Fate/Grand Order 幻想創造大陸 『外史』 三国次元演義   作:ヨツバ

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こんにちは。もしくはこんばんは。ついに始まったGW。
休みな人もまだ仕事な人もいるでしょう。

そしてFGOでもコラボイベントが既に始まってますね。
予想をしていたマスターたちも多かったですがまさかのビーストクラスでの実装のドラコー!!
これはびっくりでしたね。本編ではエクストラクラスは駄目って言ってるのにまさかのビーストクラス。こりゃどうなってるのか。
ストーリーもまだまだ謎な部分もありますが面白いですね。これからどうなっていくか楽しみです。

さて、こっちの物語である南蛮編ももう終了です。今回のと次回でやっとこさです。
ではこっちの本編をどうぞ。


南蛮大乱戦-仲直り-

883

 

 

南蛮と南蛮反乱勢・蜀の戦いは終わった。

燃えあがった火は徴姉妹の雨乞いによって鎮火され、大きな被害はなかった。

 

「にゃにゃにゃ」

「にゃ~~」

「にゃにょ」

 

南蛮及び南蛮大乱勢は徴姉妹にひれ伏していた。

 

「あ、あの…そんな平伏していられると困るんですけど」

「最初に来た時とデジャブ」

 

南蛮の者たちがこうも平伏し、崇めているのはやはり南蛮の森に燃え広まった火を雨乞いで鎮火させたからだ。

昔から雨乞いなどの天候を操作する力は神の力とされている。南蛮たちの反応はおかしな事ではない。

 

「ははー」

「桃香さんまで悪ノリしないでください」

「本気だよ」

「やめてください。前にみたいに徴側さんと呼んでください」

 

実際に目で見てしまうと特別な存在だと思ってしまうものだ。

 

「天候を操る力は誰でもできますよ」

「それは無茶があるよ徴側さん」

「そちらの朱里さんは風を操れるはずです」

「そうなの朱里ちゃん!?」

「いやいや、できないですから!!」

 

何故、風を操れると言われたのかが分からない朱里であった。

 

「神さま、りゅーび」

 

ポテポテと孟獲とミケ、トラ、シャムが歩いてくる。その顔は真剣そのものだ。

 

「みぃたちは戦にまけたにゃ。そして南蛮のくにもすくってくれたにゃ。そのじじちゅから、みぃは大王としてのせいいをみせるにゃ」

 

孟獲は頭を下げる。

 

「みぃたちはこーふくするにゃ」

 

戦に負け、国を救ってくれたのだ。大王として言い訳も何もできない。

ここは潔く降伏するのが大王としてのケジメなのだ。

 

「みぃをにくなりやくなりすきにしていいにゃ。でもミケたちはたすけてほしいにゃ」

「いやいや孟獲ちゃん。そんな煮たり焼いたりしないから!!」

「私もそんな事しません。私の目的は南蛮を元に戻す事です」

 

桃香が南蛮と戦ったのは南蛮が蜀の領地に攻めて来たからだ。そして原因が影姫に唆されたという点だ。

唆されたとはいえ、国に攻め込んだ事は簡単に許せるものではない。だからこそ孟獲は大王としてケジメをつけようとしている。しかし桃香は他の者たちの考えとは違うのだ。

 

「孟獲ちゃんをどうこうするつもりはないよ。わたしは孟獲ちゃんと仲良くなりたいんだ。わたしだけじゃない蜀と南蛮のみんなが仲良くなれたらと思うんだ」

「なかよくにゃ?」

「うん」

 

平和の為に皆仲良く手を取り合う。桃香の甘い考えで、我儘な事であり、都合の良い事が好きだ。それでも本気で平和を目指している事は折れない。

 

「みぃとりゅーびはなかよくできるにゃ?」

「出来るよ。わたしは孟獲ちゃんと仲良くしたい」

 

桃香は孟獲に手を差し出す。

 

「りゅーび」

 

孟獲は桃香の手を握り返す。

 

「みぃの真名はみぃにゃ」

「わたしは桃香だよ」

 

蜀と南蛮は戦をしたばかりですぐに仲良くなるというのは難しいかもしれないし、状況が状況だったので案外すぐに仲良くなれるかもしれない。

それはこれからの蜀と南蛮の手の取り合い次第である。

 

「孟獲さん」

「なんにゃ神さま」

「あの…だから私は神様じゃなくてですね」

「姉さん」

「なに弐っちゃん?」

 

未だに神様呼びを止めない美以に対して徴側は困り笑いだが徴弐はここでアドバイスを出す。

 

