Fate/Grand Order 幻想創造大陸 『外史』 三国次元演義 作:ヨツバ
更新に大分遅れてしまいました。やっとこさ更新です。
今回のFGOハロウィンイベント面白かったです!!
選択肢よる分岐も多くて何度も見返してしまいましたね。
まさか中華鯖が一気に増えるとは…この作品にも登場が確定しました。
そして次回の真イベントは『妖精騎士杯』…それがあのモルガン祭なのでしょうか。
気になります。
さて、此方の物語では新しい話に入ります。
前に書きましたが『魏と呉の戦編』です。どのような話になるかは本編をどうぞ。
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魏と呉の戦が始まろうとしている。
戦の切っ掛けは呉に魏の使者がやってきた事からだ。
「いや~…実際のところ私たちの国って勝手に建国しただけであって漢帝国から認めてもらってないのよね」
「言ってる場合か」
雪蓮は庭の池で釣りをしていた。その横には冥琳がため息を吐く。
「漢からの使者だったら何も文句も言えなかったわ~」
「だから曹操も漢ではなく、魏の使者として遣わせたのだろう」
「いっちょ前に都から来たなんて言ってたんだっけ」
2人は魏の使者が来た時の事を思い出す。
使者として来たのは郭嘉と陳珪。2人は漢の使者ではなく魏の使者として呉に訪れて雪蓮たちに建国した事を撤廃し、揚州牧として漢帝国に仕えろと伝えに来たのだ。
言葉こそ丁寧であったが、その裏には呉に対して臣従を迫って来たのである。
これに対して雷火や祭は怒りを見せるのは当然であった。呉が魏に舐められるわけにはいかないという事で魏の使者の言葉に噛みついたのだ。
「みんなピリピリしすぎじゃない?」
「国同士の舌戦は舐められたら終わりじゃぞ」
祭が釣りをしている雪蓮の横に来る。
「そうだけどさ。でも向こうはワザとだったはずよ」
「ワザとでも舐められるわけにはいかん」
曹操は反董卓連合での戦後、空白となった皇帝の座に少帝を奉じた。漢帝国とのコネを強くし、少帝の許可を得て魏という国を建国した。
魏という国は正規の手順に則って生まれたのだ。正規の手順と言うがそれであってもあり得ない事である。
対して呉は勝手に建国し、勝手に王と名乗っているだけである。漢帝国に、朝廷に認められているわけではない。
「漢からの使者が呉と言う国を撤廃し、揚州牧になれと言われたらこっちはお手上げよ。そして断ったら私たちは漢の敵。堂々と攻撃されちゃうわ」
「本気で雪蓮を屈服させるつもりならはじめから天子の勅を頂き、曹操の使者ではなく皇帝の使者を寄越すはずだからな」
「でも曹操はそうしなかった」
漢の敵となれば逆賊認定されて、魏と蜀の連合によって攻撃される可能性がある。しかし今回は少帝陛下の意志ではなく曹操が起こした事である。
これは漢ではなく、魏からの宣戦布告なのだ。
「回りくどい宣戦布告をしてきたものね曹操も」
「本当だな」
「でも彼女の気持ちは分かるわ。漢や蜀からも邪魔されずに堂々と魏と呉の二国での戦をしたいんだと思う」
曹操が望むのは魏と呉の決戦。そして完全勝利だ。
「戦いたいのならば堂々と侵攻しに来ればいいものの。真正面から粉砕してやるわ」
不機嫌そうに言う祭。
「色々と筋は通したかったんでしょ。それにただ侵攻するのは野蛮だとも思ったんじゃない?」
「そうかのう?」
天下を分ける戦であれば曹操は筋を通して戦う。それが雪蓮の見解である。
「これから忙しくなるわよ。曹操は動きだしたら早いんだから」
「既に淮南へ人を送っている。州境も固め始めている」
「さっすが冥琳。仕事がはや~い」
「そんな事を言ってないで雪蓮も働け」
「はいはーい。分かってるわ」
雪蓮は釣り糸を引き上げた。
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魏にて。
「曹操様。郭嘉様、陳珪様が揚州よりお戻りになりました」
「分かったわ。通して」
「はっ!!」
兵士が急いで2人の元へと向かう。
「さてさて孫策さんは揚州牧任命に対して、どんな返事をしてきたでしょうね?」
「あの孫策が大人しく従うとは思えないわ」
荀彧の言葉に曹操は頷く。
「孫策は人の風下に立って、平然としていられるような人物ではないわ」
「まるで華琳様は交渉の決裂を望んでいらっしゃるように聞こえますが?」
「そう聞こえた?」
そう聞こえたのである。
「ただ今戻りました」
郭嘉と陳珪が戻ってくる。
「2人とも早かったわね」
「はい。取り付く島もないという有様でしたので」
