Fate/Grand Order 幻想創造大陸 『外史』 三国次元演義   作:ヨツバ

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こんにちは。

FGOでは水怪クライシスが配信されてますね。
微姉妹可愛いですね。妹のシスコンぷりはカストルにも負けないくらいの強さでした。
もしも2人が会合したらどうなるやら。
そして今だに配布鯖が不明のまま…これは気になります!!

それにしても…今回の舞台である亀島が水着イベントの無人島のようにどんどんと発展していきますね。
私は和と中華の文化が混ざった島になっています。


さて、此方の物語は陳留の日常編を終えて次に進みます。
本当はあと2話くらい陳留での日常を書こうかと思ってましたけど本編を進める事にしました。
今回は新たな物語へと進むフラグを仕込むような話になっていきます。


陳留をまた出る

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陳留での滞在が数日過ぎた。

藤丸立香と司馬懿(ライネス)たちの情報交換も終わった事で一旦、蜀に戻る事となったのだ。

八傑衆との戦いは終わった。その報告を蜀の成都にいるメンバーにも伝えねばならないからだ。

 

「もう出るのね藤丸」

「はい。お世話になりました」

「たぶん、またお世話になると思うけどね」

「その時は歓迎するわ司馬懿」

 

此度の陳留の滞在は短かったが中身は中々に濃かった。理由としてはやはり、始皇帝、項羽、虞美人たちのおかげである。

曹操は久方ぶりに退屈しない以上の日常を味わえたのだ。時には想像を超えるような事もあったので宇宙猫状態になったりもしたが。

 

「次に来る時はまた驚きの人物とか増えていそうね。劉邦だったり、太公望だったり」

「ははは」

「いえ、自分でも何言っているのかしら…」

 

それがフラグである。

 

「いややーー!!」

 

泣き叫ぶは李典。

 

「ウチはまだ項羽はんと離れとうないーーー!!」

「こらっ、項羽様に近づくな!!」

「もぉ真桜ちゃん我慢するの」

「大人しくしろ真桜」

 

楽進の当て身。

 

「うぐ!?」

「ナイスよ」

「え。あ、はい?」

 

虞美人に褒められキョトンとした楽進であった。

項羽が陳留から出ると聞いて李典は泣いたが、いずれ再会する事を願って我慢する事にした李典。

彼との出会いで彼女は様々な絡繰りへの熱意が燃え上がり、より技術レベルが上がったのは当然だ。

 

「次に会う時こそウチは項羽はんの身体を隅々まで調べるんや!!」

「その時は私がお前の息の音を止めるわ」

 

目が本気なのが怖い虞美人である。

 

「ほんと真桜は項羽にベタぼれね」

 

あれほどまで強い意志を出す李典を見るのは初めてである。しかしおかげで彼女の向上心が上がるのであれば止めはしない。

 

「始皇帝よ。次に会う時はより成長した私を見せてあげるわ」

「面白い事を言うではないか。ま、覚えておく」

「返しが軽いわね…まだ私はその程度ってことか。でも今の内よ」

 

曹操は大陸の覇王となる。そして歴代の皇帝を超える事を意味する。

ならば始皇帝すら超えてみせるというのが曹操の気概である。

 

「またお会いしましょう藤丸さん」

「また会おうっすー。次は負けないっすよー燕青っち」

「はい曹純さん、曹仁さん。って負けないってなに?」

「ああ。ちょっと勝負してたんだよ主。結構筋がいいぞ」

「いつの間に」

 

各々、別れといずれ再会する事を口にしていく。

 

「じゃあ。また会いましょう」

「ええ。またね」

 

藤丸立香たちが手を振りながら陳留を出ていくのであった。

 

「騒がしくも退屈の無い日だったわね」

 

藤丸立香たちが居なくなってしまった事で日常に物足りなくなる感覚があるが元の日常に戻るだけだ。

彼女は藤丸立香たちが見えなくなるまで見送った。

 

「さて、準備をしましょう。戦の準備をね」

 

近いうちに戦争する事になる。それは曹操自身が感じ取っていた事であり、決めていた事であった。

 

「まずは呉よ。待っていなさい孫策」

 

魏と呉の戦いが始まる。

 

「華琳様」

「どうしたの秋蘭。もう藤丸たちは出てしまったわよ?」

「はい。別れは済ませていますので大丈夫です。実は報告です」

「何かしら?」

「魏の領土にある村が1つ壊滅したと報告があがっております」

「何ですって…首謀者は?」

「五胡です」

「まさか動いたのか」

 

