Fate/Grand Order 幻想創造大陸 『外史』 三国次元演義   作:ヨツバ

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こんにちは。

FGO×マンわかのコラボイベントが始まりましたね。
物語もどんどん進んでおり、これからのリヨ鯖たちの活躍がどうなるか気になります!!

Sバニヤン+α、アニングに大黒天の使い。
どれも良いキャラです。この中で私はアニングが好きですね。


そして気が付けば真・恋姫†英雄譚4 ~乙女耀乱 三国志演義[呉]のOPがUPされてました。新たな呉の物語が楽しみです。
炎蓮たちが活躍した時代…祭や粋怜たちの出会いの話もあって、そちらも気になりますね。

HPにある画像一覧にも気になるものがあったりと興味が尽きません。
親子だから当たり前なんですけど、三姉妹の中で炎蓮と特に似ていたのは蓮華みたいですね。


侍女物語-お試しメイド体験記-

703

 

 

侍女、メイド、女中、女官などなど。

これらは似たような職業でありながらも異なる職業である。しかし現代日本からしてみれば纏めて『メイド』のようなものとして認知されつつある。

萌えの象徴となったメイド。およそ1990年代後半以降に日本がメイドブームを作り出した。今でもメイド萌えは続いているのだから凄いものだ。当時はもっと凄かったはずだ。

 

本来のメイドを間違って認識しているが『メイド』イコール『萌え』という認知は藤丸立香と北郷一刀にも刷り込まれている。

昔はとても大変な仕事であるが昔は昔。今は萌えの象徴としての側面も付与された職業である。

 

「メイドって良いよな」

「同意だよ北郷」

 

メイドの良さを語る男2人。

 

「ここではメイドって言うか侍女だけどな。正確には違うんだけど…俺らからしてしてみれば同じように見える」

 

萌え文化の影響である。そもそも美花や月たちが来ている侍女服がメイド服寄りだからこそメイドだと思ってしまうのだ。

これが中華風の侍女服ならばメイドではなく侍女だと認識していたかもしれない。

 

「男ならメイドからご主人様と呼ばれるのが夢の1つだよな」

「もう叶ってるじゃないか北郷」

「うん」

 

無理やり呼ばせているわけではない。相手から呼んでもらえているのだ。気が付けば蜀のツートップの立場であるがゆえだ。

北郷一刀としてはトップなんて柄ではないが、桃香を支えるという事は真剣である。

 

「藤丸はマスターとか、主とか呼ばれてるけどご主人様とか呼ばれてないのか?」

「呼ばれてるね。ご主人って」

 

タマモキャットや紅閻魔たちだ。

 

「カルデアのメイドといえばタマモキャットとアルトリアオルタだね」

「メイドの英霊もいるんだ」

「いや、メイドの英霊じゃないよ。正確にはメイドの恰好をした英霊」

 

玉藻の前とアーサー王がメイドとは誰も思いつかないはずだ。しかし萌え文化は予想しない事を軽く超えてくるものである。

 

「玉藻の前とアーサー王がメイド。見てみたいな」

「アルトリアオルタは正確には水着メイド」

「すっげえ気になるんだけど!!」

「タマモキャットは最終的に裸エプロンになる」

「マジかよ!?」

 

タマモキャットの第三再臨姿を最初見た時は顔を真っ赤にしたものである。タマモキャット自身も「我ながらサービスしすぎなのだな」と言ったほどである。

一応やりすぎの自認と羞恥心はあるらしい。

 

「そんなんで戦ったら大丈夫なのか。裸エプロンで戦ったら色々と見えるだろ」

「それが大丈夫なんだ。鉄壁で絶妙に見えないんだよ」

 

タマモキャットのガードは完璧である。しかしマイルームでは鉄壁が緩む場合もあるらしいがそれは藤丸立香のみ知る。

 

「聞けば聞く程カルデアっていう組織は凄いな。俺も一度行ってみたいよ」

 

カルデアは歴史解明の宝庫だ。歴史家たちが絶対に行きたい場所でもある。

 

「てか、タマモキャットって狐なのか猫なのか?」

「ワンって言っているし犬成分も入ってる」

「属性過多すぎるぞ」

 

それがタマモキャットである。

 

「でも猫か」

「ネコミミメイドも良いよね」

「流石は藤丸。分かってくれたか」

 

ネコミミメイドも良いものだ。

 

「ネズミメイドもいいよね」

「ネズミメイドか…うん、悪くない」

 

ネズミメイドも良い。

 

「やっぱメイドは良いよな~」

「男はメイドが好きだからね」

「メイドは完全で瀟洒で大人の女性って言われてもいるしな」

「メイドに奉仕されるのが男の夢の1つだしね」

 