「もう神様として接しようよ」

「弐っちゃんたら何を言ってるの?」

「向こうが神様扱いするならそれを利用しよう。そうすればすんなりとこっちの言い分も通る」

「…それもそうかな?」

 

美以の中では徴姉妹は完全に神様だ。ならば神託とまでは言わないが今の彼女になら徴姉妹の言葉が通るはずである。

 

「孟獲さん」

「神さまみぃのことはみぃでいいにゃ」

「じゃあ美以ちゃん。私は南蛮を割るつもりはありません。南蛮反乱勢なんてものができちゃったけど仲良くしてほしいの」

「神さま…」

「私に付いて来てくれた子たちも美以ちゃんと仲直りしたいって言ってるの。どうかな?」

 

よく見ると徴姉妹の後ろには南蛮反乱勢の子たちが隠れていた。

 

「お、お前たち」

「だいおうさま」

「ごめんなさいにゃ」

「にゃ」

 

彼女たちは徴姉妹たちについて行ったが美以が嫌で裏切ったわけではない。

 

「……ゆるすにゃ。みぃもまちがっていたにゃ。おたがいさまにゃ」

「「「だいおうさまー」」」

 

南蛮反乱勢の子たちが美以の周りに集まっては抱擁し合うのであった。

 

「これで一件落着だね」

 

蜀と南蛮の友好関係は結ばれ、南蛮と反乱南蛮勢も1つに戻った。

これからより良い方向へと進んでいけば良いと思う徴側であった。

 

「さて、一件落着なら宴だ!!」

 

俵藤太が元気よく米俵を地面に置く。

 

「対宴宝具の出番だな。美味しいお米がどーんどーん。美味しい山と川の幸もどーんどーん」

「いつ見ても藤太の無尽俵はすごいな」

「いや、ほんと。絶対に俵さんは何処も引っ張りだこの人材だよ」

 

魔力がある限り食料が半永久的に出せるのならば凄い事だ。

世界共通にして食糧難を打倒する『救い』の宝具はどんな強力な宝具よりも強力である。

 

「あ、新たな神さまにゃあああああ!?」

「なぬ?」

 

半永久的に食料を出せる者がいれば確かに神と間違えられてもおかしくない。

 

 

884

 

 

戦の後は宴会だ。基本は勝者のみだが今だけは勝者も敗者も楽しく宴会である。

傷ついた者、頑張った者、勝った者。皆が身体を回復するためにガッツきながら喰らう。

 

「うまいにゃうまいにゃー!!」

「うん。本当に美味しいね美以ちゃん」

「やっぱ俵さんの対宴宝具は凄い」

 

先ほどまでは敵対していたというのに今は共に食事をしあう仲である。共に並んで飯を喰らう。これもまた平和への一歩なのかもしれない。

 

「ねえねえおにぎりはこんなものかな?」

「まだまだ握るぞ三蔵。飯を喰らう童はたくさんいるからな」

 

元気な南蛮の子たちは元気よく2人が握ったおにぎりを食べている。

 

「オレも手伝うよ。エミヤママ仕込みの腕を披露しよう」

 

藤丸立香は腕の裾を上げる。

 

「…ところでマスター」

「なに藤太?」

「吾が相手した謎の剣士は今回の戦でいたか?」

「あ、あの時の」

 

俵藤太を襲った謎の剣士について玄奘三蔵も「そういえば」と思い出していた。

今回の戦争ではそのような人物はいなかった。剣を使っていた強者は兀突骨くらいのものであったが彼女ではない。傀儡姫というわけでもない。

未だに謎で、彼が襲われた以降は姿を現さなかったのだ。

 

「最初は影姫とやらの手先かと思ったが違うかもしれんな」

「手先だったら今回の戦で現れてもおかしくないからね」

 

謎の剣士。その人物と再会するのはそう遠くないかもしれない。何故なら明確に此方を狙ってきたのだから。

 

「なんか真面目な話おわった?」

「あれ、地和に人和どうしたの?」

 

話の区切りを見ていたのか地和たちが話しかけてくる。

 

「天和姉さん知らない?」

「天和は…知らないな」

 

藤丸立香は天和とはまだ会っていない。そもそも戦が始まって、終わってから見かけていないのだ。

 

「あの眼鏡の陳宮に連れて行かれてから戻ってないのよ」

「うん。敵の目をすり抜ける為に連れて行かれたんだけど…」

 

 

よく見ると陳宮も居ない。

 

「孔明先生と張角は知らない?」

「いや、知らんな」

「儂も知らんのう…確かにじいじとして心配じゃわい」

 

張角は完全に張三姉妹の爺設定になっているようだ。

 

