Fate/Grand Order 幻想創造大陸 『外史』 三国次元演義   作:ヨツバ

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こんにちは。

2部6.5章「死想顕現界域 トラオム」の配信がどんどんと近づいていますね。
6月1日に生放送があるのでついに多くの情報が解禁されそうです。そして配信もされるかもしれませんね。
とっても楽しみです!!

さて、此方の物語もタイトルに書いてある通りです。
ついに月があの衣装をお披露目します。


侍女物語-猫の怪異-

726

 

 

魔力計がカチカチと音を立てて、針がある人物へと指した。

 

「え?」

 

魔力計の針が指された人物とは月であった。

 

「ちょっと待ってよ」

 

ここで待ったをかけたのは詠。彼女が何を言いたいかすぐに分かる。

 

「アンタのこれまでの話だと月が犯人って事になるじゃない。月はそんな事してないわよ」

「立香さん…私は何もやってません」

 

月も自分が犯人ではないと心から言う。

 

「これまでのポルターガイスト現象だけど、ある共通点があったんだ」

 

共通点とはポルターガイスト現象に遭遇した人間だ。

時間帯はバラバラで様々な場所で発生しているが月だけで全てに遭遇している。

今までポルターガイスト現象が発生した箇所を調べても何も反応はなかった。城中を調査しても妖魔や悪霊の類も感じられない。

ならばポルターガイスト現象はその場に居た者が起こしている可能性があるのだ。そして全ての現場には月がいた事から彼女が自ずと怪しいと考えられる。

 

「だから待ってよ。月が犯人だなんてっ」

「待った待った。誰も月が犯人だと言ってないよ」

「は?」

 

何を言っているんだと言わんばかりの「は?」であった。

 

「月は犯人じゃなくて隠れ蓑なんだ」

「隠れ蓑?」

「犯人は月に憑りついている」

 

月がポルターガイスト現象を起こしているのではなく、月に憑りついている存在がポルターガイスト現象を起こしているのだ。

そうであれば今までの考えも全て納得がいく。月を隠れ蓑して犯人は様々の時間帯で様々な場所でポルターガイスト現象を起こしたのである。

 

「気付かれないように犯人は月に憑りついている。他の人や月自身が憑りついているとは分からない程に」

 

今でさえ、月自身も妖魔や悪霊に憑りついている自覚は無い。

思い出したくないが悪霊になった張譲に憑りつかれた時とは違く、本当にいつも通りにか感じていない。

 

「魔力計は反応している。これは月の魔力じゃない」

 

魔力計はカチカチと音を立てながら今も月に針を指している。

 

「月ちゃんそのままでいて。今から追い出すから」

 

玄奘三蔵が月に近づく。彼女ならば妖魔だろうが悪霊だろうが追い出す事が出来る。

御仏の力と彼女の優しさで妖魔と悪霊を説得するのだ。もしも駄目であれば物理的に追い出す。

生前の彼女はどちらかというと後者が多かった気がしなくもない。

 

「すぐに終わるから月ちゃんはジッとしててね」

「は、はい」

 

ジっとしていてと言われたはずなのに月は玄奘三蔵が近づくのと比例して後退する。

 

「月ちゃん?」

「あ、あれ?」

 

近づけば近づくほど離れてく。2人して何処へ行くのかとツッコミを入れたくなる。

 

「月ちゃーん!?」

「あ、足が勝手に!?」

 

玄奘三蔵が走って追いつこうとするが月は器用に後ろ向きで走って逃げる。

 

「本当に何処に行くの2人とも!?」

 

藤丸立香たちも追いかけた。

 

「あ、足が勝手に動くんです」

「こらっ、月ちゃんから出ていきなさーい!!」

 

月は後ろ向きに跳躍してクルンと壁の上にと登った。

 

「おお。中々の身体能力だな」

「そんな事を言ってないでよ」

 

月は身軽とはいえ、曲芸をするような事はしない。

 

「月ちゃん!!」

「………にゃあ」

「「「にゃあ?」」」

 

何故か月は猫の鳴き声を出した。

 

「月?」

「にゃにゃにゃ。やっぱりバレたかにゃ」

「ゆ、月?」

 

口調が急に変化した。語尾に「にゃ」なんて付けるとはまさに猫キャラだ。

 

「君は誰だ」

「にゃにゃにゃ。私が誰かにゃんてどうでもいいにゃ」

 