「では、孫策は私の話を拒んだのね?」
「は。畏れながら不遜にも孫策めは…」
「なんと言っていたの?」
「私の口からはとても」
郭嘉は呉での交渉を思い出す。
「是非、聞きたいんだけれど。燈?」
「はい。つまりこういう事ですわ。天子の命ならば州牧に就いてやっても良い。だが魏王だか知らないが曹操とかいう宦官の孫、どこぞの馬の骨とも知れない女のいうことなど聞けんと」
まさかの言葉に荀彧は怒りの声を上げた。そして曹操は思いっきり愉快そうに笑った。
「そ、そこまで無礼な事は言わなかったでしょう!?」
「あら、私の記憶違い?」
郭嘉と陳珪のコントが一瞬だけ始まった。
「華琳様、お笑いになってる場合ではございません」
「大ウケですね」
「ふふっ、あはは…だって愉快なんだもの」
本当に笑っているので愉快だと思っている。
「愉快なものですか。孫策め、華琳様の温情を足蹴にするなんて許せないわ!!」
これは曹操の予想通りだ。
初めから断られる事が前提で、呉を攻める理由が欲しかっただけである。
「本当に必要だったのでしょうか。こんな茶番のためにわざわざ揚州まで船酔いに苦しんで行かされた使者の苦労も考えて欲しいものですわ」
「ふふ、その使者には気の毒なことだったわね」
「燈、華琳様に向かって何よその口の利き方は」
「だって本当にひどい船旅でしたもの。稟さんなんて、げーげーもどされてしまって…」
観光がてらの使者の旅ではなかった。けっこう酷い旅であったのだ。
「い、言わなくて結構!!」
ちょっと恥ずかしくなった郭嘉。会議の場で嘔吐の事を言われてしまえば気まずくもなる。
これには陳珪に対して睨むのであった。
「まあ…2人とも、まことにご苦労であった」
夏侯淵も2人の船旅が辛いものであったのだと同情した。船酔いしやすい人には辛いものだ。
「ですが華琳様。ここは改めて孫策に使者を送るべきでは?」
「どうして?」
「次こそ天子様に勅を頂き、孫策を牧に命じるのです。それでもあの孫策はきっと臣従を拒むでしょう」
「つまり逆賊討伐の大義名分もより明確になるという事ですね。まあ、無いと思いますが…もしもそれで孫策殿が州牧を引き受けたら無用な戦も避けることができますし」
本来であれば荀彧の案が一番である。
「ちょっと、横から人の意見を奪わないでよ」
「桂花、あなたはまだそんな事を言っているのかしら。私は大陸の制覇に皇帝を利用するつもりはない。私は曹操として孫策に降伏を勧めた。それを拒んだ孫策と曹操は戦をするのだ。そこに皇帝は関係無い」
曹操は皇帝の威を借りるつもりはない。
「しかし、これでは何の為に少帝を奉じたのか…」
「私も桂花に賛成です。使えるものはなんでも使う、それが華琳様の覇道ではなかったでしょうか?」
「でも、ここで皇帝を利用すればまた世間には幹雄だのなんだのと悪評が広がりませんねー」
程昱の言葉に郭嘉は口を閉じる。
「ただでさえ華琳様には根も葉もない悪評がついて回ってますからな」
「ふん、世間なんて脳みそ空っぽの馬鹿ばかりなのよ」
「今更悪評だなんて…さんざん幹雄と罵られて華琳様がそんなことをお気になされますか?」
「燈、あんたは口が悪いの!!」
陳珪は魏の中で数少ない曹操に対して軽口が叩ける人物だ。曹操もそれが面白いのか彼女に罰を与えたりしていない。
「世間の評判は関係ないわ。私自身が許せないの」
「華琳様…」
「いいえ、やはり私は人の目を気にしているのかもね」
皇帝の勅を振りかざせば孫策に鼻で笑われてしまう。そのような戦は曹操自身の誇りが許さない。
「しかし…」
「不満ばかり言うのはよして。そもそも呉を攻めるのを進言したのは桂花でしょう」
「は、はい。孫策は早急に叩かないといけません。放っておけば必ずや華琳様にとって大敵になりましょう」
「では戦ね。舞台は既に整った。後は幕を上げるだけよ」
戦と決まれば曹操の動きは早い。
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許頁。
彼は孫策が揚州統一の時に戦った人物だ。戦ったが敗北して逃げた先で曹操に降ったのだ。
「なに…此度の戦。先陣は王朗殿が命じられたと?」
「はっ。そのようにございます。我らは王朗殿の後詰めにと」
「くっ、先陣は武人の栄誉。またしても王朗殿に」
許頁がギリっと拳を握る。
孫策に敗れてからは落ちぶれた。しかし落ちぶれたというのならば這い上がれば良いの精神でいたが活躍する場に恵まれていないのだ。
「納得いきませぬ。王朗殿を曹操様にお引き合わせしたのは我が殿にございます。曹操様は我が殿を蔑ろにし、王朗殿ばかり重用されている!!」
