Fate/Grand Order 幻想創造大陸 『外史』 三国次元演義   作:ヨツバ

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こんにちは。
早く書けましたので早速更新です。

ツングースカの配信が待ち遠しいですね。
新しいのサーヴァントの情報も出ましたし、12月下旬から正月へにかけてが怖い。
石の貯蔵足りるかな…

こっちの物語本編もどんどんと不穏な方向へ。
どのような展開になっていくかは本編をどうぞ。


洛陽へ向かう事に

633

 

 

城内の散歩をしているのは秦良玉。

本日は爽やかな朝とは言い難く、湿気が強いのが暑い。夏というわけではないが、水分補給を忘れてはいけない1日になるかもしれない。

 

「おや?」

 

渡り廊下を抜けて庭園に出ると水を撒くような大きな音が聞こえてきた。

気になって音の方角に向かうと裸で水を頭から被っている曹仁がいた。

 

「はー、気持ちいいっす」

「え」

 

庭園の井戸に裸の曹仁がいた。

 

「えええええええ!?」

「おおおっ、リャンっちじゃないっすか。どうしたんすか、そんなにおっきい声出して?」

「え、いや、だって!?」

 

目の前には生まれたままの姿の曹仁。驚く要素は1つしかない。

 

「どうしたっすか?」

「なんで裸なんですか!?」

「水浴びしてるからに決まってるっす。リャンっちは服を着て水浴びをするっすか?」

「いえ、そういうわけじゃなくてですね」

 

水浴びをするのなら服を脱ぐのは当然だ。

秦良玉が聞きたいのは庭園にある井戸で裸で水浴びをしているわけである。

 

「暑いから水浴びをしていたっす!!」

「確かにそれが理由かもしれませんけどー!?」

 

何故、堂々と真昼間から水浴びをしているのかを詳しく聞きたいのだ。

ここは庭園であり、女性だけでなく男性も通る可能性があるのに曹仁は裸体を堂々と晒している。それに関して何も思わないのか考えるはずだ。

 

「あははっ、リャンっち。なんだかおかしいっすよ?」

「私がおかしいのですか!?」

「なんでそんなに慌ててるっすか?」

「曹仁殿がこんなところで裸でいるからです!!」

「はいっす。水浴びしてるっすから」

「なんでですか」

「今日は暑いからっす」

 

もう一度聞き返して同じ答えしか返ってこない。

 

「水浴びをしたいなら浴室や部屋とかで…」

「この時間、お風呂は掃除してるっす。それに部屋だと」

 

曹仁は仁王立ちの姿勢で水の入った桶を頭の上に運び、ひっくり返す。

 

「ひゃー、気持ちいいっす。ほら、部屋だったらこんな風に頭からザバーンと水を被れないっす」

「そうかもですけど、手ぬぐいとかで汗を拭うとか」

「こういう暑い日は頭から水を被るのが一番っす」

 

否定はできない。汗がダラダラだった場合は頭から水を被りたくなる。

 

「とにかく、服を着てください。早くしないと男性の方が来るかもしれないですよ!!」

「リャンっちも水浴びしたいっすか?」

「なんでそんな話に!?」

「代わって欲しかったっすね。いいすよー。だったらリャンっちも一緒に水浴びするっす。ほら、脱がせてあげるっす」

「ちょ、ま、ええ!?」

 

全裸の曹仁が秦良玉の服を脱がそうと駆け寄ってくる。

濡れた体で飛びつくと強引に秦良玉の服を脱がそうとグイグイ引っ張る。

 

「ま、待ってください曹仁殿。ふ、服が破れますので!?」

「これどうやって脱がすっすか。破るしかないっすかー?」

「破かないでくださいー!?」

「いいから裸になるっす」

「本当に待ってくださいー!?」

 

第三者から見れば裸の金髪美人が白タイツの黒髪美人の服を脱がそうとしている構図だ。一部需要がありそうではある。

 

「姉さんっ!?」

「ふぇ?」

「こ、この声は」

 

2人の耳に届いた第3者の声。聞こえてきた方向に首を向けると曹純が居た。

 

「そんな恰好で何をやっているの姉さん!?」

「あ、柳琳」

「あっ、じゃないでしょう。何やっているの姉さん。秦良玉さんからすぐに離れて服を着て!!」

「えー…これからリャンっちと水浴びをするっすよ」

「秦良玉さん嫌がってるじゃない!!」

「そんな事ないっすよ」

「いえ、曹仁殿。私は水浴びはしないので!!」

「そうなんすか?」

「はい。なので服を脱がさないでくださーーい!!」

 