取り合えず猫の怪異という事だけはこの場にいる全員が理解した。

 

「ちょっと。月の身体から出ていきなさい!!」

「やーだにゃ。私にはにゃさねばにゃらない事があるんでにゃ」

 

指をパッチンと鳴らすと小石や屋根の瓦が浮き始める。

 

「やはりポルターガイスト現象を起こしていたのは君か」

「ぽるたぁがいすとって何にゃ?」

 

また指をパッチンと音を立てると小石や瓦が藤丸立香たちへと飛びかかるが俵藤太は刀を抜いて全て打ち払う。

 

(むう…やはりあの人間の雄は強いにゃ)

 

猫の怪異は俵藤太が一番危険だと判断。

 

「さっき成さないといけない事があるって言ったな。それは何だ」

「にゃっはっは。そんなのこの国を手に入れる事にゃ」

 

蜀の国を手に入れると言った瞬間に猫の怪異はある人物の差し金かと思う。

 

「まさか于吉の差し金か?」

「于吉って誰にゃ」

 

意外にも猫の怪異は于吉の差し金ではなかった。

 

「この国を墜とし、私たちの国を手に入れるにゃ。いにゃ、この大陸全土を手中に治めるにゃ!!」

 

話がなんだか大きくなっている。猫の怪異が大陸の覇権を手に入れるとか何を言っているのかと馬鹿にしてしまいうそうになるが案外冗談ではないかもしれない。

ただでさえ、過去に狐の怪異が国を滅ぼすキッカケを作っているのだから猫の怪異だって国を墜とす可能性は拭い切れない。

 

「何で国を手に入れるんだ」

「そんにゃの貴様ら人間が嫌いだからにゃ!!」

 

猫の怪異から怒気が放たれる。怒りや恨みといった感情がヒシヒシと伝わってくる。

 

「貴様ら人間は勝手な生物にゃ。同胞の恨みを晴らすため、助けるために国を得るにゃ!!」

 

人間への敵視。明確な原因が分からないが同胞の恨みを晴らすと言っているので人間が何かをしたのは間違いない。

復讐に囚われているならば話し合いが通じるのは難しい。そもそもまずは月を救出する事が先決だ。

 

「月っ、聞こえる月!!」

 

詠は呼びかけるが月の返しはない。猫の怪異が完全に表にでており、月本人の意識は裏へと封じ込められているのかもしれない。

 

「国を墜とすなんて言うがどうやって墜とす気だ。簡単に国は手に入れる事なんてできないぞ」

「にゃーにを言ってるにゃ。国を墜とすにゃんて簡単にゃ」

「簡単?」

「そんにゃの人間の王を殺せばいいだけにゃ」

 

とてもシンプルな答えを出す猫の怪異。

国と王は繋がっている。ならば繋がっている王を殺して新たな王を挿げ替えれば新たな国が生まれるという判断だ。

 

「にゃっはっは。今からこの国の王を殺すにゃ」

 

月の顔で「殺す」とか違和感を感じるが本当に実行に移す気なのは本気だと伝わってくる。

 

「さぁて、この国の王の顔は覚えてるにゃ。人間の王殺しの始まりにゃ」

 

猫の怪異は月の服を脱ぎ捨てた。

 

「えっ!?」

「見るな男共!!」

 

詠の目潰しが北郷一刀、藤丸立香、俵藤太に迫るが回避。

 

「避けるな!!」

「避けるよ!!」

「定番の様式美を喰らうとは思わない事だ」

 

猫の怪異が月の服を脱ぎ捨てたが裸になったわけではない。

侍女服を脱いだら新たな侍女服が披露された。

 

「あ、あれは!!」

「知ってるのか北郷!?」

 

黒猫をモチーフにしているようで、胸元とワキがノーガードで腹部から上は裸エプロンと見まがう程の黒露出侍女(メイド)服。

腰に黒リボンを結んでおり、リボンの先には大きな桃か桜の花弁の装飾品が煌めく。そして定番とでも言うべきか、胸元より上には金色の鈴が付いていた。

頭と腰からニュニュッと猫の耳と尻尾が生えている。

 

「俺がデザインした猫メイド服だ」

「ナイスデザインだ」

 

ガシっと握手する男2人。

 

「しかしあの耳と尻尾は自前のようだな。付属品として耳と尻尾もあったはずなんだが」

「本物の猫メイドってやつだな」

 

偽物でなく本物。

 

