Fate/Grand Order 幻想創造大陸 『外史』 三国次元演義   作:ヨツバ

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こんにちは。
早く書けましたので更新です。


謎の賭博場で立香たちは何を見るのか。本編をどうぞ!!


謎の賭博場

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賭博場。

どの国でも探せば案外存在したりする場所。やる事はただ1つで、ギャンブルをして勝つか負けるかのどちらか。

 

「蜀や魏にもあると思うけど呉にもあるものね。もっと早く知っていれば私も…」

「粋怜様。これって普通にしょっ引く案件なのでは?」

「………これも文化の1つよ」

 

賭博が好きな粋怜としては賭博場に関してとやかく言うつもりはない。ただ違法まがいな事をしていれば流石に国を動かす者の1人として見過ごせない。

それでも「賭博が好き」という本音が賭博場を潰したくないと思ってしまうのはしょうがない我儘だ。

 

(そもそも私ってこんな大きな賭博場に来るのが初めてなのよね。不謹慎だけど少しはワクワクする。こんな事を真面目な明命と思春には絶対に言えないけど)

 

チラリと明命と思春を見ると厳しい目で賭博場を見ている。

賭博場は悪いイメージがあると言うのが頭に入り込んでいる結果だ。

 

(でも思春は慣れてそうな感じだけど)

 

特に彼女の部下が賭博とかをやっていそうだ。

 

「博打か。部下たちがよくやっているが私は興味が無いからな」

(まあ、確かに思春は真面目な軍人だからそりゃそうか)

 

博打が嫌いというわけではないが理解はある思春。部下が博打で負けても「自業自得だ」ときっぱりと言うはずである。

 

「ほほう。面白そうじゃのう」

「いやー、こういうところの空気も悪くないねぇ」

 

祭と燕青はバッチシ賭博場の空気に合っているのか2人は楽しそうな雰囲気だ。もしかしなくても仕事の合間に少しだけ遊ぼうとしている可能性がある。

 

「賭博、ギャンブル…ラスベガス。いや、ここは中国だった」

「なかなか活気があるな」

 

藤丸立香と李書文(殺)は微妙に賭博場の空気に合っていない。

 

「ま、取り合えず入りましょ」

 

粋怜を先頭に賭博場へと入り込んでいく。

 

「待った。ここは紹介が無いとお断りだ」

 

厳つい男が入り口の前に立ちはだかる。間違いなく見張り役の人間だ。

 

「そんな事を言わずに通してよ」

「んなことが出来るか」

「ここの事は内緒にしておくからさ。呉の老将、程普さんがね」

「て、ててて程普様!?」

 

粋怜の正体を知って驚く厳つい男。

 

「私も博打が好きだからね。こういう所があって嬉しいわ」

「まさか程普様がこんな所に来て下さるなんて。どうぞどうぞ。おや、後ろにいるのは?」

「ツレよ。彼女たちも博打好きなの」

「そうですか。では楽しんでいってください」

「じゃあ通させてもらうわね~」

 

粋怜はサラッと入口を通るのであった。

 

「顔パス」

「慣れてるねえ。本当にこういう所が初めてなのかよ」

「絶対にこういう所に入り浸ってるじゃろ」

 

手際の良さに素直に褒めるが、実はこういう裏の場所の顔になっているのではないかと疑問に思う。

ジト目で見ながら怪しむが粋怜は「心外ね」という目で返してくる。

 

「それよりもせっかく中に入ったんだから本来の仕事をしましょ」

 

本来の仕事とは謎の賭博場と謎の薬の調査だ。

賭博場には遊びに来たわけではなく、怪しい噂の真偽を確かめる。もしも本当ならば粋怜たちは国を動かす者として仕事をしなければならない。

 

「外からでも聞こえてたけど賭博場に入るとより賑やかだ」

 

賭博場に入れば賭博の熱が籠った声が飛び交っている。

 