ひと悶着会った末、どうにか治まった。

 

「すいません。姉さんが…」

「いえ、もう気にしてないので。それに曹仁殿も悪気が無いのは承知ですから」

「悪気が無いのが問題なんです…悪気があるのはもっと問題ですけど」

 

曹純は理解が早い女性である。

曹仁が水浴びしている所に偶然通りかかった秦良玉。話の流れから無理やり曹仁が秦良玉を誘って脱がそうとした。

まるで一部始終を全て視て言葉にしたかのような説明文であった。

 

「着替えてきたっすー!!」

「姉さんったら」

 

3人は衣服を正して庭園にある建物内へと移動していた。そのうちの騒ぎの本人は微塵も反省していない。

 

「姉さん、何度も言ってるでしょう。いくら暑いからってあんな場所で水浴びしちゃ駄目。部屋ですればいいじゃないの」

 

どうやら曹仁の庭園で裸の水浴びは今回が初犯ではなかったようである。

 

「部屋でやるとびちゃびちゃになるっすよ?」

「手ぬぐいを濡らして身体を拭くとか、やり方があるでしょう?」

「そんなの水浴びじゃないっす。やっぱり頭からざっぱーんと桶で水を被らないと!!」

 

曹純の意見は正しいが曹仁の意見も否定できない。

 

「それでも」

「もー、何がダメっすかー?」

「何度も何度も言ってるでしょ。姉さんは曹家の一員なの。その姉さんが真昼間にお城の庭で裸になって…もしもそんな姿を兵たちに見られたらどうするの?」

「見られたら」

「姉さんの恥は一族の恥。曹家の恥でもあるのよ。華琳さまのお名前にまで傷がついてしまうわ」

 

曹純は穏やかな口調ながらも彼女らしい生真面目な理屈でこんこんと説教をする。

 

「あたしが裸を見られると華琳姉ぇの名前が傷付くっすか?」

イマイチ理解していない曹仁。

 

彼女はハナから誰かに裸を見られる事が恥ずかしくないのかもしれない。以前にも藤丸立香と燕青に見られても恥ずかしがる素振りがなかったほどである。

 

「だから…」

「そうだ、リャンっち」

「はい?」

「天の世界の話を聞きたいっす」

「え」

 

説教に飽きたのか話を秦に良玉振って来た。

 

「はあ~…姉さんったら」

 

曹純は肩をすくめてヤレヤレと苦笑いを浮かべていた。これら彼女たちの一連の流れなのかもしれない。

天然で自由な曹仁であるが、こういうところは憎めないようだ。

 

「でも私も天の国については聞いてみたいですね」

 

秦良玉たちは天の国の人間だと思われている。

司馬懿(ライネス)が曹操に自分たちは天の国の人間だと説明していたのだ。その方が色々と『やりやすい』部分があるからである。

天の国に人間が未来の人間や別世界の人間で当てはまるのならば、秦良玉たちは実際に天の国の人間である事に間違いない。

 

「水浴びはどんなっすか?」

「水浴びに関してはあまり変わりませんよ。でも技術や文化が違えば…こうホースじゃなくて紐のような先端から水や温水が出ます。そういうのを使って身体を洗ったりしますね」

「おおー、そんなのが天の国にあるんすね!!」

 

秦良玉も未来の技術に驚いたほどだ。自分が生きていた時代より後の時代の技術の発達は驚かされる。

 

「食事はどうなのでしょうか」

「料理も様々ですよ。この国で出されているものと同じであれば全く異なるものもあります」

 

国と文化が違えば料理も違うのは当然だ。召喚されてからカルデア厨房で様々な料理を舌鼓した秦良玉にとって料理の進化は驚きだ。

自分の知らない様々な料理を説明されて曹純は興味津々だ。

 

「話を聞いていると天の国の文化や技術は高そうですね」

 

カルデアでは魔術と現代科学を掛け合わせた組織だ。文化・技術レベルが高いのは当然である。

 

「魏も負けていられませんね」

 

国の文化・技術レベルは時間の詰め合わせ。魏もこれから時間を掛けて発達していくはずだ。

 

「でも国をより繁栄する前に大陸を統一するのが先でしょうね」

 

魏の目標は大陸の覇権を手に入れる事。国を繁栄させるのも大事だがまずは天下統一だ。

 

「そうっすね。で、そのおかげで今が大変っすけど」

「良い事なんでしょうけど…嬉しい悲鳴でなくなりますね。でも今を乗り越えれば」

 