「にゃっはっは。この服はなかなか良いにゃ。人間もたまには良い仕事をするもんにゃ。これは王の服として素晴らしい」

 

猫の怪異が着ているのは侍女の服だから王の服ではない。

 

「さあ。これよりここは人間の国ではにゃく、猫の国ににゃるにゃあ」

(((やっぱり猫なんだ)))

 

既に分かっていた事である。

 

 

727

 

 

「にゃーっはっはっはっは!!」

 

猫の笑い声が響く。

 

「にゃーっはっはっはっはっはっは!!」

 

響く。

 

「にゃーっはっはっはっはっはっはっはっは!!」

 

響き渡る。

 

「待てーーー!!」

 

猫の怪異に憑りつかれた月を追うのは藤丸立香たち。

蜀の王を殺して猫の国を建国させるというまさかの行動に移そうとしている。

冗談のように聞こえるが冗談ではなく、笑えない。猫の怪異に操られているとはいえ、月に桃香を殺させる事はさせない。

現在、藤丸立香たちは必至に追いかけている。

 

「待ちなさーい!!」

 

如意棒を伸ばして止めようとするが猫のように身軽にヒラリと避ける。

 

「猫みたいね」

「猫の怪異だからな」

 

俵藤太を矢を放つがまたも避けられる。

 

「ちょっと!!」

 

ここで詠が怒る。

 

「どうした?」

「月に向かって棒とか矢とか放たないでよ。当たったらどうしてくれんのよ!!」

「そんなこと言われてもなあ」

「大丈夫。ちゃんとみねうちにするから」

 

月の身体に憑りついているというのが難点だ。攻撃をしてしまえば傷つくのは猫の怪異ではなく、月自身である。

 

「にゃっはっは。王は何処にゃ~~」

 

猫の怪異に憑りついている影響か猫のように身軽に動き回る。追いかけるのはなかなか大変である。

元々いた中庭から修練場へと到着した。

 

「うわっ、月か。ど、どうしたんだ?」

「月様?」

 

普段の月では見ないアグレッシブな動きをしているのを見て驚いた愛紗。美花も珍しく驚いている。

他にも星や華雄もおり、当然のように全員が侍女(メイド)服であった。

 

「にゃあ。おい、この国の王は何処にいるにゃ?」

「どうした月いつもと違う服装だな。というかその猫の耳と尻尾はどうした?」

 

華雄がとても気になった事を聞く。

 

「おい。いいからさっさと私の質問に答えるにゃ」

「月?」

 

何かがおかしいのはすぐに分かる。

 

「答えにゃいなら死んでもらうにゃあ」

 

指をパッチンと鳴らすと修練場に置いてあった剣や槍などの武器が浮き始める。

 

「なっ、これは!?」

「日・常・崩・壊にゃ」

 

武器だけでなく、食器や調理器具、書物や屋根瓦まで飛んできて月の周囲に浮く。

 

「愛紗っ」

「ご主人様。月の様子がおかしいです!!」

「猫の妖怪に憑りつかれているんだ。このままだと桃香が危ない」

「桃香様が!?」

 

猫の怪異に憑りつかれてた月は桃香を狙っている。そんな事を聞けば全ての状況を理解出来ずともやるべき事は理解出来る。

 

「まずは猫の妖怪に憑りつかれている月を捕まえてくれ」

「承知いたしました!!」

「なにやら面白い事になってますな」

「いや、星。冗談じゃないからな」

「分かっている主よ」

 

怪異現象が起きているのと月の様子がおかしいので冗談はないのはすぐに分かる。

 

「にゃーー!!」

 

武器や食器類が全て降り注ぐ。

 

「全て叩き落せ!!」

 

俵藤太が叫ぶのと同時に愛紗たちも己が持つ武器で叩き落す。

侍女服を着ているせいなのかいつもとは違う得物を使っていた。

 

「愛紗が持ってるのはサーベルか?」

「星が持ってるのはモップだね」

 

いつものとは違う得物であっても上手く使いこなしている。

 

「何でいつもの武器ではないんだ?」

「実は淑女の修行を先ほどまでいていたのです一刀様」

 

北郷一刀の疑問に答えたのは美花。実は猫の怪異に憑りつかれた月が来る前は淑女の鍛錬をしていたのである。

 

