Fate/Grand Order 幻想創造大陸 『外史』 三国次元演義   作:ヨツバ

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こんにちは。
今週の日曜日についに始まる奏章Ⅰ
CMを見て色々と楽しみですね。どのような物語か気になります。
今回の立香の相棒ポジはシオンとカーマなのかな?

こっちの物語ではオリジナル展開が始まります。
前回で分かるかもしれませんがFGOの大奥ネタ(マップの)があったりします。
では、どうぞ


謎の楼閣

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山越族の対応を謁見室でしていたら謎の場所に移動していた。

そのような事を言われたら何を言っているのか不明だと言われるかもしれないが、実際に今まさに体験しているのが藤丸立香と蓮華である。

 

室内は豪華絢爛で、まるで幻想的な中華ファンタジーの城内にいるようでもある。もしくは幻想的な楼閣とも言えるかもしれない。

これは異常事態だ。先ほどまで建業の城に居たというのに謎の楼閣に移動したのであれば、普通はあり得ない。

この異常事態の謎を確認するために藤丸立香と蓮華はリスク承知で謎の楼閣で足を進めるしかなかった。

 

「って、思って一歩踏み出したのに滑ってぇーーーー!?」

 

一方通行の廊下はとてもつるつるしていて滑ってカーリングのように藤丸立香は次の部屋へと衝突した。

 

「痛…なんだこの廊下。つるつるし過ぎでしょ」

 

子供の頃につるつるした床や廊下をスケート気分で滑った事がある人がいるかもしれない。今の廊下はそれ以上であった。

 

「この部屋は…綺麗な部屋?」

 

扉には『綺麗な部屋』と書かれていた。

 

「そうだ、蓮華さんは…」

「きゃあああああああ!?」

「えっ」

 

蓮華も藤丸立香と同じつるつるした廊下を滑って来た。そして藤丸立香と衝突。

 

「ぐふ!?」

「きゃあ!?」

 

滑って来たモノは急には止められない。

 

「だ、大丈夫蓮華さん…」

「え、ええ。くっ、呉の王で私がこんな醜態を…母様や姉様はこんな醜態しないのに」

「炎蓮さんや雪蓮もこれは滑ると思うけどな」

「そんな事ないわよ」

 

本当に廊下がつるつるであったのだ。しかし、何はともあれ次の部屋に到着し、扉には『綺麗な部屋』と書かれている。

 

「入ってみようか」

「ええ」

 

注意しながら扉を開け、部屋へと入る。

 

「確かに綺麗な部屋だ」

「この部屋…」

 

綺麗な部屋と書かれていただけあって、確かに綺麗な部屋であった。

キラキラ・ピカピカしているというわけでなく、部屋内が整理整頓されて清潔で綺麗という意味だ。

 

「室内に怪しい所は無いかな。普通に綺麗な部屋だ」

「ここ…」

「どうしたの蓮華さん?」

「この部屋…母様の部屋だわ」

 

綺麗な部屋は蓮華が言うには炎蓮の部屋らしい。

 

「家具の位置に間取りも…同じ。でも何で?」

「ここが炎蓮さんの部屋」

 

何度か呼ばれて入った事がある。思い出してみると何となくだが、確かにこのような部屋であったかと思うのであった。

蓮華は机の引き出しや押し入れ等を開けて確認していく。

 

「何かあった蓮華さん…おや、こっちに扉があるな」

「ええと…コレは」

 

蓮華は机の引き出しを開けてみると書状があった。彼女は書状を開けて読んでしまう。

 

「……………」

「蓮華さん」

「え、ああ…何?」

 

手に持っていた書状を机の引き出しに急いで戻してしまった。

 

「こっちに扉があったんだ。進む?」

「そ、そうね」

 

『綺麗な部屋』を後にし、次の廊下へと出る。

また同じように一方通行の廊下が視界に広がり、廊下には『踊りたくなる廊下』と書かれていた。

 

「さっきも思ったけど大奥を思い出すな」

「おおおく?」

「レッツダンシング!!」

「どうしたの立香!?」

 

藤丸立香は踊りながら廊下を渡っていくのであった。ちなみに蓮華は我慢した。

 

 

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藤丸立香と蓮華が謎の楼閣で迷っているが2人だけではない。他の者たちもまた謎の楼閣にいつの間にか居たという異常事態にあっているのだ。

このままでは何も解決しないという事で同じように謎の楼閣内を調査し、迷っている

 