男の勝手な欲望である。しかし2人のこの会話から大きな物語へと発展するなんて誰も思わなかった。

 

「メイド……ご主人様からの言い方から侍女って意味だよね」

「侍女が大人の女性。確かに美花ちゃんは大人の女性だもんね」

「ほほう。侍女に奉仕されるのが好きなのか。それに裸えぷろんとはなんだ?」

「あとで司馬懿ちゃんに聞いてみようかしら?」

「猫耳の侍女?」

 

メイドもとい侍女の物語が始まる。

 

 

704

 

 

華雄。

彼女は漢の元将軍だ。反董卓連合で敗走したあとは行方不明になっていた。

実は大陸中を旅してまわっており、修行していたのだ。今度こそ誰にも負けないために厳しい修行していたら蜀の領地にある村へ到着した。

その村では疫病が流行っており、何故か若い男ばかりが感染するという不思議な疫病であったのだ。一宿一飯の恩を返す為に医者の華佗を探しに行った事で彼女はまさかの再会を果たしたのである。

 

疫病を撲滅した後は村もとい蜀から出ようとしたが再会した月に引き留められたのだ。

蜀には同僚たちがおり、もう会えないかと思ったが再会できて笑みが溢れたほどである。しかし天子姉妹までいる事は驚いたものである。

 

「霞だけがいないのか」

「霞さんは魏にいるよ」

 

よくよく考えれば『劉』備の元に華雄たちが集まるのは不思議な縁でもある。

華雄は月に引き留められて蜀に滞在した。客将扱いとして歓待されていたが月と桃香の話合いで正式に蜀の将にしようと動いているのだ。

華雄としては蜀の将になるつもりはなかったが月たちに頼まれてしまうと断れなくなってしまう。色々と考えた結果、蜀の将になるのも悪くないと考えて受け入れる事にしたのである。

 

了承した事により華雄を正式に将へと所属した。肩書は蜀の将であるがいきなり1つの軍を任されてはいない。

将の経験があるからといって部隊をすぐ与えられるわけがない。もしも与えたとしても兵士たちが言う事を聞くかと言われれば首を縦に振れないからだ。

必要なのは将としての威厳と実力。そして信頼である。楼杏や風鈴の時もそうだった。しかし2人の人格と経験より兵士たちの心をガシっと掴んだのだ。

 

華雄は猪突猛進なんて言われるが将の力は本物で洛陽にいた時代ですら彼女の部隊の信頼の強さは一番であったのだ。彼女もまた人の心を掴むのが上手い。

彼女はまず鍛錬を兵士たちと行った。一緒に鍛錬する事で連帯感をつくるためである。結果は成功し、楼杏たちよりも兵士の心を掴んだのである。

楼杏曰く「華雄は小難しく考えてないわ。良い意味で単純なのよ。それが羨ましいわ」との事だ。

兵士の信頼は得たので後は軍を編成するだけである。

 

「その軍を編成中だからまだ華雄は待機してもらうしかないわ」

「分かってる。それくらい待つ。それまで兵士たちと鍛錬すればいい」

 

詠の説明に華雄は頷く。

 

「しかし」

「しかし?」

「兵士たちと鍛錬して待つと言っているのに何故、私は侍女の恰好をしているのだ!!」

 

今の華雄の恰好は侍女姿であった。ただの侍女服でなく色々とアレンジされたメイド服とも言える。

胸元が開いた真っ白なフリルレースメイド服。胸元のレースとフリル付きコルセットと袖裏のレースを黒地で彩り、黒いメイドカチェーシャにハート型を中心とした紫宝石を散りばめられている。

輪っかから伸びるベルトの紐先にもハート宝石が付けられており、黒タイツに黒ピンヒール。更に宝石を下げた首輪まで付けていた。スリットから覗くガーターベルトの足が妙に色っぽい。

 

「ぷくく…似合ってるわよ」

「笑うな詠!!」

「笑っちゃ駄目だよ詠ちゃん。華雄さんとても似合ってますよ」

 

月は本当に華雄の侍女姿が似合っていると思っている。だからこそ華雄は月に対して強く言い返せない。

 

「馬子にも衣装だな」

「どういう意味よ李書文?」

「どんな人でも外見をよくすることによって立派に見えるという意味だ」

「今の華雄にピッタリね。この場合は可愛く見えるってところかしら」

「五月蠅いぞ2人!!」

 

指をビシィっと指した。

実は李書文と華雄は鍛錬という勝負をしていたのだが月と詠たちに連れられていったのだ。帰って来た時には侍女姿になっていた。

ついポソリと「馬子にも衣裳」と言ってしまったのである。

 

