Fate/Grand Order 幻想創造大陸 『外史』 三国次元演義   作:ヨツバ

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こんにちは。
またも早く書けましたのでちょっと早めの更新です。

前回のあとがき通り、喧嘩賭博側の話を書きました。
後半は別sideですけど。

今回もチラっと名前持ちのモブが出ます。本当にチラっと…名前だけ。
では、本編をどうぞ!!


喧嘩賭博

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大歓声の喧嘩賭博場。その大歓声を生み出しているのは燕青と思春である。

2人は喧嘩試合で快勝し続けているのだ。まさに喧嘩賭博場に現れた期待の新星。

 

「凄い、凄いぞぉぉぉぉ新シーン、錦帆ぉぉぉぉぉ!!」

 

審判の実況と言うべきか、観客たちを盛り上げるためにハイテンションで燕青と思春を褒めちぎる。

 

「新シンは弓と体術の戦士、荊乱(ケイロン)と謎の武術を扱う邦牟(ホウム)を倒し、錦帆は神槍とも言うべき印隼(インシュン)と鳥人とも言われる蜂岸(ホウガン)を倒したぞぉぉぉぉぉぉ!!」

 

審判の口から出た4人はこの喧嘩賭博場でも人気の喧嘩士たち。無名の戦士とも言うほどの実力者だ。

そんな彼らを倒した2人はもうこの空間で人気者。喧嘩賭博場では強い者こそが人気なので2人が活躍する度に大歓声。

 

「よっっっし!!」

 

喜色を込めた声を発したのは祭である。

 

「また勝ったぞ。いやぁ、ぼろ儲けじゃな!!」

 

彼女は賭け金を全て2人につぎ込んでいる。2人は今のところ無敗。

ならば何倍にもなって金が戻ってくるのだ。もう既にいつも稼いでいる給金よりも上の金額に到達している。

 

「おい、どんどん2人に次の対戦相手を組ませるのじゃ!!」

「落ち着け」

「いや、だってこんなに稼げるとは思わなくてのう」

 

李書文(殺)に注意される祭。しかし反省した色は見えない。

 

「賭博の面白さは勝ってこそ。お主の気持ちは分からんでもないが賭博はいつかは痛い目に合うぞ」

「むう…それを言われると何も言い返せん」

 

正論すぎて何も言い返せないのであった。

賭博で痛い目にあっている経験は多々あるが借金を踏み倒すのが彼女だ。その被害者は粋怜。尤も粋怜は借金をネタに祭を弄る。

 

「またしても錦帆が勝ったぞぉぉぉぉぉぉ!!」

「よくやったぞ思春!!」

「話を聞かんか」

 

それでも賭博で勝つ楽しみは止められない。

どんどんと燕青と思春が勝てば、祭はどんどんと儲かる。

 

「ほれ、次を組ませろ」

「ちょいと休憩させろや」

 

試合場から降りてくる燕青と思春。

 

「いやぁ、なかなか楽しめるもんだな」

 

肩をぐるぐる回しながらほぐす。

 

「強者発言だな」

「全勝しているんだからいい気になっていーじゃねえか。黄泉より来たりし骸の女剣士」

「それを言うな。くだらん」

「でも思春だって楽しんでるだろ?」

「楽しんでおらん」

 

そんな事を言っている彼女であるが実は楽しんでいたりする。

武将として、戦士として強者と戦える楽しみは思春にもあるのだ。喧嘩賭博と思って馬鹿にしていたが無名の強者がいる事には驚いたほどである。

驚いたが勿体ないとも思っている。喧嘩賭博で燻っているくらいなら軍に勧誘したいとも思っているのだから。

 

(彼らには彼らの人生があるが…他も良いが特に二久普と印隼とかいう奴は筋が良かったな)

 

本気で勧誘しようかと思い始めた思春であった。

 

「よし。休憩したらどんどん試合をするのじゃ。そしてどんどん勝て!!」

 

祭は2人に飲み物や汗拭き用の布巾だったりを持ってきて、まるでコーチのように接する。

 