これから呉と戦争をしようかと思った矢先に五胡が動いたのであれば目頭を抑えたくなる。

 

「侵攻しているの?」

「いえ、1つの村を滅ぼしただけのようです。それ以上の侵攻はありません」

(ただの略奪かしら。いえ、そんなはずは…調査が必要ね)

 

今まで動かなかった五胡。それがいきなり魏領の村1つを滅ぼしたのであれば原因・理由が知りたいというのは当然だ。

彼女はすぐさま調査隊を編成するように夏侯淵に指示をする。

 

「場所は?」

「さいはての村と言われているところです」

 

 

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五胡にて。

 

「暗影3人。ただいま戻りました」

「よくぞ戻ってきましたね。関羽、孫権、曹操」

 

暗影3人は女神の前に跪く。彼女たちは現大陸の三国の王と言われる3人とは微妙に違う。

 

「面をあげなさい。楽にすることも許します」

 

女神の許しにより暗影3人は楽にする。

 

「我らが女神、女カ様。報告です」

 

女神と言われる女カに関羽(暗影)は宝珠を1つ手渡す。

 

「我ら3人。残り3つの宝珠を探しましたが1つしか発見できませんでした」

「そうですか」

 

宝珠を受け取ると強く光り輝く。

 

「また本来の力を取り戻す事が出来ました。流石は貴女たちですね」

 

女カからより強い力が滲み出る。この時点で暗影3人を軽く超えている。

 

(これで完全体で無いのだから底が知れないわ)

 

興味深く女カを観察する曹操(暗影)。

 

「曹操。本当に洛陽では宝珠が無かったのか?」

「ええ。無かったわよ関羽」

 

曹操(暗影)が宝珠を探した場所は洛陽。

 

「そもそも八傑衆の作戦を手伝わされたのよ。宝珠も無い。作戦も失敗。完全にくたびれ損だったわ」

 

ヤレヤレといった感じで顔を振る。

 

(でも、可愛い子と遊べたのは楽しかったけどね)

 

心の中でペロリと舌を出す。

 

「大陸全域を探しましたが残り2つが不明です。申し訳ございません」

「貴女たち3人がこれだけ探しても見つからないなんて…本当にどこまで転がっていったのかしら」

「転がって行ったって…」

「ただの比喩よ孫権」

 

軽く笑う女カ。

 

「大陸全域と言いましたがまだ探していない箇所があるかもしれません。この後も捜索を続けます」

「いえ。休暇を取りなさい」

「よいのですか?」

「ええ。貴女たちには長いあいだ宝珠の捜索ばかりさせていましたからね。休暇も必要でしょう」

 

まさかの休暇宣言にポカンとする関羽(暗影)と孫権(暗影)。曹操(暗影)は「ふーん」といった顔。

 

「残り宝珠の捜索はわたくしも参加します」

「「「え」」」

「何ですか。その、えって言うのは」

「「「意外だったので」」」

「意外でも何でもありません。普通です」

 

女カが玉座から立ち上がる。

 

「宝珠が5個戻ってきたおかげでわたくしもようやく動けるようになりました。ずっと篭りっぱなしだったので、わたくしも外に出たいのですよ」

「外に出たいだけですか」

「ずっと屋敷の中にいるのは気が滅入るもの」

 

ニコリと妖艶に笑う女カ。

 

「実際に長い間待っていると精神的にも肉体的にも悪いわ。そのせいで五胡の王はしびれを切らして動いてしまいましたから」

「彼が動いただと?」

「大丈夫ですよ孫権。すぐに呼び戻しました。まあ、攻めた場所が場所だったのですけれど」

 

五胡の王が勝手に動いた事に怒りは無い。

 

「わたくしも気分転換に外に出ますので貴女たち3人はある程度自由にしていていいですよ」

「では、お言葉に甘えて休ませてもらうわ」

「おい曹操」

「女カ様が休んで良いって言っているだし、良いのよ」

 

休みは大切だ。働きっぱなしは肉体的にも精神的にも悪いものだ。

 

「曹操の言う通りよ。関羽、孫権休みなさい」

「では…休ませてもらいます」

 

女カは音もなく歩いて屋敷を出ていった。

 

「外に出るとか言ったけど何処まで行くのかしら…」

「分からん。曹操はどう思う…ってもう居ない」

 

気が付けば曹操(暗影)は消えていた。

 

「休めと言われてもね」

「休む方法はそれぞれだ。それに女カ様はある程度自由にしていいと言った。ならある程度好きにさせてもらう」

「そうね」

 

2人も屋敷を出ていくのであった。

 