「いやいや。似合ってるよ華雄」

「うん。似合ってるよ華雄さん」

 

北郷一刀と藤丸立香も褒める。

 

「うぐ…貴様らまで」

 

普段の華雄のイメージとは大分違うが似合っているのは確かである。

 

「アンタが侍女姿なのは侍女の仕事をしてもらうからよ」

「私は武将だぞ!?」

「でもまだ軍も持たない名ばかりの将でしょ。本格的に軍隊を持つまで暇でしょうから侍女の仕事を手伝いなさい」

 

正式に蜀に所属し、将となって軍隊も持つことは決定したばかりだ。決定しただけでまだ軍隊を持っていない。

先ほども言っていたように今は待つしかないのである。

 

「待ってるだけなんてさせないわよ。他にも仕事をさせるから」

「兵士たちと鍛錬すると言っているだろう。新兵の訓練だってする」

「訓練する役目は楼杏たちだってやってるわ。華雄だけが全て担ってないでしょうが」

「それはそうだが…」

「訓練もしてもらうけど空いた時間は侍女の仕事をしてもらうからね」

「ぐぬう…」

「ずっと侍女の仕事をやれって言っているわけじゃないわ。正式に決まるまでよ。それくらいいいでしょ」

 

雑務仕事をしてくれる人材は多ければ助かるものだ。

 

「それでも私に侍女の仕事をさせるとか…自分で言うのもなんだが逆に仕事を増やすと思うぞ?」

「大丈夫。ボクと月が教えてあげるわ」

「逃げれんか」

「サボるとか許さないからね。あの傾や瑞姫だってやってるんだから」

「それに関しては驚いたぞ」

 

まさか元大将軍と空丹の后が侍女の仕事をしていたのは意外であったのだ。

 

「ボクと月まで侍女の仕事をしてるんだからね」

「恋はやってないだろうが」

「恋が出来ると思ってるの?」

「………すまん」

 

何故か謝罪してしまった。

 

「腹を括るか」

「括ってちょうだい」

 

これから華雄のメイド体験記が始まる。

 

「ところであのメイド服のデザインは北郷?」

「イエス」

「良い仕事したな」

「そう言ってくれると嬉しいぜ」

 

ガッシリと握手する2人であった。

 

 

705

 

 

メイド体験その1。

 

「まずは洗濯からですね」

「洗濯か。水で洗って干すだけだろう。それくらいなら出来る」

「いえ。洗濯にもちゃんとやり方があるんですよ」

 

月と藤丸立香が水の入った洗濯桶を持ってきた。何故か全員分用意されている。

 

「せっかくだから全員で洗濯しましょ。アンタら2人も手伝いなさい」

 

北郷一刀と李書文も洗濯を手伝う事になった。洗濯物が多い時は人手が多い方がいいのが当たり前だ。

 

「ま、よかろう」

「俺もいいぞ。見てるだけってのもな」

 

全員がメイド体験する事になった。

 

「水の入った洗濯桶に衣類を浸けてください」

「浸けたぞ」

「上から手で優しく押しながら洗ってください。 20回くらい押したり持ち上げたりを繰り返して洗うのがいいですよ」

「面倒だな」

「洗濯は丁寧さが大事なんですよ」

 

手洗いとなればより丁寧さが求められる。雑にやってしまえば衣類を痛めてしまうからだ。

 

「実際に手洗いで洗濯するって大変だな」

「そうだね。文明の利器がどれほど便利だと分からされるよ」

 

北郷一刀と藤丸立香は洗濯と言えば洗濯機しか思いつかない。

汚れた服を洗剤と一緒に洗濯機に入れてスイッチを押せば終わりであったのだ。

技術の進歩はとても偉大であり、昔の人間の苦労さも味わえた。

 

「次は水を変えて回すすいでください」

「こら華雄ちゃんとやりなさいよ」

「ちゃんとやっているぞ詠」

 

李書文も黙々と洗濯してくれていた。

 

「洗い終わりましたか?」

「終わったよ月」

 

全員が衣類の手洗いが終わる。次に行うのは干す事だ。

 

「洗濯物は空気に触れる面が広いほど早く乾くんですよ」

 

月は分かりやすく洗濯物を干していく。言うより見せた方が早いからだ。

干していく時は洗濯物と洗濯物の間はなるべくあけ、風の通り道を作ることがコツである。

 

「勉強になるね」

「ああ」

「華雄もちゃんと真似して覚えてね」

「分かってる」

 

華雄たちも同じように干していく。

 

「干す前にも大事なことがありますよ。それは干す時に洗濯物をしっかり振る事です」

 