「服と得物を変えて鍛錬ってこれも淑女の修行なのか?」

「勿論です。家事を身に着けるのは勿論。真の淑女は長所を磨き上げて活かすことも大事。女性の嗜みは普段の姿から表れるものですから」

「つまり女性の武人なら戦っている姿から女性の魅力が表れるってことか」

「流石一刀様です」

 

何となく理解できた気がするのであった。

 

「なかなかやるにゃあ。だけどまだまだにゃ」

 

両腕を上げて交差すると新たな剣や食器等が集まってくる。

 

「今まで色々にゃところで操ってきた物にゃ。何処にあるかは覚えてるから集めるのは簡単にゃ」

 

今まで様々なところでポルターガイスト現象を起こしていたのは猫の怪異にとって武器を貯蔵していたようなもの。

城中に猫の怪異の武器が配置されているのだ。

 

「潰れるにゃ!!」

 

またも武器や食器類が降り注ぐ。

 

「また全て叩き落すぞ!!」

 

所詮は降り注ぐだけの攻撃。全て打ち払うのもよし、回避するのもよし。

 

「同じ攻撃をするわけないにゃ。そぉれ!!」

 

腕を回すと剣が旋廻し、縦横無尽に飛び回る。

 

「む、厄介だぞ」

 

モップを構え直す星。ただ降り注ぐ物と操作されて降り注ぐ物では天と地の差だ。

 

「よく軌道を見て対応しろ」

「言われずとも」

 

飛び回る剣を見定めて全て打ち払う。

 

「なかなかやるにゃあ」

「隙を見せたな!!」

「にゃ?」

 

華雄がハート型をした赤紫の宝石が所々埋め込まれた大斧に気を込めて駆け出す。

 

「即興だ。就寝、晩刻消灯!!」

 

ハート型の赤紫の宝石が輝く。袈裟斬りを決めながら、そのまま地面を抉るように振り抜いた。

 

「まだまだ!!」

 

追撃で連続で斬り払う。

 

「あっぶにゃ~」

「躱されたかっ」

 

ここで華雄の頭部にバッシーンと叩かれる。

 

「痛た!?」

 

頭部の衝撃は詠がハリセンで叩いたからである。

 

「何をする詠」

「それはこっちの台詞よ。何が就寝よ。さっきの就寝どころか永眠でしょうが!!」

「何を言うか。峰打ちに決まっているだろうが」

「大斧のみねうちって何よ!?」

 

峰打ちどころか胴体切断だ。

 

「いや、流石に私が月を殺すわけないだろう」

「そうだけど今のを見たら不安よ!!」

 

仲間が峰打ちをするとはいえ、大斧を振りかぶっていたら不安になるのは当然だ。

不安しかないので華雄には大斧の峰打ちは禁止にした。

 

「むう。絶対かつ安心の峰打ちなんだが」

「安心できるか!!」

 

そうこう言っているうちに猫の怪異はぴょんぴょんと離れていく。

 

「いかん。逃げられるぞ」

「逃がすか」

 

シュタッと俵藤太と星が跳んで猫の怪異に追いつく。

 

「速いにゃあ」

 

俵藤太は刀の背面を向けて振りかぶる。

 

「おお、あれは峰打ちだな」

「藤太のなら安心ね」

「なんでだ」

 

詠は俵藤太の峰打ちならば安心できた。

安心できても相手に当たらなければ意味は無い。

 

「おっとぉ危にゃあ」

 

空中で身体を捻って峰打ちを回避。

猫のようなしなやかさかと思ったが実際に猫の怪異であったと思い出す。

 

「次は私だ」

 

モップを振りかぶって迫るは星。

 

「にゃ?」

「月を開放しろ。侍女星槍術!!」

 

モップの毛先は濡れており、重みがあるのが分かる。軽いものよりも重いものの方が威力が大きくなるものだ。それこそ重みが破壊力に繋がる。

黒い柄に赤い留め具のモップの連撃。回転させて遠心力を付けた攻撃の軌跡が龍の姿に見えた。

 

「そんにゃの喰らわないにゃ~」

 

クルクルと回転しながら回避。

 

「猫のようにすばしっこい」

「猫だからな」

「にゃにゃにゃ」

 

仕返しと言わんばかりに猫の怪異は月の爪を伸ばして切り裂く。

 

「鋭い爪だな。魔力で強化しているな」

 

切り裂き攻撃を刀で受け止める。

 

「にゃあー!!」

 

声を上げながら猫の怪異は俵藤太と星に向かって爪を向けて突貫してくる。

 