 

698

 

 

曹操暗殺計画と鬼による陳留攻めは失敗した。曹操は危機を乗り切ったのである。

これは八傑衆の任務失敗を意味する。三国を陥落させるはずが全て返り討ちされたのだ。

この外史世界は蜀ルートの道を辿っているが八傑衆の暗躍は本来ありえないものであった。しかし三国は乗り越え、勝利した。

外史世界に大きな歪は起こらずに済んだのである。

 

「ったく、八傑衆の誰も三国を陥落させられなかったか。国を崩す力を手に入れておきながら…使えん奴らだ」

 

悪態をついたのは左慈。

 

「まだ八傑衆は全滅してませんよ。あと1人残ってます」

「浮雲だったか。そいつだけでどうにか出来るのか?」

「ええ。彼の力も国を落とせる力がありますから」

 

于吉はお茶を優雅に淹れて左慈に出す。

 

「ですが彼にはまだ待機してもらいます。彼が動く時期がありますから」

「時期」

「ええ。この外史は蜀ルートですが変化はしています」

 

彼らがいる外史世界は蜀ルートの世界。しかし于吉たちの暗躍によって変化しているのだ。

 

「私が頑張って呉で暗躍した結果ですよ」

 

この外史世界は蜀ルートに呉ルートが混じっているのだ。

 

「呉ルートが混じった事で蜀ルートで起きなかった出来事が起きるようになりましたからね」

 

更に本来では発生しない事も起きている。それこそ董承が実行した曹操暗殺計画だ。

 

「そうなると…ああ」

 

何の時期かを理解した左慈。

 

「呉と魏の戦争か」

「はい。あの戦争は呉にとってターニングポイントでもありますからね」

 

于吉も自分の淹れたお茶を飲む。

 

「浮雲が活躍してもらうのはその後です」

「戦争自体には何もしないのか?」

「考え中です」

 

月餅を齧る左慈。

 

「あの戦争でどっちが勝とうがどうでもいいですからね。重要なのは孫策が死ぬかどうかです」

「そうか」

 

様々な外史世界を観測している于吉は魏と呉の戦争で一連の流れと結果を知っている。

于吉が狙っているのは孫策の死だ。

 

「孫策が死ねばこの外史もまた次の段階に進みますからね」

「そうなれば呉も次の世代へと進む。そして丁度、国は不安定な時か」

「ええ。孫堅から孫策へと代替わりした時期も不安定でしたが、孫策から孫権へと代替わりした時の方がもっと不安定ですから」

「孫権は精神が弱いからな」

「はい。まあ、乗り越えれば彼女の精神は強くなりますけどね」

 

パクリと杏仁豆腐を食べる。

 

「私の狙いは呉がもっとも不安定な時期に攻め込む事です」

「なるほどな……机に色々と菓子を置き過ぎだ」

「美味しいですよ?」

 

机いっぱいに置かれている菓子を見るだけで胃がもたれそうになる。

 

「それまで動かないのか?」

「そうですねぇ…五胡が本格的に動く時期じゃないですし、あの白波三鬼衆を動かす必要もない。鬼の武将はあの塔を建設中。特にやる事ないですね」

 

時が経てば魏と呉の戦争は起こるのだから裏で扇動する必要は無い。

五胡の勢力は来る時まで準備をしている。于吉たちにとって今は待機してるだけである。

 

「まあ…五胡の王はしびれを切らして動いちゃいましたけどね」

「それで俺ら2人で回収しに行く羽目になったからな」

 

おかわりの月餅を齧る左慈。

 

「待機するだけなら休暇を取ってもいいんじゃないですか?」

「休暇?」

「ええ。暗影たちは休暇を貰ってある程度自由にするそうですから。女神も息抜きという名目で外に出てますし」

「女神は何処に行った?」

「さあ?」

 

女神が何を考えているか分からない。

 

「……なら俺も少し遊んでくる」

「何処に行くんですか?」

「蜀の方にある別荘で絵でも描いてゆっくりするさ」

 

椅子から立ち上がる左慈。

 

「ついでにコレの試運転をしてみるか」

「ああ。女カの作ったソレですか。そっくりですよね」

 

2人の目の前にいる人物はある人物と瓜二つであった。

 

「眼は虚ろだな」

「所詮は泥人形ですし」

 

 

699

 

 

少女は走る。走るというよりは逃げるというのが正しいのかもしれない。

特に目的地があるわけでもなくがむしゃらに逃げる。元居た場所から出来るだけ離れたかった。

 

(何も出来なかった…)

 

