Fate/Grand Order 幻想創造大陸 『外史』 三国次元演義   作:ヨツバ

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こんにちは。
FGOではクリスマスイベントが終わってしまいましたね。
今年は全然回せなかった…(リアルが忙しいせいだ!!)
物語も今回はのほほんとしてて良かったです。

恋姫†天下統一伝もクリスマスイベントが始まったようです。
今年のサンタは何太后と霊帝のようですね。どんな感じになるのやら。


そして来週からはついにツングースカが!!
ついにコヤンスカヤとの決着が!?

そして…太公望だと!?



怪しい動き

630

 

 

猫。ニャーっと鳴く動物。

哪吒はそんな可愛い猫の頭を撫でていた。

 

「程昱」

「ニャー」

 

哪吒の言葉が分かったのか猫はたっと走り出していった。

 

「追跡」

 

彼女が猫に程昱の名前を伝えたのは何となくである。そして何故、程昱の名前が出たかと言われれば荀彧から程昱を探すように言われたのである。

人探しをしているのに猫に聞くのはどうかと思われるかもしれないが意外な事が起きるものだ。

 

「発見」

 

猫の跡を追っていくと「にゃー?」と声が聞こえてきた。その声の主は探し人。

 

「…にゃーっ」

「おお。機嫌を損ねてしまったのです。失敬失敬」

 

我が物顔の猫3匹を前に、眠そうな顔をした程昱がのほほんとしゃがんでいた。

 

「ふーーーーーっ!!」

「なーご」

「おおう。こちらも隙あらばの姿勢とは…悲しみに胸が押しつぶされてしまいそうなのです。風は猫が嫌いな匂いでも出ているのですか?」

 

そう言って手の甲をくんくんする猫。

 

「ふにゃ」

「むむむ、糸口を見つけたり。この子はのんきな気性と見ましたよ。この子なら陥落できるでしょうか」

 

他の2匹にあまり相手にしてもらえないからか今度はのんびり寝ている猫に興味を持ったようである。

 

「にゃー?」

 

程昱は何処か不思議な人間だと思っている哪吒。

どんな流れにもふわふわとマイペースな人間とも言える。

 

「しかし、寝ている猫に声をかけるというのも試みとしてはどうかと思うのです。どう思いますかにゃあ?」

「ふーーーっ!!」

「なるほど、全否定ときましたか…なかなかに難しいものなのです」

 

猫と会話する人間というのが今の状況だ。

 

「しかし考えてみれば猫語を解さぬ風がいたずらににゃあと声をかけてみるのも危険な試み」

 

にゃあにゃあと会話していたが実際はただの独り言のようなもの。

ただ単に猫の鳴き声を口にしているだけで本当に猫と会話できているわけではない。

 

「にゃあ」

 

人間にとって『お手を拝借』の意味を込めた「にゃあ」でも猫からしてみれば『おんどりゃわれ、ぼてくりこかすぞ』と聞こえているかもしれないというのが風の談。

何故かチンピラ風なのかは特に意味無し。

 

「そうなれば、さきほどの警戒も道理というもの。違いますか…なーお」

「……なぅー」

「やっぱりそうですかー。今のは『いてもうたるぞわれ』と言ってみたつもりなのですが…どうやら友好の意志と取られてしまったようなのです。ふむ。そうであればまた、新たな疑問が湧いてきましたよ。果たして彼らは彼らなのでしょうか」

 

何故か哲学的な話になってきた。

 

「まこと、人生とは問答のようなもので。ほら、ちょっとこうコロンとお願いできませんか。局部付近を曝け出す感じで。ふにゃー」

「にゃっ」

 

哲学的な話かと思えば猫をナデナデしたいという欲望であった。

 

「おおう。やはり慣れない言葉を使うのは危険極まりないのです。猫の爪に引っかかれるとすごく腫れるのを風はちゃんと知っているのですよ」

 

猫に引っかかれるのは意外に精神的ショックが大きい。

 

「わかりました。根気強く、猫が心を開いてくれるのを待ちましょう」

「にー」

「ふふふ。気持ち良さそうなのです」

 

程昱は動きを止めると、じぃっと猫と向き合う。

本当に猫の心が開くのを待つ気なのか、猫を見つめたままである。そして「ぐぅ」と居眠りをした。

これはしょうがないと思って哪吒は起こし行く。

 

「早上好(おはよう)」

 

もう朝ではないが寝ている人を起こす挨拶は「おはよう」だ。

 

「おお、意外なところに意外なお人が」

「意外?」

 

今のが意外かどうか疑問なところである。

外でしゃがんで居眠りをしていたら普通は気になって起こすはずである。

 

「ふーっ」

 