乗り越えれば魏が残すは蜀と呉のみ。いずれは三国の大戦が始まるという事である。

魏が蜀と呉のどちらから攻めるのか。もしくは魏よりも先に蜀か呉が攻めるのか。それはまだ分からない。

 

(三国の戦いが始まったら我々は…)

 

三国の戦いが始まったらカルデアはどの国にも手助けはしない。この世界の未来を決めるのはこの世界の人間であるべきなのだから。

 

 

634

 

 

魏の陳留へと秘密の進行を行っている軍団がいる。先頭は八傑衆が1人の張白騎だ。

彼の後ろから続いているのが怪物たちの軍団。同じ八傑衆の浮雲が造り上げた怪物たちである。

 

「真夜中に行進でもしなければすぐバレてしまう。飛燕もバレずに近づけとは難しい事を言ってくれたものだ」

 

軽い文句を言う張白騎であるが全く嫌そうな声色ではない。

 

「こいつらの体力はほぼ無限みたいなものだからな。休憩要らずだ」

 

先頭で更新している張白騎の動きに付いてくる怪物たち。

 

「そして俺も于吉殿から貰った力で休憩なしで陳留まで走れる」

 

張白騎は己の4本足を見る。

 

「こいつの力は良い。俺を殺せる武器なんて存在しなくなったからな」

 

八傑衆は于吉から妖魔の力を埋め込まれている。全員が一筋縄ではいかぬ能力ばかりで張白騎が与えられた力も脅威である。

恐らくこの時代の武将たちが苦戦する力。より詳しく言うのならば武器を持っている者では彼を殺せない。

 

「それにしても飛燕は魏を潰す為に蜀と呉に密書を送るよう朝廷の人間を動かしたと言うが…本当に送ったのか?」

 

飛燕は反董卓連合のような状況を起こしたいようであるが上手く行くかどうか分からない。

 

「ま、飛燕は蜀と呉が動かなくても構わないとか言ってたしな。こいつらさえいれば十分だと」

 

チラリと後ろにいる怪物の軍団を見る。

 

「蜀と呉が動けば儲けものってところか。さて…」

 

張白騎は行進の速度を一段階上げた。

 

「着いて来い鬼ども。魏に着いたら食い放題だぞ!!」

「「「うごおおおおおおおお!!」」」

 

怪物たちの正体は鬼。

張白騎と鬼の軍団が魏へと近づいていた。

 

 

635

 

 

魏に滞在してから早数日が経つ。

司馬懿(ライネス)は魏の内部を見て思う事は1つ。本当に人材が少ないことだ。

 

「大変そうだね」

「他人事ね。でも滞在してるのを許可してるんだから貴女にも何かしら手伝ってもらうわよ」

「ええ…」

「嫌そうな声を出さない」

 

司馬懿(ライネス)と曹操の談笑。

魏にタダで滞在させてもらっているわけではない。対価として働けという事だ。

実際に玄奘三蔵は前に森の調査をしていた。これから司馬懿(ライネス)たちも何かしら仕事をさせられる事になる。

 

「で、早速だけど貴女には仕事をしてもらうわ」

「この私にどんな仕事をさせるんだい。まさか夜の相手とかいうつもりじゃないよね?」

「それはいいわね。でも違うわ。仕事って言うのは護衛みたいなものよ」

「護衛ね」

 

曹操は近いうちに洛陽へ行く。

その護衛として司馬懿(ライネス)を指名したのである。

 

「貴女だけでなくもう1人そちらから欲しいわね。秦良玉にしたいところだけど哪吒がいいわ」

「ふむ。いいとも」

「洛陽に行くのは私と桂花。で、そっちの2人ね。あと兵士も連れて行くわ」

 

曹操は魏の王だ。護衛や兵士を連れずに外へ出るなんて真似はもう出来ない。

 

「人材不足だって言うのに兵士を割く羽目になるとは…これほど面倒だと思ったのは久しぶりよ」

「そう言えば何で洛陽に行くんだい?」

「歓待を受ける為よ」

 

これから司隷の管理、守護を任されたという事で歓迎したいと招待が来たのである。

歓迎なんて必要ないと思ったが朝廷からのものならば無視できない。面倒だと思っても洛陽に行くしかないのだ。

 

「曹操も…いや、華琳もお偉いさんには敵わないか」

「敵わないんじゃなくて無視したら面倒事が増えるからよ」

 

ため息を吐く曹操。頭痛も起きそうだとこめかみを抑える。

 

