Fate/Grand Order 幻想創造大陸 『外史』 三国次元演義   作:ヨツバ

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こんにちは。
またしても投稿に日が空いてしまいました。
しかしこの物語は完結させます!!(ほんと頑張ろう)


FGOでは徐々に水着イベント配信に近づいてきましたね!!
楽しみです!! ネットにも書きこまれてますが、今回は2部6章組の話がメインになるでしょうか…それはとても気になります!!


恋姫
新作の『真・恋姫†英雄譚 外伝 白月の灯火』
公式サイトがオープンされましたね。まさかの漢√(月√)。
こちらもどのような物語になるか気になります!!
ついに華雄の真名が明らかになるのか。


蜃気楼を吹き飛ばす

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反撃開始。

『貝の部屋』に金属製の大きな爪が飛んでくる。藤丸立香を中心に回転しながら近づいてくるのは消えている敵を完全に炙り出す為である。

 

(な、なんだアレは!?)

 

部屋に飛んで来た金属製の爪に驚く浮雲。予想外の連続でまた心を乱される。

 

「蜃の力は知ってる。こうやって見えなくなるのも体験がある。消えたんじゃなくて見えなくなっただけだ」

 

金属製の爪が2体の黒山鬼を捉えた。

 

「グギャ!?」

「グゴ!?」

(黒山鬼がやられただと!?)

 

飛んで来た金属製の爪は黒山鬼を轢いたまま止まらない。

 

「見えなくなっただけで敵はここにいる。なら敵が避けようのないように周囲全てを攻撃をすればいい!!」

(なんだその脳筋的な考えは!?)

「バスター!!」

 

困った時はバスターで殴る。

 

「今頃みんなもバスターって殴ってる!!」

「ばすたぁってなに?」

 

李書文(槍)side

 

「透明になるというよりも蜃気楼に隠れてるだけだ」

「蜃気楼に…ですか?」

「ああ。まあ、見えなくなっているという点では同じか」

 

爪鬼は見えなくなっている。

 

「見えない敵なんてどうやって…」

「見えないだけでいるのは確かだ。こういう敵は広範囲で攻撃すればいいだけだ」

 

全体宝具攻撃であれば容易いが李書文(槍)は全体攻撃系の宝具ではない。

 

「広範囲な攻撃ですね!!」

 

ニュっと顔を出す包。その手には巻物。

 

「なんだその巻物は」

「ふっふっふー。パオはこれでも妖術の勉強もしてるんですよ」

 

妖術の勉強をするならちゃんと仕事をしろと、この場に雷火がいればそう言ったかもしれない。

 

「パオは凄い術を編み出したんですよ」

「ほう。では見せてもらおうか」

 

巻物をパラっと開き、ブツブツと呟く。すると巻物から光球が出現した。

 

「これを…!!」

 

包は光球を右手に移動させて掲げた。

 

「くらえ秘術。黒点光爆!!」

 

『爪の部屋』中を覆うくらいの光輝き、光球が爆散した。

 

「ひゃわーーーー!?」

「きゃあああああ!?」

 

想いの他、高火力に包自身も腰を抜かした。近くにいた亞莎も眩しすぎて目を覆ってしまう。

実はまだ作ったばかりの術式であるため、不安要素が過多である術である。しかし包の術は爪鬼に効いていた。

見えないが術の広範囲攻撃を喰らって場所を把握できたのだ。

 

「そこか!!」

 

李書文(槍)が駆け出し、爪鬼がいるであろう空間に槍を突いた。

 

「手応えあり」

「グルアアアアア!?」

 

槍によって貫かれた爪鬼は姿を現した。

 

「見えれば問題無しだ!!」

 

槍から手を離し、拳を強く握る。

狙いを定めて李書文(槍)は爪鬼に拳を振るって屠った。

 

陳宮side

 

「見えないだけで鬼はこの部屋にいます。なら対処法は簡単ですよ」

 

眼鏡をクイっと正す。

 

「その対処法とはなんだ?」

「見えない敵の対処法とは私も聞いてみたいですね~」

「簡単ですよ。自爆です」

「「………」」

 

真顔になる冥琳と穏。

 

「敵は見えない。そして結界も張る様ですが関係ありません。だって無敵将軍の力があんな鬼程度の結界を破れないわけないじゃないですか。ははははは」

「□□□□□!!」

 

呂布奉先は雄叫びを上げる。

 

「じ、自爆ってぇ~」

「色んな人を見てきたが…陳宮殿は大殿とは別の意味で予想外の人だな」

「炎蓮様よりやば…凄いんじゃないですかね?」

 

