Fate/Grand Order 幻想創造大陸 『外史』 三国次元演義   作:ヨツバ

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こんにちは。
ついに3月10日で恋姫の天下統一伝がサービス終了ですね。なんだか寂しいです。
様々な衣装の恋姫たちが出てくるのは楽しみの1つでした。
更に天下統一伝に出てくるオリジナルキャラとか興味が尽きなかったです。

天下統一伝サービス終了。
お疲れ様でした。そしてありがとうございました。


曹操暗殺計画 -暗殺は失敗に終わる-

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剣や槍が届かない張白騎をどう攻略すればよいか。よくよく考えれば簡単であった。

ただ武器が届かないだけならば武器を使わずに倒せばいい。そんな事が出来るのかと聞かれれば出来る者はいるのだ。

 

「俺を殴りやがったな!!」

 

槍を乱雑に振り回すが楽進は冷静に避ける。

 

「そんな槍に私は当たらない!!」

「生意気な!!」

 

槍を掻い潜り、拳を連続で放つ。

 

「ぐわ!?」

 

全ての拳が当たる。楽進の猛撃は止まらない。

 

「はああああああああ!!」

 

気を練り上げ、必殺の技を繰り出す。

 

「活殺・轟衝拳!!」

 

気を身体から放出。両手に炎雷が如き気を纏わせて連撃を繰り出し、トドメに勢いよく両拳を叩き込み衝撃波を喰らわせた。

 

「これで終わりだ!!」

 

張白騎は楽進の拳に沈められた。

 

「うごぉぉぉ…な、なんいう重い拳」

 

もうなにも動けず、手も足も出ない。

 

「だが鬼どもが…」

「鬼の大群も倒しているぞ」

「なっ…!?」

 

信じられないと張白騎は戦場を見たが鬼たちは全て倒されていた。

 

「ば、馬鹿な。いつの間に!?」

「殲滅完了」

 

気が付けば項羽が戻ってきていた。

 

「ま、まさかお前だけで…」

「否。帰還した魏軍と共に殲滅した」

 

そう言う項羽であるがほぼ彼が殲滅した。まさに一騎当千であったのだ。

帰還した魏軍たちは「なんですかアレ!?」や「怪物たちを倒してるから敵ではないようだが…」や「急いで戻ってきた意味ないやん!?」とか騒いでいたそうだ。

カッコよく駆けつけたのにほぼ項羽が鬼たちを倒したというのだからなんとも締まらない。

 

「こ、この化け物め」

 

もはや生き残っているのは張白騎のみ。その本人も楽進の必殺の拳に沈んだ。

 

「まだだ。俺はぁあああ!!」

 

最後の力を振り絞って槍を振ろうとするが楽進の拳の方が早かった。

 

「この戦。我ら魏軍の勝ちだ」

「お、俺はむ、無敵なのに…」

 

今度こそ完全に倒れる。

八傑衆の張白騎及び鬼の大群は殲滅された。魏軍の防衛戦勝利である。

 

「た、助かったぁ~」

 

へなへなっと李典は地面に座り込む。

 

「大丈夫ですか?」

「な、なんとかな」

 

秦良玉は李典に近づく。戦争が終わった安心感はとても深い。

 

「グガ…」

 

倒れた鬼が呻いた。

 

「うわっ!?」

 

ズザザっと座ったまま倒れた鬼から離れる李典。

秦良玉は槍を構えて呻いた鬼を見る。

 

「ア……アリ…ガ……ト」

「え?」

 

鬼は何かを喋ってこと切れた。

 

(……ありがとう?)