「ですねえ。私こんな所に来るのは初めてです。立香様は初めてですか?」

「いや、オレはこういう所は初めてじゃないよ」

「え、立香くんって賭博場に行った事あるんだ」

「ここよりももっと大きい規模の賭博場ですね。寧ろ街全体が賭博場って言うのかな」

 

ラスベガスでの水着剣豪七番勝負を思い出す。

 

「街が1つの賭博場…え、行ってみたいんだけど」

 

賭博が好きな粋怜なら興味が湧かないはずがない。この時ばかりは本気で目をキラキラではなくギラギラさせていた。

 

「もしかしなくても天の国の賭博場か?」

「そうです祭さん」

 

既にその特異点は消失しているが本物のラスベガスは存在している。尤も地球は白紙化しているのでまだ訪れる事は出来ない。

一度は夢を見てラスベガスに行ってみたいという人間はごまんといるかもしれない。

 

「ここの賭博場も気になるけど立香くんの行った賭博場に行ってみたいわね」

(……粋怜の姐さんがどれくらい賭博に強いか分かんねえけど、あのラスベガスは行かない方がいいと思うけどなぁ)

 

ラムダリリスがオーナーの賭博場は特に危険だ。あの賭博場で無事なのは藤丸立香くらいである。

もしかしたら藤丸立香も溶けるかもしれないが。

次に姉を名乗る聖女の賭博場も危険だ。聖女が危険なのではなく、大きなサメがいるから。

 

「それよりも仕事をするんだろう」

 

ラスベガスの話で盛り上がりそうになるが本来の仕事が優先だ。李書文(殺)がラスベガスの話を中断させる。

彼が言っている事は正論なので誰も文句は言えない。

 

「この賭博場はなかなか広い。手分けして調査するのが良いと思います」

「思春の言う通りね。じゃあ3組くらいに分けましょっか」

 

粋怜、藤丸立香、明命の1組。燕青と思春の1組。李書文(殺)と祭の1組。

この3組が賭博場を周って調査開始。

調査時間も決め、時間になったら集まる場所も決定済み。謎の賭博場で何があるのか。

 

 

583

 

 

燕青と思春は賭博場の中で一層、騒ぎが大きい場所に来た。

聞こえるは喜んでいる声や興奮した声、罵声や野次といった色々。何だ何だと知らない者は普通に思う。

気になったら見るしかない。2人は人混みをかき分けて一番前に到達した瞬間に全てを理解する。

 

「喧嘩賭博みてえなもんか」

 

決められた試合場で大の男たちが殴り合っている光景が視界に入った。

 

「賭け試合か。こんな所で殴り合っているくらいなら呉の兵士に志願して戦った方が国のためだ」

「そう言うなよ。国の為に戦うのと賭博の為に戦うのは別もんなんだからさぁ。それに喧嘩賭博には楽しさがある」

「そういうもんか?」

「そういうもんだ」

 

実は喧嘩賭博を見つけて少しだけワクワクしている燕青。こういうのは嫌いではない、という現れだ。

それこそ参加してみたいという気持ちも溢れている。更に欲を言えば強者とも戦いたい。

 

(こういう所は1人や2人は無名の強者がいるのがお約束だけど……今んとこ居ねえな)

 

周囲を見渡すと燕青の興味を引くような強者は見えない。

 

「って、お?」

「お主もここに惹かれたか」

「も、って事はあんたもか」

 

李書文(殺)も喧嘩賭博場にいた。

 

「年甲斐もなくつい足を伸ばしてしまった」

「なんだ。参加する気か?」

「そこまでではない。まあ、強者がいれば年甲斐もなく参加したやもしれんがな。…若い儂なら即参加したかもしれん」

「言えてるな」

 

精神が落ち着いたとはいえ李書文(殺)も武人。強者と戦いたいという欲求は完全には枯れていない。

 