月は洗濯物を両手で持ってバッサバッサと大きく振る。

洗濯物をしっかり振ることで衣類についている水分が落ちて乾きやすくなるのだ。干し終わった後に衣服のシワ防止でもある。

 

「形が整うので干しやすく、きれいに干せて乾いた後も畳みやすくなるんです」

 

絡み合っていた繊維がほぐれて立ち上がり、表面積も広がって乾いた後にふわふわになるのである。

シワだらけの服よりもふわふわの服を着るの一番だ。

 

「本当に勉強になる」

「だな。男の1人暮らしなんて洗濯機にぶち込んで、適当に干すだけだからな」

 

現代に生きる者でも洗濯物の干し方は勉強になる。

 

「よし。全て干し終わったぞ」

「よくできました華雄さん」

 

洗濯物を洗って、綺麗に干す事が出来るとスッキリした気持ちなるものだ。

 

「じゃあ次の仕事を教えますね」

「まだあるのか!?」

「侍女の仕事ってたくさんあるのよ」

 

洗濯だけが侍女の仕事ではない。

 

「儂もまだ手伝うのか?」

「逃がさないわよ李書文」

 

家事全般の仕事は人が多いほど楽になるのだ。

 

メイド体験その2。

 

「次はお掃除です。お掃除と言っても場所によって様々ですので今回はお部屋にしようかと思います」

「部屋か。ならあの部屋が丁度よいかもしれん」

 

李書文(槍)が顎に手を添えて考える。

 

「あー…あの部屋ね」

「まだ散らかってるだろな」

 

藤丸立香と北郷一刀もすぐに理解した。

 

「あの部屋って何よ」

「どんちゃん騒ぎした部屋」

 

部屋飲みという事だ。

 

「うわぁ」

 

どんちゃん騒ぎした部屋を開けた瞬間に詠は何とも言えない声を出した。

彼女の気持ちは分からなくもない。部屋の中には空の酒壺やらが散らかっており、酔い潰れた者共が倒れている。

倒れているのは荊軻、燕青、星、桔梗であった。

 

「昨日は飲んでいたんだよね」

「ああ。あれに付いて行くのは俺には無理だ」

「アレについていかんでいい」

 

藤丸立香と北郷一刀、李書文(槍)もまた参加していた。参加といってもこの3人はお目付け役みたいなものである。

尤も吞兵衛たちのお目付け役なんて出来るわけもなく、彼女たちは酔い潰れてしまったわけであるが。

 

「北郷は星と桔梗さんに酒を口に流し込まれてたね。服も脱がされそうになってた」

「そういう藤丸は荊軻に頭を押さえつけられて膝枕されてたな」

 

吞兵衛たちの弄り対象にされていた2人であった。

 

「大丈夫だったの?」

「うん。最後は李書文が部屋から連れ出してくれたから」

「まあ、だからアンタらがここに居るのよね」

 

最後まで一緒にいたら今頃この部屋で仲良く倒れていたはずである。

 

「まったくどんな飲み方したらこんな風になるのよ」

「聞くか?」

「聞かない」

 

李書文が説明をしようとするが詠は手で制した。

 

「だ、大丈夫ですか。荊軻さん、星さん」

 

声をかけるが「うう~」と呻く声しか返ってこない。

 

「んあ…主たちじゃねえか。どした」

 

目が覚めた燕青。

 

「部屋の掃除に来たんだよ燕青」

「なぁるほど」

 

部屋の惨状を見て納得したようである。

 

「起きたばっかりだけどみんなを起こすの手伝ってくれないかな」

「いいぞ。まあ、起こすより部屋を移動させた方がいいなコレ」

 

燕青はけだるそうに荊軻たちを抱える。

 

「じゃあ連れてくわー」

「介抱お願い燕青」

 

大人の女性3人を軽々しく抱えて部屋を出ていくのであった。

 

「ほぉ。なかなか鍛え上げられた肉体だな」

 

燕青の筋力に関心する華雄。侍女の仕事よりも彼と戦いたいという欲が出てしまう。

 

「李書文よ。このままこっそり抜け出して奴と戦わないか?」

「後ろを見ろ華雄」

「こっそり抜け出すとかさせないからね」

 

詠がジト目で華雄を貫く。

 

「うっ」

「あの警戒から抜け出すことができるのならばよいぞ」

 

詠からは逃げられない華雄。

 

「では、部屋の掃除を始めますね」

 

部屋は空の酒壺やら小料理の皿やらが散らかっている状況だ。

まず必要なものと処分するものを分ける事から始めるのが大事。

 

「捨てる物と捨てない物を決めましょう」

「床に散らかっているものから優先して片付けてよね」

 

