Fate/Grand Order 幻想創造大陸 『外史』 三国次元演義   作:ヨツバ

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こんにちは。

早く書けたの早速更新です。
まあ、短いんですが…次回に続くプロローグみたいなものだとお思いください。

ではどうぞ


異変発生

914

 

 

謁見の間にて。

 

「皆、ご苦労。山越族の件だが…」

「ハッ、蓮華様。戦か話し合いか。もう結論は出されたかの?」

「う、うむ…」

 

謁見の間に集まったの孫呉の重臣たち。そして藤丸立香たちも参加していた。

 

「まあ、雷火殿。そう結論を急がずとも」

「応、昨日は儂も粋怜もおらんかったし、今一度、皆で意見を交わしても良かろう?」

「意見ならもう出そろっておる。後は蓮華様のご判断を仰ぐのみじゃ」

「……んっ…………」

 

黙る蓮華。まだ彼女の中には明確に答えは出ていなかった。

その様子を見て藤丸立香は心配になる。今の彼女は余裕がなく、冷静に判断ができない。覚悟を決めたのに、その覚悟が折れそうになっているのだ。

 

(あれは駄目ですね)

(陳宮?)

(あれが王では呉も終わりですね)

(言い過ぎ)

 

しかし陳宮の言う通り、覚悟なき、覇気なき王では国を導く事はできない。

 

「さっ、蓮華様。お考えを述べられませ」

「ああ………」

 

雷火が促すが蓮華にとってよりつらくなるだけだった。

昨日、冥琳達は蓮華の事で話し合っていたがその場に雷火は居なかった。彼女は昔から蓮華を高く評価している。その評価は正しいが今の彼女はその評価が重りになっていた。

 

「私は………」

 

どう答えるべきか悩んでいた所、謁見の間にて急いで伝令兵が入ってきた。

 

「申し上げます!!」

 

静寂を破った兵士の声が彼女をびくっと肩を震わせた。

 

「後にいたせ。今は大事なる話の途中じゃ」

「さ、されど、一刻を争う事態にございますれば!!」

「なんじゃと?」

「近う!!」

 

緊急性だという事ですぐさま伝令兵を近くまで来させる。

 

(何だろう?)

(伝令の人の顔を見るにとても良くない感じですね)

 

ヒソヒソと徴側と予想し合う。現状で良くないものは山越族の件かもしれない。

 

「ハハッ、失礼いたしまする!!」

 

伝令が蓮華の前に進み出る。

 

「一刻を争う事態とは何か?」

「豫章の太史慈様からの報せにございます。盧陵の山越族が兵を挙げました!!」

「えっ……!?」

(先手を打たれたようですね)

 

徴側と予想した事が的中してしまった。

 

(この状況でコレでは…さて、この世界の孫権はどうするのでしょうね)

 

陳宮はこの外史世界の孫権の行動を興味深く観察するのであった。

 

「乱を起こした部族の数は?」

「ハッ、山越のごく一部でございますが、その兵力はおよそ二万。盧陵の村々を制圧し、そのまま太守様のお城へ攻め込む勢いにございまする」

「そ、それはまずいですねぇ」

「盧陵太守って誰でしたっけ?」

「前の州刺史、劉耀様の旧臣ですね。でも戦をされたことはあまり無いお方です…」

 

軍師陣は瞬時に敵の戦力を計算し、勝てるか否かを考える。

 

「ああ、それに盧陵には五千ほどしか兵はおらん」

「太史慈のところに兵はどれくらいいるの?」

「豫章の兵も五千くらいですね~」

「盧陵の兵と合わせて一万。太史慈が率いれば山越族の二万くらい容易に討てるじゃろう。太史慈を盧陵に向かわせるか?」

 

敵は二万で盧陵は豫章含めても一万。兵力は倍の差だ。

 

「う~ん、今は二万でもきっと他の部族もこの乱に加勢するでしょう。敵はどこまで膨れ上がるか分かりませんからね~」

 

最悪なケースであれば敵兵力は増加してしまう。如何に戦上手の梨晏が援軍で来ても数の差で圧し負けてしまう可能性がある。

 

「仲謀様、如何いたす。時は急を要するぞ」

「う、うむ……」

 

黙ってしまう蓮華に何かあったのかと思って亞莎は声を掛けるが今は良くなかった。

 

「蓮華様?」

「今、考えている!!」

「は、はい…申し訳ございません」

 

蓮華は若干、イライラしているようで怒鳴ってしまった。これにより自己嫌悪に陥ってしまうが今はそれどころではない。

まだ戦をするかどうか悩んでいるが敵は今まさに攻めてきている。

 

(どうすればいい…!?)

 

悩んでいるが答えは出ている。敵が攻めてきているのならば迎え撃つしかない。

攻めてきている敵を野放しのままにするわけにはいかないのだから。

 

「山越賊と戦…え?」

 

頼りない覚悟を決めて答えを出そうとした時、蓮華の視界に靄や霧のようなモノが写った。

靄や霧のようなモノは彼女だけでなく、他の者にも見えていた。

 

「なんじゃこれは。誰か城で焚火でもしておるんか!!」

「煙って感じじゃないわよ。霧…かしら?」

 

自然的に霧が発生するような季節ではない。これは異常事態であり、藤丸立香と楊貴妃たちはすぐさま周囲を警戒する。

 

(周囲に敵影らしきものは見えない…)

 

異常事態というのは蓮華たちもすぐに理解しており、周囲を見渡しているが同じく何も見つけていない。

 

「マスター。私たちから離れないように」

 