 

聞き間違えでなければ鬼は「ありがとう」と言ったのだ。

こればかりは意味が分からなかった。しかし秦良玉は聞き間違いだと判断した。

 

 

685

 

 

曹操達がいる会場の扉から現れたのは圧倒的な覇気を纏った存在。

正体はカルデアで召喚された始皇帝である。

 

「だ、誰?」

 

曹操は始皇帝に釘付けだ。

彼女が人生で出会った中で一番の覇気を纏った存在であるからだ。自分自身は元より孫堅や孫策、劉備よりも格上だと理解してしまった。

あのような人間が存在するとは到底信じられなかった。

 

「凄い水浸しだな。そもそも扉を開けたらめっちゃ水が出てきたしのう」

 

曹操だけでなく、荀彧や陳珪もまた釘付けである。敵である飛燕もまた圧倒的な覇気に動きを止めていた。

 

「む、注目されているな」

「陛下…何処に行ってたんですか」

 

開口一番は司馬懿(ライネス)である。

 

「おお、軍師。お主もここにおったか」

(え、陛下?)

 

司馬懿(ライネス)が陛下と言った。この事から彼は特別な存在なのは確かだ。

そもそも特別でなければ、これほどの覇気と王の風格は醸し出せない。

 

「ナイスタイミングですよ。しかしよくここが分かりましたね」

「まあ、哪吒に付けた朕の水銀のおかけで場所は分かっていたからな」

 

哪吒の頭にヒョイっと小さな水銀の塊が飛び出して始皇帝の元に戻る。

 

「何やら事件を解決していたようだな」

「まだ解決してません」

「いや、もう解決だ。のう哪吒太子よ」

 

始皇帝の覇気で全員が動きを止めていた。敵も味方も全員だ。

隙だらけであるからこそ先に動いた者が勝つ。

 

「決着!!」

 

一番最初に動いたのは哪吒である。

動きを止めていた飛燕に向かって飛び、力の限り天上へと蹴り上げる。

 

「ぐおっ、てめ!?」

「上昇!!」

 

そのまま飛燕に突撃し、天井をぶち抜き、空高く上昇した。

 

「始皇帝!!」

「分かっておる」

 

哪吒が始皇帝に声をかけ、何をすればいいか理解させる。

 

「そら」

 

仙術を発動し、哪吒と飛燕を中心に円柱型の結界が張られた。

 

「これで周囲に被害はないから存分にやれ。どうやらそいつの中に埋め込まれている妖魔はなかなか強そうであるからな」

 

哪吒は空高く飛燕を打ち上げ、今度は蹴り落とす。

 

「て、てめえ。俺を高い所から地上に叩き落とす算段だな!!」

「否」

 

哪吒は魔力を全開にする。

 

「宝具開放!!」

 

彼女を中心に蓮の花が咲く。

 

「桃園仙術式目、三魂飛んで七魄霧散。これ即ち火尖槍炎上!!」

「なっ、なんだありゃあ!?」

 

風火輪の超加速で空に駆け上がり、文字通り火尖槍と一体となった哪吒が飛燕に向かって落ちてくる。

このままでは貫かれると理解した飛燕は何重にも水の壁を生成する。

 

「無駄!!」

 

水の壁を貫く。

 

「まずい。こうなったら完全変化をーー」

「遅い!!」

「お、俺がこんなとこでっうぐぅおわあああっ!?」

 

妖魔完全変化をさせる前に飛燕を貫き、地上へと勢いよく叩き落す。

落下したと同時に円柱の結界内で大きな爆発が起こり、空まで火柱が立ち昇るのであった。

 

「結界をしていなかったらここら一帯消し飛んでいたな」

 

飛燕は強力な妖魔を宿しているため手加減して勝てるほど弱くはない。

哪吒はこの外史世界にいる英霊の中でも高火力を持っている英霊の一騎だ。高火力を持っているという事はむやみやたらに力を解放すれば周囲を破壊してしまう。

ここは屋内であり、仲間たちがいる。哪吒が最初から本気で戦っていたら仲間たちにも危険を晒していたかもしれなかったのだ。

宝具の威力を見れば誰でも理解できるはずだ。

 

「敵 討伐完了」

 

