Fate/Grand Order 幻想創造大陸 『外史』 三国次元演義   作:ヨツバ

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こんにちは。
FGOでは高杉重工面白かったです!!
そして始まったエイプリルイベント。どんなシナリオかと思えば野球でしたね。
まさかの野球展開とは…いえ、王道ですかね。

FGO・ACコラボが楽しみです。
ついにティアマトが実装。実装まで長かった。


そしてそして!!
恋姫†英雄譚5がついに販売されましたね!!
公式サイトにあった3つの物語。そして追加というかオマケの物語もあるそうですね。
どのようなシナリオなのか気になります。


さて、では此方の物語本編をどうぞ。
今回はシンプルに戦闘の話です。


南蛮大乱戦-南蛮決戦②-

867

 

 

気の溜めた咆哮と青龍偃月刀による爆炎によって愛紗と鈴々は巻き込まれた。

視界を遮る程の煙が充満するが武器を振るって煙を払い切る。

 

「無事か鈴々」

「うんにゃ、大丈夫なのだ。ただちょっとびっくりしたのだ。何で鈴々の技を使ってるのだ」

「ああ。私の偽物もあいつの技を使っていた。ただの偽物じゃないって事だ」

 

煙から出てくるは片腕の関羽(傀儡姫)と張飛(傀儡姫)。このような状況でも傀儡姫は生気の無い顔で無表情。

何も表情を出さない生気の無い顔の存在が敵とは不気味なものだ。

 

「互角ってほどではないが厄介だ」

「ならお兄ちゃんの言っていたケモノの力を使うのだ」

 

鈴々は今の自分の身体がどうなっているか理解している。そもそも他の獣の呪いを受けた者たち全員も感覚的に獣の力が理解し始めたのだ。

脚に力いっぱい込める。兎の脚力は強力だ。兎の脚力が人間に換算されたらより力強い。

鈴々は屈んでいつでも力の限り跳ぶ準備完了。

 

「愛紗。先に鈴々の偽物倒してくるのだ」

「なに、こっちが先に自分の偽物を仕留める」

 

愛紗も鈴々と同じように屈む。右手には青龍偃月刀を持ち、残りの三肢で地面を支える。

猫は四足歩行だ。呪いの侵攻が進んでいるのか四足歩行の動きがしっくりし始めているのだ。

猫は俊敏な運動能力をもっている。 瞬発力が高く、跳躍力が高い。そして柔らかな柔軟性だ。その全てを必殺の一撃に込める。

 

「なら同時に行くぞ」

「うん!!」

 

同時スタート。脚力を爆発させて一気に傀儡姫の間合いに入り込んだ。

自分自身でもまさかの脚力に驚いたが制御が出来ないわけではない。尤も鈴々は制御する気はなく力の限りに張飛(傀儡姫)に突っ込んだ。

張飛(傀儡姫)反応できず九の字にへし折られた。

 

「うにゃあああああああああ!!」

 

鈴々は九の字にへし折った張飛(傀儡姫)を地面に力強く埋めるが如く叩きつけた。

 

「まだまだ!!」

 

埋めたというよりも埋め込んだ張飛(傀儡姫)の髪を掴んで力の限り引っ張る。

 

「収穫っ、大人参なのだ!!」

 

大きな人参を腰を使って引っ張り上げて収穫するように鈴々は張飛(傀儡姫)をそのままスープレックスのようにまた地面に叩きつけて泥へと還した。

 

「にゃあーーーーー!!」

 

拳を握りしめて天に掲げた。何処からかカンカンカンカンと響いた音が聞こえてきた気がする。

鈴々は自分の偽物を倒した。そして愛紗の方はというと関羽(傀儡姫)に攻撃がギリギリのところで回避されていた。

 

「躱された!?」

 

回避した関羽(傀儡姫)は青龍偃月刀を振り下ろす。

 

「当たるか!!」

 

愛紗はグネっと身体を捻って此方も回避し、猫の柔軟性に感謝した。

猫の呪いがなければ回避できなかったかもしれない。

 

「決める!!」

 