「うえ~ん。ちーちゃん、れんちゃん、立香~」

「天和姉さん!!」

「良かった無事だったのね。てっきりあの陳宮さんって人に自爆特攻されたのかと」

 

噂をすればなんとやら。ガサガサと茂みから天和が出てきた。

 

「怖かったよ~」

「そんな事しませんよ」

 

その後ろから陳宮も出てくる。

 

「場合によっては分かりませんが」

「場合によっては!?」

 

やはり油断してはいけない人物だと理解させられる発言だと思う張三姉妹であった。

 

「ところで色々と傷だらけだけど大丈夫?」

 

よく見ると陳宮の恰好は先ほどまで戦闘をしていたかのような感じであった。

 

「ええ。逃走した影姫を捕縛しようとしたんですが逃げられました。まあ、少しは痛い目を合わせた程度です」

「へえ…ってまだ後ろに誰かいる?」

 

陳宮の背後にはまだ誰か居た。その人物たちはよく知っている人物であった。

 

「ぐっちゃんパイセンに項羽が何でここに?」

 

陳宮の後ろにいたのは存在感のある虞美人と項羽であった。元々2人は成都で留守番しているはずであったのに何故か南蛮にいたのだ。

 

「主導者よ。我が南蛮に居るのは敵の首魁を止めるべく赴いた。しかし陳宮殿が言うように逃走を許してしまった」

「項羽様が悪くはありません。この外道軍師が足を引っ張ったからです!!」

「足を引っ張ったとは失敬な。貴女か武則天殿の酷吏を弾として発射出来れば一掃できましたよ?」

「「弾になるか!!」」

 

武則天も茂みから勢いよくガサっと顔を出した。

 

「魔力さえあれば出せる酷吏に、自爆しては再生する虞美人殿。繰り返し私の宝具が使えます。もしや永久機関では?」

「「そんなわけあるか!!」」

 

怖いもの無しの陳宮である。

 

「逃がしはしたが一手は決めた。次なる一手を」

「次なる一手。項羽それって」

 

次なる一手。気になる言葉が気になり聞き返そうとしたが雪蓮の声に塞がれた。

 

「ちょっ…ぐっちゃんの横にいるの何?」

「項羽様に何とはなんだ人間!!」

「え、ソレって項羽なの!?」

「ソレとか言うな!!」

 

雪蓮は虞美人と知り合いだ。そもそも虞美人が呉の建業で雪蓮と出会ったのである。

その時、虞美人は項羽を探していると言っていたのだから項羽の存在は知っていたが、その当人にここで出会い、まさかの存在感ある姿に言葉を失ってしまったのである。

 

「ぐっちゃんも人じゃないって言ってたけど、まさか項羽も人じゃなかったんだ」

「なんだ雪蓮は知らなかったのか?」

「知るわけないでしょうが母様」

 

ヒョイと顔を出す炎蓮。彼女もまた項羽の姿には驚いたものだ。

正直なところ自分は威圧的な風格がある存在だと自覚していたが自分以上のが目の前に現れると「おおぅ…」となる。それは炎蓮も例外ではない。

 

「凄いわー…流石は覇王の語源となっただけはあるわ」

「項羽様が凄いのは当たり前でしょうが!!」

「ぐっちゃんは変わらずで何より」

 

虞美人の様子に変わりが無いと思っていたが次の状況で一変する。

 

「虞よ。影姫なる者より受けた傷は問題ないか。我が力不足で愛する虞を傷つけてしまい不覚である」

「ああ、そんな項羽様。私が功を焦って飛び出したのが原因です。項羽様に不覚なんてありません!!」

「そんな事は無い。我が不覚の申すところである。愛する者が傷付く。このような我であれ、心配である」

「項羽様…!!」

 

キューンとキラキラする乙女な虞美人。

 

「え、誰あれ」

「ぐっちゃんパイセンです」

 

己が知っている虞美人像と変わっているので驚く雪蓮であった。

 

(項羽が気になる事を言っていたけど後で聞こう)

 

今は色々と説明が必要になるかもしれない。南蛮との戦いは終わったがまだ残している部分は多くあるのだ。

新たなカルデアの仲間。雪蓮の事。袁術と張勲の事。そこの辺りはまだ説明しきれていないのだから。

 

 

885

 

 

ふわっと影姫は山の上に降りる。

先ほどまで陳宮たちと戦っており、不覚にも片腕を斬られたのである。

斬られた片腕は回収済みだ。

 

「…おのれ、カルデアとやらめ。異物の存在のくせに私の腕を切り落とすなぞ」

 

