Fate/Grand Order 幻想創造大陸 『外史』 三国次元演義   作:ヨツバ

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こんにちは、こんばんは。
何とか18日までに更新できた…まあ、今回の話は短いですけどね。

FGOの夏イベント。今回でついに彼が登場。彼女も登場し、これからの物語にワクワクが止まりません。



三国怪異乱戦③

1042

 

 

無双の塔 中層階にて。

 

「幻獣の階」という部屋に到達。部屋に入ると猿の鬼が鎮座していた。

 

猿鬼の名は「白川」。武田信虎の飼い猿で、凶暴な猿鬼である。

 

「大きな猿だな」

「不気味でもある」

 

白川は愛紗たちが来ても驚かず、静かに鎮座したままだ。

 

「畜生なぞ敵ではない!!」

 

夏侯惇が剣を振るって白川を切断しようとしたが不可能だった。

 

「な、手ごたえが無い」

 

彼女のは白川の身体を透き通ったのだ。

諸葛孔明の目から見て夏侯惇の剣撃は白川に接触していた。しかし切れておらず、そのままだ。

まるで立体映像に触れたように状況であった。

 

(幻獣の階……そのままの意味か?)

 

文字通りであれば白川は幻術を使う猿鬼だ。

そうであれば既に諸葛孔明たちは部屋に入った時点で幻術に嵌ってしまった事になる。

 

「李書文殿」

「技法…圏境」

 

李書文(槍)が目を閉じて気を使い、周囲の状況を感知。

幻術に嵌って視覚が騙されている。もしかしたら他の五感も幻術に嵌っている可能性がある。ならば第六感といった別の能力を頼るしかない。

李書文(槍)の場合は気の流れを読み、敵の本当の居場所を察知する。

 

(敵は……)

 

部屋はそこまで広くない。白川は幻術を使って李書文(槍)たちから姿を消しているだけだ。

この部屋に居る事は違いない。見つけさえすれば倒す事は可能である。

 

「むっ…愛紗、焔耶よ後ろだ。武器を振るえ!!」

 

李書文(槍)の言葉に愛紗と焔耶は瞬時に背後に向かって武器を振るった。

 

「ギャギャ!?」

 

手応えあり、傷を負った白川は本体を姿を現す。

 

「幻術が解ければこっちのものだ」

 

トドメを刺す為に焔耶が鈍砕骨を振るおうとするが白川が叫んで消えた。

 

「消えた!?」

「消えてはいないぞ焔耶。また幻術で見えなくなっただけだ」

 

諸葛孔明が周囲をキョロキョロと見渡す。

 

(また幻術にかかったのか…奴の幻術が強い。いや、この部屋自体が奴の陣地みたいなものか)

 

敵の陣地にいる事は敵の掌にいるようなものだ。

 

「ここは私の出番だな」

 

諸葛孔明は床に手を置く。

 

「孔明殿 何を?」

「ここはいわば敵の仕掛けた結界内だ。その結界を私が崩す」

「そんな事が出来るのか?」

「ああ、しかし時間がかかる。それまで時間を稼いでほしい」

 

諸葛孔明の術で白川を完全に炙り出す。

 

「任せろ」

「急げ孔明。早く奴を倒して上に向かわねばならんのだぞ」

「ならば先に向かうぞ夏侯惇」

 

部屋は白川によって幻術にかかっている。見えている物が全て幻覚で、今まさに見えている上へと登る階段も幻覚もしれない。

 

「上に登るだけなら簡単だ」

 

李書文(槍)は目を瞑ったまま気を読んでいる。上より大きな気を感知。

気の流れのみで向かう先を決定。李書文(槍)は跳んで蹴りを叩きこむ。

蹴りを叩きこんだ先は天井。

 

「階段を律儀に登らんでもいい。上に登るならいくらでも方法がある」

「おお、頭良いな李書文」

「…なるほど。合理的」

 

李書文(槍)の行動に夏侯惇と徐晃が尊敬の眼差しを送った。

 

(脳筋じゃないか…)

「やるな李書文!!」

「私もまだまだ頭が堅いな。流石は李書文殿」

 

焔耶と愛紗も尊敬の眼差しを送っていたというか、勉強になっていたようだ。

 

(ここにいるの全員脳筋だった)

 

上層階へと登ったのは李書文(槍)、夏侯惇、徐晃。

中層階に残り、白川討伐は諸葛孔明、愛紗、焔耶の3人だ。

 

「我が陣地が完成すれば敵なしだ」

 

 

1043

 

 