青龍偃月刀(猫版)を素早く、力強く振るう。怒涛の3連閃による斬撃だ。

関羽(傀儡姫)は3枚に切断されて泥に還った。

 

「これぞ奥義…」

「にゃんにゃん鉄爪」

「鈴々。変な技名を付けるな」

 

愛紗と鈴々は己の偽物を打倒。

 

「まあいいか。鈴々、急いで桃香様に追いつくぞ」

「うん」

 

今の身体は動物の力を宿している。先ほどの脚力が本物だ。

 

「すぐに追いつくぞ。まだ疲れてないよな鈴々?」

「当然なのだ」

 

2人は一気に駆け抜ける。

 

 

868

 

 

口を大きく開けた大蛇は人間を簡単に丸のみ出来そうな程の大きさだ。更に毒蛇でもあるというのだから厄介である。

俵藤太は距離を保ちつつ、大蛇の意識を此方に集中させる。むやみやたらに暴れさせると仲間に被害を与える事になる。毒がある敵とはとても厄介なのだ。

 

「この蛇は拙者が相手をする。楼杏殿たちは変わらず僵巴兵を頼む」

「任せて藤太さん。そして気を付けて」

「なに。この蛇よりも大きい蟲と戦った事がある。それに比べれば小さい小さい」

「これより大きい蟲がいる事自体が驚きなんですけど…」

 

楼杏が彼の言う『蟲』を目にしたら驚いたどころではない事は確かである。

 

「さて、大蛇退治と行くか」

 

スキル『龍神の加護(C)』を発動。

 

「大蛇よ此方は龍だ。蛇が龍に勝てるか?」

 

大蛇は口を大きく開けながら威嚇している。引かない姿勢である。

グネグネと長い胴体をくねらせて大蛇は俵藤太へと襲い掛かった。

 

「ふむ、臆せず来たか。ならば此方は矢を射るまでだ」

 

俵藤太は大蛇が襲い掛かってきても恐怖せず、冷静に五人張りの強弓を持つ。

静かに弓の弦を引き、矢を射る準備をする。その動作は滑らかであった。

 

「終わりだ」

 

静かに弓の弦を手から離し、矢を一直線に放つと大蛇の眉間に刺さった。大蛇はそのまま絶命し、俵藤太の横を通り過ぎて倒れた。

 

「ほんとに終わった」

「俵さんもすごーい」

「なら電々たちも負けてられないね」

「うん。雷々たちも頑張ろう!!」

 

電々はトンファーを、雷々はタンバリン状の武器をスチャっと構える。

 

「合わせるよ電々!!」

「うん!!」

 

糜姉妹は一気に僵巴兵の軍団へと駆けた。

 

「阿吽の大騒乱!!」

「阿吽の大乱舞!!」

 

糜姉妹は気を開放して僵巴兵の軍団内を蹂躙していく。ただ大暴れしているだけなのだが小柄の体格から繰り出される攻撃は重く強い。

 

「敵は全滅だー!!」

「これで終わりだー!!」

 

糜姉妹の連携攻撃。その威力は連携によって何倍にも繰り上がる。

 

「電々たちまで凄いわね。でも将だけが凄いだけじゃないのよ。蜀の兵士達だって強いの」

 

楼杏は蜀の兵士たち指示し、弓を構えさせ、整列させる。

 

「お前たちの弓の腕は達人だ。臆するな。矢を構えて射るのだ!!」

 

洗練された蜀の兵士が弓の弦をグゥンっと引き、目を光らせて僵巴兵たちに狙いを定める。

 

「お前たちは私が鍛え上げし屈強な兵士だ。それを誇りに思うのだ。弓調馬服の熟練兵たちよ!!」

「「「オオオオォォォーー!!」」」

「放てぇーーー!!」

 

僵巴兵の軍団に蜀の兵士たちによる矢の一斉射撃により全てが泥に還っていく。

 

「よし。しかし油断するな。これで第一陣に過ぎないわ」

 

僵巴兵はまだまだ健在だ。数の暴力は圧倒的である。

 

「しかし勝ち筋は我らにある。ここが耐える時だ!!」

「「「オオオオォォォーー!!」」」

 