テキパキと散らかった物を片付けていく。

 

「次は床や机にこぼれた汚れを綺麗に拭きましょう」

 

水拭きからの乾拭きの流れが理想である。

汚れたものが綺麗になっていくのは心がスッキリするものだ。

 

「大体片付いたな」

「次は寝具の掃除をしましょう」

 

寝具(ベッド)の下は部屋の中でも特に埃などが溜まりやすい場所だ。

まずは寝具の上の埃などを取り除く事から始めるのがよい。次に寝具の下の埃などを掃除する。

 

「掃除は上から下の順ですよ」

「勉強になる」

「また掃除は、埃が舞い上がりにくい朝や夕方がいいんですよ」

 

ちょっとした豆知識。

部屋の掃除の仕方を覚えるのは大事なことだ。掃除をしなければ汚れていくのは当然である。

特に1人暮らしをする者ならばより覚えるべきだ。

 

「せっかくですから次は衣服の片づけも覚えましょう。侍女の仕事では主人の衣服を管理するのも含まれてますから」

 

衣服の片付け方としてよく着る服とあまり着ない服を分類する。

あまり着ない服から、傷みが酷いものやもう着る機会がなさそうなものを取り出して、不要と判断したものから処分していくのがよい。

 

「衣服は思入れがあったりとしますからね。勝手に処分する事は出来ません。主人によく着る服と着ない服を確認する場合もありますね」

「中にはどんどん買ってどんどん捨てる場合もあるけどね」

「それ天子姉妹?」

 

漢帝国のツートップであった空丹と白湯。

着る服は当然決められている。次々に威厳があり、新しい服が揃われていく。皇帝ならば衣服が多いのは当然である。

 

「皇室は何かと入用なのよ」

「分からないでもない」

 

皇帝が様々な煌びやかな服を着るのは威厳を魅せるのと財力を知らしめるという目的もあるのだ。

ただ贅沢をしているというわけではない。

 

「次は書物の片づけもしてみましょうか」

 

書物の片付け方としては昔購入したが今は読んでいない本は思い切って捨てるのが一番だ。現代であるならば古本屋などで売ったりするのが良い。

貴重な本や気に入っている本だけを本棚に綺麗に収納していくのが一番だ。

書物はかさばるため、部屋が片付かない原因の1つになることが多い。読んでいない書物は思い切って手放す勇気を出すべきだ。

 

「本…まあ、俺の場合は漫画だけど。たくさん買っては部屋を埋めてしまってたな」

「分かる分かる。本棚に入りきらなくなるよね」

 

最近は電子書物になってかさばらなくなったがそれでも書物が、紙で作られた本が良いと言う者は多い。

カルデアでは紫式部があたる。

 

「片付いたな」

 

李書文(槍)は肩を回す仕草をした。

 

「こんなのは私の仕事じゃないぞ」

「でも今は侍女なんだから文句言わない」

 

文句を言いながらも仕事をする華雄であった。

 

「しかし腹が減ったな」

「もうお昼ですもんね。そろそろ昼食にしましょうか」

 

メイド体験その3。

 

「では昼食を作りましょうか」

「待て待て」

「どうしたのよ華雄?」

「いや、昼飯だろ。何で私が作らんといかんのだ!?」

 

ズビシっと指さす。

 

「飯を作るのは侍女の仕事じゃないだろ。厨房の仕事のはずだ。うん。今度は私の言い分が合ってるだろ!!」

 

華雄の言っている事は正しい。

料理を作るのは厨房を預かる者の仕事だ。侍女が厨房を預かっていたら料理人の面子が無い。

 

「確かにそうですね」

「なら…」

「でも侍女も料理くらい作りますよ」

「え」

「侍女も料理を作ります。いえ、正確には料理人さんの補佐をするというのが正しいですね」

 

畑や薬草園で野菜を収穫、野菜の皮むきなどの料理の下ごしらえ。食器や調理器具の清掃、調味料や調理器具の用意などが挙げられる。

料理人の補佐をし、鍛え上げられた場合は料理人に転職も出来る。

 

「本当なのか…」

「はい。侍女のお仕事って大変なんですよ」

「侍女の仕事を舐めてた…」

 

外史世界の侍女はメイドやら家政婦やらごっちゃになっているような気がするが気にしない藤丸立香と北郷一刀。

外史世界でなくとも正史の侍女やメイドの仕事は実際に大変だ。現代では萌えの象徴になっているが昔は本当に辛い仕事とも言われている。

 

「まあ、侍女が作るのは簡単な料理くらいでいいと思います。主人が小腹を空かした時すぐに作れる料理が一番ですから」

「月は料理人顔負けの料理を作れるけどな」

「そうなんだ」

「美味かったぞ」

 