南蛮では終始、冷静でいたが己の玉体を傷つけられた事に対しては珍しく怒りを滲み出ていた。

 

「おやおや貴女様が怒っているとは珍しい」

「あら、片腕が斬り落とされてるじゃない。珍しいものが見れたものね」

「于吉に曹操(暗影)ですか」

 

影姫は怒りを滲み出していたがすぐに怒りを消し去り、斬り落とされた片腕を切断面にくっ付ける。

ぐっぱぐっぱと手を開き、腕を動かす。斬り落とされた片腕は完全に元に戻っていた。

 

「2人が一緒とは珍しいですね」

「たまたま一緒になっただけですよ。貴女が南蛮に向かったというから様子を見に来たんです」

「そうよ。こいつと一緒に居たいわけないし」

「やっぱ嫌われてますね私」

 

軽く笑う于吉。

 

「ところで南蛮はどうでしたか?」

「暇つぶしにはなりましたね。しかしもう帰ります。そしてカルデアとやらを敵と認識しました」

「そうですか?」

「きっと邪魔になりますからね。これから魏蜀呉だけが敵ではありません」

「……無視してもいいんですけどね」

「何か言いましたか?」

「いえ、何も」

 

影姫は顔の黒いベールを外す。

 

「休暇は終わりです。五胡もそろそろ動き出す準備をしますよ」

「やっとですか。前に劉豹が待ちきれずに動き出した時は大変でしたからね。今は我慢してますが女カ様がそう言うのであれば彼も嬉々として動くでしょう」

 

影姫改め女カ。

お遊びはもうお終い。ついに表舞台に顔を出す時が来たという事である。

 

「なら私たち暗影も休暇が終わりかしらね」

「そうですね。3人には宝珠探しを再開してもらいますよ」

「大陸中を探して残り2つが見つからないからお手上げなんだけどね」

 

暗影の3人は女カの命令で7つの宝珠を探しており、大陸中を周った。これだけ探して見つからないのであればお手上げなのはしょうがない。

 

「曹操(暗影)。貴女には魏に行ってもらいますよ」

「魏に?」

「ええ。そっちの曹操は一時期、様々な妖具を集めていると聞きました。もしかしたらあるかもしれません」

「ああ、なるほど。分かったわ」

 

この外史の曹操は妖魔退治の為に妖術関連の道具を集めているのだ。

 

「見つからなかったらしょうがありません。不完全であれど私が本気を出せば三国なんて敵ではありませんので。そして異物たちも」

(その割には片腕を斬り落とされてたけどね)

「何か言いました?」

「何も」

 

シレっと曹操(暗影)は顔を横に向けた。

 

「そして于吉にも探してもらいます」

「え、私もですか。宝珠探しは管轄外なんですけど。それに五胡を動かす為に色々とまた三国にちょっかいでもかけようと思っていたところでして」

 

五胡が本格的に動き出す。ならば于吉が用意していた策を先兵隊のように動かすつもりだったがまさかの命令を出される。

 

「暗影たちもまだ探していない場所はまだあるのです。ただ3人とも行きたがらない場所ですから貴方に命令するんですよ」

「はあ…その場所とは?」

「貴方が兵馬妖とやらを見つけた場所です」

 

 

886

 

 

ふと思い出す事がある。

戦争終わりの宴会で普通に美味しく食事をしている中だが早急に解決しなければならない問題がある事があるのだ。

既に身体が馴染んで普通にしていたが、それは悪い意味で馴染んだと言うべきだ。

 

「オレらの獣化の呪いって解決してないよね」

「フジミャルのままだったな」

 

もしゃもしゃとおにぎりと食べながらふと冷静になる藤丸立香と北郷一刀。

その会話に桃香たちも思い出す。普通に馴染んでいて違和感が無くなり始めていたが獣化の呪いは普通に危険な呪いである。

 

「そうだった。皆が可愛いから違和感がなくなってた!!」

「あー…馴染んでたから自分が獣になってるの忘れてた」

「飯食ってる場合じゃないですよ!!」

 

獣化の呪いを解く方法は2つ。華佗の解呪薬を服用するか、術者本人が解呪するかである。

現在は華佗も術者である美以もいる。すぐさま相談だ。

 

「美以ちゃん愛紗ちゃんたちに掛かった呪いの件だけど!!」

「うにゃ?」

 

美以はガツガツと美味しいご飯を食べている中、呪いと言われて「何それ?」という反応だ。

 

「あれ美以ちゃんたちがかけた呪いじゃないの?」

「にゃにゃ、思い出したにゃ。みぃたちがかけたのろいにゃ」

「解呪してほしいんだけどいいかな?」

「もちろんにゃ。でもかいじゅにはたいりょくとようりょくがひつようにゃ」

 

