Fate/Grand Order 幻想創造大陸 『外史』 三国次元演義   作:ヨツバ

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こんにちは。

ぐだぐだ龍馬危機一髪面白かったですね。
12月の新イベントは何かなっと思っていたら急にPVが。
ついにコヤンスカヤとの決着でしょうか。12月下旬予定みたいですね。
12月下旬。今年はもしかしてクリスマスはやらないのかな。

さて、この作品ですがやっと八傑衆(魏)編に突入です。
八傑衆(呉)編が 長かった。たぶんこっちも長くなるかな?

では、本編をどうぞ。


魏は人材不足

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藤丸立香たちが呉で色々と事件や日常を味わっていると同時に司馬懿(ライネス)たちも魏で色々と味わっていた。

時を戻すと藤丸立香たちがちょうど虞美人と合流した頃、司馬懿(ライネス)たちは魏(陳留)に到着していた。

 

「やっと到着したか。大陸を徒歩でというのは疲れる」

「あの…徒歩は私だけでしたが」

 

司馬懿(ライネス)はトリムマウを馬形態にさせて歩き、玄奘三蔵は馬に乗って歩き、哪吒は持前の飛行能力で飛ぶ。

この中で徒歩は秦良玉だけである。

 

「魔力を消費しているから、結局は疲れるんだよ秦良玉殿」

 

何はともあれ無事に魏に到着した司馬懿(ライネス)たちであるが、ここで1つ疑問に思う部分がある。

魏に向かったメンバーは合計で5名であったはずだ。しかしこの場には4名しかいないのである。

 

「始皇帝陛下がお一人で洛陽に行ってしまわれましたが大丈夫でしょうか?」

「秦良玉殿。それは忘れておきたいんだけど」

 

足りないメンバーというのが始皇帝である。

 

「やはり私では始皇帝を御しきれないよ」

『あまり気にするな。始皇帝を御しきれる者などいない。俺であっても不可能だ』

「司馬懿殿」

 

ライネスを依代にした司馬懿ですら始皇帝は予想を超える存在である。

 

「魏に向かっている途中でいきなりだったからね」

 

玄奘三蔵はその時の事を思い出す。

大陸を徒歩で渡っている時に始皇帝が急に「じゃあ朕、洛陽に行ってくる」と言ってふよふよと飛んでいってしまったのである。

勿論、誰も止めなかったわけではないが始皇帝を止められるわけがない。蜀から出る前に洛陽に行くのは魏で事件が起きなかった、もしくは解決してからと了承していたにも関わらずだ。

 

「ほんと考えが読めないお人だよ」

「過ぎてしまった事はしょうがないわよ。きっと陛下も何か考えがあって洛陽に1人で行ったんだと思うわ」

「そうかなぁ?」

 

始皇帝は何手先も見ている。元々、洛陽には気になる事があるから向かうと言っていた。

その「気になる事」というのが単独で始皇帝が洛陽に向かった理由であることは間違いない。

 

「ま、なるようになるか」

「陛下も洛陽で目立つことはしないでしょう」

「そうであってほしいものだよ。始皇帝陛下はその場にいるだけで目立つから」

 

始皇帝の容姿と覇気だけで誰もが注目する。ここ最近で洛陽に何かあったら間違いなく始皇帝が原因だと断定できる。

 

「洛陽の最近よりもまずは魏の最近ですね。八傑衆とやらが何か仕掛けている可能性があります」

「そうだね。まずは曹操のところに行こうか」

 

司馬懿(ライネス)は曹操と顔見知り。何せ曹操からは気に入られているくらいだ。更に秦良玉もお気に入りである。

もしかしたら「会いたい」と言えば顔を合わしてくれる可能性は高い。しかし今や曹操は魏の王であるため、部下でも臣下でもないただの『曹操が可愛いと思っている女性』だけでは門前払いされる可能性だってある。

 

「いきなり城に行って会わせてくれと言ってもな。誰かに曹操と近い者から伝えた方がより会える可能性があるな」

「そうですね…なら夏侯惇殿や荀彧殿が良いですかね」

「う~ん、夏侯惇殿は良いとして荀彧殿は微妙だな。だって荀彧殿って曹操を敬愛し過ぎて寵愛とか独占したいと思ってるだろ?」

 

曹操の寵愛を独占したいというのは夏侯惇も同じであるが荀彧の方がより強い思いがある。この事を夏侯惇に言えば「私の方が強い思いがあるぞ!!」なんて言うかもしれない。

 