結界が消え、炎も消え、哪吒が無事に姿を現す。

今ここに曹操暗殺計画の失敗が証明されたのであった。

 

 

686

 

 

廊下を駆ける音が響く。

 

「華琳様ご無事ですかーー!!」

 

壊れた扉から勢いよく飛び込んできたのは夏侯惇である。後ろから続くは許緒や曹洪、魏の兵士たち。

 

「華琳さ…ま?」

 

戦闘があったと分かりやすいほどの部屋に入るとよく分からない光景が広がっていた。

 

「これってどういう状況なんですの?」

 

曹洪が首を傾ける。

 

「わからん…しかし華琳様が無事なのは分かった」

 

どんな光景が広がっていると聞かれれば曹操が水銀と圧倒的な覇気を纏った仙人と向かい合っている状況だ。

 

「まず、助けてくれた事に感謝するわ」

「うむ。気にするな」

 

彼の出現は曹操たちを混乱させたが助けになったのは確かである。最悪の未来だと彼が現れなかったら全員が溺死していたかもしれないのだ。

命の恩人でもあるが、それよりも曹操は彼の正体の方が気になるのだ。それは荀彧や陳珪も同じ気持ちである。

何度も見ても目の前の人物からは圧倒的な覇気を放っている。同じ人間かどうか疑いたくなる程だ。

 

(こ、この方は一体…多くの人を見てきたけどこのような方は初めてだわ)

(嘘でしょ…そんな、華琳様よりも…い、いや。そんなはずないわ。華琳様の方が上に決まってる!!)

(上には上がいる……でも流石に規格外過ぎでしょ。何をどうすればここまでに至るのかしら)

 

3人は似たような事を思っていた。

彼女たちが始皇帝の覇気に圧されるのは仕方がない。彼は人の究極にまで至った存在である。

曹操だけでなく、他の人間も始皇帝に出会えば覇気で圧されてしまうはずだ。過去最高の皇帝に出会えば誰だって萎縮はしてしまう。

 

「いきなりだけど貴方は一体誰?」

 

始皇帝の覇気に負けまいと曹操は覇気を放つ。

 

「ほう」

 

始皇帝は覇気を押し返してくる曹操を面白く思った。カルデア以外で張り合ってくる者は少ないからこそだ。

 

(この人は一体…いえ、負けるわけには)

 

会話のやり取りから司馬懿(ライネス)の仲間だというのは理解している。しかし本当に只者ではないとビシビシと伝わってくるからこそ何者か知らないといけないのだ。

今の大陸で王の資質を持つ者は曹操を除いて孫策と劉備くらいだと思っていた。しかし目の前の人物は全員を凌駕しているのだ。

曹操にとってそれが悔しくてたまらなかった。自惚れていたわけではないが自分こそが現大陸で王に一番近い存在だと自負していたのだから。

 

「朕か?」

 

自分の事を「朕」と言った。その言葉は皇帝しか許せない呼称だ。

ここで司馬懿(ライネス)は「あー」という感じに手で顔を覆う。これから説明が大変というか混乱が増すだろうと未来予測してしまったのだ。

 

「三皇を超越し、五帝を凌駕せし覇者。それこそが始皇帝。即ち朕である!!」

「は?」

 

劉備(桃香)たちは大声で驚いたが曹操は「何言ってんの?」という反応をみせた。

荀彧や陳珪たちも似たような反応である。

 

「ちょ、何を言ってんのあんた!?」

 

荀彧は全員の気持ちを代弁した。

 

「朕、始皇帝だぞ」

「あー…説明が大変だ」

 

司馬懿(ライネス)は片手で顔を覆った。

これからどうやって説明して曹操たちを理解してもらうかが難問である。

 

(そういえばあの骸骨仮面……たぶん彼女のオルタだろうけど、どこ行った?)