「頭痛が酷いのか?」

「たまにね。これでも華佗に診てもらって良くなったのよ」

 

華佗の謎の医療行為は今でもよく分からない。

 

「カルデアには良い医者がいるから。君を診てもらいたいよ」

「かるであ。天の国の?」

「天の国というよりは私が今所属している団体みたいなものさ」

「ふぅん。そこに華佗と同じく良い医者がいるのね」

「ああ。殺してでも治す医者(看護婦)と様々な病気に興奮する医者がいる」

「なんか聞いてて不安なのだけれど」

「腕は確かだよ」

 

カルデアの全員が信頼を寄せており、特に藤丸立香はお世話になっている。

本来ならば怪我や病気にならないのが一番だ。しかしこれからの旅路で怪我をしないというのは難しい。

その為、ナイチンゲールとアスクレピオスは己の腕をかけてどのような怪我や病気も必ず治すと決めている。

 

「まあ、頭痛はいずれ治したいわね」

 

今は頭痛よりも洛陽へだ。

 

「いつ行くのかな?」

「二日後に向かう予定よ。準備しておいて」

「了解した。しかし洛陽か」

「どうかしたの?」

「いや、実は仲間が1人洛陽に向かっているはずなんだ」

 

本来ならば魏まで一緒に向かうはずであったが勝手に1人で洛陽に向かってしまったのである。

 

「あら、そうなの」

「あの方は私では止められないからな」

(あの方?)

 

司馬懿(ライネス)が「あの方」なんて言い方をするのに気になった曹操。

まるで敬意を表しての言い方だ。過去に出会った彼女の仲間の中でそのような人物はいなかったはずである。

 

(私の知らない人かしら)

 

司馬懿(ライネス)が敬意を表している人物が気になるのは当然だ。

 

「どんな人なの?」

「そうだね。取り合えず会えば驚く」

「気になるわね」

 

まさかその人物が世界が違えど、始皇帝だなんて曹操は予想出来るはずがない。

 

「もしも彼が大人しくしてるなら探す必要があるけど…普通にしてたら目立つからすぐ見つかるよ」

「目立つのね」

「目立つ」

 

あの始皇帝が目立たないわけがない。

 

 

636

 

 

ある荒野にて2人の女性が力尽きようとしていた。

 

「七乃ぉ…」

「はい。七乃はここにいますよお嬢様」

「妾はもう駄目じゃ」

 

彼女たちは袁術と張勲。雪蓮たちにより建業を奪還され、追い出された後は再起を図ろうと動いていたが結局は上手くいかなかった。

それでも諦めずに努力していたが今回ばかりは駄目だと思ってしまった袁術。

荒野の真ん中で死ぬのは嫌だが張勲の腕の中で死ぬならば良いと思っている。

張勲は袁術が唯一信頼できる人間だ。だからこそ最後を看取ってもらいたいのである。

 

「七乃。妾が死んでも七乃は生きてたも」

「いいえ、お嬢様が死ぬのであれば私もご一緒します。私もそろそろ限界ですから」

 

張勲も命尽きようとしている。

 

「妾は素晴らしい臣下に恵まれたのじゃ。妾に勿体ないくらいの」

「私はお嬢様しかお仕えしません。来世もお嬢様にお仕えしたいです」

「七乃ぉ…」

「お嬢様」

 

2人は静かに目を閉じる。砂煙が巻き起こり、2人を包み込んだ。

 

「ふむ」

 

砂煙は巻き起これば、いずれは治まる。そして砂煙は治まった後に現れたのは真人であった。

 

「嘆かわしい事だ。こんな所で娘たちが行き倒れとはのう」

 

始皇帝は袁術と張勲を見つけるのであった。




読んでくださってありがとうございました。
次回の更新は未定。
今年であと1回は更新したい。そしてあとは頑張り次第。


633
華侖と柳琳の幕間を元に書きました。
そこに秦良玉を組み込んだ形です。華侖の行動に驚いたリャンさんでした。
柳琳が来なければ剥かれてましたね。


634
八傑衆の張白騎。
順調に魏の陳留へ進行中。
彼が于吉から貰った力はいずれ。


635
司馬懿(ライネス)と華琳。
洛陽へと行く事が決まりました。洛陽では色々と起きます。
そして華琳が離れた陳留でも。

華琳がFGOの始皇帝と会合したらどうなるか。
まあ、彼女でも始皇帝を見たらまず驚くでしょうね。
覇気のレベルが違う!!


636
始皇帝、行き倒れた袁術と張勲を発見。
次回から朕道中が始まります。
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