「何かこの廊下…潮の香りがするんですけど」

「本当ですね。何ででしょう?」

「海の匂いがする廊下と書かれておるぞ」

 

廊下に『海の匂いがする廊下』と書かれており、包と亞莎は首を傾けながら考える。

確かに海の、潮の匂いがするので書かれた通りの廊下だ。

 

「そもそも、ここ何処なんですか」

「分からん」

「はい。先ほどまで謁見室にいたのに今はよく分からない場所にいます。あの霧か靄のようなモノが出てからです」

「そうなるとあの靄みたいなモノが原因ですね」

 

今の異常事態の原因は謎の靄である可能性は誰でも分かるが、謎の靄が何か分からない。

 

「まさか妖術師でしょうか…」

「そうだったら凄い術者ですね。パオこれはなかなか危機的状況だと思います」

 

包と亞莎が状況把握していく。

 

(ふむ…これが魔術的なものであるとならば)

 

李書文(槍)はスキル『対魔力(D)』を発動。

 

(む…儂の対魔力では抵抗しきれんか)

 

スキル『対魔力』は魔術の抵抗するスキルだ。彼のランクは魔力除けのアミュレット程度の耐性である。

今の異常事態に抵抗している感覚があるので何かしら魔術・妖術である事は分かった。しかし全てを無効化に出来ていないため、何かしらの術を喰らっている。

 

(包の言う通り…術者は腕が立つ相手か)

 

李書文(槍)は小さく息を吐き、瞬時に必殺の一撃を出せるようにしておく。搦め手を得意とする術者ほど戦いにくい敵はいない。

であるならば搦め手に嵌る前に一瞬で決めるのだ。

 

(最も今の儂が敵の術にどれくらい嵌ってるかだが…)

「あ、扉ですよ」

 

3人は一方通行の廊下を進むと扉を発見する。

 

「よし開けましょう」

「え、もう少し慎重に…」

「潮の部屋と書かれておるな」

 

包が扉を開けた瞬間に潮水がドバっと溢れて出た。

 

「ひゃわわわわーー!?」

「きゃーーーー!?」

「むう…まさか水浸しになるとは思わなかったぞ」

 

扉を開けたら潮水は何か嫌だ。

李書文(槍)たちが潮水で水浸しになった頃、別の所では。

 

「おい穏。こんな所で寝ようとするな…くっ」

「ううう…うとうとします~」

 

何故か睡魔に襲われかけている穏と冥琳。

 

「何か魔術的な要素がありますね。私も睡魔に襲われてます」

 

陳宮も睡魔に襲われており、うとうとし始めているが何とか耐えている。

 

「まさに『うとうとする廊下』といったところです」

「□□」

「我が無敵君主は…大丈夫そうですね」

 

陳宮たちも謎の楼閣で迷いながら調査をしていた。しかし最初の廊下が『うとうとする廊下』という事でいきなり躓きかけていた。

どのような魔術か分からないが睡魔が襲ってきているのだ。謎の場所で眠ってしまう事は敵からしてみれば「どうぞ襲ってください」と言っているようなものである。

 

「こういうのはさっさと廊下を抜けるべきです」

「そうしたいが…くっ、私も睡魔が」

「ぐう…」

「寝るな穏!!」

 

進むごとに、うとうとしてしまう。

 

「ふむ。私もなかなかキツイので…呂将軍」

「□□□」

 

呂布奉先は陳宮と冥琳、穏をヒョイと持ち上げる。

 

「うわっ!?」

「安心してください。我が無敵君主は眠くならないようなので運んでもらいましょう」

「あ、ああ。助かる」

 

呂布奉先はズンズンと『うとうとする廊下』を歩いて行く。

 

(ふむ。呂将軍には効いていない…これが魔術的要素であって無効化しているのであればスキル『勇猛(B)』を発動させているという事)

 

陳宮は呂布奉先のスキル『勇猛(B)』の効果がどのようなものかを思い出し、今の異常事態を考える。

 

「く…うとうとする。陳宮殿なにか次の部屋が見えてきたぞ」

「おや、そうですか。えーと何々『寝やすそうな部屋』と書いていますね」

「「………」」

 

4人は『寝やすそうな部屋』に入る。部屋の中には清潔で寝具が置かれており、就寝するには丁度よい環境であった。

 

「ぐうぐう」

「穏は完全に寝たな…ぐ、私もキツイ」

「寝やすそうな部屋ですけど…こんな異常事態で寝るほど私は馬鹿じゃないんですよね」

 

今、陳宮はある仮設を立てていた。その仮説が正解かどうか分からないが呂布奉先のスキル『勇猛(B)』から導き出している。

 

