Fate/Grand Order 幻想創造大陸 『外史』 三国次元演義 作:ヨツバ
FGOバレンタインイベントの物語面白かったですね!!
バゼットとマナナンのコンビも良いです。
そしてクーフーリンやアンリマユと再会もなんだか感慨深いです。
バレンタインチョコの受け取り、渡しストーリーも良きです。
妖精国組はニヤニヤが止まらん。どうやらカルデアではエンジョイしているようです。
オベロンのイベントでは2つも用意されているとは…彼も豪華だ。
立香とオベロンの会話のやり取りが遠慮なくて面白かったです。
チョコを渡すというかぶん投げたようにも見えましたけどね。
さて、前書きが長くなりそうなのでここまで。
こっちの本編ではまだまだ解決はしなさそうです。
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曹操に密着している骸骨仮面の怪人。
音もなく、気配もなく近づき密着したのである。これには曹操も顔を驚愕させていた。
「い、いつの間に」
「簡単に近づけたわよ?」
曹操たちの意識と警戒は飛燕に向けられていた。
そこに気配を消し、音も立てずに歩けば簡単に接触出来るというわけだ。
誰でも出来るというわけではないが骸骨仮面の怪人は可能だったというだけである。
「どんな時も周囲を警戒しないと危ないわよ?」
「あ、貴女は誰」
「私が誰かなんてどうでもいいでしょ?」
完全に密着されて曹操は不用意に動けない。
「ふふ、綺麗な顔。私は可愛くて綺麗な子には目がないの」
「…なんだか貴女とは気が合いそうね」
「でしょうね。でも貴女を褒めるのは自画自賛よね」
「どういう?」
自画自賛とは自分を褒める事だ。
曹操を褒めたら何故、自画自賛になるのか理解できない。自画自賛の意味をそのまま使っているのならば骸骨仮面の怪人は曹操だと言っているようなものである。
「も、孟徳様から離れなさい!!」
荀彧が一喝すると骸骨仮面の怪人の視線がギュルンと向く。
「あら」
「な、なによ」
「可愛い子」
「え?」
骸骨仮面の怪人は瞬時に荀彧へと密着した。
「きゃあ!?」
(速い…!?)
身体能力も高いのか一瞬で曹操と荀彧の間を詰めていた。
「怯える顔も可愛いわ」
荀彧の顔をススっと指でさする。
「ふふ」
「ああ…」
荀彧は頬を赤くする。
(そ、そんな…私が華琳様以外にこんな事をされてドキドキしてる?)
荀彧にとってこのような事をされて興奮するのは曹操だけだ。わけも分からない人間にされて喜ぶはずがない。
寧ろ嫌悪感が走るはずなのに心がドキドキして興奮してしまう。
「可愛い子。私が気持ちよくさせてあげましょうか?」
「な、何を言って」
「私に委ねなさい」
「ああ…わ、私には華琳様が」
頬をより紅潮させてしまう。
「私の桂花を離しなさいよ」
「んん?」
武器を構えた曹操。
「彼女は私のよ。勝手に触らないで」
「華琳様!!」
「すぐに助けてあげるわ桂花」
チャキリと絶という名の鎌を骸骨仮面の怪人に向ける。
「おい暗影。さっき近づいた時に曹操を殺せただろが。なぜ殺さなかった」
「そんなの私の勝手よ。それに曹操を殺すのは貴方の役目でしょ」
「ちっ」
骸骨仮面の怪人は改め暗影が曹操をその場で殺せば終わりのはずだったのだ。
(確かに。あのわけの分からない奴に救われたかもしれないわね)
冷や汗の垂らす曹操。
「司馬懿、哪吒。そっちは任せたわよ。こっちは私がやるから」
(あいつ…孫権オルタや関羽オルタと同じ気配がするな)
曹操が相手をして勝てるか如何か。
彼女も戦えるのは官渡の戦いで知っている。しかし暗影の実力が孫権(暗影)と同等ならば厳しくなる。
「交给我(任せて) ボク1人でやる」
「任せたよ」
警戒しながら司馬懿(ライネス)は曹操の援護に向かう。
「あんた1人で俺を倒せるのか?」
「倒す」
「やってみろ!!」
哪吒と飛燕が距離を詰め、己の武器を振った。
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暗影は荀彧の頬をスリスリしながら曹操を見ている。
「ふふ。ねえ曹孟徳この子ちょうだい?」
「あげるわけないでしょうが」
(ああ…華琳様が心配してくださっている)
このような状況であるが心の中で少しだけ嬉しい荀彧であった。
「手助けにきたよ」
「向こうは大丈夫なの?」
「ええ。哪吒殿は強いからね」
哪吒の強さは誰もが認めている。
「あら。そっちの娘も好み」
暗影が司馬懿(ライネス)をジットリと見る。
「あいつ曹操殿にそっくりな気がする」
「私あんなんじゃないわよ」
「私も似ていると思いますよ」
「燈もまで」
((似ている))
暗影と曹操は似ている。
体型や髪形も同じであり、声も似ている。趣味もまた似ていた。
異なる部分があるとすれば肌の色くらいである。
「そっちの娘いいわね。凄く好み。ここらでは見ない美しさだわ」
「あげないわよ。司馬懿(ライネス)は私のになる予定なんだから」
「なる予定はないんだけど」
「ちょうだい」
「あげない。桂花も返しなさい」
「2人とも無視しないでほしいんだけど」
本当に似ている。
「ふふ」
暗影は荀彧から名残惜しく離れる。
「ま、貰えないわよね。こういう時は簡単よ。誰もが、どの時代であれ、欲しいものがあれば力をもって手に入れるもの」
チャキっと鎌を構える。
「首狩り鎌」
曹操と同じ武器。形と名前は禍々しいが武器まで同じとなると妙な感じである。
「ちょっと遊んであげるわ。私が勝ったら可愛い子たち貰うからね」
「勝っても負けてもあげないわよ」
「ふふ。じゃあ行くわよ」
床を蹴る音が響いた時には暗影は曹操の間合いに入り込んでいた。
首狩り鎌を振り上げて、名前の通り首を狙っているのが分かる。
(やっぱり速い!?)