「いいか、今の状態なら2人とも次の相手も楽勝だ。しかし油断してはならんぞ。ここでは何でもありじゃから正攻法で来るとは限らん。もしかしたら毒を使ってくるかもしれん。それこそ2番手に控えている奴が前の奴と組んでいて毒を使うように仕向けてくれるかもしれんからな」

「そこまでするでしょうか…」

「する。ここでは勝った奴が英雄だ。そして勝った奴が金を手に入れる。勝てば正義だからのう」

 

勝利こそ全て、という言葉が似合うのが賭博場ほどない。そして敗北が賭博では失う事を意味する。

 

「てか、目的を見失ってねえよな?」

「しておらんわ」

 

目をお金マークにしそうな雰囲気であった祭であったが目的までは見失っていない。

2人が喧嘩賭博で勝ち続けて祭が儲かるというのではなく、勝ち続ければ賭博場の元締めに接触する事が出来るという事だ。

喧嘩賭博はこの賭博場で一番人気の賭博。観客にとって戦っている者を見る姿は興奮し、金も絡んで来ればより面白い。それは現代でも同じで、賭博が絡んでなくてもボクシングや相撲等が好きな人なら観戦するのは面白いのだ。

 

賭博側で利益を取るなら人気賭博に力を入れるのは当たり前。喧嘩賭博では対戦カードをいくつも用意したい。ならば試合をしてくれる選手が欲しい。特に強くて人気があれば猶更だ。

だからこそ喧嘩賭博の担当は試合で活躍すれば元締めに会えると言ったのだ。その意味は元締めからこの喧嘩賭博の選手になってほしいと勧誘がくるかもしれないという事である。

 

「2人は連戦連勝。早速ここの担当の御眼鏡にかなったかもしれんぞ。のう老書文」

「先ほど担当者が動いた。後を追って元締めの所まで行けるかと思ったがそれは駄目であったがな」

「なんでだ?」

「恐らくここの二番手に報告しただけだ。何か指示を貰っていたぞ」

 

この賭博場の二番手に報告がされただけでも順調だ。そのまま元締めに報告されるかもしれないのだから。

 

「どんな指示をされたんだ」

「それはすぐに分かる」

 

チラリと横を向くのに釣られて同じく横を見るとニヤニヤしながら近づいてくる喧嘩賭博の担当者が見えた。

 

(そう言えば粋怜は二番手と思われる奴と勝負していたな。分かっていて勝負を仕掛けたのか。それともたまたまだったのか)

 

手もみをしながらニヤニヤの喧嘩賭博の担当者。

 

「新シン様も錦帆様もお強いですね。しかし我が喧嘩賭博にも強い選手はいるんですよ。とっておきのがね」

「なんじゃいきなり。次の対戦相手はそのとっておきか?」

「その通りでございます黄蓋様」

 

心の中で「来たか」と思う。

ここで喧嘩賭博のとっておきの選手と良い勝負、もしくは勝利をすれば燕青と思春の名前が元締めに伝わる可能性は高い。

元締めに近づけば賭博場についてや謎の薬の情報も分かるはずである。

 

「さあさあやってきました。我らが人気者、我らの英雄。この喧嘩賭博の最強と最凶の2人が登場だあぁぁぁぁぁぁ!!」

 

審判の声に続いて今まで以上の大歓声が沸いた。

 

「最強で最硬の肉体でもはや鎧。どんな相手も突撃粉砕。無敵の兕だあぁぁぁぁぁ!!」

 

爆音のような歓声を受ける者は確かに鎧のように鍛え上げられた大男。

 

「最凶の名のままに、どんな相手も悲惨に削るように抉るように潰す男。ジャオレェェェェェェェン!!」

 

ジャオレンという男もまた同じく爆音のような歓声を受けている。彼は静かに不気味に佇んでいる。

2人がこの喧嘩賭博で大人気の選手であり、最強の選手。

 

「ほう…あ奴らがのう」

 