「さっさと部屋から出ましょう。向こうにまた扉があります。呂将軍急いでください」

「□□」

 

ズンズンと3人を担いだ呂布奉先『寝やすそうな部屋』を突っ切った。新たな扉を無理やり突破するとまた新たな廊下が視界に広がった。

 

「急に睡魔がなくなったな」

「ふえ?」

 

睡魔が急に消え、目がパッチリした穏は新たなに広がった廊下を見た瞬間にテンションのボルテージが上昇した。

 

「ふ、ふぉおおおおおおおおおお!!」

「急にどうしました彼女?」

「あ、いや…穏のコレはちょっとな」

 

新たな廊下は『本棚のある廊下』。長い廊下の左右には本棚がズラリと並んでいたのだ。

 

「こ、こんなに本がたくさんあります~~~!!」

「おい穏落ち着け。今はそれどころじゃないだろう!!」

 

今は異常事態で仲間と逸れた状況だ。そして冥琳が一番不安なのが蓮華の安否である。

 

「色々な本がありますね。私も読書は好きですが…コレは読む気にはなりませんね。どうせ読めませんし」

 

陳宮と呂布奉先は気にせずに先に進む。

 

「本がいっぱいです~」

「おい穏いいかげんしろ」

「ですがですが~」

 

ガッシリと本棚に掴んでは剝されて廊下を進み、また本棚に掴んでは剝されて廊下を進むという繰り返しであった。

 

「陳宮殿。先ほどみたいに呂布殿に頼んで穏だけを抱えて進んでくれないか。これでは一向に進まない」

「そうですね。頼みます呂将軍」

「□□」

 

呂布奉先はベリっと穏を本棚から引き剥がして廊下を進むのであった。

 

「ああああああ~~~本が~~」

「呂布殿。雑に扱っていいからそのまま運んでくれ」

「□□」

 

興奮止まない穏を引き摺って次の扉を開けると、その部屋は本で埋もれていた。

 

「ふぉおおおおおおおおおおおお!!」

「ここは『本に埋もれた部屋』と書いてありますね」

「はあ…何だここは」

 

冥琳は顔に手を当ててため息を吐き、穏のテンションは最高潮に達していた。

 

 

918

 

 

謎の楼閣は未だに謎のまま。

迷うは孫呉の臣たちとカルデアの英霊達。迷いながらも謎の楼閣内を調べては進んでいく。

 

「うぬぬ…まっすぐに歩けん」

「だ、大丈夫ですか祭さん?」

「どうしたのさ」

 

徴姉妹と祭はある廊下を歩いているが、祭だけがふらふらと左右によろめいてしまっている。

この廊下『千鳥足になる廊下』。

 

「ここは何処かと思い…そしてなんじゃこの廊下は」

「千鳥足になる廊下って書いてあるよ」

「何で儂だけ千鳥足になるんじゃ」

「酒飲んでたんじゃないよね?」

「飲んでおらん」

 

徴姉妹は千鳥足になっておらず、祭だけが千鳥足になっているのだ。

 

(スキルの『対魔力(B)』が発動している。であればこの空間は…)

(だから祭さんは千鳥足になってるのか。千鳥足になる魔術なんて変なの)

 

ふらふら左右にあるいておぼつかない祭を見て心配した徴姉妹は肩を貸す事にした。

 

「すまんな」

「いえいえ。早くここから移動しましょう」

「というか何でお主ら平気なんじゃ」

「お姉ちゃんは完璧だから」

「それは理由になっておらんぞ」

 

『千鳥足になる廊下』を進み、新たな扉を開けると部屋にはいっぱいの酒壺が置いてあった。

 

「酒がいっぱい!?」

「えーっとこの部屋は…『酒の部屋』って書いてあるよ姉さん」

「千鳥足ときてお酒ですか」

 

部屋は酒の匂いで充満しており、酒に弱い人は匂いだけで酔ってしまうかもしれない。

 

「………ちょっと味見してよいかのう」

 

酒好きとしては無視できない部屋であった。

 

「さっき千鳥足になってたのに」

「なんか治った」

 

治ったからと言って飲む理由になるかは分からない。

 

「マスターもそうですけど、他の人たちも大丈夫かなぁ」

 

徴側が他のメンバーを心配している頃、楊貴妃と粋怜の2人はと言うと。

 

「うう…ヌメヌメします」

「なんか官能的ねユウユウちゃん」

 