士気は高い。まだまだ楼杏たちは僵巴兵の軍団に屈しない。

 

「頼むわよ桃香様」

 

 

869

 

 

豪天砲による砲撃によって僵巴兵たちは泥に崩れては還っていく。桔梗は砲弾が無くなるまで攻撃を緩めない。

空を見上げると陳宮によって発射された南蛮反乱勢の子たちが自爆特攻をしている。流石の桔梗も流石に心が痛くなるのはある。よって早めの決着を望んでいる。

 

「気合と覚悟は砲弾と共に込めた。あとは泥の兵士を吹き飛ばすだけだ!!」

 

また豪天砲が放たれ僵巴兵たちが吹き飛ぶ。

 

「ほほう。桔梗は気合が入っているな」

 

荊軻は僵巴兵の首を切り泥に還す。余裕そうであるが油断はしていない。

彼女は瞬時に敵を視認し、瞬時に切り裂いていく。

「スキル発動」

スキル『プランニング(B)』の発動。僵巴兵を如何に減らし、消していくかを思考する。

 

(陳宮の自爆特攻、桔梗の豪天砲。そして私と蒲公英と傾の戦力。更に南蛮反乱勢に蜀の戦力……ふむ、いけるな)

 

荊軻はプランニングを完成させて動き出す。

 

「切る」

 

素早く荊軻は僵巴兵たちを搔っ切っていく。

 

「やあああああああ!!」

 

蒲公英も荊軻と同じく僵巴兵を槍で薙ぎ払っていく。

 

「即席の罠もあるよ!!」

 

即席の罠と言っても槍で無理やり槍で地面を抉って躓かせる程度のものだ。しかし戦の中で兵士が多くいる状況こそ足元の警戒が怠るものだ。

実際に僵巴兵たちは即席の罠に嵌って躓き、転倒している。その隙だらけに攻撃は簡単に通る。

 

「うにゃあ」

「にゃあー」

「にゃにゃ」

「アンタらまで嵌ってどーすんのよ」

 

南蛮反乱勢の子たちまで即席の罠に引っかかっていた。

 

「喰らえ!!」

 

鞭がバチンと何進(傀儡姫)に当てられる。

 

「くくく、何だか力が湧いてきたな。これが獣の力ってやつか」

 

傾の身体から気がどんどんと滲み出ている。彼女曰く獣の力が解放されつつあるらしい。

 

「我が鞭の餌食になれ!!」

 

鞭を連続で力強く振るって何進(傀儡姫)を滅多打ちにする。

 

「どうだ!!」

 

偽物とはいえ、自分が滅多打ちにされているのを見て傾は何故か変な気持ちになっていく。

 

「はぁはぁ…いいぞ。これは」

 

傾の身体より大きな気が放出される。

 

「闘争本能をもっと滾らせろ黒豹!!」

 

彼女の大きな気はまるで黒豹を象るように放出された。

 

「まだまだ!!」

 

鞭による鋭い連撃。気が付与され、鞭の一撃はより重くなる。

 

「フハハハハハハハ。これが大・将・軍の実力だ!!」

 

全速力で駆けだして傾は何進(傀儡姫)に重い突きを繰り出して泥に還した。

 

「おお、やるな。普段よりも強いんじゃないか?」

「余はいつも強いわ」

 

力が溢れているのか自信が漲っており大将軍時代の気持ちに戻っている傾であった。

 

「よしだいぶ敵の部隊を崩したな。負傷者は下がれ、戦える者は儂と共に進むぞ!!」

「「「はっ!!」」」

 

すぐさま桔梗は部隊を再編制し、進撃の準備をする。

 

「桔梗さん」

「なんだ蒲公英よ?」

「ちょっと気になるとこがあってさ」

「なに……ああ、行ってこい」

「ありがとう桔梗さん」

「あの馬鹿を頼む」

 

蒲公英はある戦場へと駆けだす。

 

「あやつはどうしたのだ?」

「ただの喧嘩友達のところに行くだけだろう」

 

 

870

 

 