「ふらふらと動くなっ…て、燕青に思春か。お主らもここに来ていたのか」

「祭殿もこちらにいらしてましたか」

「うむ。ここが一番賑やかじゃったからな」

 

一番賑やかな場所が一番人が集まり、人気がある場所だというのは当然。

人が集まる場所に情報もたくさん集まるものだ。

 

「これはこれは黄蓋さま。この喧嘩賭博が気になりますかな?」

「誰だ」

「私はこの喧嘩賭博を担当しているものです」

 

賭博場の入り口に居た男と同じくらい厳つい男が現れた。先ほど自分で言っていたように喧嘩賭博の担当者。

 

「喧嘩賭博の担当だと。お主がこの賭博場の元締めではないのか?」

「いえいえ、違いますよ。ここは各賭博に1人の担当者がいます。それらの上にいるのが元締めです」

「その元締めはどこにおる?」

「それは教えできませんね。うちの元締めは慎重な方ですから」

「そうなのか。どんな奴か気になるのじゃがな」

 

裏の場を支配する者はなかなか顔を出さないというのは異世界であってもお約束のようだ。

そもそも裏のトップはそう簡単に素性を明かさない。

 

「お会いしたいのであれば賭博で活躍してみては?」

「と、言うと?」

「元締めはこの賭博場で活躍した者に興味を持ちますので…特にこの喧嘩賭博の試合に出た者はね」

 

簡単に言うと賭博で勝ち続けろと言う事だ。

 

「なるほどのう」

 

祭はチラっと燕青たちを見る。

彼女の視線が何を言っているのかすぐに理解できた燕青と思春。

 

「喧嘩賭博に出ろって事か。いいぜぇ」

「自分の戦いを見世物にする気はないが任務のためだ。致し方ない」

「儂は見学している。2人が出るなら十分だろう」

 

喧嘩賭博に参戦するは燕青と思春。

 

「まあ、こういう場所は素顔で出ると色々と面倒だから仮面でも被っとくか」

 

燕青はアマデウス仮面を装着。

 

「怪人∞面相の登場だ」

 

キラーンと仮面が光った。

 

「なんだそれは…」

「お前の分の仮面もいくつかあるぞ」

 

概念礼装『謎の仮面群』のお披露目である。

 

「いらん」

「そう言わずに」

 

ズズイと仮面を見せられる。

 

「どれがいい?」

「いや、だからいらんと」

「さっきも言ったがこういうとこは顔を隠しとけ」

「むう…」

 

しょうがないと言った感じで仮面を受け取る。

 

「これでいい」

「お、呪腕の旦那のか」

 

思春が選んだのはハサンの仮面であった。

 

(……この仮面なかなか良いな)

 

実はちょっとだけハサンの仮面を気に入った思春であった。

 

「おい。この2人が参加する」

 

祭が喧嘩賭博の担当者に燕青と思春を参加させるように話を済ませる。

 

「分かりました。参加するには名前を伺っても?」

 

「怪人∞面相…いや、やっぱ新シンで」

 

急遽、名前を変える燕青。

 

「私は…」

「こっちは錦帆で」

「勝手に決めるな。まあ、いいか」

「新シンさまと錦帆さまですね」

 

名前に関して特に注意はされない。こういう喧嘩賭博で参加者の名前は虚偽は関係無い。

戦って勝つか負けるかなのだから。

 

「登録しました。ではさっそく2人とも出てもらいましょう」

「もう出るのか?」

「はい黄蓋さま。喧嘩賭博は人気ですから」

 

参加すると言ってすぐに試合開始とは急すぎる。しかし燕青も思春も気にしない。

 

「全然構わないよぉ」

「私もだ。やるなら殺る」

「一応言っておきますが殺しは無しですからね。死合いでなく喧嘩ですから」

 

殺しは無しというが実際は分からない。不慮の事故というものがあり、その「不慮の事故」と言う中に色々と含まれている。

 