陳宮がマスターの前に出てくれる。いつでも戦えるように準備は完了しているようだ。

霧に紛れて襲撃とは聞いた事がある。視界が悪いと死角を狙われてしまうなんて常套句だ。

 

「どんどん靄が濃くなっていく?」

 

謁見の間に謎の靄か霧のようなモノが充満していった。ソレが何なのか分からない。しかしその後にありえない状況となった。

 

「ここは呉の城内だったよな。ここは何処だ?」

 

藤丸立香の視界には呉の城内ではなく、別の煌びやかな城内と見間違えるくらいに景色が変化しているのだから。

 

「え、ここはうちの城よ…ね?」

 

同じ疑問の声を出したのは蓮華であった。

 

「蓮華さん」

「あ、ああ立香か。ねえこれは一体なに?」

「ごめん。オレも分からない」

 

今の状況が異常事態という事だけは2人もすぐに理解した。

 

「楊貴妃、陳宮、みんな近くにいないのかー!!」

「冥琳、穏、祭、他の者は近くに居ないのか!!」

 

2人は声を出して仲間を探すが返事は帰らず、誰も見つからない。先ほど前に居た陳宮さえも消えていたのだ。

 

「さっきまで山越賊の事を話していて…そしたら靄だが霧のようなモノが発生して部屋を充満したらここにいた」

「ええ…」

 

現状をまとめてみたが何1つ分からない。分かる事は孫呉の城から別の城なのか屋敷に移動してしまった可能性があるという事だけだ。

 

(転移した感じはない…でもここは確実に呉の城じゃないよな)

 

周囲をグルリと見ても孫呉の城内ではなく、どちらかと言うと洛陽の城内に似ていた。しかしここは洛陽の城内で無い事は確かだ。

洛陽の城内を全て知っているわけではないが以前に月と一緒に歩いた時に場内は見た事があるため、確かに違うと分かる。

寧ろ洛陽での城よりも煌びやかで豪華に見える程だ。まるで幻想的で豪華な中華を連想させる。

 

「何が起きて…まさか于吉とやらじゃ」

 

このような異常事態での黒幕は妖術師といった類だと思った蓮華。その線はあながち間違いではないかもしれない。

外史世界でも妖術師といった存在はおり、2人にとって妖術師は誰だと言われると真っ先に顔が浮かぶのは于吉である。

 

「…可能性はある。今のところ何も襲撃はないのが怖いとこだけど」

 

もしも于吉の策略ならこれで終わりなはずがない。次があるはずだが今は何も起きない。

煌びやかな部屋だが誰かがいる気配はない。煌びやかな装飾品や机、椅子があり、そして部屋から出る扉もあった。

このまま部屋に居ても何も起きない。ならば変化を見つける為にリスク承知で部屋から出るしかない。そもそも部屋に残っていたら安全というわけでもないのだから。

 

「部屋を出てみよう蓮華さん。ここに居ても何も解決しない」

「え、ええ。そうね…」

 

扉を慎重に開けると縦に長く煌びやかな廊下が広がっていた。

 

「長い廊下ね」

「そうだね…取り合えず進もう」

 

一方通行でしかない廊下ならば進むしかない。いざ足を出して一歩進んだ瞬間に滑った。

 

「滑ぇーーーーっ!?」

「え、立香!?」

 

そのまま転んで次の部屋まで滑っていく藤丸立香であった。その廊下の壁には『つるつるした廊下』と書かれていた。

 

 

915

 

 

謎の靄や霧のようなモノは孫呉の城を完全に覆っていた。

 

「あははは。これで完全にボクの術中の中だ」

 

孫呉の城の中を余裕で歩くのは八傑衆の浮雲だ。

 

「長い間、建業に潜伏して調べてたかいがあったよ」

 

浮雲は仲間である雷公が敗北した後や賭博場で暗躍した後も建業に潜伏しながら少しずつ策を準備していたのだ。

準備していたかいがあって上手く孫呉の城は浮雲の術中に嵌った。自分でもバレないかとヒヤヒヤしていたものだ。

 

「うんうん。今のボクは運が良いらしい。やっぱりボクは他の八傑衆とは違うし、他のボクとも違うんだ」

 

気分が良くなって大笑いしたくなるが気持ちを抑える。これで全て勝利したわけではなく、まだ彼の術が発動しただけで孫呉は潰れていないのだから。

 

「更に于吉さんが言っていた…かるであ。こいつらもボクの術中に嵌ったけど于吉さんが注意しろと言っていたからな。慎重に倒してやるさ」

 

浮雲の背後には大きな生物たちが立っていた。

 

「こいつらの出番だ。色々と魔薬を使って出来た特別製の鬼。張白騎にあげた奴らよりも強い鬼だからな。ボクの術とこいつらを使えば呉の連中やかるであ共も皆殺しだ」

 

大きく強靭な鬼は孫呉の城内に侵入していく。

 

「色々と準備したから面白くなるぞ。それと……せっかくだから孫権には良い夢でもみせてあげようか」

 

浮雲はニヤリと笑いながら孫呉の城へと侵入していく。




読んでくださってありがとうございました。
次回の更新は2週間以内をまた目指します。


914
これも原作にあった流れですが途中でオリジナル展開です。
ついに八傑衆の浮雲がしかけました。

4章の最後であったオマケのアレに繋がる話です。
オマケの文章の内容と変化するでしょうが立香と蓮華が謎の豪華絢爛の城内を迷い込みます。

もう分かってしまっているでしょうがFGOの大奥のマップ…廊下や部屋の名前ネタがあったりします。(オリジナルもあったします)


915
浮雲出陣。
そして鬼たちも。

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