恋と呂布(傀儡姫)の方天画戟の打ち合いは強力な衝撃波を生む。その余波で南蛮兵や僵巴兵たちは態勢を崩して倒れていく。

 

「…こいつ強い」

「………」

「…ん?」

 

呂布(傀儡姫)は何かを呟いているが聞き取れない。そもそも何語を口にしているのかすら分からない。

 

「…えい!!」

 

敵が自分と同じ姿であっても恋は一切動揺せずに切断する。しかし呂布(傀儡姫)は切断されてはくれない。

方天画戟の打ち合いは続き、未だに有効打は決まらないのだ。

 

「…少しずつ強くなってる?」

 

気付いた点は呂布(傀儡姫)が強くなってきているという点だ。戦い始めた時はまだ大きな脅威は感じなかったが徐々に脅威を感じ始める。

まるで呂布(傀儡姫)が恋との戦いで経験を得て、偽物が本物を超えようとするような感覚である。

 

「…こいつ恋になる気?」

 

ズサザっと恋は下がる。そして腰を落として犬のように四肢を地面に付く。

 

「…恋は犬。犬の力使う」

 

犬の身体能力は高く、走力、持久力、ジャンプ力は抜群の能力を持つ。

更に聞いた事がある者がいるかもしれないが犬は自然災害を予知する力があると言う。それは未来予知に近しい力だ。

恋は本能的に犬の特別な力を引き出そうとしている。神経を研ぎ澄ませ、集中する。

 

「…わん」

「……………」

 

何語か分からない言葉を呟く呂布(傀儡姫)は一気に跳んでくる。

 

「…視えた」

 

恋は不思議な感覚であったが呂布(傀儡姫)がどのような動きをするのかが先に視えた。

 

「…決める!!」

 

敵の動きが先読み出来た恋は確実に方天画戟で屠る為に振るう。

 

「…一騎当千!!」

 

先読みした恋にとって呂布(傀儡姫)は敵ではなかった。胴体が真っ二つとなり、泥に還った。

 

「恋殿の方は片がついたようですね。なら此方も負けていられません」

 

秦良玉が相手にしているのは陳宮(傀儡姫)だ。本物の音々音は軍師である為、戦闘には向かない。しかし陳宮(傀儡姫)は俊敏に動いて旗を槍のように振るう。

 

「なんでねねよりも偽物が機敏に動いてるですか!!」

(ねね殿もキックする時は機敏に動いている気がしますけど)

 

陳宮(傀儡姫)は小柄も相まってより動きに機動力がある。

 

「人を攪乱させるように動いては攻撃しにくる。ですが私には効きません」

 

トネリコの槍を陳宮(傀儡姫)に向けて狙いを定める。相手は素早く動いているが秦良玉の目は捉えている。

 

「そこです!!」

 

トネリコの槍を投擲し陳宮(傀儡姫)を貫く。

 

「今ですねね殿!!」

「分かったです!!」

 

パンダの力を肉体に付かせる。

 

「いっくですよ。これがねねの力です」

 

音々音は高く跳躍し、動きが止まった陳宮(傀儡姫)に蹴りを叩きこむ。

 

「熊猫蹴撃!!」

 

別名パンダーキック。

いつもの陳宮蹴撃にパンダの力が合わさった強力なライダーキックだ。

陳宮(傀儡姫)は爆発四散して泥へと還った。まさかの威力に自分自身でも若干ん引いている音々音。

 

「パンダの力は凄いですね。流石パンダです」

 

トネリコの槍を華麗にキャッチして音々音を褒める。

 

「いや、こんな威力になるとは思わなかったです。てかパンダの力かどうか怪しいです」

「大丈夫です。ちゃんとパンダですよ」

「何が大丈夫ですか」

 

獣の力を使うという事は獣の呪いの侵攻が進むという事だ。力の遣い過ぎは諸刃の剣である。

 

「何はともあれ片付きました。しかしこれで安心はしてられませんよ。まだ戦いは終わってません」

 

視界に広がるのは南蛮兵と僵巴兵たちだ。

 