「荀彧殿なら曹操殿の女を増やしたくないと思って会わしてくれないかもしれないし」

「そんな事ないわよ。失礼ねあんた」

 

荀彧の話をしていたらその本人が現れた。

 

「あ、荀彧殿」

「さっきから聞いていれば失礼すぎ。孟徳様に会いたいという人を私の勝手な判断で門前払いはできないわ。それが才能ある人材なら尚更よ」

「でも曹操殿に新しい女を増やしたくないだろう。自分が貰える寵愛の日が遅くなるから」

「うっ…それはあるけど」

 

曹操の気持ちとは裏腹に新しい女が増えないで欲しいと思っている荀彧であった。

 

「それよりも。あんたたちは孟徳様に会いたいって事でいいのね?」

「ああ」

 

運が良いのかすんなりと曹操に会えるようだ。幸運値が高いメンバーばかりのおかげかもしれない。

 

(そう言えばここにいるメンバーって幸運値がA以上だ)

 

 

624

 

 

荀彧に城まで案内され、控室で待たされる。待たされると言っても30分も待っていない。

すぐに従者か誰かが控室に現れて次に広間へと案内される。

 

「久しぶりね司馬懿」

「久しぶりだね曹操殿」

 

広間に居るのは曹操と荀彧、李典。

 

「それに秦良玉に玄奘三蔵、哪吒も久しぶり」

 

相変わらず堂々とした佇まいで覇気も滲み出ている。このカリスマにクラリとしてしまう人が多いはずだ。

その筆頭が荀彧や夏侯惇である。

 

「もしかして私のものになりにきたのかしら?」

「ふふ。それも面白そうだけど私は誰かのものになるつもりはないよ」

「あら、残念」

 

曹操と司馬懿のちょっとした軽口の叩き合い。

2人が出会った時から、こういうやりとりは日常になっているくらいだ。

 

「私のものにならないのが残念だわ。こうも見た目麗しい花たちが目の前にいるのに」

 

曹操の女好きも相変わらずだ。

司馬懿(ライネス)たち全員は曹操のストライクゾーンだ。特に司馬懿(ライネス)と秦良玉がドストライクらしい。

 

「で、何をしに来たのかしら。まさか私の顔を見に来たってわけじゃないでしょうに」

「ああ。実は面倒な案件があってね」

「面倒な案件って…それを持ち込んできたわけじゃないでしょうね」

「私たちが持ち込んだわけではないよ荀彧殿。その案件は蜀も呉も頭を悩ませるものだ。実際に蜀では悩まされた羽目になったしね」

 

面倒な案件とは八傑衆の事だ。

 

「八傑衆?」

「聞いた事はあるかい?」

 

曹操の表情や口調から知らなそうである。

 

「桂花、真桜。報告はある?」

「いえ、そのようなものは聞いた事がありません」

「ウチもないですわ」

 

魏には八傑衆の情報はない。

まだ八傑衆の魔の手は魏に届いていないようだ。

 

「八傑衆って何かしら司馬懿?」

「簡単に言うなら君の敵だ」

 

八傑衆の目的は三国の崩壊。

既に蜀と呉で暗躍しており、妖魔の力を使って疫病を流行らせたり、妖魔を放ったりと色々と仕出かしている。

 

「その八傑衆とやらが魏に攻め込んでくると?」

「どのように攻め込んでくるかは知らないけどね。蜀では妖魔の力を利用してたな…疫病を流行らせようとしたり」

「妖魔の力ねえ」

 

曹操が思い出すは反董卓連合や官渡の戦いでの出来事。その2つとも異能の力が関わっていたのだ。

 

「八傑衆。その言葉通り8人で構成された集団かしら」

「その通りだよ荀彧殿。蜀で2人倒した。残り6人だ」

 

戦いの中で八傑衆から呉と魏にも既に仲間が向かっていると情報を得ている。

 

「我が弟子は呉へ。数名の仲間は蜀で待機。そして私たちが魏に来たわけさ」

「なるほど。だから今回は藤丸や蘭陵王が居ないのね」

 

曹操は手を額に寄せる。

 

「確かに面倒な案件ね。こんな時に限って…頭痛が酷くなりそうだわ」

 

ため息を吐きそうに見えたが、飲み込んだようだ。

 

「こんな時…人が居ないからかな」

「やっぱり分かる?」

「まあね」

 