炎蓮でも陳宮が自分よりもイカれているのは認めていた。

 

「呂将軍、そこで自爆です!!」

「□□□!!」

((さらりと自分の仲間に自爆宣言した…))

 

『錫杖の部屋』の内で大爆発が起きた。

「……今更ながら呂布さんって何者でしょうか~?」

「さあな。それよりも私は陳宮殿が怖い奴だと思ったよ」

 

呂布奉先の大自爆に巻き込まれた錫杖鬼は爆散した。

 

徴姉妹side

 

「姉さんそっち行ったよ!!」

「任せて!!」

 

徴姉妹は『弓の部屋』に隠れた鬼を追い詰めていく。

 

「2人は見えておるのか?」

 

祭には2人が見えない敵を視認し、追い詰めているようにしか見えなかった。

彼女たちの持つスキルには『対魔力(B)』がある。おかげで幻術等の術が効いていないのだ。

見えない敵が見えてしまえば、もはや怖くはなく、脅威でもない。

 

「見えないというアドバンテージはもうない。狩る側が狩られる側になったね」

 

徴弐は身軽に隠れていた鬼を追いかける。『弓の部屋』で待ち受けていた鬼は弓鬼。

弓鬼にとって部屋に来た獲物を弓で射るだけの簡単な作業だった。獲物からは此方は見えないのであれば狩る側は楽に獲物を狩れる。

たったそれだけだったのに立場が逆転した。弓鬼が狩られる側になったのだ。

 

「幻術なんて効きません」

 

幻術が効かないのであれば蜃の力で隠れるがそれでも見つかる。

弓鬼にもはや逃れる事はできない。

 

「姉さん決めるよ!!」

「うん。弐っちゃん!!」

 

徴姉妹は2人いる。徴弐が追い詰めて徴側が逆側から挟み撃ち。

 

「合わせて弐っちゃん!!」

「うん。姉さん」

 

水の剣を形成し、2人は交差するように弓鬼を斬り払った。

 

「グガアアアアア!?」

「終わりだよ。こんな幻の空間はもうおしまいだ」

 

楊貴妃side

 

消えた巨大鬼は粋怜を狙うはずだったが急に楊貴妃にへと狙いを変えた。

その理由は楊貴妃の発動したスキル『三千寵愛在一身A+』だ。巨大鬼は丸太のように太い腕を楊貴妃に向かって振るったのである。

 

「楊貴妃ちゃん!?」

 

粋怜からしてみれば楊貴妃が勝手に吹き飛んだように見えたはずだ。しかし実際は巨大鬼に襲われたのだ。

すぐさま駆け出して粋怜は楊貴妃を受け止めた。

 

「楊貴妃ちゃん返事して!!」

「ハオハオ~…ユウユウは平気です」

 

手をひらひらさせながら無事を知らせる。

あれだけ派手に吹き飛んだのだが身体は無事であったのに対して粋怜は分からなかった。

 

(無事なのは良かったけど無傷なのは不思議だわ。もしかして彼女は華奢に見えて丈夫なのかしら?)

 

彼女が無事なのはスキルのおかげだ。そしてもう1つ彼女はスキルを発動していた。

 

「しかし見えないのはマズイわね」

「いえ、大丈夫ですよ」

「え、それって…」

 

どういう事かと続けようと口にしたかったか、その前に鬼の悲鳴が響く。

 

「グガアアアアアア!?」

「なに!?」

 

巨大鬼は見えないが、その巨大鬼がのたうち回っているというのが分かった。

見えないのに部屋の中で巨大鬼が何故か苦しんでいるのがまた不気味であったが、その理由が楊貴妃だというのもすぐに分かる。

 

「ふふ。どうやらユウユウの炎がメラっとやっちゃってるみたいですね」

 

楊貴妃のスキル『妖星の火輪A』の効果だ。

このスキルは彼女に火を纏わせる。そして彼女に触れた者を燃やすのである。

巨大鬼は楊貴妃を襲ったという事は彼女に触れたという事だ。であれば、巨大鬼は楊貴妃の炎に焼かれている。

 

「グガッ、ガアアアアアアアア!?」

 

見えていなくてもこれだけ楊貴妃の炎で苦しみ、悲鳴まで上げていれば場所はまる分かりだ。

 

「あそこに居ますね」

「ええ。見えないけどそこに居るのは分かる」

 

楊貴妃も粋怜も巨大鬼を補足。

 

「粋怜様」

 