「避けろ俵殿」

「分かっている」

 

突貫してくる猫の怪異に対して2人は左右に分かれて避けた。

2人はそのまま地上に着地。

 

「お?」

「とっと」

 

カクンと俵藤太と星は体勢を崩した。

 

「大丈夫か星?」

「ああ。問題ない主殿」

 

トントンと跳んで異常は無いと星。

 

(これは…)

 

その横で俵藤太は自分の手を見ながら考え込む。

攻撃を受けたわけでもなく、毒を喰らったわけでもない。猫の怪異が発する瘴気にやられたわけでもない。

まるで体力を奪われたかのような感覚であった。

 

「待て、逃げるな。月を開放しなさーい」

「やーだにゃ」

 

ぴょんぴょんと跳んで行く猫の怪異。

 

「月ちゃんを開放しなさい!!」

「にゃわ!?」

 

自慢の脚力で追いつく玄奘三蔵。

天竺まで旅をした彼女の身体能力は高い。

 

「捕まえた!!」

 

手を伸ばして月の服をつかみ取る。

 

「もう逃がさないわよ」

「にゃら、離すにゃよ」

「え…っ」

 

ガクンと玄奘三蔵も膝をついてしまった。

 

「ほら離すにゃよ!!」

 

離すなと言っておきながら猫の怪異は玄奘三蔵を蹴り飛ばす。

 

「三蔵ちゃん!!」

 

藤丸立香は走って玄奘三蔵を受け止める。

 

「ありがと…じゃなくて、こら立香。危ないでしょ」

「大丈夫大丈夫。お師匠様は軽いから」

 

レオニダスとのトレーニングで鍛えているのでやわな身体ではない。

 

「三蔵ちゃんどうしたの?」

 

気になったのは彼女が急に膝をついた事だ。何も攻撃を受けておらず、体勢を崩したわけでもない。

先ほどの俵藤太と星のような状況に酷似している。

 

「何て言うか…急に力が抜けたのよ」

 

状況からして猫の怪異が何かをしたという考えになる。

急に力が抜けた。疲労するのが早く感じる。体力が奪われた。

 

「これってもしかしなくても…」

 

玄奘三蔵も俵藤太と同じく何かに気付く。

 

「何か分かったのか藤太、三蔵ちゃん」

「ああ。猫の怪異は複数存在するが中華圏内で探せば自ずと分かる」

 

月に憑りついている猫の怪異の正体。

正体が分かればすぐに対処方法で月を助ける事が出来る。

 

「正体は分かった。マスターも何となく予想しているんじゃないか?」

「うん。猫の怪異って言ったら有名なのは猫又だけど」

「ある意味正解だな。だがちと違う」

「ここが三国時代…中国大陸という点だね」

「そうよ。あの猫の怪異だったらちょっと面倒ね。近づきすぎると危ないのよね」

「力が吸われる」

「ええ。精気を吸われるわ」

 

エナジードレインという言葉が頭を過る。

俵藤太たちが身体に異常を感じたのは猫の怪異に近づいた時に精気を吸われたからである。

 

「月に憑りついている猫の怪異って…仙狸」

「うん正解よ立香」

 

玄奘三蔵は親指と人差し指で丸を作った。

 




読んでくださってありがとうございました。
次回の更新は二週間後予定です。


726
猫の怪異は月に憑りつき、隠れていたのでした。
これで彼女は2回何かに憑りつかれた事になるんですよね。
一度憑りつかれたらまた憑りつかれやすくなるってやつです。

猫キャラといったら語尾は「にゃ」。これは定番で譲れません。

天下統一伝をプレイした方なら分かると思います。
侍女の月は猫メイドなのです。
此方も検索すれば出てくると思います。

目的は蜀を猫の国に!!
なんだかなあ…


727
日・常・崩・壊
就寝、晩刻消灯
侍女星槍術
これら3つは上から月、華雄、星の天下統一伝での技ですね。
少しアレンジも加わっております。

最後に猫の怪異の正体は仙狸です。
ポルターガイスト現象というのは仙狸が起こしている現象だという話は無いですが、この物語でが月の技である『日・常・崩・壊』を組み合わせてみました。

そしてエナジードレイン。これに関しては仙狸の元々持っている技ですね。
なにせ精気を吸うと語られてますから。

侍女物語編もあと1話か2話くらいで完結です。
5月中では無理だったー。


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