喧嘩賭博の担当者は次の対戦相手は先ほどの2人と言っていた。早速、戦うのかと思えば兕とジャオレンの前に別の対戦相手。

恐らくは燕青と思春に強さを見せつけようって魂胆だ。

 

「どりゃああああああ!!」

「シャシャシャシャアアアア!!」

 

兕は対戦相手にタックルして試合場から突き飛ばす。ジャオレンは両腕を鞭のように振ったかと思えば対戦相手を血だらけにしていた。

対戦相手を瞬殺し、兕とジャオレンは観客から大歓声を受けた。

 

「「「うおおおおおおおおおおおおお!!」」」

 

耳に指を入れて耳栓をしたくなるほどだ。

 

「凄い人気だな」

「こういう所じゃ強え奴が人気者だ。それは戦って勝ち続けたアンタも分かるだろ?」

「…確かにな」

 

燕青と思春も喧嘩賭博で勝ち続けて歓声を受けている。何度も言うが勝ち続けた者、強い者が喧嘩賭博で大人気になるのだ。

 

「新シン様と錦帆様には兕様とジャオレン様と戦ってもらいます」

 

ついに喧嘩賭博の看板選手との戦い。

 

「行ってこい思春、燕青」

「はっ!!」

「はいよぉ」

 

祭に活を入れられた2人は観客からの歓声を受けながら試合場へと上がる。

 

「さあさあさあさあ!! 私も興奮しております。いきなり現れた超新星。仮面を被りし無敵の格闘家、新シン選手に美しき女骸骨剣士の錦帆選手の登場だ!!」

「だからその紹介は止めろ」

「いいじゃねーか。受け入れれば?」

「期待の新星がついに我が喧嘩賭博の最強と最凶に挑戦だぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

今回の試合は2試合同時に開始。燕青の前には兕がおり、思春の前にはジャオレンがいる。

 

「新シン選手の相手は最強鎧が如くの肉体を持つ男、兕!! そして錦帆選手の相手は残虐最凶のジャオレン!!」

 

兕は鍛えに鍛え上げられた肉体を見せつけている。燕青が戦った州派よりも一回り大きい体格で筋肉をどうやったら鍛えたら鎧のような肉体になるのか知りたいくらいだ。

 

(でけえな。スパルタクスと同じくらいじゃね?)

 

ゆったりとした長袍のような服を着たジャオレンは静かに思春を睨んでいる。鋭い眼つきでまさに獰猛で危険な生物を思わせる程だ。

 

(あいつは対戦相手を血だらけにしていた…服の下に何か仕込んでいるのか?)

 

喧嘩賭博の大人気選手と期待の新星。まさに好カードともいえるものだ。

観客たちはどちらに賭けようかと迷いに迷って賭け金を出している。祭はもちろん思春と燕青に賭けている。

 

「仮面男が俺様の相手か。てめえの連勝記録はここで終わりだ。バッキバキに骨まで砕いてやるぜ」

「出来るもんならな」

「貴様も血だらけにしてやろう」

「なるのは貴様だ」

 

バチバチと火花がぶつかり合っている。

 

「本日の最高賭け金が出たぞぉぉぉぉ!! これは最高の喧嘩試合になりそうだ。今宵は伝説が生まれるかもしれない!!」

 

審判の実況は最高潮。観客たちも大歓声。

 

「さあっ、試合開始ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」

「「「おおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」」」

 

喧嘩試合開始。

 

 

586

 

 

投壺。

壺に向けて矢を投げ入れるゲーム。現代からしてみればダーツや輪投げに近い。

 

「やりました立香さん。全部入りましたよ!!」

「明命ちゃんお見事ー」

 

粋怜と別行動をする事になった藤丸立香と明命。

賭博をする事が情報を得られる事に繋がるという事になると信じて明命は真剣に投壺をしている。しかし楽しさもあったのは否定できない。

最初は賭博をする事が情報を得られるというのが分からなかったが冷静になって考えてみると意味が理解できる。

 

賭博場で情報を得るためには普通に聞き込みをしてはいけない。普通に聞き込みをしていれば賭博場側から怪しまれる、警戒されてしまうからだ。

ならば賭博をして自分たちはただの客だと思わせて、それとなく「噂で聞いたんだけど…」みたいな聞き込みした方が自然に見えるのだ。

 

「姉ちゃんやるねえ。全部の矢を壺ン中に入れる奴はなかなかいないってのに」

「ふっふっふー。私には賭博の才能があるのかもしれませんね」

(それはどうだろう?)