 

気が付けば暗影は消えていた。どさくさに紛れて逃げたようである。

 

「あーあ。まさかあそこで別世界の始皇帝が現れるなんて本当に予想外だわ。董承が怪物になったよりも予想外だわ」

 

遠くの洛陽を見るのは暗影。

 

「それにしても凄い覇気だったわ。どの世界であっても始皇帝ってのは規格外ばかりなのかしらね?」

 

片手でポーンっと真上に投げてもう片方の手で受け止めるのは宝珠だ。

 

「曹操暗殺計画は失敗したけど私の任務は完了ね」

 

腰から伸ばしている爪を収納する。

 

「久しぶりに遊べて楽しかったわね。残念なのはもう少し可愛い子たちと戯れたかったこと。いえ、持ち帰りしたかったわねぇ」

 

手に持った宝珠を見ながら彼女は何かを詠唱する。そして己の身体の中に埋め込み隠した。

 

「よし。これで誰も分からないでしょ。女カ様もね」

 

骸骨仮面を外す。

 

「これって蒸れるのよねえ」

 

暗影の素顔は曹操とうり二つであった。

 

 




読んでくださってありがとうございました。
次回の更新は未定です。

今回の話で八傑衆(魏)編もとい曹操暗殺計画編が終了です。
八傑衆編が本当に長かったなあ。まさか約1年掛かろうとは…。
次回はついに曹操たちと始皇帝と項羽との話になります。


684
張白騎を倒すは凪ちゃんでした。
彼の能力を考えた時にすぐ凪ちゃんが思いつきました。

活殺・轟衝拳
これも天下統一伝の技になります。
恋姫流の殺劇舞荒拳みたいなものですね。

項羽様がほぼ鬼たちを殲滅。
せっかく秋蘭たちが戻ってきたのに。でもしょうがない項羽様だから。
ぐっちゃんパイセンだって納得してくれるはず。
がっつりと活躍シーンはありませんでしたが彼の活躍は別にて。
今回は単純に彼1人でほぼ鬼を殲滅したという結果を知らしめたという感じです。

裏設定で分岐があったりします。
項羽が来なくとも魏の援軍により鬼たちは倒され、張白騎も凪ちゃんに倒されます。
ですが曹純たち4人は殺されてました。
項羽様が動いたのは曹純たちを救うためです。特に李典(真桜)を助けねば、この物語ではのちのち大きく響く事になります。
項羽様はそれを見越して動いたというのが今回の活躍にもなります。

1体の鬼がお礼を言う。
その鬼はまだ理性が少しだけ残っていた。正体が人間であったというものでした。


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始皇帝が注目を浴びますが活躍は哪吒です。
宝具を発動するために始皇帝が手助けしたような形になりました。
哪吒の宝具は演出を見るにどう見ても高火力。室内で発動したらとんでもないっす。

作中では語りませんでしたが八傑衆の飛燕に宿っていた妖怪は「無支奇」。
その逸話から西遊記の孫悟空のモデルの1つではないかと言われています。

ロード・エルメロイⅡ世の冒険でも登場人物として「ムシキ」というお方がいますね。
彼女の容姿と名は無支奇に由来しているそうです。恐ろしく強いようですね。
またもパワーインフレが…。


686
始皇帝の覇気に圧倒される曹操達。
これもしょうがないと思います。だって相手は世界統一して2千年も生きた皇帝ですから。
曹操だけでなく、他の偉人たちだって圧倒されると思います。
でも曹操もとい華琳ちゃんは負けじと覇気を纏います。
恋姫世界でも華琳ちゃんは誰にも負けない覇気があるのですから。
次回からは色々と説明が大変です。てか、更に項羽まで出てくるので華琳ちゃんの頭痛が再発しそうです。

最後に暗影。
既にバレバレというか正体は語られていますが曹操(暗影)です。
元々の彼女の目的は宝珠。ちゃっかりと洛陽でゲットしました。
色々と彼女も動いています。
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