魏は勢い止まらずに勢力圏を広めている。

幽州、徐州、冀州、涼州等と手に入れているのだ。ほぼ大陸の北側は制覇しているようなもの。

現在、大陸の中で一番の強国は魏と言っても過言ではない。しかし手に入れてすぐに掌握できているかと言われれば首を縦に振れない。

勢力が広くなったという事は守るべき領地も増えたという事である。ならば守る兵や将を割くという事でもある。

 

「各地に人材をばら撒き過ぎな気がするね」

「領地を守るために人材を割くのはしょうがないでしょう」

「守る前に手に入れた領地を掌握しないといけないけどね」

「更に領地だけじゃなくて、蜀や呉の動きも見張っていないといけないわ」

 

現在の魏では広まった領地を掌握する為に動いている。

涼州では徐晃が赴き、冀州方面は夏侯淵と典韋。徐州方面は曹洪、張遼と郭嘉は幽州方面に赴いている。

夏侯惇と許緒は現在、揚州の州境まで遠征している。

 

「ウチと燈はつい最近まで益州の州境警備に行ってたで」

「主力がほぼ出向いているね。こんな所を攻められたら危険だろうに」

「それを蜀か呉に伝える?」

「まさか。私たちは三国の戦いに関わるつもりは一切無いよ」

「もしも情報を流したら私が代わりに殺すからね」

「怖い怖い」

 

殺気をぶつけてくる荀彧だが気にもしない司馬懿(ライネス)。

彼女の殺気ならば怖くもなく、可愛いものだ。まだ時計塔の魑魅魍魎の方が怖いのだから。

 

「ま、司馬懿たちが何処にも属さないと分かっているから私もこうやって城に入れてるんだけどね」

 

蜀も呉も藤丸立香たちが三国の敵にならない、情報を流さないと分かっているからこそ受け入れているのだ。

よくよく考えると普通ではあり得ない事だ。三国の内部と仲がいい集団なんて普通は警戒され、情報を引き出そうとする。

 

(意外というか普通は警戒される集団だよな。魏も蜀も呉も我々がいずれかの国の間者や刺客と思われても当然なのに)

 

三国とも甘いのか。藤丸立香たちがおかしいのか。三国の内部と縁を深めた賜物なのか。

 

「さて、私たちが魏に来たのは八傑衆の捕縛。もしくは討伐だ」

「だから魏に滞在させてほしいってわけね」

「その通りだよ。私たちを魏で好き勝手動き回れるのが嫌だっていうのならば話は別だけど」

「嫌って言っても勝手に動き回りそうだけどね」

「それはどうかな~」

 

小悪魔スマイルの司馬懿(ライネス)。

 

「…正直に言うと人材不足なのは本当だしね。貴女たちだったらいいでしょう」

「いいのですか華琳さま」

「いいわ。変な意地張って力を借りないって事はしない。それで痛い目に遭いたくないし。それに今は大事な時期でもあるからね」

 

現在の三国は緊張状態。そのような時に八傑衆とかいう訳の分らない集団に横やりを入れられて躓きたくはない。

利用出来るものは利用する。力を貸してくれる伝手があるならば使う。曹操は合理的に動くのだ。

 

「そもそも八傑衆って何処の陣営よ」

「于吉とかいう怪しい方士の刺客だよ荀彧殿」

 

三国との戦いにちょっかいをかけてくる方士。曹操からしてみれば蜀と呉では全ての力を出して倒したいと思うが、そこに邪魔者が出てくるのは面白くない。

 

「八傑衆に于吉。これからって時にこれ以上余計なものは出てこないでほしいわ」

「これからより人材は割かれますね」

「まだ割かれるかい?」

 

現段階でも厳しい状況であるのにまだ割かれるようだ。

 

「実は都の大長秋から使者が来たのよ」

 

大長秋は反董卓連合の時に上がいなくなって現在の朝廷で実質トップになった役職だ。

 

「それはそれは。で、宦官の最高位から何か無理難題でも吹っ掛けられたかい?」

「ええ。司隷をくれるんですって」

「あの朝廷のお膝元をねえ」

「正確には司隷の警護と維持管理の権限だけれどね。いずれにしても、これを受ければ司隷に公然と兵を入れられるようになるわ」

 

そこまでの権限があるのならば実質領地になるのと変わらない。

曹操の勢力は本当に広まっていく。

 

「受けたのかい?」

「もちろん」

「人材が足りないのに?」

「貰えるものは貰っておくわ」

 

司隷を手に入れた事は良いというわけではない。デメリットがある場合もある。

 

「周りから警戒される可能性がありますね」

 

ポツリと呟く秦良玉。

 