ケンカっ早い猫なのか新たに現れた哪吒に威嚇をする。

 

「えい」

 

哪吒は手を伸ばして毛を逆立てる猫の首のところをちょこちょこくすぐる。

 

「あ、あ…引っかかれるとすごく腫れて」

「にー」

「おおー」

 

何故か猫は大人しくなった。

弱点の顎を愛撫されたから屈したというわけではない。動物の本能が哪吒の事を認めたのである。

機嫌が悪い猫に顎をこちょこちょしようとしたらまず先に攻撃されるものだ。

 

「哪吒さんは猫を誑かす才能があるようですね」

「そう?」

 

猫を誑かす才能は意外にも欲しがる人はいるかもしれない。

 

「遊んでた?」

「遊んでないのです。見てました」

「いつから?」

「そうですねー。桂花ちゃんが目をつり上がらせて風を探しているころくらいからですかね」

 

意外と確信犯。

自分を探している人がいると知っているのに猫と戯れていたようだ。

 

「猫 可愛い?」

「可愛いですし、見ていて楽しくなります。あの子など、この世の幸せを独り占めですよ」

 

気持ちよさそうに寝ている猫。

そのような姿をみると無性に羨ましくなる時がある。猫には猫の大変さがあるかもしれないが人間からしてみれば自由気ままにしている猫が羨ましく感じる時があるのだ。

 

「こら春蘭、お前ときたら食っちゃ寝で。そんなんだからぶくぶく太るのですよー」

「夏侯惇?」

「猫の名前なのですよ。ふてぶてしさが愉快でしたので、そう呼ぶ事にしたのです」

「いいの?」

「猫の名前にいちいち目くじらを立てても仕方がないのです」

 

本人の知らないところで野良猫に勝手に名前を付けても何かあるわけでもない。

 

「そっちの、哪吒さんにやすやすと心を許したメス猫は稟ちゃんです」

「そう」

「こっちは霞です」

「そう」

 

悪ふざけなのか何なのか。

哪吒は程昱命名の春蘭と稟と霞を撫でる。3匹の猫は気持ちよさそうだ。

 

「おお。やはり哪吒さんは猫を誑かす才能をお持ちですね。こうも気持ちよさそうに…春蘭も稟ちゃんも霞もメス猫ですね」

 

本人たちに聞かれたら怒られそうである。

 

「猫は自由でいいですね」

 

何も不自由のなさそうな生き方が羨ましく感じる程昱。

 

「風もこういう生き方ができるでしょうか」

 

猫みたいに自由気ままに生きられるかは難しい話だ。

猫と人間は違う。猫社会は自由かもしれないが人間社会はルールが多いのだ。

ルールが多い中で自由気ままというのは何か違和感があるが、それが人間社会というものである。

 

「程昱なりの自由」

「風なりですか…そうですね」

 

ルールの中で自由を探すのが人間の生き方なのである。

 

「でも、まずはこの大陸の末がどうなるかですね。お猫たちはどうなろうが関係ないですが…人間は大変なのですよー」

「にゃあー」

 

猫は「世の中の情勢なんて関係無いニャ」なんて感じで鳴いた。

 

「そうですよね。やはり猫さんには関係無いですよねー」

「荀彧 探してる」

 

そもそも程昱は荀彧に探されている人だ。探されているという事は何か用があるという事でもある。

 

「ぐう」

「寝るな」

 

程昱も何だかんだで自由な人間である。

 

 

631

 

謁見室にて。

 

「燈には洛陽に行ってもらいたいの」

「洛陽ですか」

「ええ。この前、司隷をもらったじゃない。その視察よ」

 

朝廷のお膝元。

曹操は司隷の管理を任されたのであり、その為に視察は必要だ。

 

「私も後から行くわ。てか、呼ばれてるのよね」

 

面倒くさい感じにため息を吐く。

 

「あらあら、大きなため息ですね」

「つきたくもなるわ。あんなドロドロした魑魅魍魎の巣に行きたい人なんていないわよ?」

 

曹操でも苦手な場所くらいあるという事だ。

 

「なんでも司隷を任せる私を歓迎したいそうよ」

「それは大変そうですね」

「他人ごとじゃないからね。貴女も行くのだから」

「まあ、私は多少は慣れてるけど」

 

慣れていて良い場所ではない。普通ならば関わりたいとは思わないからだ。

 

「だから貴女に任せたってのもあるのよね。先に行っていてほしいの」

「分かりました」

「ええ、任せたわよ。色々と」

「ええ。色々とね」

 

陳珪は洛陽に向かう事が決定。

早速、向かう為に準備を行う。洛陽に向かうと言っても現代のように車があるわけではない。

遠出をするだけで大がかりなのである。現代人からしてみれば車や飛行機の無い時代の大変さは分からないものだ。

 