「見る目の無い女め…しかし、呉討伐とは好都合だ。例の策を成功させればいかに曹操とて、我が力を認めぬわけにはいくまい」
曹操に降っているが彼の言動から忠誠を誓っているとは言い難い。
「では実行に移しますか?」
「ああ、恨み重なる相手よ。何の遠慮があろうか」
孫策が相手であればどんな手を使ってでも討つ。
「されどかような手を使っては我が殿は世間から卑怯者の誹りを受けませぬか?」
「案ずるな。曹操は勝つ為ならどんなに薄汚い手でも使うとの風評よ。あの奸雄なら喜んで我が手柄を称えるだろう」
「では」
「うむ。ただちに呉へと遣いを送れ!!」
許頁の部下は秘密裏に動き出す。
「大丈夫だ。俺には力がある。孫策や曹操にすら予想できない力がな」
曹操にとって望まない策が勝手に動き出していた。そして許頁や曹操と雪蓮たちでさえ予想出来ない者たちも動き出している。
ある草原にて月琴の音色が響いていた。
「こっちじゃ道士殿」
「何処に行くんですか管輅殿」
「呉」
トコトコのんびり歩く2人組。
「姜維と法正には魏に向かってもらってる。そっちで怪しい動きが無いか調べてもらう」
「こっちは呉で調査と」
「うむ。于吉が何かするならば魏と呉の戦じゃからな」
魏と呉の戦は間違いなくこの世界ではターニングポイントになる。
異変を起こすのであれば今この時なのである。それでいてのんびりと歩く2人。
「のんびり歩いていて良いんですか?」
「まだ急がなくてもいい。それに言うだろう…急がば回れと」
「たぶん今の状況と合ってないですよ?」
月琴の音が響く。
「大軍師殿。其方から見て魏はどう動くと思う?」
「僕を呼ぶ時は道士か軍師のどちらかで統一しません?」
「で、どう動くと思う?」
「管輅殿はマイペースですね」
「お主には負ける」
本題であるが魏はどう動くか。道士は「ふむ」と呟きながら瞬時に予想を口にする。
「まず陸路で砦を突破していくでしょう。そして淮南への侵攻と同時に船で淮水を南下するんじゃないですか」
「正解。流石は名高い大軍師じゃな」
「正解って…答えを知っていたんですか」
「本来のルートであればな」
管輅は「天の御遣いが流星より大陸に降り立つ」と占った占い師だ。しかしただの占い師でなく、その正体は外史の管理者である。
外史の管理者であれば貂蝉のように様々なルートの歴史を知っている。魏と呉の戦の流れや結末も知っていてはおかしくない。
「本来通りに進んでくれれば良いのじゃがズレが起きると困る」
「過程が違くとも結末さえ同じであれば問題ありませんか?」
「そうじゃな」
管輅の目指すルートは2つだ。魏と呉の戦が始まってしまっては仕方がない。
本来であればこの外史は蜀ルートであるが呉ルートが混じっているのだ。
(蜀ルートに戻すには孫策が生存するのが一番だ。しかしこの外史が呉ルートになりつつあるのであれば彼女は死ぬ)
どうにかしてズレが生まれないように動いていくしかない。ただし、どうやって動くかが難しいのだ。
「まあ、貴女に任せますよ」
「道士殿にはこれから力を借りる事になる。それまで出番は無しじゃ」
「あ、はい」
読んでくださってありがとうございました。
次回の更新も未定です。(まだまだ忙しいのです…)
今回の話は呉ルートの魏との戦争になります。
流れはほぼ原作と同じですが何かがズレております。そして活躍するカルデア側は藤丸立香ではなく道士たちになります。
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基本的に原作(呉ルート)と流れは同じです。
違うのは既に呉という国が建国されているくらいですね。(原作では揚州統一されたあたりで呉という国を建国していないので)
この作品の孫策たちは魏に対抗して呉という国を勝手に建国しただけですので漢からしてみれば「なににしてんだ」って形になりますよね。
劉備も対抗して蜀を建国しましたが蜀には空丹と白湯がいるので何とかなるかもです。
なので魏からしてみれば一番攻めやすかったのは呉だったわけです。
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呉ルートを知っている読者様たちならば今回の黒幕は大分かりですよね。
はい、許貢です。しかし原作と違って彼は力を手に入れております。
何の力かは内緒。
管輅と道士たち。
今回の話で活躍予定の人たちです。
管輅は『流星ガ紡グ物語』に登場するキャラです。
ちらっと名前が出た姜維と法正もそうですね。
道士(大き軍師)とは一体何者なのか…(バレバレ)