「トリムマウ」
首が切断させる前にトリムマウが割り込み、防ぐ。
「華琳様。無事ですか!?」
「無事よ燈。司馬懿に助けられたわ」
暗影の鎌捌きとトリムマウの攻撃が打ち合いが始まる。
「美しいだけじゃなくて強いなんて…もっと欲しくなっちゃうわね」
「褒めてるって事でいいんだよね?」
「もちろん」
司馬懿は手を交差させるとトリムマウは腕を変化させる。
水銀の槌、鞭、刃を駆使して攻めていく。怒涛の攻めであるが暗影も首狩り鎌で応戦していく。
「それそれそれ!!」
(素早いだけじゃない。鎌の使い方も上手い…グレイと同じくらいか?)
暗影は首狩り鎌を気持ちよく思い切り振ってくる。喰らえば簡単に切断されてしまう。
首と言わず胴体も真っ二つになる。
(素早く動いて一刀両断か。まずは動きを止めないと)
素早く、複雑に動く暗影に狙いを定めるのは難しい。
どうすればいいかと考えれば動きを止めるだけだ。
「止めるのが難しいなら邪魔をすればいい。トリムマウ」
『はい』
トリムマウは水銀の球体に変化した瞬間に全方向に触手が伸びだした。
会場中に水銀のジャングルジムが出来上がる。
「あっと」
「これなら動きづらいだろう。少しでも触れれば…まあ、想像に任せるよ」
「ふぅん」
暗影は指で水銀に触ると針が出て貫いた。
ポタっと血が垂れる。
「これは怖いわね」
「前に君の仲間と戦った。頑丈だったから再戦する事を予測して前より強化しているよ」
「2人のどっちかしら。ま、いいわ。そっちが強化したっていうなら私も強化すればいいしね」
「なんだって?」
「ふふ」
暗影の服が変化していく。
「霊基再臨…のようなものか?」
紫と黒を基調としたドレスのように変化した。
大胆にも胸から腹部の布地が存在せず、乳房とヘソの箇所は鱗の様な薄い装甲が張られている。更に装飾品として紫ハートの飾りが沢山付けている。
まるで何処かの高貴な令嬢さも感じる。しかし一番に目を釘付けにするものがある。
「なんだアレは」
暗影の腰部から何か巨大な爪のような骨が六枚羽の様に突き出ているのだ。
まるで蜘蛛の足のように床に突き刺すと暗影の身体が浮く。
「仕切り直しね」
六枚羽の爪を蜘蛛の足のように動かして水銀のジャングルジムを潰していく。
「トリムマウ。あいつに集中攻撃しろ!!」
水銀の針が暗影に向かって突き出されるが六枚羽の爪を乱雑に動かして潰していく。
「そっちいくわよ」
「あぶなっ!?」
水銀のジャングルジムを潰しながらの突進を即座に反応。
曹操と陳珪、荀彧も一緒にトリムマウが抱えて回避する。
「戻れトリムマウ。平気かい曹操殿、陳珪殿、荀彧殿」
「貴女のお陰でね」
「私も平気よ」
カツンカツンと六枚羽の爪が床を突き立てながら司馬懿(ライネス)たちに近づく。
「この爪面白いでしょ?」
「便利そうではあるよ」
「それにしても彼女たちまで助けなくても良かったのに。彼女たちは可愛くて綺麗だから傷つける事はしなかったわよ。曹孟徳以外は」
戦っている司馬懿(ライネス)は彼女が本気でない事を感じている。理由は戦いの中で殺気を感じないからだ。
最初に言っていたように遊んでいるレベル。
「首狩り鎌に六本の爪。手数が増えたわよ。どうやって遊ぶ?」
「私もやるわ」
「曹操殿」
「やっと曹孟徳も遊んでくれるのね」
ニンマリと口元を歪ませる暗影。
「無茶しないでくれよ曹操殿」
「分かってるわよ」
「それ」
四本の爪が伸びて司馬懿(ライネス)と曹操を襲う。
カツンカツンと残り二本の爪を足のように動かして跳び込む。
「この!!」
「やったな!!」
「あはは!!」
水銀、鎌、六本の爪がぶつかり合う。
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暗影が遊んでいる横では飛燕と哪吒は激戦を繰り広げており、火尖鎗と如意棒が何度も打ち合われていた。
「やるじゃねえか!!」
「せい!!」
哪吒は戦いながら飛燕の実力を分析していく。