「準備するだけで大変ね。まあ、これくらい普通か」

 

明日の朝一には出発予定。

 

「誰かある」

「はっ」

 

陳珪の元にある兵士が現れる。

 

「これを届けてちょうだい。誰にも見つからないよう内密にね」

「はっ。承知いたしました」

 

兵士は陳珪から手紙を受け取る。

手紙とは誰かが読むものだ。陳珪は誰かに手紙を兵士に渡すように指示したという事である。

『秘密裏に送る』という部分が強調されている。

 

(さて、これが吉と出るか凶とでるか)

 

兵士は静かに走り去っていった。

 

「誰?」

「母さん。こんな遅くまでどうしたの?」

「ああ、嬉雨。明日の準備よ。明日の朝から洛陽に向かうの」

「そうなんだ。気を付けてね」

「ええ。明日も早いし私はもう寝るわ。嬉雨も早く寝なさい。夜更かしは身体に悪いからね」

「うん」

 

陳珪は部屋へ戻っていった。

 

(さっきの手紙なんだろう。いったい誰に宛てた手紙?)

 

一部始終を見ていた陳登。

母親の気になる行動に不思議と疑惑を覚えるが今はどうする事もできない。

何でもないと思って心の中で首を振った。

 

 

632

 

 

ある部屋にて怪しい企みをする2人組。

 

「間者から情報が届いた。曹操が洛陽に来るそうだ…計画通りだ」

「流石に曹操も朝廷からの誘いは断れないか」

 

魏の王とはいえ朝廷の指示を無視できない。しかし無視しようと思えば出来るが今は時期ではないのだ。

彼女は大陸の覇権を狙っている。ならば朝廷もいずれは乗り越え、掌握する事になるのだ。

 

「ふむ。当たり前だが曹操1人でくるはずもなし。部下を連れてくるか」

「奴はアレでも魏の王だからな。王がノコノコと1人で来るわけがないだろう。他に誰が来るかも手紙に書かれているか?」

「うむ。他の部下も詳細が書かれておる」

 

曹操以外にも部下が来るのは当然。しかし部下の詳細が分かれば対応はいくらでも出来る。

彼らの目的は曹操の暗殺だ。護衛で部下を何人連れてくるのか、どのような能力かを知れば怖いものなしになる。

 

「なるほど。こいつらか…知っている者もいるな」

 

魏の情報を多く集めている董承。

既に魏の武将も情報を得ているのだ。情報の多さこそが勝利への近道になる。

 

「もっと情報は欲しいものだ」

 

計画を遂行するには不確定要素をなくしたいと思うのは当然だ。

 

「間者も此方に戻ってくる予定だから、その時により詳しく教えてもらおう」

 

魏の内部に間者を放っている。

曹操を暗殺する計画を立てた時に間者は必要だと判断し、秘密裏に魏のある者と接触していたのである。

その者は魏に対して色々と思う所があり、少しでも疑心があるならば董承はソコと突く。

言葉巧みにその者の疑心を増幅させ、魏を裏切るようにそそのかしたのである。

 

「その者は知恵もあり、なかなか狡猾だ。朝廷でもやっていけるだろう」

「何の話だ?」

「なに。今回の報酬としてその者を朝廷の席に入れてやると約束したのだ」

「ほう。あんな面倒な場所に入りたい奴なんているのか」

「飛燕よ。朝廷は選ばれた者しか働けない神聖な場所だ。面倒な所と言うな」

「これは失礼した」

 

訂正はしたが飛燕からしてみれば朝廷ほど面倒で恐ろしい場所はないと思っている。

 

(ま、この朝廷もいずれは消えるさ)

 

飛燕は表情を変えないが心の中ではこれからの世の中で朝廷の必要性は無いと思っている。

何故ならこれから来る時代は女神の時代なのだから。

 




読んでくださってありがとうございました。
次回の更新は未定です。

前書きに書いてしまいましたが…最近は忙しくて。
それに来週からはツングースカも始まるなあ(攻略できるかも分からないけど)

今月はあと1話~2話更新できるかどうかだと思います。


630
風の幕間を元に書きました。
日常編みたいな形になりましたね。
風と哪吒って意外に相性がいい感じがします。
普通に仲良くしてそうです。

631
曹操が洛陽に呼ばれました。まず先に陳珪は洛陽に行く事になりました。
彼女は色々と任されたようです。そしてその夜に陳珪が出した手紙とは一体…。

632
怪しい2人組。八傑衆の飛燕と董承。
計画は少しずつ進んでいます。魏の内部にいる裏切り者は誰なのか。


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