「秦良玉の言う通りね。天子様を好き勝手にするとか、専横を働くとか、都を陳留に移すとか色々と言われる可能性が出てくるわ」

 

荀彧は秦良玉が思った事を予想して口にした。朝廷に近づいたと思えばメリットもあるが、デメリットの方が大きく感じる。

 

「遷都するのかい?」

「するわけないでしょう。守ってあげる分には構わないけれど、権力争いはあの壁の中だけでしていて欲しいわ」

 

完全に隔離施設になっている禁城。もはや皇帝の権威もへったくれもない。流石の曹操も魑魅魍魎の巣には足を運びたくないようだ。

 

「あのいざこざに付き合うくらいなら麗羽の戯言を聞いていた方がマシね」

「どれだけ都が嫌いなんだか…まあ、気持ちは分かるけど」

 

そういう場所の魑魅魍魎たちは怖いものだ。

 

「その気持ちを蜀呉に伝えてみれば?」

「回状でも回してみようかしら」

 

冗談を口にするとツッコミが入ってくる。

 

「そんなん回したら挑発にしかなりませんわ。州境警備に駆り出されるウチらが死んでまいます」

「まあ、実際に回したとしても蜀も呉もすぐには攻めて来ないでしょうけど」

「というと?」

「孫策も劉備もまだ国内を平定中だと思うわ。特に蜀の方は南蛮にも警戒してるはずだしね」

 

何だかんだで魏も蜀も呉も国内を平定中で外にまで手を伸ばしてはいられないというわけだ。

 

「警戒はしているけどすぐに戦争までは持って行けないってとこか」

「そ。蜀と呉の動向には警戒しながら魏内の平定を急いで進めるのが重要ね」

 

何はともあれ司馬懿(ライネス)は魏内に滞在する事に成功だ。

 

「さすが司馬懿ちゃん。アタシってば特に何も言えなかったわ」

「空気」

 

特に話す機会がなかった玄奘三蔵と哪吒であった。

 

 

625

 

 

水晶がポウっと光る。

 

「飛燕か」

『張白騎。聞こえるか?』

「聞こえるぞ。どうした」

 

水晶越しに会話するのは八傑衆の飛燕と張白騎。

 

『計画の準備がまとまった。魏を、曹操を討つ』

「やっとか」

『浮雲から送ってもらった例の軍団はどうだ?』

「いつでも実戦に出せるぞ」

『そうか。ならばバレないように陳留へと近づけ』

「了解した」

 

張白騎の後ろで恐ろしい呻き声が聞こえてくる。

 

『こっちは洛陽で協力者を得た。ソイツと一緒に計画を進めている』

「協力者だと?」

『曹操が邪魔だと思う奴はいくらでもいるって事だ』

 

大陸の覇権を手に入れようとする度に敵は増えていく。

覇権に近づくたびに敵が減るのではなく、増えていくのだから不思議だ。それが普通なのかもしれない。

 

「曹操が邪魔だと思う奴はたくさんいるか。それは孫策や劉備も同じか」

 

大陸の覇権は三国に委ねられたわけではない。意外な所から新たな勢力が出てくるものだ。

 

『特に曹操は敵が多い。いや、曹操を疎んでいる奴は洛陽でも多いだな』

 

飛燕の計画は始まった。

 

『今の魏は狙い目だ。なんせ戦力が分散しているからな。短期間で勢力圏を広めるのも問題だな』

 

曹操暗殺計画始動。




読んでくださってありがとうございました。
次回の更新は2週間後予定です。



623~624
やっとこさ八傑衆(魏)編に突入。
曹操たちと司馬懿(ライネス)たちが物語を進めていきます。
藤丸立香は出ません。だって時系列では呉にいるから。
なので代わりに司馬懿(ライネス)が進めていきます。

さて、主人公並みの強烈キャラである始皇帝ですが早速離脱。
彼は洛陽に向かいました。全く出番がないわけではありません。
始皇帝の活躍もあります。

司馬懿(ライネス)たちは曹操のところに潜り込む事に成功。
八傑衆との戦いが待っている。
現在の魏では恋姫革命でもあったあの状況と一緒です。
人材が割かれているあの状況。


625
八傑衆の飛燕と張白騎。
小説版の恋姫に出てくる2人ですね。確かちょろっとしか出てないのでこの作品ではほぼオリジナルになっています。
そんな彼らですが魏を潰す為に曹操を暗殺する計画を!!
どのような展開になるかはゆっくりとお待ちください。



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