「これは骨が折れますよ」

「大丈夫です。ねねと恋殿がいますから。ね、恋殿」

「…わん」

 

犬の鳴き声で返事をする。

 

「恋殿。犬の真似をしてると呪いが進行するかもしれませんよ」

 

真似とはいえ、自ら獣に近づくのは進行を早めるのと同じのようなものだ。

 

「…わんわん」

「恋殿?」

「…わんわんわん」

 

犬の鳴き声でしか返事をしない恋。

 

「これ言葉が喋れなくなってるのでは?」

「呪いが進行して犬の鳴き声しか話せなくなってるわけないじゃないですか。天下の呂奉先ですぞ」

「…わんわんわん」

 

冗談なのか本当なのか。しかし恋は冗談を言うような人間ではない。

 

「「……」」

 

思いのほか呪いの進行が早いのかもしれない。

 

 

871

 

 

剣戟が強く早く重く振るわれている。

ここでの剣戟合戦は雪蓮と炎蓮たちが起こしているものだ。相手は己の偽物である傀儡姫である。

 

「チッ。オレの偽物だからか中々やるじゃねえか」

 

炎蓮と戦える孫堅(傀儡姫)の実力は偽物と言えど本物だ。そして雪蓮が相手にしている孫策(傀儡姫)もまた実力が本物である。

何も喋らずに真顔で生気の無い目で剣を振るう自分は不気味以外の何物でもない。本人からしてみればさっさと倒したいのが本音だ。

 

「ほんと、偽物がこんなに強いってのもなんか嫌ね」

 

ガキンっと剣を交差する雪蓮と孫策(傀儡姫)。

 

「ただ完全に実力が同等ってわけじゃないわね。ただ厄介なだけ」

 

完全に実力が同じであればいつまでたっても決着はつかない。しかし今の段階でも厄介である事は違いない。

傀儡姫はどういう理屈か分からないが己と同じ動きで攻撃してくる。自分の癖まで似ているとなると傀儡姫を生み出した影姫とは恐ろしくも謎の存在だ。

 

「このままだと時間がかかるだけね。ならせっかく偽物とは違うモノを持ってるんだから試す価値あるわね」

 

雪蓮と炎蓮の身には豹の呪いが掛かっている。呪いとはいえ、それは豹の力が身に宿っているとも言える。

豹は木登りや泳ぎもうまく、運動能力にすぐれ、非常に敏捷な動きをすることができる。

獲物を狙う時の速さは60km/h程に達するほか、跳躍力にも優れており6m程の幅を跳ぶことができるのだ。

 

「なら合わせろ雪蓮」

「合わせるのは母様でしょ」

 

雪蓮と炎蓮は脚に力を込めて跳躍した。そして木々を連続で飛び跳ねる。

2人が連続で木々の間を跳び回っているのは敵を攪乱させるためだ。その作戦は成功で傀儡姫たちは攪乱させられている。

傀儡姫の目では2人の動きを追い切れない。

 

「凄い身体能力だな」

「あれも豹の力かぁ」

 

李書文(槍)と燕青は僵巴兵を淡々と泥に還していく。2人にとって僵巴兵は敵ではなく、ただ数が大木だけだ。

 

「雪蓮そろそろ決めるぞ」

「分かってる。自分の偽物は自分で片付けるわ!!」

 

跳躍の力を利用して一気に2人は傀儡姫に向かって剣を振るう。傀儡姫は雪蓮の動きに反応しきれずに胴体が真っ二つになって泥に還った。

 

「こんなものね」

「豹の力もまあまあだ。江東の豹っての悪くねえな」

「ほんとに二つ名を豹に変えたら?」

 

豹の孫親子。コンビネーションは抜群だ。

 

「燕青、李書文。僵巴兵とやらの相手を私も…ってアレ?」

「「もう片付いた」」

 

燕青と李書文(槍)の背後には泥に還った僵巴兵たちが倒れていた。もはやただの泥の山になっている。

 

「仕事が早いわね」

「なんだもう終わりかよ」

 