 

別の外史ならば粋怜に賭博に負けてどっぷりと借金漬けにされている。一応は無しにはなったが。

 

「ほれ勝ち金」

「ほえー、こんなに!!」

 

賭博に勝って金を得る。楽しい、面白いと思ってしまうの賭博にハマってしまう直前だ。

 

「お兄ちゃんの方はまあまあってとこだな。次もやるかい?」

「やる!!」

 

藤丸立香は12本中6本を入れている。確かに「まあまあ」な評価。もう一度投壺に挑戦し、壺の中に矢を投げ込んでいく。

実は投壺にハマった人間のように演じているのだ。

 

「立香さん。もっと壺を敵だと思って矢を投げるのです。こうですこう。抉るように!!」

「抉るようにって何?」

「お猫様が猫じゃらしを掴むような感じです!!」

「もっと分からないよ」

 

謎のアドバイスをスルーして投壺をやり続ける。

周りの客ともコミュニケーションを取りつつ、本気で楽しむ事も必要だ。

賭博場にいる人たちは全員が賭博を楽しんでいる。同じ場所で同じものを楽しむと友好的になりやすいものだ。

それこそ同じ趣味を分かり合えるような者同士ならばすぐ仲良くなる現象である。

 

「投壺も面白いですね」

「兄ちゃん分かってるな。でもこれくらいが兄ちゃんや嬢ちゃんの性に合ってると思うぞ」

 

どうやら2人はまだまだ賭博の初心者レベルだと思われているようだ。それはそれで都合が良いと思う2人。

実際に明命は初心者。藤丸立香は特殊なラスベガスで鍛えられているのである意味上級者。

 

「他に面白い賭博はありますか?」

「そうだな…兄ちゃんと嬢ちゃんにはまだ早いと思うが樗蒲とかだな。でもアレは難しいぞ」

(確かそれは粋怜が今頃やっているかな)

 

双六みたいなものであるから出目の名称と進む数さえ分かれば勝負する事は可能だ。

 

「他にも色々あるな。向こうには5匹の犬を走らせて一番を予想する走狗(そうく)や虫同士を戦わせてどっちが勝つかを予想する闘蟋蟀(とうしつしゅつ)ってやつもある。大小っつー賽を使ったやつや弾棋ってのもある」

「賭博にも色々あるんですね」

「おおとも。色々あるから自分に合ったものもあるはずだ」

 

昔から賭博・ギャンブルは存在するのだ。そして楽しさ、中毒性は昔から変わらないからこそ現代まで廃れずに進化していっているのだ。

 

「そうだ。二人は喧嘩は好きか?」

「「いや、そうでも…」」

 

喧嘩が好きかと言われて「好きです!!」と気持ちよく言えるのは少数すぎるはずである。

 

「じゃあ見るのは?」

「「見るのも…」」

 

喧嘩している姿を見ても楽しくはない。

 

「そっか、この賭博場では最大のやつなんだが…どっちが勝つかを賭けるだけ。見ているだけでも血肉湧くようで面白いんだがなあ」

(喧嘩試合…現代で例えるなら賭けボクシングみたいなものを言っているのか?)