月の料理の腕は達人級だ。実際に食べた北郷一刀は嘘を付くはずがない。

彼女ならば料理人として転職しても成功するはずである。

 

「食べてみたいな」

 

月の腕はカルデア料理人たちと競えれるか気になる所である。藤丸立香の舌はカルデア料理人たちのおかげで肥えているのだ。

 

「立香さんが食べたいなら…その、私作ります」

「ありがと!!」

「頑張りますね」

 

気合が入った月。

 

「なんだ月が作ってくれるのか」

「せっかくですので華雄さんも作りましょう」

「ええ…」

「嫌な顔しないの華雄」

 

グチグチと文句を言いながら手を洗う華雄。料理を作る者は清潔を心掛けるのが大切だ。

 

「何を作るんだ。凝った料理なんぞ作りたくないぞ?」

「炒飯なんてどうでしょうか?」

「「「炒飯」」」

 

炒飯。

お米と様々な具材を油で炒める米料理だ。

 

「なんで立香とアンタまで反応してんのよ」

 

炒飯は万人が好きな米料理だ。

特に簡単に作れるのがとても助かる。何故か男の料理の定番とも言われているのだ。

 

「なんで炒飯が男の料理なんですか。みんな作ってると思いますけど?」

「何故かそんな認識なだけだよ月」

 

1人暮らしの男性がまず手料理として選ぶのが炒飯が多いからである。

米と卵とその他好みの材料を油で炒めれば完成なのだから手料理としてはお手軽なのだ。

 

「炒飯は簡単でありながら奥が深い料理だ」

「そうなの?」

「1人暮らしの男性だけじゃなくて料理人も炒飯にこだわりを持っているんだ」

 

作る者に対して新たな炒飯が生まれる。この世には千差万別の炒飯が今も作られ続けているのだ。

 

「なんか炒飯に対して話が大きくない?」

「「そんな事ないぞ詠」」

「なんで2人して口を合わせるのよ」

 

炒飯を馬鹿にする事は許されない。

 

「ならアンタらも作ってみせてよ。炒飯にこだわりを持ってるんでしょ?」

 

きっと「俺は食う側の人間だから」と言うかと思っていたが予想外の言葉が返ってきた。

 

「いいだろう」

「久しぶりに腕が鳴るな」

 

グイっと袖を捲る。

 

「え、本気?」

「男料理の本気をみせてやろう」

 

何故かメラメラとやる気を見せる2人であった。そして詠は「余計な事を言った」と思ってしまった。

 

「李書文は作りますか?」

「儂は普通に待っておるよ。いや、お茶でも淹れておくさ」

 

李書文(槍)は普通に席に座っていた。

 

「まあ、アンタは料理するのとか似合わなそう。寧ろ配膳する方が似合ってる気がする」

「配膳?」

「うん。大道芸みたいにたくさん料理を持って配膳する姿がしっくりくる」

「そうか?」

 

何となくであるが詠の言う通りしっくりくる。

 

「炒飯くらいなら私も作れるぞ」

 

華雄もまた炒飯くらいはお手の物らしい。

 

「本当?」

「本当だ」

「じゃあ、私とご主人様、立香さん、華雄さんの4人で作りましょうか。せっかくですし自分独自の炒飯を作ってみましょう」

 

炒飯作り開始。4人が炒飯を作り始める。

 

「炒飯は火力が命!!」

「味付けは丁寧にっと」

「エミヤママの教えを思い出せ!!」

「なんか2人ほど熱量が高いな」

 

滞りなく炒飯が完成。

 

「せっかくだから詠と李書文に判定してもらいながら皆で食べようか」

 

藤丸立香の一言で審査が始まる。

審査員は詠と李書文(槍)。

 

「茶は淹れたが審査までするのか」

「ま、せっかくだし良いんじゃない。パっと食べて決めましょ。月が一番だろうけど」

「贔屓は駄目だからな」

「贔屓しなくても月が圧勝だから。贔屓しないわよ」

「まずはオレからでお願いします」

 

藤丸立香が炒飯を出す。

 

「ふむ、これは」

「あら。意外にまともな炒飯が出てきたわね」

 

藤丸立香が出したのはネギ炒飯であった。

ネギをたっぷり使い、ニンニクの香りが食欲をそそる。

 

「ネギを香ばしく炒めるのがコツなんだ」

「美味いな」

「本当に意外だわ。料理作れるのねアンタ」

「オレって結構料理作るよ」

 

好評のネギ炒飯。

味付けは塩だけでシンプルであるが卵の甘さと塩気、ネギとニンニクの風味がとてもマッチしている。

もぐもぐと食べてくれる人を見ると作った甲斐があるというものだ。

 