楊貴妃は粋怜の槍に蒼炎を纏わせる。

 

「これは…いえ、助かるわ。これで決めてる」

 

ダンっと床を蹴って駆けだす。

相手は見えないが場所は補足した。後は蒼炎を纏った槍で屠るのみである。

 

「はあああああああああ!!」

 

燃えているせいか巨大鬼の身体の輪郭が微妙に見えてくる。

 

「狙うは首よ!!」

 

狙いに狂いはない。蒼炎を纏った槍は的確に巨大鬼の首を斬り落とした。

 

張角side

 

見えなくなった腕鬼に対して張角は部屋中に多量の札を展開させた。

 

「見えなく、堅いじゃと? そんなのワシの道術の前では無駄じゃ」

 

『腕の部屋』内で風が吹き荒れ、曇天が発生する。

 

「前にカルデアの記録で消えるような術は見たことがあるわい。なれば対処法も知っておる」

 

張角はゆっくり静かに浮く。

 

「なんと張角殿が浮いた!?」

「ほっほっほ。ワシの道術は薄っぺらいものじゃないぞい」

 

見えない敵であるがこの部屋にいる。それだけ分かれば十分だ。

後は張角の道術の数と広範囲で攻めれば良いだけであるのだ。

 

「はっはぁ!! 天候操作はお手の物よ!!」

 

ビッと何も無い方向に指を向けると『腕の部屋』中に嵐が発生した。全てを吹き飛ばす豪風に全てを焼き尽くす轟雷が見えない腕鬼を飲み込んだ。

 

「ほっほっほ。これだけやれば見えないのも関係無い」

「危ないじゃろー!!」

「安心せい。お主が巻き込まれないように操作しおったわい」

 

部屋の中で嵐を発生させた。この事実に雷火は張角を恐れた。

 

(まったくとんでもない爺じゃな。人間が嵐を起こすなんて聞いた事もない)

 

もしも彼が本当に黄巾党の首魁であったならば、過去に争った黄巾の乱はもっと酷く苦戦したかもしれない。

 

「黒焦げの鬼を発見じゃ。鬼退治は終了じゃい」

 

 

929

 

 

藤丸立香が浮雲の術中を無理やり壊そうとしている。既に李書文(槍)たちは鬼たちを倒した。

残りは今回の異変の黒幕である浮雲だけである。

 

「鬼は倒した。後は黒幕だけだ!!」

 

飛んで来た金属製の爪はある英霊の身体の一部だ。大きく鋭利な爪はどんな敵も引き裂き、押し潰す。

相手が鬼であろうと大きな貝であろうとも彼女の爪の前では無意味である。

 

「パッションリップ。宝具の発動を!!」

 

巨大な金属製の爪はロケット噴射するように速度を上げ、『貝の部屋』中を縦横無尽に跳び回る。それは隠れた貝を無理やり探し当てるようなものだった。

 

「蓮華さんはジッとしてて」

「え、ええ」

 

金属製の大きな爪はパッションリップの爪である。

令呪の一角を使用し、パッションリップの影を呼び出したのだ。下級鬼を倒し、黒山鬼をも倒した。

 

「宝具の発動を。死が二人を別離つとも(ブリュンヒルデ・ロマンシア)!!」

 

パッションリップの爪は『貝の部屋』中を縦横無尽に飛び回り、そして浮雲も捉えた。

 

「見つけた!!」

「大きな…貝?」

 

大きな貝こそが蜃であり、八傑衆である浮雲だ。

 

「な、なんだこの爪、うわああああああ!?」

「悪いけどアンタの幻はもういい」

 

藤丸立香を守るように現れたのはパッションリップの影。

 

(え、誰…?)

 

パッションリップを知らないので当然の反応をする蓮華。

 

「決めるぞリップ!!」

 

パッションリップは爪を腕に戻して構える。狙いは捉えた蜃である浮雲である。

 

一気に跳び、大きく開いた爪を閉じて蜃である浮雲を挟み潰した。

 

「ぐぎゃああああああああああ!?」

 

蜃気楼を生み出す貝は割れた。呉の城を覆った蜃気楼は消え、元の景色へと戻っていく。

 

「ありがとうリップ」

 

藤丸立香はパッションリップの影にお礼を言いながら撫でる。頭を撫でられた彼女の影は嬉しそうに消えた。

 

「終わったよ蓮華さん」

「……立香」

 