楊貴妃は『ぬめぬめした廊下』で滑ってぬめぬめ状態になっていた。

 

「こんなのユウユウのキャラじゃないです。やっぱ不夜奶奶じゃないと」

 

何処かで「何でじゃ!!」と聞こえたような気がした。

 

「こんな廊下じゃ立てないから我慢して四つん這いで進むしかないです…」

 

謎の楼閣にいつの間にか迷い込んだと思えばぬめぬめになってしまうという展開に嫌になってしまう。

 

「あれ…どうしたんですか粋怜様?」

 

楊貴妃がぬめぬめした廊下を四つん這いで移動しようとしたが粋怜が一歩も動こうともしなかった。

 

「いや…私そこ歩きたくないなーって」

「ユウユウもですよー!!」

 

誰だってぬめぬめした廊下を歩きたがらないものだ。

 

「こういうのって私じゃなくて祭とか穏がやるべきだと思うのよね」

 

何処かで祭と穏がくしゃみをしたような気がした。

 

「そんなの我慢して行きますよ粋怜様!!」

 

ぬめぬめの楊貴妃が粋怜に近づく。

 

「待って、大丈夫。自分で行くから大丈夫。無理やりそっちに引き込もうとしなくていいから」

 

ため息を吐きながら粋怜はぬめぬめした廊下を渡るのであった。

今の2人を見る人が見れば官能的だと興奮する人は多くいるかもしれない。

 

「やっと渡り切りました…」

「やっぱぬめぬめになっちゃったわね」

 

ガチャリと扉を開けると、その部屋は『どろどろ』していた。『どろどろした部屋』である。

 

「なんか廊下よりも粘度が増してます」

「私って今回こういう目に合うの?」

 

官能的かと思えば芸人魂よろしくの展開になる2人であった。

 

「ここって変に酷い目に合う場所なの?」

「マスターが心配です」

「私も別の意味で蓮華様が心配だわ」

 

楊貴妃たちが芸人魂よろしくの部屋で頑張っている頃、張角と雷火はと言うと。

 

「ったく爺にこんな廊下を渡らせるな」

「全くじゃ。何故こんな廊下なのじゃ。いや、廊下じゃないじゃろ」

 

張角と雷火は這いながら廊下を進んでいた。2人がいる廊下は『這う廊下』である。

這わないと先に進めない廊下になっており、老人の肉体には辛い。

 

「年寄りを労らん建物じゃのう」

 

何とか這って廊下を渡り切り、次の部屋へと入るがまた2人にとって辛い部屋であった。『狭い部屋』であり次の廊下への扉まで向かうまた大変であった。

 

「中腰は辛いんじゃ!!」

「せ、狭い…こんな狭い道を通れるか!!」

「また這って…更にちょっと上るとか!!」

「婆にこんな所を通すな!!」

 

2人は文句爆発で年寄りによろしくない部屋を進んでいくのであった。

 

「しかしここは何処じゃ。皆とは逸れるし、蓮華様が心配じゃ」

(周囲からは魔術的要素を感じる…中々の術者じゃな。恐らく広範囲で術を発動しておる)

 

張角は文句を言いながらも謎の楼閣の調査・解析を進める。

 

(ワシら以外も恐らくこの楼閣にいるじゃろう。全員を同じ場所に集めなかったという事は分散が目的…分散して叩いてくるつもりか?)

 

迷い込んだ謎の廊下はまだ謎のまま。しかし良くない場所というのは事実だ。

 

「ボクの楼閣を楽しんでいってくれ」




読んでくださってありがとうございました。
次回の更新も2週間以内を目指して頑張ります。


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前書きにも書きましたか今回は大奥のマップネタを使わせていただきました。

立香。
迷いながら大奥を思い出してます。
マップやルートのあのネタは色々と面白いです。

蓮華。
綺麗な部屋で見つけた書状とは?
なぜ炎蓮の部屋なのか。本当に炎蓮の部屋なのか?


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李書文たち側
海水でびっちょりになりました。そして李書文の対魔力では防げないくらいには謎の楼閣に蔓延る魔術が強い

陳宮たち側
穏のテンションが上がりました。(今はそれどころじゃないですよ)
呂布は『勇猛(B)』のおかげでいろいろと大丈夫


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徴姉妹たち側
祭がおもいっきり嵌ってます。
徴姉妹は『対魔力(B)』のおかげで無事です。

楊貴妃たち側
扱いがちょっと…。ぬめぬめはしょうがないです…たぶん。

張角たち側
年寄りにはつらい通路と部屋でした。

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