力は相当強く、動作も非常に敏捷。如意棒を自由自在に操る。
「伸びろ如意棒!!」
「回避」
「この棒は良いだろう。なんせいくらでも伸びるからな。それはそっちの間合いをいくらでも侵す事が出来るってわけだ!!」
力の限り殴り飛ばして間合いをとった飛燕は遠くから如意棒を伸ばす。
素早く伸ばしては引っ込め、伸ばしては引っ込めながら突く。哪吒は全て回避していくが怒涛の突きで攻撃に移れない。
遠くから離れた箇所からの攻撃というのは脅威だ。どの時代も飛び道具がとは恐れられているのは安全の箇所から敵を殺すことが出来るからだ。
飛び道具は進化し続ける。矢、投擲、銃、大砲とどんどん殺傷能力が高くなっていくのが証拠だ。
「尤も如意棒は飛び道具じゃないけどな」
哪吒は回避を続ける。
「このまま手足も出ずに殺されるがいい!!」
「む」
ただ回避を続けるだけではない、哪吒は次の一手を既に打っている。
よく見れば哪吒の腕から乾坤圏が消えていた。
「なぐぉっ!?」
乾坤圏が真上から飛燕の頭に直撃する。
「首取った!!」
風火輪をジェット噴射して飛燕の懐に入り、火尖鎗を振るう。
「おーーっと」
火尖鎗が飛燕の首に届かなかった。
間違いなく届く間合いであったのに届かなかったのは飛燕の首が伸びていたからだ。
グニョンと伸びて火尖鎗から避けたのである。まるでろくろ首。
「おらあ!!」
「くっ!!」
「どうだこの首すげーだろ。俺も最初は動揺したけどよ」
グネグネと首が動きながら元に戻る。
「100尺も伸ばせるぞ。前やったら仲間に引かれたけど」
伸ばしっぱなしでは弱点になるが凶器から首を守る際に伸ばせる利点もあるのだ。
「こんな事も出来るぞ」
手を広げると空気中の水分が集まっていき、水玉がいくつも出来る。
「俺の中に埋め込まれた妖魔は水にまつわるらしいからな。こういう事も出来るぜ」
水玉の砲弾が撃たれていく。
「打ち払う!!」
「水玉程度じゃダメか。なら質量で押し潰してやるぜ!!」
ぶくぶくと大きな水玉が生成されていく。
「乾坤圏!!」
両腕から発射された乾坤圏が大きな水玉をかき乱し、破裂させる。
「あ、てめ。せっかく集めたのに」
「せい!!」
「ちっ!!」
火尖鎗を如意棒で防ぐ。
未だに決め手が無く、決着はつかない。
「む」
本当ならば決着をつける事ができるが今は不可能だ。哪吒が力不足というわけではなく、この場の問題である。
「やるな。でもさっさと殺して曹操を殺さないといけないんだ。暗影のやつは遊んでいるが俺は遊んでいる暇ねえ」
如意棒を伸ばす。
「……ん?」
「別反応」
飛燕と哪吒は互いを警戒しながら視線を曹操たちの方に向ける。
「こういう事もあるんだな。流石に驚いたぞ…俺の計画にねえし」
読んでくれてありがとうございました。
次回の更新は2週間~1週間の間予定です。
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暗影はけっこう好き勝手動きます。
公式では彼女の覇道は大陸中の美女を手に入れる事なので可愛い娘には目がないって事にしております。
流石の華琳も暗影の登場には驚きました。
華琳を驚かせる人物は恋姫世界では少ないでしょうね。
(筆頭は貂蝉)
暗影(曹操)
彼女の腰には骨だか爪が6本あります。モーションでも伸びたりしていたので、この物語では蜘蛛の脚のように動かせる設定にしました。
アイアンスパイダーマンみたいな感じですね。
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哪吒対飛燕
こっちは真面目に戦ってます。
飛燕に埋め込まれている妖魔はまだ内緒。
ですが、本編では色々とヒントが出てます。
首が100尺伸び、水にまつわる。力持ちで素早い。そして孫悟空ではないですけど、もしかしたら関係があったりする。
最後に何か起きたようですがそれは次回にて。
曹操暗殺計画編はまだまだ急展開が起きます。