蜀陣営 星・鈴々たちが受け持つ戦場にて。

彼女たちは鬼の大群にいる隊長格である中級鬼たちを屠っては戦線を守っている。しかしここで戦の流れが変化する。

それは上級鬼が参入された事だ。鎧と笠を纏い、槍を持つ大きな鬼。

 

「グオオオオオ!!」

 

上級鬼の槍捌きは力任せではない。槍の使い方を知っており、達人と同等といってもおかしくない。

 

「こいつさっきまでの奴らと違うのだ」

「ああ、私の槍捌きをいなしている。油断出来ん相手だ」

「でも鈴々と星の2人でなら、負けないのだ!!」

 

上級鬼は強い。しかし強いからといって弱気になる必要はない。

星も鈴々も強者であり、力を合わせれば上級鬼も倒せる。

 

「力を合わせたいが…どうやらまた敵が現れたようだぞ」

 

ぞろぞろと骨の兵士たちが鬼の大群の中から出てくる。先頭には赤黒い骨の兵士が骨剣を持って、歩いている。

赤黒い骨の兵士の正体は狂骨である。呻いているが何を言っているか分からない。

 

「骨の兵士なのだ」

「鈴々。向こうを頼めるか」

「任せろなのだ」

 

星が槍の上級鬼と戦い、鈴々が狂骨と戦いに入る。

 

「グルルル」

「さっさとコイツを倒さねばならんな」

 

星は呼吸を整えて構え直す。

 

「グルルラララララララ!!」

 

槍の上級鬼は連続の突きを繰り出す。

 

「突キ刺ス 突キ刺ス 突キ刺ス!!」

 

一刺し一刺しが強力で、直撃すれば風穴が空く。

星は敵の槍捌きを紙一重で回避していき、敵の隙を見極めていく。

 

「奴の隙は…!!」

 

槍捌きは達人級であるが、達人であっても隙は出来るものだ。その瞬間を星は回避しながら待つ。

 

「グオオオオオオオオオオオオオオオ!!」

 

咆哮と共に槍の上級鬼は一撃必殺の一刺しを繰り出そうと大きく振りかぶる。その瞬間こそ星が待ち望んだ隙である。

 

「今だ!!」

 

上級鬼が槍に妖気を込めるよりも先に星は気を練る。星の業物である龍牙を瞬時に上級鬼の両腕を突き刺した。

 

「グオオ!?」

 

上級鬼の手から槍が落ち、星は顎を蹴り上げる。そして大きく隙が出来た時、高く跳び上がった。

 

「喰らえっ。白飛龍・涯角槍!!」

 

全身を蒼い気で包んで龍牙を上級鬼目掛けて急降下して穿いた。

 

「この技は華蝶仮面用であった…いや、私の勝ちだ!!」

 

槍の上級鬼は灰のように崩れて消えた。

 

「さて、すぐにでも鈴々の援護に」

 

星は鈴々の戦況を見るとまさに戦闘中であった。

 

「うりゃりゃりゃりゃ!!」

 

鈴々が丈八蛇矛を連続で振るう。相手の狂骨は骨剣を振り回して応戦する。

 

「こいつ素早いのだ」

 

狂骨は骨の怪異。肉も内臓もない存在で余分な重さはない。

そもそも戦うような怪異ではないが、戦えるように改造した。骨の身体で動く狂骨は素早さで敵を攪乱し、骨剣で斬り殺す。

カシャカシャと素早く動き骨剣を鈴々に振るう。

 

「うにゃああ!?」

 

感情も何もない骨の兵士。しかし鈴々は狂骨から悍ましい程の怨念を感じている。

 

「こいつ…なんだか怖いけど、負けないのだ!!」

 

鈴々は気を練り上げる。そして解放させて狂骨を蛇矛で滅多打ち。最後の振り下ろしで気を爆発させて狂骨をバラバラにした。

 

「必殺。蛇矛一念!!」

「おお、やるな鈴り…後ろだ!?」

 

星の叫び声に鈴々は急いで横に跳んだ。立っていた所に骨剣が地面に突き刺さったのである。

必殺技で狂骨をバラバラにした際に運悪く落ちてきた物ではない。意志を持って鈴々を突き殺そうとした物だ。

狂骨はまだ倒されていない。バラバラになった骨は意志を持って集まって元の形に戻ろうとしていく。

 

「うにゃ、不死身なのか!?」

 

狂骨は元の形に戻ったかと思えば違った。狂骨は他の怪異や鬼の骸も集めて吸収し、大きくなっていく。

 