豪華絢爛の楼閣は消え、孫呉の城に戻る。

孫呉の城内にいた兵士や文官たちも解放された。李書文(槍)や冥琳たちも解放された。

異変は解決されたがこの後、色々と後始末がある。しかしその前に決めねばならない事がある。それは異変が起きる前に起きた山越族の反乱だ。

元々は山越族が攻めて来たというので、戦か話し合いかを決める評定であったのだ。

 

「皆のところに行きましょう」

「分かった蓮華さん」

「ねえ、立香…みんなの前に行ったら」

「みんなの前に行ったら?」

「私の横にいてくれないかしら」

「うん。いいよ」

 

藤丸立香が横にいてくれるだけで勇気が貰える気がするのだ。

蓮華は呉王として山越族の対処を決めなければならない。しかし今ならもう答えは出ている。後は皆の前で言うだけである。

 

「あの…手を貸してくれないかしら」

「もちろん」

 

藤丸立香が手を出し、蓮華が掴もうとした時に怒りの声が響く。

 

「ふざけるなぁあああああああ!!」

 

2人は怒声の方に身体を向け、警戒する。

 

「ふざけるなよ。ボクがこんなところでやられるか。ボクはこんなところで終わるような人間じゃないんだよ!!」

 

ボロボロの浮雲だが怒りと妖気を身体から発していた。

 

「蜃の別の力を見してやる!!」

 

浮雲の肉体が変化していく。今度は貝の姿ではなかった。

 

「蜃は貝の妖魔だが龍でもあるんだよ!!」

 

蜃気楼の語源ともなった蜃。

蜃は貝(ハマグリ)と龍の2通りの説があるのだ。

 

「龍は生物最強だ。貝の蜃よりも龍の蜃の力は強力だぞ!!」

 

浮雲の切り札である蜃龍変化。肉体が龍へと変化していく。

 

「龍となってお前らを…孫呉を全て喰らってやる!!」

 

藤丸立香は手に刻まれた二角目の令呪を発動しようとしたが蓮華が南海覇王を抜刀して駆け出していた。

 

「蓮華さん!?」

「もう…もぉいい加減にしろ!!」

 

南海覇王の柄を握る力が強くなる。

幻であるがもう一度、母親と姉を見せてくれた事は嬉しかった。敵が出した幻であっても嬉しかったという感情は嘘ではない。

ただ呉の行く末を邪魔するというのであれば容赦するわけにはいかない。呉を喰らう敵はこの場で斬り捨てる。

 

「お前は我が孫呉に邪魔だ!!」

「孫ぉ権んん!!」

「お前が龍だろうが関係無い。斬る!!」

 

浮雲は蜃龍へまだ完全変化していない。不完全な状態であれば龍であろうとも脅威ではない。

不完全であるが浮雲は蜃龍の尾で蓮華を薙ぎ払おうとするが回避される。

 

「なに!?」

「はあああああああ!!」

「や、やめ!?」

 

南海覇王を力の限り振るって一閃。

 

「い、嫌だ。ボクが…こんな所で終わるなんて。ボクはあんな惨めな…ボクになりたくなかったの…に」

 

最後の八傑衆である浮雲は蓮華の一閃によって倒れた。

 

「孫呉は私が守る!!」

 

敵を斬り倒した蓮華の姿はまさに呉王であった。

 

(蓮華さんはやっぱり炎蓮さんの娘で雪蓮の妹だよ)

 




読んでくださってありがとうございました。
次回の更新も未定…(でもお盆くらいには更新したいと思ってます)


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反撃開始。
蜃の対策はFGOでもありましたね。
まさに広範囲攻撃で攻めました。ある意味、脳筋戦法と言えるのかな?

包の必殺技
『黒点光爆』。これは天下統一伝のものです。

陳宮の呂布に対する自爆宣言。
とにかく自爆すればモーマンタイ。

楊貴妃や張角たちも色々とスキルや技を考えて鬼たちを攻略しました。

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爪いついて。
感想欄でもありましたが…はい、パッションリップ(影)でした。
あのロケットパンチがカッコイイんです。

パッションリップの影を見た蓮華。
本編には書きませんでしたが…蓮華もやっぱりお胸に視線がいきました。
それについてはいずれ何処かで書こうかな。

蓮華は炎蓮や雪蓮と性格が似ていないけれど…やっぱり家族なんですよね。


次回で『最後の八傑衆』編は終了です。
その後はまた幕間でも書こうと思ってます。

そんでもって幕間が終わったら、魏の方を書くか、それとも呉と蜀の同盟の話か…またまた別かですね。
そろそろ『赤壁の戦い』編が見えてきました。

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