「まずは新シンさまからです。そして次が錦帆さまです」

「よっしゃ」

 

燕青が意気揚々と喧嘩場へと跳ぶ。

喧嘩場にいるのは一般男性よりも一回りも二回りも大きい屈強な大男であった。

 

「む。今度の相手は変な仮面野郎なのか」

「変な仮面はねえだろ。この仮面って人気なんだぜ?」

「そんなもの知らん」

 

アマデウスの仮面は人気1位である。

 

「さあっ、喧嘩賭博に新たな挑戦者が現れたーー!!」

 

わあっと歓声が上がる。

 

「謎の仮面を着け、鍛え上げられた肉体には見事な刺青を刻んだ漢の名は新シィィィィィン!!」

 

またも、わあっと歓声が上がる。

 

「へえ。こうやって選手紹介をしてくれんのか」

「対するは鍛え上げられた肉体は敵を完・全・粉・砕する漢。州派(スパ)!!」

(スパって名前なんだ。まあ、偽名かもしれねえが)

「うおおおおおおおおおおおお!!」

 

選手紹介をされた州派は咆哮する。その咆哮に釣られて観客たちはより歓声を上げる。

 

「すごい歓声じゃな」

「こういう場所だと当然の反応だ。人間は心の何処かで闘争を求めているものだ」

「…戦をして平和を求めている儂らからしてみれば複雑な気持ちになるのう」

「世の中とは矛盾だらけなものだ」

 

祭は人間は闘争を求めていると聞いて複雑だ。気持ちは分からなくもないが呉の武将として平和の為に命がけの戦をしている身としては返しが出ない。

ただ分けるとしたのならば殺し合いとスポーツという事になるかもしれない。この場にいる観客たちも殺し合いを求めているのではなく、喧嘩による戦いの高揚感、賭博を楽しんでいるのだ。

 

「黄蓋さま。せっかくなので賭けますか?」

「む…そうじゃな。せっかくじゃし」

 

祭が賭けるのはもちろん燕青と思春だ。

 

「其方の方も賭けますか?」

「儂はいい……いや、ここは賭博場だったな。ならここは賭けると言うべきだな」

 

郷に入っては郷に従う。李書文(殺)もまた2人に賭ける。

 

「殺しはしない。しかし腕や足の一本が折れるのは覚悟しておくといい仮面野郎」

「分かってる。こういう場所での腕の一本くらい覚悟してらぁ」

「潔い。なら一発で決めてやろう」

 

燕青と州派が向かい合う。

 

「では始めぇっ!!」

 

審判の合図と共に試合開始。

 

「死ぬがよい!!」

「死ねって、おい。」

 

殺しは無しなのに「死ね」は無いだろうとツッコミを入れながら燕青は州派の丸太のような腕から繰り出される拳を避け、そのまま懐に入る。

 

「あらよっとぉ!!」

 

懐に入った瞬間に燕青を拳を州派の腹部にえぐるように打った。

 

「おごぁっ!?」

 

州派はゆっくりと地面に倒れる。

一瞬の出来事で喧嘩賭博場は静まり返ったがすぐに大歓声が上がった。

 

「い・ち・げ・きぃぃぃぃぃぃ!!」

 

審判の言う通り一撃で相手を沈めた。

 

「なんと新シン、一撃であの州派を倒したぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

燕青は観客たちに向けて片腕を上げて勝利を見せつける。すると観客たちはより歓声を上げた。

 

「よし。よくやったぞ燕青」

 

祭はうんうんと頷きながら燕青の勝利を褒める。そもそも修羅場をくぐって来たのだからあの程度の男に負けるのは許さないといった感じだ。

 

「しかしあの男ももったいない。こんな所で燻っているのなら呉の兵に志願にくればいいものの」

「国の兵士なぞやってられないと思うからこそここにいるやもしれんぞ?」

「はあ、それは本当にもったいないのう」

 

