Fate/Grand Order 幻想創造大陸 『外史』 三国次元演義   作:ヨツバ

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こんにちは。
FGOのレディ・ライネスの事件簿をクリアしました。
バルバトス戦はちょっとしか参加できなかった…。狩るのが早いっ!!

追加エピソードも面白かったです。なかなか胸に来る話でした。
フェイカーをお迎えしたいっ(お迎えできてない作者)

次はバレンタインイベントが控えてます。今年はどんな物語になるやら。


さて、こっちの物語はタイトルで分かるように大きく動き出します。
曹操暗殺計画編が始まりました。


曹操暗殺計画 -歓待前日-

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洛陽に到着した曹操御一行。

 

「いきなり歓待を受けに行くのかい?」

「いいえ、歓待を受けるのは明日よ。今日はゆっくりしましょ」

 

陳留から洛陽までの旅路で疲労が溜まらないわけがない。

自動車も電車もない時代で、基本は徒歩か馬である。如何に現代が便利かを分からせてくれるものだ。

歓待は明日。それまで自由時間である。

 

「と言っても夕方だしね。食事して寝るだけだと思うけど」

「ふふ。夜なら夜で楽しみがあるでしょう?」

「楽しむなら荀彧殿で楽しんでくれ」

「華琳さまぁ」

 

頬を赤らめてうっとりした顔をしている。

 

「私は司馬懿と哪吒の2人とも仲良くなりたいわ」

 

誘惑の視線を送るが司馬懿(ライネス)も哪吒も跳ねのける。これが夏侯惇や荀彧なら一撃であったはずである。

曹操はカリスマがあり魅力がある。女性が惚れるのも分かる気がするのだ。

 

「華琳様」

「燈。出迎えありがとうね」

 

他愛のない話をしながら街並みを進んでいると陳珪が出迎えてくれた。

 

「洛陽までの旅路お疲れ様です」

「これくらい平気。問題なのは明日の歓待よ」

「ふふ。数刻くらいは我慢ですね」

 

陳珪は曹操よりも数日前から洛陽に到着していた。

先に洛陽に到着し、歓待をスムーズに進める為に準備をしていたのだ。

 

「今晩泊まる屋敷も手配されているから案内しますね」

「任せる」

「変なところじゃないでしょうね燈」

「桂花さんが怪しむような屋敷じゃないわよ」

 

今や曹操は魏の王。

変な屋敷に泊まらせようものなら不敬ものだ。それは荀彧だけでなく曹操も許さない。

王として曹操も不当な扱いをされてはいけないのだ。

 

「本当ならこっちから行くんじゃなくて朝廷の方から来るべきなのよ」

「いずれそうなるわ」

 

曹操が大陸の覇権を手に入れれば朝廷ですら口出しできない。

このような扱いが出来るのは今だけである。

 

「……いないか」

「いない」

 

キョロキョロと周囲を見ている司馬懿(ライネス)と哪吒。

 

「どうしたのよ?」

「いや、既に来ている仲間がいないかなって」

「仲間?」

「そういえば前に言ってたわね。仲間の1人が洛陽へ勝手に向かったって」

 

陳留では曹操に話している内容だ。

もう1人とは始皇帝の事だ。尤も曹操たちはその仲間の正体が始皇帝とは知らない。

 

「ああ。なんか騒ぎとか無さそうだから大人しくしてるのかな?」

「何で騒ぎが起こってる前提なのよ」

 

荀彧が呆れている。

 

「あの方は良くも悪くも目立つから」

「目立つって…」

 

司馬懿(ライネス)は通りがかりの人に声をかける。

 

「ちょっと聞きたいんだが…なんかどう見ても特別と思える人を見なかったか?」

「どんな人よそいつ」

「具体的に青々とキラキラした感じの人」

「そんなのがいれば嫌でも目立つじゃない」

 

司馬懿(ライネス)の質問に荀彧はツッコミを重ねていく。

 

「性別は朕だ」

「意味が分かんないんだけど!?」

 

性別が『朕』なのは司馬懿(ライネス)もよく分からない。

 

「う~ん。見てないか」

「あんな質問じゃ一般人も分からないでしょうが」

 

取り合えず始皇帝は洛陽で目立った行動をしていない事は分かった。

 

(始皇帝は調べものがしたいと言って洛陽に向かったはずだ。なら調べものができる場所にいるはず)

 

調べものと言えば大量の資料がある場所。

 

(まさか禁城に向かったとかじゃないよな…)

 

司馬懿(ライネス)の予想は的中だ。始皇帝と合流するのも近い。

 

 

651

 

 