残念だが終わりではない。森の中か新たなら僵巴兵がぞろぞろと出てくる。

元々、僵巴兵の数は50万はくだらない。李書文(槍)たちが倒した数は所詮は50万の一割にも満たない。

 

「これはまだまだ準備運動にもならん」

「まだまだ休んでる暇ねえぞ」

 

李書文(槍)と燕青はストレッチの如く肩を回す。

 

「そ、私としてはまだまだ暴れ足りないから追加はどんとこいよ」

「オレもだ。豹の力が身体に馴染んできたのかまだ暴れ足りねえな」

 

豹の力が身体に馴染んでいるという事は呪いも進行しているという事だ。

 

(気が付いたら本当に豹になってるって事になってそぉだな)

 

 

872

 

 

陳宮は高い位置から南蛮と南蛮反乱勢及び蜀の戦を見渡す。そして自爆特攻作戦の弾である南蛮反乱勢の兵を投石機に装填し、発射する。

 

彼は冷静沈着に冷血に敵を倒す流れを思考していく。その思考に焦りや恐れを入れてはならない。だからこそ陳宮は背後に僵巴兵たちが近づいても気にもとめない。

気にも留めないのは陳宮1人だけでないからだ。南蛮反乱勢の兵がいる。カルデアの諸葛孔明や張角たちがいるからである。

 

「さっさと片付けてくださいね」

「簡単に言うな」

「爺に働かせるか。この若造め」

 

敵は僵巴兵だけでなく天和の偽物である張角(傀儡姫)もいる。しかし陳宮はこの場にいる戦力で対処できると判断したからこそ背後にいる僵巴兵たちを気にしないのだ。

 

「女性の方の張角殿。後ろは気にせずに戦場状況を確認してください。というか遠くの方がまだみえますか?」

「う、うん。ええっと…あれ、目が疲れてきたのかな遠くの方がよく見えなくなってる」

(呪いの進行が進んでますね。より羊の視界に近づいて遠くの方が見えなくなっているようですか)

 

羊の視界は横に対して広く見えるが遠くに関してはあまり見えない。今までは羊と人間の視界が混ざって良いどこ取りであったが徐々にデメリットが出てき始めている。

 

「遠くに関してはもうよろしいので周囲の状況を警戒してください。伏兵などの存在に気を付けるのです」

「は、はい!!」

 

そうは言っても天和としては己の偽物が気になるものだ。羊の視界は横に対して広いので己の偽物が何をしているのか注意しながらチラ見する。

 

「天和姉さんの偽物ですって」

「ほんとソックリね。ならお爺ちゃんから貰ったこの剣を使うわ」

 

そっくりと言っても偽物は偽物だ。向こうが殺しに来ているのならば抵抗せねばならない。

人和はメガホンを持ち、地和はペンライト風の剣を持つ。

姉の偽物が現れたのならば妹が責任もって片付ける。それが人和と地和の仕事である。

 

(ちぃちゃん、人和ちゃん。頑張ってお姉ちゃんの偽物を倒そうとしてるんだね。でもなんか複雑)

 

偽物とはいえ、姉の姿なのだから少しは躊躇って欲しいと我儘を思う天和であった。しかしそれが命取りになってしまうのだからしょうがない。

 

「おい張角。張三姉妹が持っている武器はお前が渡したのか?」

「うむ。孫の身を守る為に渡したのう」

「アレ、後で回収するからな」

 

地和たちには過ぎた代物である。この外史世界にも過ぎた代物かもしれない。

 

「まあいい。さっさと片付けるぞ」

 

諸葛孔明は周囲に八卦炉を周囲に展開。

 

「いでよ黄巾傀儡兵」

 

黄巾傀儡兵が地面より召喚される。

 

「うわっ、お爺ちゃん何それ!?」

「黄巾傀儡兵じゃよ。こ奴らは儂が操る兵じゃ。僵巴兵の相手は黄巾傀儡兵で十分じゃ」

 

黄巾傀儡兵が僵巴兵に突撃し、攻撃していく。そして諸葛孔明が展開した八卦炉から魔力弾を放出して僵巴兵を泥に還していく。

 