逃げる最中で少女が思うのは自分が住む村の事と村人。

少女が逃げている理由は村が滅ぼされたからだ。容赦なく村人たちが殺される光景が頭から離れない。

首謀者は五胡だ。前触れもなく現れて村人たちをただ殺し、村を壊滅させた。略奪などではなく村人を殺すのが目的であったようにも思えた。

少女1人だけが唯一の生き残りだ。

 

(………あの人)

 

容赦なく殺される村人たちの中で少女はある五胡の人間を見た。間違いなく襲ってきた五胡のリーダー格であり、圧倒的な存在感を放っていた。

恐怖の感情が身体を支配するが何故か懐かしいという感覚もあったのだ。それがよく分からなかった。

 

(みんなを殺した人なのに…何でだろう)

 

少女は天涯孤独の身であり親は生まれた時に死んでしまったと村人たちが言っていた。

何故か自分の生い立ちを急に思い出した。

 

(何で思い出したんだろう)

 

ずっと走りっぱなしで息が切れてきた。喉も渇く。

脚を止めて息を整える。

 

「はあ、はあ、はあ……ん?」

 

何処からか綺麗な音色が聞こえてくる。

 

「この音色はもしかして月琴?」

 

恐る恐る月琴の音色が聞こえる方向へと足を歩めた。

 

「あの人たちは?」

 

少女がこっそりと覗く先には焚火を囲う者たちが3人いた。

女性が2人に男性が1人だ。

 

「魚は焼けたかのう?」

「まだです。もっと火を強める事はできませんか道士殿」

「出来ますけどこれ以上強めると魚が焦げますよ。魚を焼くときはじっくりとです」

 

雰囲気から悪い人間ではないのかもしれないと感じられた。

 

(いや…なんかあの男の人は胡散臭いけど)

 

流麗な中華服に身を包んだにこやかな笑顔と涼しげな振る舞いのうさんくさい美青年、というのが少女の感想。

 

「焼けました」

「いただこうかの」

 

もぐもぐと焼き魚を食べる月琴を弾いていた女性。

幼いが言動から一番年長に感じられ、容姿と中身が異なるようにも見えた。そして何処か不思議な雰囲気も醸し出している。

 

(隣の女性は真面目な人っぽく見える)

 

サイドテールの髪型をしており、真面目一徹のようにも見えた。

胡散臭い男と不思議な女の子と真面目な女性という分からないな組み合わせだ。

 

(どういう人たち?)

 

気が付けば少女は謎の3人組から目が離せなかった。そのせいで背後から近づく存在に気付けなかったのだ。

 

「モモモ」

「きゃあ!?」

 

背後には謎の動物が居た。

 

「おや。少女を脅かしちゃだめですよ」

「やはり彼女と出会ってしまったか。私がこの外史にいるということはそういう事だからのう」

 

月琴の音色が響いた。




読んでくれてありがとうございました。
最近は1週間で更新しますけど次回の更新も2週間後の予定をしています。
次回は蜀に戻る話です。まあ、報告会みたいな話になると思います。


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いつもの別れと再会を約束しての話でした。
前書きにも書いたようにあと2話くらいは陳留の日常を書こうと思ってました。
曹洪や許緒との日常編とかです。それはまたの機会になるかもしれませんね。

そして最後に出てきた「さいはての村」。
これは知っている読者いればどのような展開になるか予想できるかもしれません。


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五胡側というか女神側。
気が付けば宝珠が5個揃っている状況。これがどういう事かはまだ内緒。
まあ、曹操(暗影)が「まだ完全体でない」と言っている時点で察する事ができるかもですが。

残り2つの宝珠は何処にあるのか。
まあ1つの在り処は210話で分かってますけどね。そして残り1つは…これも内緒。

女カは息抜きという名目で動く。暗影3人はまさかの休暇。
女カは5章中盤の何処かで活躍する予定です。


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左慈と于吉は優雅に飲茶中。
彼らの話から左慈は蜀のある別荘?に休暇しに行く事になりました。
そして女カが作ったという泥人形。これは天下統一伝をプレイしていた人たちにすぐに分かっちゃいますね。


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『彼』がちょこっと登場。やっぱこの物語で活躍させたいので!!
いつ活躍は内緒。正直に言うと物語をまた再構成中なので。
早ければ5章の中盤で活躍予定です。

そして残り3人の女性たちについて。
様々な恋姫シリーズを知ってる読者ならば正体が分かるかもしれませんね。
ちょっとオリジナル要素もあるかもしれませんが彼女たち3人はオリキャラではありません。



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