曹操達は陳珪に案内された屋敷に到着。食事を済ませ、各々が自由時間を過ごす。

哪吒は始皇帝を探してくると出かけ、司馬懿(ライネス)は部屋でトリムマウの淹れたお茶を飲んでいた。

 

「歓待か。今さらながら私が出てもなあ」

 

曹操の知り合いであるが仕えては無い。そんな立場の者が朝廷からの歓待に護衛とはいえ出席とは微妙なものである。

前にも思っていたがそれなりに信頼されているのかもしれない。もしくは何かと都合が良い傭兵みたいなものとも思われているのかもしれない。

 

「……流石に都合が良い人材とは思われてないか」

 

マカロンをパクリ。

いくつマカロンを持っているんだと心の中の兄上がツッコミを入れた気がした司馬懿(ライネス)。

 

「当初の目的である八傑衆は秦良玉たちに任せるしかないかな」

 

現段階だと八傑衆からの襲撃は無い。攻め込んでくるのは分かっているがいつ来るか分からないともどかしいものだ。

八傑衆について考え事をしているとコンコンとノックされる。

 

「どうぞ」

「入るわよ」

 

部屋に入って来たのは荀彧であった。

 

「華琳とお楽しみ中だと思ってたけどね」

「それは後で……じゃなかった。いまは燈と話し中みたいなのよ」

(後でするんだ)

 

荀彧は後で楽しむようだ。

 

「で、どうした?」

「ちょっと妖術について聞きたくてね」

「意外だね。興味があるんだ」

「軍師としては必要ない知識だけど、個人的には興味あるわ」

 

妖術(魔術)に興味があるかどうかと言われれば「はい」と答える者は多いはずだ。

何故なら誰だって一度は妖術(魔術)を使えればと思う事があるはずである。

 

「妖術って誰でも使えるようになるの?」

「誰でもってわけじゃないが…まあ魔術回路があれば使えるよ」

 

司馬懿(ライネス)ざっくりと説明していく。

 

「まじゅつかいろ?」

「魔術を使うためにある神経みたいなものだ。それが荀彧殿の身体にあれば使えるよ」

「それって貴女なら分かる?」

「分かるけど」

 

荀彧に魔術回路があるかどうか確認してみる。

 

「普通にあった」

「へえ。私にもあるんだ」

 

そう言えばと思って雛里を思い出す。彼女も魔術を独学で開発していたのならば魔術回路があったという事である。

 

「なら私も妖術が使えるって事ね」

「そうなるね」

「なら、なんか教えてよ。自衛でも出来そうなの」

 

ちょっとお使いお願いレベルで言われるが教えたところで簡単に出来れば苦労はない。

 

「教えたところですぐに出来るとは思えないな。そもそも魔術回路があっても開かないと始まらないさ」

「開く?」

「ああ。魔術を…妖術を使う神経があってもそれは閉じている。普段は使われていない器官だ。それを任意で閉じる開く事が出来ないと始まらない」

「……そのまじゅつかいろってどうやって開くの?」

 

自分の中に魔術を使うの為の神経があると分かってもどうやって使うか分からない。

 

「開くやり方はいくつかあるさ。稀に性的興奮や自傷行為でしか開かない魔術回路もあるけどね」

「性的興奮…」

「何でそこを強調した」

 

勝手なイメージだが荀彧なら曹操との夜伽で魔術回路を開きそうである。

 

「もしも開ければ、後は特定のイメージ…想像を思い浮かべる形で魔術回路を切り替えられる様になる」

「ふーん。で、今すぐ私のまじゅつかいろとやらを開けないの?」

「方法はあるが…今やってもねえ。何かあったら明日に響くかもしれないよ?」

「うっ…それは華琳様に迷惑がかかりそうね」

 

自分よりも曹操が優先の荀彧にとって単純な興味から自分の身体を壊すわけにはいかない。

 

「それにしても急にどうして教えて欲しいんだ?」

「さっきも言ったけど自衛の為よ。明日は歓待だって言うけど何が起こるか分からないからね」

 

場所が場所なだけでに自衛できる準備はしておきたいという事だ。

何かあっても主人である曹操に迷惑をかけたくないという現れである。

 

「華琳思いだね。ま、そのおかげで私は面倒な時間を取られそうになったけど」

「言い方。でもいきなり妖術を教えろって私も今更ながらどうかと思ったけどね」

 

ため息を吐く荀彧。

 

「でも何か自衛できる準備はしておきたいのよ」

「何も用意してないのかい?」

「一応、懐には短剣とか仕込んでるけど…あとは真桜からもらったコレね」

 

机に置かれたの薄青色の袋が六つ。たぽんたぽんとしており、袋の中には何か液体が入っているのが分かった。

 