だからこそいっぱいご飯を食べているのだ。呪いの儀式を完成させるだけでも時間と体力と妖力を要した。ならば解呪にも同じくらい必要なのだ。

 

「もしくは俺が解呪薬を作る」

「かだにゃか。あのときはありがとうにゃ」

「医者として当然の事をしたまでさ。ところで解呪薬の材料には南蛮象の臍の胡麻が必要なんだが貰えないか?」

「もちろんにゃ」

 

華佗、南蛮象の臍の胡麻をゲット。

 

「解呪の儀式に時間が掛かるなら俺が解呪薬を作った方が早そうだな」

 

解呪の儀式よりも解呪薬を作る準備をこれから取り掛かろうとした時に事件は起こる。

 

「ううっ!?」

 

急に藤丸立香が呻きを上げた。

 

「どうしたマスター?」

「体が熱い…それに心臓がバクバクする」

 

異変が起きたのは彼だけではない。愛紗や雪蓮たち獣化した者たちに同じような症状が出ているのだ。

 

「うう…何が起きてるんだ。身体が熱い」

「何よ急に…さっきまで何も無かったのに」

「愛紗ちゃんに孫策さん大丈夫!?」

 

獣化した者だけが起きている現象。これは呪いによるものではないかと思うのは当然だ。

 

「美以ちゃんこれ何が起きてるの!?」

「みぃにも分からないにゃ。みぃがかけたのは動物にしちゃうのろいにゃ。こんなくるしむようなのろいじゃないにゃ!!」

 

動物になっていく呪いだ。肉体的にも精神的にも動物になる。今は肉体的に変化が起きているかもしれないから身体に異変が起きているのかもしれない。

もしもそうならば美以もこうなるとは予想外だったのかもしれない。人間が獣になる呪い。ただ漠然としていて、どのように獣になっていくかまでは把握していなかったのだ。

 

「診してみろ立香」

 

華佗が今の状態を診る。

 

「肉体的に大きな変化は見られないな。立香はいまどういう状況なんだ」

「身体に痛みは無い。ただ熱いんだ。それに心臓がバクバクするし、なんというかこう…身体がもやもやするというかムズムズするというか疼くんだ」

「他の皆もか?」

 

獣化した者たち全員とも藤丸立香と同じような症状である。

 

「痛みは無い。身体が疼く…獣化という観点からして」

 

華佗は症状から診てある答えに辿り着く。

 

「ああ、そういう事か。なるほど獣化が進むとそういう事も起こるのか」

「何か分かったの華佗さん?」

「ああ、分かったぞ。安心してくれ問題無い。」

 

問題無いと言われたが実際に苦しんでいるから安心はできない。

 

「本当に大丈夫なの?」

「獣化が進んでいるという分には安心は確かに出来ないが今の症状は大丈夫だ。まあ、我慢は良くないと言うが」

「我慢は良くないって…愛紗ちゃんたちは今どういう症状なんですか?」

 

結局のところ藤丸立香たちに何が起きているのか。それが分からない限り安心はできないのだ。

だからこそ華佗ははっきりと彼らに起きている症状を伝える。

 

「ただの発情期だ」

 




読んでくださってありがとうございました。
次回の更新はまたGW中に出来ればと思ってます。ダメだったらGW明けかも。

それにしてもやっと南蛮編も次回で終了になります。
いやあ、長かった。


883
やっと終わった南蛮との戦争。
まあ、戦争というか異変のような感じでしたね。
 
美以は完全に徴姉妹を神様認定しました。
そして俵藤太も。だって無尽俵はもう神の力みたいなもんですし。


884
そういえばという事で謎の剣士について。
彼女の活躍はまた今度です。5章後半にて!!

またまたそう言えば。
玄奘三蔵や李書文(殺)とかあまり活躍できませんでした。
他にもいたのでちょっと消化不良的な部分もありましたね。次はもっと活躍させればと思います。

最後の最後に項羽たちが次の一手を残しました。
まあ伏線ですね。これがどこで回収されるかは内緒。


885
影姫改め、女カが正体でした。
まあ、バレバレでしたね。

そしてお遊びはもうお終いです。五胡は本格的に動き始めます。
5章後半では五胡の本隊が動く前に五胡の先兵たちが動きます。


886
発情期
まあ、これも獣化パターンではよくあるオチだったりすると思ってます。
北郷一刀は絞られます(確定)
藤丸立香は………………う~ん、どうなるかな!!

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