「な…大きっ」

 

狂骨は本来の大きさよりも巨大になっていく。

 

 

1044

 

 

呉の陣営 拠点にて。

 

「粋怜さまと梨晏さんたちが敵将と交戦中です。敵は竜巻を生み出す武器を持っているそうで~!!」

「見えている」

 

穏の報告に冥琳は粋怜たちが戦っている戦場を遠くから実際に見て、冷や汗を垂らす。

百聞は一見に如かず。戦場に竜巻が発生して呉の屈強な兵士たちを巻き込み、吹き飛ばしていく。

敵は自然災害を生み出す鬼である。ほぼ自然災害と戦っているようなものであるが、人間が自然災害に勝てる確率は少ない。

 

「竜巻を生み出すってどんなですか。ありえないでしょ!?」

「五月蠅いぞ包 今は敵を倒す策を考えんか。今だけはどんどんと策を出す事を許可するぞ」

 

敵は強大だ。背水の陣で戦っている状況の中、いくらでも有効な策は欲しい。知恵があるならば絞り切ってでも出すべきだ。

 

「あ、あの。私が援軍として向かいます!!」

「亞莎 頼む」

 

竜巻によって呉の兵たちは吹き飛ばされ、粋怜たちが危険かもしれない。援軍が必要なのは確かだ。

 

「亞莎さん。行ったところで竜巻に吹き飛ばされるなんてオチにはならないでくださいよ」

「包。もうちょっと言い方ってもんがあるじゃろ」

「心配して言ってるんですけど」

「本当に言い方というもんがあるじゃろ!!」

 

包の言い方は置いておいて、援軍を死軍にさせない事は確かだ。

 

「は、はい。絶対に粋怜様たちを助けに行きます!!」

 

いざ援軍として向かおうとした瞬間に兵士達より緊急連絡が伝えられる。

 

「あ、新たな敵軍が現れました!!」

「何だと!?」

 

新たな怪異が呉の拠点に出現する。

不気味な暗い青色の肉体に四本の腕。深海魚のような顔で、口が大きく牙が鋭く、舌が異様に長い。

見ただけで相手を恐怖に染めるような怪異だ。

 

「な、何だコイツは…」

 

この怪異の正体は屍食鬼。更に、ただの屍食鬼ではなく上位の屍食鬼である。

 

「コルルルル」

 

深海魚のような大きな口を広げ、涎をダラリと垂らす。それだけでも人の恐怖を増長させる。

四本の腕を広げ、これから捕まえて捕食してやるというのが嫌でも分かってしまう。

 

「キュルルアアアアアアアアアアアアアアアア!!」

 

耳を塞ぎたくなる程の奇声が屍食鬼の口から発せられる。

これは屍食鬼の「狂乱の叫び」である。

 

「うぐっ…」

「耳が…身体が軋むような!?」

 

屍食鬼は相手が動けなくなったのを見て瞬時に駆け出す。狙いは部隊を指揮する亞莎だ。

誰を狙えば軍の士気を大幅に減らすかをこの屍食鬼は知っている。呉の指揮者を1人でも頭から食い千切れば士気は大きく落ちる。

 

「キュルアアアアアアア!!」

「まずい亞莎逃げろ!!」

 

屍食鬼の動きが早く、亞莎の目の前に到達。深海魚のような大きく開いた。

 

「八極拳 通天炮!!」

 

誰かの拳が屍食鬼に打ち上げた。その誰かとは八極拳の達人である李書文(殺)。

 

「グギャ!?」

「殺す技を当てるが……死ぬなよ?」

「老書文さん!!」

「いや、そこは殺してくださいよ」

 

李書文(殺)は黒眼鏡を外して屍食鬼を鋭く睨むのであった。




読んでくださってありがとうございました。
次回の更新は2週間以内を目指します。


1042
李書文のスキル「圏境」
気を読むという事も出来そうと思って、本編に書きこんでました。

無双の塔 中階層では孔明先生と愛紗、焔耶が残って白川と戦いになります。


1043
星・鈴々VS上級鬼・狂骨との戦いです。

「白飛龍・涯角槍」と「蛇矛一念」は天下統一伝であった技となります。

狂骨はFGOでいうスケルトンキングをモチーフにしてます。
能力はオリジナル設定も加えて活躍します。


1044
呉の本拠地では屍食鬼が襲い掛かりました。
この怪異はFGOのエルダーグールをモチーフにしてます。

李書文(殺)の八極拳は炸裂します。そして亞莎の功夫も!!
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