「美味しいですよ立香さん」

「やるな藤丸。もぐもぐ」

「うむ。美味いな」

 

月たちからも好評を頂く。

 

「次は俺だ!!」

 

北郷一刀が出したのは黄金炒飯であった。

 

「なるほど。そう攻めて来たか」

 

黄金炒飯とは玉子で米粒を包み、米粒全体が黄金に見えるような炒飯である。

 

「定番だよな」

「美味しいよね」

「作り方としては生の卵と米を予め混ぜてから炒めているんだ。熱いご飯を使う事と火の回りが速いのならご飯がくっつきにくくなってパラパラになるんだ」

 

北郷一刀が作った炒飯を実食。

 

「やるな北郷」

「ふっ。よせやい」

 

指で鼻をこする。

 

「意外に美味しい。藤丸よりも意外だわ。うん。意外意外」

「意外意外と言い過ぎだぞ」

 

北郷一刀もまた料理は出来る。凝った料理は難しいがお手軽な料理くらい作れるのだ。

 

「ご主人様の炒飯も美味しいですよ」

「月は良い子だな」

「うむ。美味いぞ北郷」

 

李書文(槍)も味を認めてくれてもぐもぐと食べてくれる。

 

「むぐむぐ…ごくん。よし、次は私だな」

 

華雄が炒飯を出す。

 

「特にこだわっていないからな。普通に作った炒飯だぞ」

 

華雄曰く普通の炒飯。

卵や細ネギ、叉焼という定番の材料が入っている。

 

「そういえば華雄の手料理なんて初めて食べるわね」

「官軍に居た時は料理をするなぞしなかったからな」

「じゃあ、実食」

 

もぐりと華雄の作った炒飯を食べる藤丸立香たち。

 

「普通に美味いじゃない」

「普通に美味いな」

「うん。普通に美味いね」

「美味い。普通に美味い」

「美味しいですよ華雄さん」

「月以外、普通普通と五月蠅いぞ」

 

華雄の作った炒飯は普通に美味かった。

 

「ちゃんと褒めてるわよ。正直に言うとアンタの作った炒飯は不味いかと思ってたから」

「普通に失礼だぞ詠」

「でもしょうがないじゃない」

「まあ、そう思われるのは分かるが」

 

官軍時代の華雄はまさに武人という存在だ。料理をするイメージなんて似合わなかったくらいである。

 

「これでも自炊はしてたからな」

「そうなんだ。もぐもぐ」

「ああ。1人で武者修行しながら旅をしていると嫌でも自炊する羽目になるからな。人が食べられるものくらい作れるようになるものだ」

 

華雄も自分の炒飯を食べる。

 

「そもそも炒飯くらいなら誰でも作れるだろ。不味い炒飯を作る方が難しいぞ」

 

炒飯だけでなくとも味付けと火加減等を注意すれば不味い料理はできないはずだ。

不味くなってしまう一番の理由は味付け等を確認しないで作るからである。慣れて来れば目分量で作れるようになるが慣れていない場合はちゃんと味見等をするべきだ。

 

「料理が苦手と言う奴がいるがそれは味見をしないで適当に味付けするからだ」

「おお…華雄がまともな事を言ってる」

「初めて料理を作る奴でも味付けを気を付ければ食えなくもない料理ができるはずだぞ。私がそうだったからな」

 

自分の作った炒飯を食い終わって茶を喉に流し込む。

 

「旅の噂で聞くおかしな話があったな。壊滅的な味の料理を作る人もいるって。そんな奴はおらんだろ。壊滅的な味の料理なんてどう作ったら出来るんだか」

「「「…………」」」

 

黙る全員。

 

「何で黙った?」

「華雄もいつか分かるよ」

「なんか不安なんだが」

 

北郷一刀は遠くの空を見つめながら愛紗と麗羽の手料理を思い出す。

 

「じゃあ最後は月だね」

「はい。皆さん召し上がれ」

 

月が出したのは具材たっぷり黄金炒飯であった。

具材は華雄と同じように卵や叉焼等。更に青ネギや海老までも入っている。

 

「俺と同じ…いや、作り方は違うな。俺の場合は米と卵を一緒にしたが月のは先に卵を炒めてから米を後から入れる作り方だ」

「おお。パラパラ炒飯」

 

もぐっと詠は月の作った炒飯を一口。

 

「はい。月が優勝」

「判定速過ぎるだろ」

「ならアンタたちもさっさと食べなさい」

 