「脆いな。私の攻撃でも簡単に倒せる」

「うむ。数が多いだけで儂にも僵巴兵どもを倒せるわい」

 

諸葛孔明と張角は陳宮に敵を近づかせない。南蛮兵も黄巾傀儡兵が捕縛していく。

 

「よし。今の内にお姉ちゃんの偽物を倒すわよ。お姉ちゃんの偽物ならちぃたちでも倒せる!!」

「ええ、姉さんだしね」

「それってどういう意味ーー!?」

 

天和は武人でなく歌芸人だ。偽物であっても戦えるはずがないのだ。

人和の予想では僵巴兵の指示役に過ぎないと思っている。指示役を倒せば僵巴兵の統率が消えるはずだ。

 

(もっとも張角さんと孔明さんが先に僵巴兵を全滅させそうだけど)

 

実際に2人は徐々に僵巴兵たちを減らしている。

 

「人和さっさと姉さんの偽物を倒すわよ」

「うん」

 

人和はメガホンを構え、地和はペンライト風の剣を握って走る。

地和も素人だが同じ素人の天和の偽物を倒せない事は無い。むしろ戦えば自分が勝てると思っているくらいだ。

 

「覚悟しなさい偽物のお姉ちゃん!!」

 

地和が駆け出して張角(傀儡姫)に対して剣を振るうが槍を持ちだして防がれる。

 

「え!?」

 

張角(傀儡姫)は振られた剣を防ぎ、そのまま槍で地和を刺し殺そうとする。

 

「む、いかん!!」

 

張角は氷の呪符を放って地和を守る。

 

「ちょっと偽物の方が姉さんより強いんだけど!?」

「まさか偽物の姉さんの方が本物の姉さんより強いのは予想外だったわ」

「私って偽物以下なの…」

 

自分の偽物の方が強いという事実に何故かショックを受けた天和だった。

 

「なら張角お爺ちゃんからもらった武器の力を使う時ね」

 

地和はペンライト風の剣の柄をカチっと弄ると刀身部分が魔力を帯びる。

 

「私も」

 

人和はメガホンをカチリを弄るとメガホンの口がアンテナの様に大きく変形。

 

「くらえ幻撃☆音波!!」

 

メガホンから極太レーザーが放たれ、張角(傀儡姫)の槍を持つ片手を貫く。

 

「隙あり。幻輝☆斬覇!!」

 

素人ながらも魔力の帯びた剣で連続斬りからの刺突で張角(傀儡姫)を泥に還すのであった。

 

「天和姉さんの偽物を作るとか許せないから」

 

彼女は怒っていた。偽物とはいえ、己の姉を斬らせる事をさせた影姫とやらに。

 

「絶対に許さないんだから」

「ええ。影姫とやらにであったらこの武器で風穴開けてあげるわ」

(ちぃちゃん。人和ちゃん。そこまで怒って…私は良い妹をもったよ)

 

張角(傀儡姫)と僵巴兵の部隊壊滅。

 

「片付いたぞ陳宮」

「当然の結果です」

「上から目線じゃのう」

 

眼鏡をクイっと直し、戦場を確認する陳宮。

 

(ふむ、良い感じに戦況が変化してますね。そろそろ私も動きますか)

 

陳宮は次の動きへの準備を始める。




読んでくださってありがとうございました。
今回は何だかんだで週間以上経過してしまいました。最近忙しかったもので…。
次回こそは2週間以内を目指します。



867~872
今回の話は前書きにも書きましたがシンプルに各箇所の戦闘の話でした。
各箇所の話が短かったかもしれませんが恋姫たちや英霊達の戦いでした。

各話で出た必殺技。それらは天下統一伝のものです。

収穫人参
にゃんにゃん鉄爪
阿吽の大騒乱
阿吽の大乱舞
弓調馬服の熟練兵
闘争本能(黒豹)
一騎当千
熊猫蹴撃
幻撃☆音波
幻輝☆斬覇

けっこう天下統一伝の技を出せる事ができました。

次回は焔耶と兀突骨の話になります。
此方はシンプルではなく色々と入り込んだ話になればと思います。

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