丸立香が口を開くと、太陽が昇った方から大きな声が響く。

 

「って、ちがーーーーーーーーう!!」

「うおっ、もう戻ってきた!?」

「そうじゃなくて、私は華佗、お前に用があってきたんだ!!」

「貴様、まさか今度こそだぁりんを手籠めに!!」

 

素早く卑弥呼が華雄の前で構える。何処かデジャヴを感じる。

そもそも先ほど疲労困憊で動けないはずなのだがもう元気よく動いていた。

 

「違うというにっ、私が雇われている村で奇妙な病が流行っているのだ。それを何とかして欲しいんだ!!」

「その話、詳しく聞かせてくれ!!」

 

 

542

 

 

先ほどの店に戻る6名。

店主には頼み込んで水と少しだけ小料理を貰えた。もう閉店であるのに貰えるのは助かる。

店を出る時は多めにお金を払っておかないといけない。

 

「で、どんな流行病なんだ?」

 

華佗は完全に名医モードだ。

 

「そもそも病と言いつつ、おぬしは出歩いて大丈夫なのか?」

「そういえば…」

 

流行病が蔓延している村から来たと聞けば警戒するのは当たり前だ。

 

「大丈夫だろう」

「どういう事だ?」

「どうも奇妙な病でな。女子供や年をとった男はかからんようなのだ」

「女子供と…」

「年をとった男はかからない?」

 

その内容を聞くと確かに奇妙な病だ。

 

「ということは!!」

「病に冒されているのは若いオノコか!?」

「そういうことだ。十五歳から二十歳そこそこの若い男ばかりが熱に浮かされ、苦しそうに喘いでいるんだ」

「若いオノコが…」

「みんなでハァハァ…」

 

もんもんと何かを妄想した漢女2人。

 

「華佗!!」

「見物…もとい、助けにイきましょう!!」

「…何か、字が違わんか?」

 

漢女2名からちょっとだけ邪な気を感じるのであった。

 

「気のせいよん」

「先走った想いが言葉となって出ただけだ。気にするな」

「あ、ああ…?」

「いや、そこは気にしよう」

 

北郷一刀、ツッコミを入られずにはいられない。

 

「それより華佗ちゃん」

「当たり前だ。華雄、すぐにその村に案内してくれ!!」

「いいのか?」

「俺は医者だ。それに病魔の手から困っている民を救うのは五斗米道最大の教え、使命だから迷う必要もない」

 

華佗は心優しく、正義感に燃える医者だ。医者として苦しんでいる患者を見過ごせない。

 

「…ちょっと待ってん?」

「何だ?」

「若いオトコノコばっかりがかかる病気って事は…華佗ちゃんは大丈夫なのん?」

「む、確かに…」

 

若い男性が掛かる病。華佗も掛かってしまう年齢だ。

 

「それは分からないな。けど、病を恐れて医者は務まらないぜ」

 

医者が病を恐れては治療が出来ない。

確かに病は怖いものだ。しかし怖いと言って諦めるわけにはいかないのだ。

 

「任せておけ。俺は病魔には屈しないし…何かあっても必ず何とかしてみせる!!」

「そう…そうね、華佗ちゃん」

「流石は我らが見込んだイイオノコ」

「行くぜみんな。その村人たちを、何としてでも助けるんだ!!」

 

今すぐ飛んでいきたい衝動に駆られる華佗だが、ここで待ったをかける人物が1人。

それは藤丸立香である。

 

「その前に報告をしよう。その村は話を聞く限り蜀の地域みたいだし」

「って、お前は…藤丸か!?」

「気付くのが遅いよ華雄さん」

 

本当に気付くのが遅い。




読んでくれてありがとうございました。
次回は…今年中にあと1話を更新したい…!!


さて、今回ですが分かる人は分かったかもしれません。
はい。漢ルートの話になります。革命(蜀)のオマケストーリーですね。
流れはほぼ一緒でしたね。これを八傑衆編(蜀)の導入部にさせてもらいました。


540
男と漢女の飲み会。
なんだかんだで楽しそうな飲み会になりそうです。

華佗。お酒に強そうに見えて弱いみたいです。
呑めるけど酔いやすいって人ですね。実は作者である私もそうなんですよね。

藤丸立香も貂蝉と卑弥呼のストライクゾーンです。
貂蝉の方が狙ってます。そして彼は受けのようです。

華雄の再登場!!


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華雄。
恋姫世界で一番成長する人間と言っても過言ではない。
なにせ貂蝉と卑弥呼2人と戦えるまで強くなりますから。
(まあ2人が本気を出していたかは定かではありませんが)

八傑衆編(蜀)では華雄も活躍予定です!!

漢女ルートでこの話を使わせて頂いたのは『流行病』をオリジナル設定として展開していくからです。そのために導入部とさせていただきました。
どのような物語になるかはゆっくりとお待ちください。


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