無名の強者と言うべきか。まさかな人材はまさかな場所にいるものだ。

 

「次は思春じゃな」

 

燕青が喧嘩賭場から降りると同時に思春が上がる。

 

「負けんなよぉ」

「言われるまでもない」

 

思春が喧嘩場に上がると既に対戦相手が待っていた。

 

「次はぁぁぁ、黄泉より来たりし骸の女剣士ぃぃぃぃ錦帆ぉぉぉぉぉぉ!!」

(なんだその紹介は…)

「対するはぁぁぁぁぁ人食い虎すら一刀両断。二久普(ジクフ)!!」

 

大剣を携えた剣士。

 

「貴様が私の相手か」

「そうだ。悪いが女だからと手加減はしない」

「しなくていい。女だからといって甘くみるな」

「すまない。侮辱したわけではない」

 

互いに向かい合い、剣を構える。

 

「では、初めええええええええええええ!!」

 

審判の大きな合図と共に2人は駆け出し、剣を振るった。

 

「……甘くみていたわけではない。強いな」

 

二久普は倒れた。

 

「貴様も中々の腕だ。こんな所にいるよりも呉の兵に志願しろ」

「ま、またも一・撃ぃぃぃぃぃぃ!?」

 

喧嘩賭博場の歓声が止まる事はない。

 

 

584

 

 

燕青と思春が喧嘩賭博場で期待の新人みたいに活躍している一方で粋怜たちは別の賭博場を見ていた。

 

「はわー。賭博にも色々とあるんですね」

「そうよー。単純なものから難しいものまで色々とあるわ」

 

賭博の種類は多い。そもそもお金が絡めば何でも賭博になってしまうものだ。

 

「あのツボの中に矢を投げ入れるゲームはなんですか粋怜様?」

「あれは投壺(とうこ)よ」

 

投壺。

簡単に遊び方を説明してしまえば壺に矢を連続で投げ入れるだけだ。

使用する矢の数は12本。全ての矢が壺に入れば勝利。それ以外の場合は数制で先に120点取った方が勝ちになる。

投壺に使用する壺は30センチ、壺の口の大きさは9センチ。そこに長さ72センチの矢を1.8メートル離れた場所から投げる。使用される道具の規格まできっちりと決まっている。

 

(ダーツや輪投げっぽい)

「点数制の場合だけど…」

 

最初の1本が成功すると10点。壺の耳にはいれば20点。2本目以降も連続して成功すると、1本5点。

最後の1本が成功すると15点。壺の耳にはいると10点。矢が跳ね返ると10点。それ以外は成功すると1点。

 

「へー、そんな感じなんですね。でも賭博って言うよりは遊戯に近いと思います」

「そうね。私は投壺をやらないわ。ちょっと私には合わないのよね。どちらかと言えば私はあっち」

 

粋怜の視線の先にはカップの中に5枚の木片を入れて、盤にこぼしてワイワイ騒いでいる集まり。

 

「あれは樗蒲(ちょぼ)」

 

樗蒲。

遊び方はすごろくゲームに近い。木片を5枚投げて、その裏表によってすごろくのように駒を進めるのだ。

木片は平たい板になっており、片面が黒くもう片方が白く塗られている。5枚のうち2枚には白い側に雉が描かれており、その2枚の裏側には牛が描かれている。

投げて盤に溢した時の目の出方は10通りがある。出方には名称があり、駒が進む数も決まっている。

出目の名称と進む数を覚えてしまえば簡単に誰でも遊べるはずだ。

実は粋怜がよく賭博で遊んでいるゲームでもある。

 

「すごろくみたいだ」

「天の国にも似たようなものがあるんだ」

「はい。賽を使ったものです。賽はサイコロ、ダイスとも言います」

「色々と言い方があるのねえ」

「賽を投げて出た目の数だけ盤を進めて先に挙がった人が勝ちって遊びです」

「ほとんど同じね。でも天の国の樗蒲の方が簡単そう」

 