「ま、お二人さんなら穏やかな賭博の方がいいか。はっはっはっはっは!!」

(穏やかな賭博ってあるのだろうか)

 

いま話している人は賭博場の常連のようにも見える。色々と賭博の事を教えてくれる。

もしかしたらこの賭博場の事や謎の薬についても知っているかもしれないと思い、タイミングに合わせて聞き始める。

 

「それにしてもこんな所に賭博場があるなんて知りませんでした。友人とちょくちょく簡単な賭博はやりますけど…ここは規模が全然違いますね」

「そうだろうそうだろう。ここの元締めが誰か分からんが作ってくれて嬉しいもんだ」

 

元締めの事は常連も知らないようだ。

 

「そう言えば友人から変な噂を聞いたんですけど知ってますか?」

「変な噂ぁ?」

「飲むと強くなれる薬があるって…実はオレ、呉の兵士に志願したいと思ってて…」

 

少し弱弱しい雰囲気を醸し出す。薬の力で強くなって兵士になりたいという青年の体だ。

 

「喧嘩は嫌いなんじゃなかったのか?」

「喧嘩と兵士として戦うのは違いますよ」

「そりゃそーか。でも兄ちゃんは兵士よりも文官の方が良いと思うぞ。はっはっは」

「やっぱそうですかね。でも強くなってカッコイイところを見せたいじゃないですか」

 

今の言葉に常連は藤丸立香を見て、次に明命を見る。

 

「はっは~ん。なるほどなあ、そう言う事かあ。確かに男なら惚れた女に強い姿を見せたいもんだよなあ」

「ほ、惚れ!?」

 

情報を聞き出すための会話なのだが何故か明命が動揺。

 

「確かに兄ちゃんはもっと鍛えないとな。嬢ちゃんの方が強そうに見えるし」

 

否定は出来ないかもしれない。しかし藤丸立香も修羅場はくぐっているし、鍛えてもいる。

 

「立香さんがわ、私に、ほ、惚れて…」

「明命ちゃん?」

「なかなかお似合いだぜ」

 

話が少しズレているので軌道修正。

 

「やっぱり飲むだけで強くなれる薬って嘘だったんですかね?」

 

ガッカリする感じに首を傾けながら頭を掻く。

 

「嘘ってわけじゃないと思うぞ。薬自体は見たこと無いがその薬を飲んで強くなって喧嘩賭博で活躍している奴を見た事があるからな。まあ、そいつはもう見てないけど…何処に行っちまったんだろ?」

 

飲めば強くなる薬はある可能性は高くなった。

 

「でも怖い話も聞いてます。怪物になるかもしれないって。それって本当なんですかね?」

「あー…それな。人が変わったように強くなりすぎるから怪物になったと比喩されてるって感じだと思うぞ」

 

確かに強くなり過ぎた者は化け物と言われてしまう時がある。怪物・化け物になるというのはそういう意味かもしれない。

ただの仮定にすぎないから鵜呑みも出来ない。薬を飲んで強くなるという事はドーピングであり、どういう成分で作られた薬なのかすら分からない。

 

「ここで売っているんですか?」

「売ってはいないな。ただここで配布されているのは確かだ」

「どうやったら貰えますかね?」

「ここの関係者と仲良くなって貰うしかないと思うぞ。それこそ元締めの気に入られるくらいにな」

 

賭博場の関係者、元締めに気に入られれば色々と融通が利くようになる。それこそ賭博で勝たせてくれたり、サービスも良くしてくれたりとだ。

特別な何か『物』を貰ったり、一番に教えてくれたりする事もある。

 

「気に入られる…まずは注目されるって事ですよね」

「それこそ喧嘩賭博が一番だ。もしくは賭博で大勝ちする事だな」

「喧嘩か大勝するか…」

「はっはっはっは。兄ちゃんに難しいんじゃねーか」

 

笑いながらバンバンと背中を叩いてくる常連客。

お酒を奢ってそのまま笑いながら手をフリフリしながら別れる。

 

「謎の薬はあるようですね。喧嘩賭博の選手で飲んでいるらしいですが」

「強くなる薬。確かに喧嘩賭博の選手が飲んで活躍するっていうのは、らしい」

 

飲んで強くなる薬を欲しがる人間はやはり『戦い』を求めている者が多い。喧嘩賭博の選手が優先して手に入れやすさは理解出来る。

 