「何これ?」

「さあ?」

「貰った本人が分からないって、どうかと思う」

「しょうがないじゃない。真桜からは敵が来たら投げれば大丈夫って言ってたんだから!!」

 

取り合えず悪漢を撃退できる液体が入っている可能性がある。

 

「毒か何かでも入ってるのか?」

「こわっ」

「貰った本人だろう。ま、何が入っているか分からないというのは相手にとっても怖いものだ。いざという時には使えるだろう」

「そうね。もしも何かあったらコレを投げつけてやるわ」

(本当に何が入ってるんだろうね)

 

一方その頃、哪吒は外でぷよぷよ動く水銀を発見していた。

 

「水銀。始皇帝?」

 

 

652

 

 

お茶をズズズっと啜るは董承。

 

「明日には曹操の歓待か」

「計画通りに進むといいな」

 

ガブリと肉まんを頬張るは飛燕だ。もう既に何十個も食べており、胃袋が沼なのかと疑問に思う程である。

 

「この大喰らいめ」

「まあ。俺の中にいる奴のせいだな」

「貴様のなか?」

「こっちの話だ」

 

バクリとまた肉まんを食べる。

 

(妖魔ってのは大食いなのかもな)

 

いくらでも食べられる胃袋とは良いものか悪いものかは本人次第。

 

「計画の準備は完了しておる。あとは上手くいけばよし」

「上手く行くといいな」

「お主にも働いてもらうからな」

「分かってるって董承殿。ただ俺の出番がない事を祈るよ」

「そうなるほど曹操も甘くはないだろうが…いや、奴はここ最近の活躍から有頂天になっている。そういう時はどんな人間も隙を生むものだ」

 

どんな屈強な人間も、どんな天才な人間も、どんな英雄や王も油断した時こそが死への近道になってしまう。

歴史が証明しており、歴史に埋もれてしまった中にもあるものだ。現代であってもちょっとした油断が大きな事故を起こす。

 

「今の曹操が有頂天ねえ」

「どうした暗影殿?」

「いえ、確かに有頂天になってるかもね。と、私も思っただけよ」

 

髑髏仮面の暗影もお茶を啜っていた。

 

(私の時がそうだったしね。ま、この外史では少し時期がズレてるというか早いのかしら。私の時はまだ涼州は手に入れてなかったはずなんだけどねえ)

「暗影殿にも働いてもらうぞ」

「はいはい」

 

やる気なさそうに返事をする。

 

「曹操を殺し、魏も落とす」

「曹操を殺すのはいいが魏までも落とすのか。儂としては魏の領地を手に入れたいのだがな」

「食い散らかすのは陳留だけだ。曹操と陳留を落とせば他の領地は董承殿の好きにしてくれ」

 

完全に魏を潰す為には曹操を仕留め、陳留を潰せば滅びる。

 

「残党が残るだろうがそこは董承殿が上手く処理してくれ。俺の目的は曹操さえ殺せればいい。陳留に関しては仲間の張白騎が潰してくれる」

「魏を手に入れれば漢帝国はより大きくなる。いや、返してもらうの間違いだな。この大陸の領地はもともと漢帝国のものだ」

 

バキリと湯飲み茶碗を握力だけで割る。

年配でありながら力が衰えていない証拠である。誰かが「もったいない」と呟いたが董承は気にもしない。

 

「明日だ。明日で漢帝国の再興の第一歩となるのだ」




読んでくれてありがとうございました。
次回の更新は1週間~2週間以内を考えております。

曹操暗殺計画編。
今回は始まりの前日みたいなものです。タイトルにも前日って書いてますしね。
次回でよりおおきく物語は展開されていきます。


650~651
曹操たち洛陽に到着。
歓待を受けるまで自由時間です。

司馬懿(ライネス)たちは始皇帝を探そうと一般人に聞くけど情報を得られず。
普通に始皇帝が洛陽を歩いていればまず目立つでしょうね。噂にならないはずがない。
あとで哪吒はぷよぷよ動く水銀を発見したけどそれは一体。

荀彧(桂花)の持ってた水色の袋。アレは天下統一伝で荀彧が攻撃で投げていた物です。
この物語では真桜が造ったものになってます。

この物語では恋姫キャラたちに魔術回路がある設定にしております。
天下統一伝では恋姫キャラたちがどうみても魔術や宝具並みの攻撃をしてますからね。
恋姫原作では『気の運用』があるので魔術(妖術)が使えてもおかしくないでしょう。


652
董承サイド。
曹操暗殺計画の準備は完了。
どのような物語が展開されるかは次回からですのでゆっくりとお待ちくださいね。

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