もしかしたらすごろくは樗蒲を元にされている可能性はある。更にすごろくの起源はバックギャモンというボードゲームとも言われている。

 

「で、どうしましょうか。この賭博場がどんな場所なのかは周っていれば分かるとして謎の薬とやらをどうやって探すかですが…」

 

目的は賭博場の情報収集と謎の薬の手がかりだ。

この賭博場は誰が開いたのか、謎の薬は実在するのか。今回は前者よりも後者が重要だ。

服用すれば強くなるが怪物になってしまうという部分に危険を感じる。誤情報ならば良いが本当だったら大問題。

ただでさえ、妖魔やら妖具やら宝剣やらの存在を確認している。謎の薬も実在していてもおかしくない。

 

「やることは1つよ明命」

「はい、何でしょうか」

「賭博をするわよ」

「はいっ……はい?」

 

良い返事からの疑問を思う返事。

 

「ええっと、えーっと、何でですか!?」

「分かった粋怜さん。賭博をしましょう」

「ええっ、立香さんも!?」

「立香くんは分かったみたいね」

 

ニコっと笑う粋怜。理解した藤丸立香。まだ分からない明命。

 

「じゃあ立香くんは明命と一緒に何処かで賭博してきて。私はあそこの樗蒲をやってくるから」

「了解です」

「ええええ、いいんですか。ここには賭博をするんじゃなくて調査しにきたのに…」

 

明命の言っている事は正論であり、何も間違ってはいない。しかし調査の方法は色々とあるのだ。

 

「大丈夫だよ明命ちゃん。賭博をすることが調査だから」

「ええ?」

 

いまいち分かっていない明命。賭博をすることが調査というのがハテナマーク。

 

「まずは有言実行。あの投壺っていうのをやってみようか」

 

彼女の手を握って投壺をやっている場場所へと向かうのであった。

 

「わわ…り、立香さんの手が」

(あらあら明命ったら初々しい反応しちゃって。でも立香くんにはもっとグイグイ頑張ってもらいたのよね~。なんせ孫呉に天の血を入れるんだから)

 

孫呉に天の血を入れる役目は未だに無くなっていないらしい。

 

(私もいつか立香くんの子供を産むのかしらね~)

 

藤丸立香が孫呉にて天の御遣いの役目を果たすかどうかは分からない。

今回も呉で事件を解決し、炎蓮がいる蜀に戻ったらきっと彼女から「種は仕込んできたか?」と言われるのは当然の流れだ。

 

「さてと…情報だと狒々って奴がこの賭博場で強い権限を持っているようなのよね。そいつを探して見るか」

 

 




読んでくれてありがとうございました。
次回の更新も2週間以内を予定しております。


582~583
今回のメンバーは…藤丸立香、燕青、李書文(殺)、粋怜、祭、思春、明命の予定。
更にモブたちもいっぱい出てくる予定です。

喧嘩賭博はどの時代にもありそうなイメージです。
やっぱ力自慢と賭けが合わされば賭け試合は発生しますね!!

喧嘩試合では燕青と思春が参加。仮面を装着して。
燕青がアマデウス仮面を着けてるのは公式として、思春ならハサンの仮面が似合うと思いました。理由としては天下統一伝の覚醒の思春を見てから。

さて、さっそく名前付きのモブたちが登場。
恋姫本編には登場していませんので。
名前の州派と二久普はあるキャラから適当にもじったもの。
なんとなく分かるかもしれません。


584
ちょっと三国時代での賭博を書いてみました。
投壺は賭博というよりも娯楽、遊戯に近いかな。そして樗蒲は粋怜の幕間にもありましたね。
詳しくもっと知りたいという読者は調べてみましょう!!


さて、次回は…喧嘩賭博側の続きを更新する予定です。

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