「活躍した選手にもっと強くなれる方法があると聞かされれば、気になるのは当然だろう」

「今度は喧嘩賭博の方を見て見ますか?」

「いや、そっちはもう見に行ってると思う」

「どういう事ですか?」

 

荒くれ者たちという事である。

 

「やっ、2人とも」

 

粋怜がお酒を持ってニコニコ顔で戻ってくる。

 

「勝ったんですね」

「勝った勝った。大勝よ。いや~勝ち過ぎちゃって賭博側の人間が、もう勘弁してくれって言った程だったわ」

「どれだけ勝ったんですか」

「後ろで見ていた人が顔をヒクつかせるくらい。それにしても賭博で勝った金で酒を飲むのは最高ね。2人にも奢るわよ~」

 

賭博・ギャンブルで勝って、手に入った大金の使い道。まず友人・仲間に奢るのは定番だ。

大金が手に入れば財布の紐が緩むもの。それは財布に大金が入って紐が緩んでいるというのも表しているのかもしれない。

 

「ちょっと休憩しましょ。この賭博場にも食事をする所はあるみたいだし」

 

賭博場は賭博をするだけではない。食事をする所や休憩スペースはあるものだ。

 

「肉まんでもあんまんでもなんでも良いわよ。なんなら高級食材を使ったものでもいいわ」

「高級食材を使った食べ物って何ですか」

「フカヒレ入りの肉まんとかあったわよ」

「そんなものもあるんですか!?」

 

タラリと涎が垂れそうになった明命。

案外、賭博場の食事スペースには意外な美食があるものだ。

 

「立香くんは何食べる?」

「激辛麻婆豆腐」

 

麻婆豆腐にはある意味、深い思入れがある。

 

「辛いの好きなんだ」

「麻婆豆腐って激辛が普通じゃないの?」

「激辛しか食べた事無いの立香くん?」

 

激辛の麻婆豆腐しか知らない藤丸立香。

謎の縁で何故か麻婆豆腐が召喚される。そもそも概念礼装の麻婆豆腐とか意味不明である。

 

「まずは飯を食べて英気を養いましょ。それにお互いに得られた情報も聞きたいしね」

 

3人は食事が提供されるエリアへと歩いていくのであった。

そんな3人を見る者たちがいる。誰かと言われれば賭博場側の人間である。

 

「あの女だ。狒々様が呼べとおっしゃっていた」

 

そんな賭博場の人間をチラリと粋怜は見る。「やっと引っかかった」と心の中で思うのであった。

 

(さて、ここの元締めか、それとも二番手が来るか)




読んでくださってありがとうございました。
次回の更新も2週間以内を予定しております。

FGOではハンティングクエストが始まってますね。
ハンティングクエストが終われば次は水着イベントなのかな?


585
最初に名前付きのモブたち登場。
登場って言うか名前が出ただけですけど。
荊乱(ケイロン)、邦牟(ホウム)、印隼(インシュン)、蜂岸(ホウガン)。
誰の名前を参考にしているかまる分かりですね。

燕青と思春は順調に喧嘩試合を勝利。そして祭ががっぽり大儲け。

喧嘩賭博場のとっておき選手、兕とジャオレン。
オリジナルキャラではありますが、実は恋姫革命の呉で登場するモブたちです。
この物語でも、既に登場してたりします。
どのような戦いになるかはゆっくりとお待ちください。


586
藤丸立香と粋怜たちは賭博をしながら情報収集。
立香と明命は投壺を楽しみながら情報をゲット。粋怜は樗蒲で大勝ち。
粋怜は幸運値が高いかもしれませんね。最初から勝てるのではなくていっきに大逆転するような人間。

粋怜が勝ちすぎて賭博側の人間に目を付けられました。此方側もどんどんと裏側に入り込んでいきます。

麻婆豆腐…Ftaeでは何故か激辛のイメージしかない

次回は燕青側を書くか粋怜側を書くか…それとも両方にするか。
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