言われるがままに食べるとご飯と具材の旨みが一体となって口いっぱいに広がった。叉焼と海老の噛み応えとネギの触感の相性が素晴らしく、どんどんと口に運んでしまう。

優しくて滋味深く毎日でも食べられそうな飽きのこない味わいだ。

 

「「月の優勝」」

「ほらみなさい」

 

藤丸立香と北郷一刀も一瞬で同意した。

 

「4人の中で1番美味いな。これはカルデアキッチン組にも引けを取らないな」

 

李書文(槍)も認める味だ。

 

「流石は月だな」

 

華雄も美味しく食べている。

最初から詠の言った通り月の優勝確定であった。

 

「美味しかったよ。月は良い奥さんに絶対なるね」

「良い奥さん…ありがとうございます立香さん」

 

頬を赤くしながらテレテレしている月が可愛い。

 

「腹が膨れたな。腹ごなしに鍛錬したいくらいだ」

「相手になるぞ?」

「もちろん相手になってくれ」

 

李書文(槍)の言葉にニヤリと笑う華雄。

 

「よいか月、詠?」

「そうですね。このままお昼休憩に入りましょうか」

「よっし。行くぞ李書文!!」

「その恰好のままで戦うのか?」

「ちゃんと着替えてくる」

「あ、華雄の服や防具は修繕に出してるわよ。ボロボロだったからね」

「いつの間に!?」

「侍女服に着替えた後にね」

 

防具の点検や修繕は必要だ。戦いには防具等も万全な状態にしておくのも武人にとって必要な事である。

 

「私の得物もか!?」

「ええ。でも新しい得物も用意してるから安心して」

「それなら…まあ」

「コレよ」

 

ハート型をした赤紫の宝石が所々埋め込まれた大斧。可愛いハート型の宝石というよりもカッコイイ形のハート型の宝石だ。

見た目からは可愛さよりも強さを滲み出している。

 

「装飾が多いな。しかし振る甲斐がありそうだ」

 

華雄も悪く思っていないのか早速、手に持って確かめる。

 

「悪くない」

 

ニヤリと笑う華雄。

 

「付いて来い李書文。新たな武器の試しにしてやる!!」

「ふっ、血気盛んだな。まあ、儂も人の事は言えんか」

 

鍛錬場へと駆け出した2人であった。

 

「あ、華雄。ちゃんと帰ってくるのよ。まだ侍女の仕事は終わってないからね。帰ってこなかったら連れ戻しに行くからねー!!」

 

ズッコケた華雄であった。鍛錬と称してサボるのがバレバレだったようである。




読んでくれてありがとうございました。
次回の更新はGW中にと考えております。

侍女物語が始まりました。
サブタイトルは天下統一伝をプレイしている方ならば「アレか」ってなると思います。物語内容はオリジナルですけどね。

703
侍女やらメイドやら…似ているようで仕事内容は違うんですよね。
これも萌え文化の影響なのか。
昔のメイドさんや侍女は本当に大変な仕事らしいです。

男2人がメイドを語るというか男の妄想を語る。
妄想を語るだけなら自由ですから。

ネズミメイド。
大黒天の使い。マンわかのリヨ鯖ですね。
最終再臨のセイントグラフは今までにないイラストでした。
めっちゃ増えるんですね。宝具発動時に5人集まるモーションが良いです。
一番右端の長身の子が気になります。


704
サブタイトルに書いたように侍女たちの物語が始まります。
侍女というかメイドというか…色々とごっちゃまぜになっております。
今回は華雄です。

この外史では彼女は蜀に留まる事になりました。そして侍女をやる羽目にもなりました。
彼女の侍女姿は天下統一伝のものです。どんな姿かは検索すれば出てくると思います。


705
メイド体験です。
洗濯やら部屋の片づけやら料理やらとぐだぐだ書きました。
正しいやり方は人それぞれですよね。
家電製品の偉大さを感じます。現代人は洗濯とか掃除とかもう家電製品がなければ駄目な身体になってますね。

炒飯はみんなが大好きな米料理だと思います。
作るのも簡単ですしね。何故か男の料理の1つというイメージ。
本当になんでだろう。

藤丸立香も北郷一刀も料理は出来る。
藤丸立香はコミカライズ版やイベントでも料理する描写がありますし、北郷一刀も料理をした描写があったと思います。ならば炒飯を作れるはず。

華雄も簡単な料理くらい作れる。
これは想像です。彼女は反董卓連合で敗走した後は1人で武者修行をしていたようです。
なので野宿などもあったと思います。いやでも自炊をしたんじゃなかという想像から彼女も少しは料理が出来るという設定にしました。
流石に壊滅的な味の料理や生まれるべきでは無かったモノを作るレベルではないはずです。

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